• 在宅での酸素療法にかかる費用は?
  • 酸素療法による看護する上での注意点、副作用は?

在宅酸素療法ときいて耳慣れないかもれませんが、在宅でも外出時も酸素を吸いながら生活している患者は高齢者を中心に多いのです。

在宅での酸素療法の費用は?

平均、メーカーによって誤差はあるものの、ひと月23040円です!(3割負担の場合)と7560円(1割負担の場合)

 

これを酸素メーカーに支払うのではく、患者が出入りている総合病院(総合病院で扱うのが一般的)に毎月診察代の他、この酸素代も払うのです。

 

それに患者それぞれの持病の薬代もかかると大変な出費です。もちろん、保険が効いた上での費用です。

 

街でたまに見かける細長いカート

患者が外出用につかっている濃縮酸素ボンベが入った黒やシルバーなどの細長いカートです。

 

患者はそのカートからチューブ(カニューレ)をつなげて自分の鼻に取り付け酸素を吸いながら歩行します。

 

なぜ酸素が必要なのか?

患者がある病気の進行によって自発呼吸だけでは、体内の酸素が平常値まで至らない場合、酸素を外から補ってあげることが必要です

 

酸素センサーは内科などでは人差し指にドクターがはめて2秒くらいでわかります。

 

血ガス(けつがす=体内酸素飽和度)を図る

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ほかに、動脈注射をドクターにしてもらい測るものがあります。

これはずんっとした痛みが患者に伴いますが看護師でなくドクターが注射するものと決まっています。

 

なぜ、指のセンサーではだめかというと、こういった在宅酸素療法患者は障害年金を受け取っているため2年に一度、社会保険事務所に現在の病状の診断書をドクターが書かなければなりません

 

そのため、そういう時は正確な体内酸素のデータが必要になるため、動脈注射での測定が必要になります。

 

在宅酸素療法患者はどんな人が多い?

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肺疾患の患者が、一番多いです。

特にタバコを止めらえず肺気腫になってしまった患者が多いですが、他に肺の疾患は様々あり、進行性難病の肺疾患であれば酸素を補足する必要になってきます。

 

他に心臓疾患の人も心臓が弱くなると、十分に体内へ血液を通して酸素を送れなくなるため酸素を外部から補足して吸います。腎臓疾患の人もたまに、在宅酸素療法をしている人がいます。

 

酸素は大気中からも吸引する

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誤解のないようにお話します。

カニューレを付けている人はその酸素だけで生きているのではありません。

 

鼻の孔に入れるといえ、チューブの先端は細いので、大気中の酸素もいただいています。

 

在宅酸素療法の患者の生活ってどんなもの?

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患者の持病の重さによって違います。

加齢により寝たきりになって心臓も悪くして酸素をカニューレで吸いながら一日を過ごす人は、自分の身の回りのこともなかなかできません。ヘルパーや家族の世話になりながら暮らしています。

 

比較的病状も深刻でない患者は外出も

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酸素カートを押して酸素を吸いながら友人とランチ、美術館へ、買い物へ、図書館へ、人によっては旅行も行きます。

旅行はかなりアクティブでないと実現しません。事前に酸素ボンベの予備や室内で使う酸素マシンを旅行先に業者が先回りして設置してくれるのです

 

自分がマシンはいいよ、といっても、業者は「ダメです。吸ってください。」と言ってきます。

 

日帰りドライブなら、予備のボンベを車内において、ドライブを楽しめるので快適です。これも家族の助け有っての実現ですので、患者も家族に感謝です。

 

在宅での酸素マシンってどういうもの?

酸素濃縮器と正式には呼びます。旅行のトランクケース大のものです。電気で動いています。大気中の空気を吸い込み、酸素だけをチューブに送ります。

 

20メートルほどの太いチューブの先に頻繁にとりかえていいカニューレのついた細いチューブが接続されています。細いチューブは一か月もすれば硬くなるので新品と交換するのです。

予備のカニューレも予備のボンベも注文すればもってきてくれます。患者一人あたり、酸素ボンベ予備数は5個くらい。

 

酸素ボンベ

ボンベはカートにいれて吸う大切な命綱ですが、いかんせん、重たいのです。

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ボンベは鉄では出来ていません。強力な合成樹脂です。

それでも、3,5キロくらいから~大きいものですと5キロ代、それにカートの重さが加わるので、それで道中を歩くのは重くてしんどいものです。

 

それでも欠かせないボンベ

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自発呼吸が低い人なら外出は重たくとも欠かせないものなのです。

まだまだ、世間で一般的に認知度がなく、障害者であることも理解されていません。それなので、電車にのっても席をゆずってもらえないこともあります

 

カニューレをしている人を見ても退院したての人なのかな?くらいしか思わない乗客もいます。身内におじぃちゃんが吸っていた、という人ならばすぐ、「この人は障害者なんだ」わかり席もゆずってくれるのですが。

 

酸素ボンベは何時間もつの?

