- アルビノだと赤目になるの?
- アルビノが赤目になる理由とは?
アルビノの人や動物は赤目になるのか?
アルビノ=赤目というイメージが強いですが、実際どうなのでしょうか?
アルビノだと赤目になるの?
アルビノという言葉、聞いたことがありますでしょうか?
アルビノは、先天性の病気で約2万人に1人の割合で見られることがあると言われています。
透き通るような白さの肌であったり、髪の色もブロンドであったり、見た目にも特徴があります。
『アルビノの人の目は赤目』とよく言われますが、実際はどうなのでしょうか?
アルビノとは一体どういったものなのか?
アルビノの人の目は赤目なのか?というお話の前に、アルビノについてお話していくことにしましょう。

アルビノとは、メラニンの生合成に支障をきたす遺伝子疾患がある個体のこと。
メラニンの生合成に関わる遺伝子情報が失われ不完全なために、先天的にメラニンが欠乏してしまいます。
この遺伝子疾患が原因で起こる症状には次のようなものがあります。
- 先天性白皮症(せんてんせいはくひしょう)
- 先天性色素欠乏症
- 白子病
症状という書き方をしましたが、実はこれらは呼ばれ方であって、どれもみんなアルビノという同じものを表しているんです。
また、人や動物だけでなく、植物でも、光合成色素が合成できない突然変異した個体が現れることもあります。
ですが、この場合、栄養を得ることができないため、種子の栄養を使いきってしまった時点で枯れてしまうそうです。
アルビノはなぜ起こる?
先ほどもお話しましたが、アルビノは約2万人に1人の割合で見られると言われています。
では、なぜ起こるのか?

アルビノが起こる原因は、いくつかの遺伝子の変異だと言われています。
ですが、どの遺伝子が原因なのか、それはまだ解明されていないのですが、どの遺伝子が原因であっても、常染色体劣性遺伝なんだそう。
原因となる遺伝子の変異を片方のみで受け継いでいる人(保因者という)が両親で、その両方からの遺伝子の変異を受け継いだときにアルビノになります。
決まった特定の家系のものではなく、人間全体が共有してしているものなので、アルビノの頻度が約2万人に1人という数値から見ても、その遺伝子を持っている数もそれほど少なくもないということになりますね。
アルビノの症状もさまざま
色素が少ないかもしくは全くないことにより、その症状には軽い重いなど、個体差があります。
では、どんな症状があるのでしょうか?
- 全身の皮膚の色素欠乏
- 頭髪など全身の毛の色素欠乏
- 虹彩(瞳)の色素欠乏により羞明が起こる
- 眼底網膜の色素欠乏による視力低下
などがあります。
全身の皮膚の色素欠乏
皮膚は乳白色、または、皮下の血液により薄紅色。
そのため、紫外線にも弱いなどの症状もあり、日光による赤斑を起こしやすくなります。
また、皮膚がんのリスクもとても高いと言われています。
頭髪など全身の毛の色素欠乏
メラニンの量により、頭髪だけでなく眉毛やまつ毛など体毛が、白色や灰色、金色や茶色となることがあります。
虹彩(瞳)の色素欠乏による羞明が起こる
こちらもメラニンの量によって違いはありますが、虹彩(瞳)が無色や淡青色、淡褐色であったり、メラニンのない場合だと、無色半透明で、眼底の血液の色が透けて瞳孔とともに淡い赤色となります。
また、虹彩(瞳)に色素が少ない、もしくは少ないために、遮光性が不十分なため、光をまぶしく感じる羞明があります。
眼底網膜の色素欠乏による視力低下
視力に関しては、0.5程度の比較的軽度の視力低下から、0.05くらいの視力低下があり、視力が弱くなります。
また、眼球振盪(眼球が揺れてしまう)や斜視や乱視、近視や遠視を伴うこともあります。
色素量の多い人ほど、視覚症状は軽いといわれています。
アルビノの人の目は赤目ではない?
アルビノの症状などについてお話をしましたが、メラニンの量によって症状の出方には違いがあることがわかりました。
では、今回のテーマになっている『赤目』についてお話していきましょう。
アルビノの画像をネットで検索すると、たしかに目が赤く見える画像もありますが、先ほどの症状についてでもお話をしたように、アルビノの方の瞳の色は、無色や淡い青色や褐色であるとお話しました。
実際にアルビノの方のお話を聞いてみると、グレーがかった青色の目をしているように見えます。

