日本で初めてエイズ患者が発見されたのが1985年です。

当時、エイズは「死」のイメージでしたが、今はエイズの免疫に対する研究も進み、母子感染を抑える治療法や抗HIV薬といった開発にも成功しています。

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しかし、現在の医療技術では未だエイズを完治することはできません。

ここでは、HIVに感染する確率や主な症状、また、HIVを予防するコツについてご紹介したいと思います。

日本のHIV感染者とエイズ患者は24000人以上

日本のHIV感染者とエイズ患者は、併せて24000人以上であると言われています。

 

しかし、ここ15年のうちに、HIV感染者は200万人に減少しています

 

HIVとエイズの違いについて

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HIV感染者とエイズ患者は、なぜ呼び名が違うかご存知ですか?

HIVは、人免疫不全ウィルスというウィルスです。HIVにはⅠ型とⅡ型があり、日本で拡がっているのはⅠ型です。

 

HIVは病名や症状とは違う為、HIVに感染しただけの場合はHIV感染者と呼ばれています。

 

HIVに感染後に指定疾患になるとエイズ

エイズは「後天性免疫不全症候群」と呼ばれ、健康な人でもウィルスや病原菌に侵されてしまう可能性が高い病気です。

 

エイズは、HIV感染後、10年という長期間の潜伏期間を経て発症します。

 

HIV感染の初期症状

HIVに感染してすぐは、特に症状はありません。

 

感染後2週間ほど経過すると、HIVが増殖し、インフルエンザと同じような症状が発生します

 

症状は数日~数週間で完治しますが、人によってはリンパが腫れたままのこともあります。

HIVに感染した場合の初期症状
  • 鼻水や咳
  • 発熱や喉の痛み
  • リンパ節が腫れる
  • 頭痛
  • 体重が減る
  • 皮膚に発疹が出る
  • 汗をかく
  • 口腔ヘルペスができる

 

HIVの感染経路

 

HIVは非常に感染力が弱く、空気感染することはありません。

日常生活を送る中でも、汗や涙、そして皮膚から感染することもまずありません。

しかし、HIVの感染力が高まるのは、その病原体が身体の中にいる時です。その為、HIVは、身体の粘膜や血液を介して感染します。

 

感染経路としては、性行為、そして血液、母子感染の3つとなります。この中でも、性行為によるHIV感染は80%以上も占めているのです。

 

性行為によるHIV感染

HIVの感染源として最も最多であるのが性行為であると言われています。

 

女性は膣粘液を通し、男性は性行為中の細かい傷からHIVに感染している精液や膣分泌液が身体の中に侵入することで感染してしまいます。

 

アナルセックスやオーラルセックスであっても、HIVを含む体液が粘膜を通じ、非感染者へと感染してしまいます

 

男性同士の性行為についても、腸管粘膜から精液に含まれるHIVが入り込むことでHIV感染リスクは高くなります。

 

血液によるHIV感染

覚せい剤や麻薬摂取時に、注射器等を共有するような行為により、HIV感染が起こります。

 

出産時による母子感染

HIV感染後に妊娠が分かった場合など、出産時の産道感染・母乳による感染が起こります。

 

母親が自身がHIVに感染していることに気付かぬまま出産した場合、その感染率は30%であると言われています。

 

妊娠初期にすでにHIVに感染していることが分かっていれば、出産時や産後に母子感染を予防することができ、感染率を0.5%にまで下げることが可能なのです。

 

HIVの予防方法

 

エイズは死亡に至るということは減少傾向にあるものの、HIV感染はあなた自身が予防しなければなりません。

その為、他人事であると思わず、自身の身体は自分で守ることができるよう、感染予防を心掛ける必要があります。

性行為の時にコンドームを使用する

異性であれ同性であれ、性行為を行う時はHIV感染の原因となる為、必ずコンドームを使用しましょう

 

コンドームを使用することで、HIV感染以外にも、他の性感染症を予防する効果があります。

 

女性は必ず相手にコンドームの使用をお願いできるような関係作りを行うべきです。

 

オーラルセックスの際も、感染を防ぐためにコンドームの使用は必須です。日本のコンドーム使用率と言うと、実にわずか42%という低さです

 

これを知った方は、性行為の際のコンドームの必要性について、改めて考えるようにしてください。

 

薬物はしないこと

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薬物は注射器具を使用します。

注射器の使いまわしがHIV感染の原因となる為、何があっても薬物にだけは手を染めないことが大切です。

 

母子感染を予防する

妊娠により母子感染を防ぐには、妊娠初期の段階で早期にHIV感染を発見することです。

 

妊娠初期でHIV感染が疑われても、適切な感染予防対策を行うことで、母子感染を防ぐことができる時代となっています。

 

迷わず妊娠初期のHIV検査は必ず受けるようにしましょう。

 

日常生活で気を付けること

  • タバコやアルコールは控える
  • 出血するような軽いケガは自分で手当てする
  • 市販薬を服用する場合は医師に相談すること
  • 日常生活の中で血液がつきやすいようなことがある場合は細心の注意をはらう
  • 薬の飲み忘れに注意すること

 

HIV感染について専門家に相談

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HIV感染した方は、治療や病状について一人で抱え込み悩む方も少なくありません。

その為、パートナーや家族にさえ自分の悩みを打ち明けることができません。

 

そのような時は、医療機関の専門家であるカウンセラーに相談してみると良いでしょう。病気に対する正しい知識を知ることもできます。

 

まとめ

いかがでしたか?オーラルセックスでHIVに感染する確率と、その症状や予防のコツについてご紹介しました。

HIVの潜伏期間は10年という長い潜伏期間を経て発症すると言われています。

しかし、HIV感染しているということが分かれば、非感染者に感染させることを未然に防ぐことができます

 

また、性交渉での感染の確率が非常に高いことを踏まえ、性交渉時やオーラルセックスなど、必ずコンドームを使用することを守ってください。安易に考えることで、HIVに簡単に感染してしまいます。

 

HIV感染やエイズの発症について、他人事だと思わずに、常に自身のこととなり得ると思って日常生活を送ることが大切です。

 

また、正しい情報に加え、感染の原因やその経路が分かれば、感染者に対して差別の目を持つこともなくなるでしょう。

 

まずはHIVという病気について詳しく知るとともに、あなた自身も自ら進んでHIV検査を受けることから始めてみられてはいかがでしょうか。