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ドクターから指示された通り、の量、2リットルとか3リットルとか指定されます。

動作時3リットル、安静時2リットルという風に。その患者の吸う量によってボンベの中の酸素の減り具合もちがってきますので、違いはあります。

 

短いと3時間くらいしか持たない場合もありますし、長いと6時間くらいもつこともあります。帰宅して、空になったボンベはボンベ業者に連絡すれば取りに来てくれますし、予備に自宅につねに4,5本はボンベがあるので、早速、ボンベの交換をします。

 

賢いレギュレーター

酸素ボンベからスースーと酸素が流れっぱなしであれば、すぐボンベの酸素はなくなってしまいます。ですから、酸素節約器のレギュレーターが活躍するのです。

 

酸素を吸ったときだけ、弁が開き、ボンベの酸素を送る、患者が息を吐いている間は酸素が漏れ出さずに節約できます。ボンベの上にこのレギュレーターは設置されていますが、乾電池単三6本で動いています。

 

停電時に酸素マシンが稼働しない

すぐ予備のボンベを取り出し酸素カートで酸素を吸いながら、ボンベ業者へ連絡します。

 

大災害の時は業者から連絡がいくかもしれませんが、患者自身に電話がつながるかといえば電話もパンクするので、患者は早めに避難所や病院へ避難したほうがいいのです。

 

他に液体酸素の外出用もある

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液体酸素もありますが、普及していません。

ラジオデッキくらいで肩からかけることができるものですが、安全性が弱いため、どこの病院でも液体酸素の業者と契約する例はとても少ないのです。

 

男性に外出人数が多い

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重いボンベですから当然、外出が億劫になる女性患者。

力がないと重いボンベは引きずれないため、病院へ行くときなど最低限の外出になりがちな女性にくらべて男性は腕力があるため、街角でたまに男性の酸素ボンベカニューレ姿を見かけたという人もいるかと思います。

 

またタバコの吸いすぎの肺気腫の末、酸素生活になってしまったケースが多いため男性患者が元々多いのです。他には間質性肺炎の患者の中には酸素生活を送っている人が比較的多いのです。

 

酸素生活での注意点や副作用はない?

患者を看護する場合でも、自分で管理する上でも酸素療法生活においての留意点はなんでしょう。

火気厳禁

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酸素に火は絶対近づけてはいけません。

酸素をカニューレで吸いながら、ドクターから厳しく止められているたばこに火をつけてしまったケースでは、死亡事故がおきました

 

また患者自身が料理するときは、ガスの火からは1メートル以上離れて料理することもドクターや酸素ボンベ業者に言われます。

 

また、キャンドルが多くともるクリスマスの時期、そこを通りかかるときも用心。居酒屋ではまだ全面禁煙になっていませんので、そこで飲むときは、隣の席の人がライターをピッと付けてしまうと、大変、危険です。

 

もっとも居酒屋でわいわいなどといった元気のある人が酸素を補足して生活しませんのでこういった火の気のあるところには足を向けなくなるのです。

 

酸素濃縮器の大気中の吸い込み口の手入れ

酸素マシン(酸素濃縮器)の大気中の吸い込み口の網の手入れ。

カード状に取り出すことができるので、よくその網は水で洗い乾かし、予備の網を入れておくことが望ましいです。すぐにほこりがたまりやすく不衛生なのです。

副作用はない?

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2年で酸素がとれる人は稀です。

たいてい慢性肺疾患にかかっているため長期にわたって酸素を吸い続けます。

 

「肺にガスがたまる」という医療業界でいうところの表現ですが、肺に長年酸素を送り続けていると二酸化炭素を十分外へ吐き出せておらず、肺に二酸化炭素がのこり、いわゆる ガスがたまる  状態に陥る患者もおおいのです。

 

患者が苦しみを訴えるのでドクターの方で色々調べてくれて、ガスがたまっていますよ。と教えてくれます。

 

ガスがたまったら?

寝るときにダースベーダーのような口周りに器具を付けて、それでもって肺の中の二酸化炭素(ガス)を排出するようにします。

 

人は生きている限り、酸素と二酸化炭素を交換しているので、排出を繰り返してもしきれず、毎晩このダースベーダーのような器具をつけて寝なければなりません。患者にとっては慣れるまでは中々、眠れないものです。

 

このように、在宅酸素療法で暮らす患者は、自宅であればチューブが足に絡み歩きづらい、お風呂の時も必要な患者ならば、シャンプーの液体が鼻にはいり沁みてしまう。一戸建てなら2階に上る体力もないので1階部分暮らしとなります

 

患者同士が集まる患者会も高齢化とともに激減しています。本来ならば同じ境遇の患者と患者が互いに交流してこそ、生きていく勇気も湧いていくものなのです。