カトリック信者同士はよく離婚できないと言われています。
それは新約聖書の中に「キリスト者(クリスチャン)は離縁してはならない」と書かれているからです。
結婚される方々は誰しも、最初から離婚・再婚なんて考えてはいないとは思いますが、禁止されていると聞くと何かと不便に感じてしまいますよね。
コチラのブログ記事では、カトリック教徒の間での再婚・離婚事情についてお伝えしていこうと思います。
カトリックは離婚・再婚できない?
プロテスタントに対してカトリックは聖書の律法(教え)を忠実に守ろうとするため離婚する事になると厄介ですが離婚はできます。
ただその教会には居づらくなります。こと教会で結婚式を挙げて神様に永遠の愛を誓っている場合は離婚というのは有りえないというのがカトリック教会内の常識です。
しかし何より日本国憲法では誰しも離婚を禁止されていないですよね。
カトリック教会という集団の中での取り決まりであっても、その前に日本人であれば離婚も再婚も可能です。
前述したように離婚すれば周りの信者で非難してくる人もいるので教会に居づらくなることは覚悟しておいたほうがいいでしょう。
教会で結婚式をあげるか考えるべき
例えば式などあげずに入籍だけで済ませている信者の場合は、教会内での風当たりは若干弱いですね。
そのため、カトリック信者は結婚を決意する時よくお二人で考えることを勧めます。
結婚したいお二人が離婚について話し合うなんておかしいかも知れませんが、離婚したらもうその教会には居づらくなること、教会内で軽蔑されるなどありますので覚悟して結婚することです。
元々カトリック教会生活が長い方は聖書の教えを厳しく守る教会の在り方に賛同しているので、結婚する時もお互い末永い結婚生活を熟慮しています。
カトリック教徒でも離婚したら?
その教会にはかなり居づらくなりますので、他のカトリック教会を探されて移るか、もしくは教会そのものから離れるかですね。
離婚してしまったら、今までの生活とは一変してしまうので、もう一度、冷静に教会生活を続けるか否かを考える転機でもあります。
新たな再婚を目指して
カトリック信者も再婚はできます。
恋人になってくれたお相手がノンクリスチャンであれば今後その彼氏、彼女に自分がクリスチャンであることをカミングアウトしなければなりません。
それに対して、理解を示してくれる人と「宗教にはまっている人」はちょっと、という人がいます。
理解を示してくれる人と出会いお付き合いできて結婚の話がでれば、躊躇することなく新たな人生にチャレンジしてみましょう。
お相手が教会まで参列してくれる(礼拝にでてくれる)方なら幸いです。そこでまた新たな教会でクリスチャンとしての生活が送れるのですから。
お相手が「自分は教会まではちょっと。」という時は お相手との休日の都合もありますが、日曜日が休日だった場合、教会へ通うことは諦めなければならないかもしれません。
カトリック信者同士での再婚の場合
カトリック信者同士で恋人の再び恋仲になる事は中々無いケースではありますが、それでもそういったカップルは居ます。
一度離婚すれば本人は罪悪感をどうしても自分に抱いてしまう為、次の恋へなかなか進めないものなのです。プロテスタントに比べると離婚した自分を責める度合いはとても強いのです。
それでも教会を変えていいお相手ができたなら、お相手に自分は離婚歴があると正直に言わなくてはなりません。
内緒にしていても戸籍をみれば結局分かってしまうことなので、言わざるを得ませんね。お相手はカトリック信者。
そうなればやはりまた、ここで聖書が登場します。新約聖書の中に「離縁したものと一緒になることは罪」と書いてある箇所があります。
敬虔な信者であればそこでアウトですね。聖書の教えに従って生活する道を中心にしているのですから、たとえお相手が好きでも離縁しているのであればそこで再婚の道も途絶えてしまいます。
しかし、人間も様々。お相手が敬虔なカトリック信者という事なら「婚姻という形に最初から拘らなくて、事実婚から始めましょう。」と説得することもできます。
聖書の時代、そう2000年以上前は事実婚というものは無かったのですから盲点です。
さらなる試練!親御さんの反対など
そうです。カトリックの場合、幼児洗礼といって2、3歳まで位に親が子供を洗礼させます。
子供はまだ物心がついていない時なのですが、親がカトリック信者であれば子供の洗礼を授けてしまいます。
クリスチャンファミリーの中で育てた子供なので、離婚や再婚に関しては双方の親が何かと反対してきます。
それを説得するのは日常よくある結婚を親に反対されて・・・、というのとは少し違い、すべて神様(神の子イエス様)を通しての話し合いになるところです。
神様を介しての再婚について親御さんへの説得
クリスチャン同士、または片方がノンクリスチャンのカップルの場合でもカトリックの親御さんは再婚に関しても敏感になっています。
ですから、きちんと3者で面談する方がいいですね。やはり親御さんの承諾を得て幸せになりたいですからね。
まずお祈りから入りましょう。ノンクリスチャンの方はお祈りの方は周囲に任せていいのですよ。
神様へのお祈りが終わってから話し合いです。クリスチャンは何か大切な決断をする時、神様にお祈りをしますので神様を介した話し合いが重要なのです。
カトリック信者で離縁した方がお相手の親御さんに説得をしなければなりません。離縁したいきさつや、新しいお相手との再婚への堅い気持ちなど誠意をもって伝えるのです。そして神様に誓うのです。これが重要です。
何か書面を書く必要はありませんが神様不在の話し合いはクリスチャンでは御法度ですからそれは罪にあたります。大事な決断の時は殊更お祈りを欠かさず話し合いを持ちましょう。
カトリック・キリスト教国イタリアでは離婚できる?
イタリアでは数十年前まで法律でカトリック信者は本当に離婚禁止でしたが、現在では法律上、離婚は認められています。
しかしカトリック教徒が多いこの風土では離縁した者たちは今だに周囲から白い目で見られてしまいます。軽蔑もされます。
それは現在でもお年寄りを中心に根強く残っている観念です。
それに加えてイタリアは家族同士のお付き合いをとても大切にします。ですから離縁したら家族もまるごと失うわけでして、踏んだり蹴ったりなのです。
日本人に生まれて良かったですね。もし、好きになった彼氏、彼女がイタリア人でカトリック信者だったら結婚を意識した場合よく考えましょう。
いずれにせよ、カトリック信者の離婚・再婚は後々が大変なのでよくよく考えて夫婦二人でできれば離婚せずに乗り越えていく道を探るのがベストですね。
日本のクリスチャンについて
カトリックというとなんだか堅苦しいというイメージを抱きそうでそういった信者と結婚するのはちょっとなぁ、と思われる人もいるかもしれませんね。
しかしカトリック信者と出会う確率は少ないです、カトリック教会同士で信者が出会い結婚まで至るケースはありますが、まず何より日本のクリスチャン人口が全人口の2パーセントと少ないのです。
また、教会生活から一定期間、仕事、転勤、育児などで忙しくなり離れてしまうクリスチャンもかなり多いのです。
しかし再び子育てが一段落した、仕事が忙しくなくなったなどと落ち着き始めて教会に戻るパターンもあります。
カトリックに限らず、教会はいつでもキリスト者(クリスチャン)を待っていますのでブランクがあっても神様は喜んで迎えてくれるのです。
このようにカトリックに限らずクリスチャンとの結婚生活が始まれば、食前の祈りやら教会生活やら聖書を家で読むなどなど。
ノンクリスチャンには目がパチクリすることばかりですがパートナーの言うように従えばいいのです。
そしてお互いが神様の慈愛に満ちた幸せな再スタートを送れればなによりですね。
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