アルビノの方の目は、『赤目』ではない。
といえます。
え?じゃなんでアルビノの方は赤目に見えるの?となりますよね。
では、なぜ『赤目』に見えてしまうのか、アルビノ=赤目というイメージを持っている方もと思います。
アルビノは赤目になる理由とは?
アルビノの方の画像を検索してみると、たしかに『赤目』になっている画像も多いです。
では、なぜそう見えてしまうのでしょうか?
アルビノが赤目になる理由
メラニンの量によって違いはあるのでしょうが、写真撮影をしたときの『赤目』という現象により、目が赤く見えてしまうのではないか、ということでした。
フラッシュを使って写真に写ったとき、「目が赤くなってる!」なんてときありますよね?
これは、『赤目現象』といって、暗い場所でフラッシュ撮影をすると、目が赤く写っていることがある、あの現象です。
開いた状態の瞳孔に大量の光が入り込み、動向を通過して網膜まで到達する。
網膜にはたくさんの毛細血管が集まっている場所なので、フラッシュの光が毛細血管を反射させて赤く写ってしまう。
つまり、網膜内を流れる血液の色で赤目になってしまうんです。
アルビノの方の画像を見ると、たしかに赤目になっているものが多いため、『アルビノ=赤目』と定着しつつあるのかもしれませんね。
私自身、何度かアルビノの方を見たことがありますが、そういえば。。。赤い目ではなかったなと記憶してます。
『アルビノ 画像』だけで検索すると、赤目ではなく、きれいなグレーのような青い瞳の方の画像もたくさんありましたので、よかったら調べてみてください。
アルビノの遺伝
アルビノは赤目でないということがよくお分かりいただけたと思います。
アルビノについて調べていくうちに、アルビノって遺伝するのかな?と気になりました。
アルビノは、先ほどお話したように、約2万人に1人の割合で見られるもので、遺伝子の保因者の頻度を計算してみると、50~70人に1人程度ということになります。
数字だけで見ると、特別珍しいほどではないように思えますよね。
また、原因となるいくつかの遺伝子については、どの遺伝子が原因なのか、症状からだけでは見分けることはできないといいます。
とはいえ、症状のない結婚相手が保因者である率は、1/50程度であり、子供がアルビノになる確率は1/100程度とはるかに低い確率となります。
アルビノの治療法は?
アルビノの治療法は、今現在見つかっていません。
そのため、次のような対症療法を行う場合があります。
- 紫外線防御
- 眼科でのコントロール
どちらも、症状によって必要がある場合になります。
紫外線防御
メラニンの量が少ないもしくは、全くないアルビノは、日差しの強い日に短い時間でも日光に当たっていると、日焼けをして皮膚が真っ赤になってしまうことがあります。
日光に当たらないことが一番ですが、日常生活を送る上でそれは難しいですよね。
SPF値が高い、UV-A・UV-B両方をカットできる日焼け止めクリームを塗って、長袖を着るなど対策が必要となります。
また、目に関しても、紫外線に弱いため、UV-Aカット機能のあるサングラスをかけることも必要となります。
眼科でのコントロール
アルビノは、視覚にもさまざまな障害が現れるため、近視や遠視、乱視などの場合は、メガネやコンタクトレンズなどの着用による矯正が必要になります。
ですが、目の状態によっては、メガネやコンタクトレンズの矯正には限界があるため、オペラグラスやルーペなどを使い、視覚を補うこともあるようです。
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