• アシナガバチが巣を作る時期とは?
  • アシナガバチが巣を作りやすい場所と駆除する方法

アシナガバチはすらりとした細身のからだに長い脚が特徴が特徴のハチです。

木などに覆われていない開放空間に巣を作るため、ベランダに巣を作り被害に遭ってしまうことも多くあります。

アシナガバチの性格は比較的おとなしいので、ハチや巣に近づかなければ刺されることはほとんどありません。

 

ですが、ベランダなどに巣を作られて、洗濯物や布団とアシナガバチを家の中に取り込んでしまったり、侵入されて刺されてしまったというケースがよくあります。

 

また、家の近くに巣を作っていたことに気づかなかったということも多くあるようです。

 

そんなハチの被害を少しでも減らすために、アシナガバチが巣を作る時期や活動が活発になる時期。

 

また、巣を作られやすい場所や駆除の方法などについてお話していきましょう。

アシナガバチが巣を作る時期とは?

アシナガバチ(脚長蜂)とは、その名の通り、長い足が特徴の一つで、スズメバチ科アシナガバチ亜科に属するハチの総称になります。

 

また、アシナガバチの巣は、ハチの巣の特徴でもある六角形がきれいに見えるという特徴もあります。

 

アシナガバチの生態や特徴

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日本には3属11種が生息しており、世界では26属1000種以上のものが知られています。

とてもたくさんの種類がいるアシナガバチですが、日本に生息しているアシナガバチにはどのような種類のものがいるのでしょうか?

 

日本に生息しているアシナガバチの種類

【スズメバチ科 アシナガバチ亜科】

  • アシナガバチ属
    セグロシナガバチ
    フタモンアシバナガチ
    トガリフタモンアシナガバチ
    キアシナガバチ
    コアシナガバチ
    キボシアシナガバチ
    ヤマトアシナガバチ
  • チビアシナガバチ属
    ナンヨウチビアシナガバチ
    オキナワチビアシナガバチ
  • ホソアシナガバチ属
    ヒメホソアシナガバチ
    ムホンホソアシナガバチ

聞いたことや見たことがあるアシナガバチの種類はありましたでしょうか?

 

このうち、セグロシナガバチとキアシナガバチ、フタモンアシバナガチがよく見られますが、都市部や市街地ではコアシナガバチ目立って見られる種類だといいます。

 

そして、これらの中でも被害の多い3種があります。

 

被害の多いアシナガバチの種類
  • セグロシナガバチ
  • フタモンアシバナガチ
  • キアシナガバチ

よく見られる種類というだけあって、それだけ被害も多いということなんですね。

 

被害が多いという3種類のアシナガバチの特徴について見てみましょう。

 

被害の多いアシナガバチ3種類の特徴

【セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂)】

  • 体長:21~26㎜
    日本に生息するアシナガバチの中で最大の大きさ
  • 分布地:北海道以外の全国に分布、市街地でもよく見かけられる
  • からだの模様:黒地に黄褐色の斑紋がある
  • アシナガバチの中では攻撃性がやや強い

【フタモンアシバナガチ(二紋脚長蜂)】

  • 体長:14~18㎜
    やや地味で小型の種類
  • 分布地:北海道南端から九州まで分布、市街地や草むらや畑など家の周辺で見られる
  • からだの模様:腹部に黄色の2つの斑があり、これが名前の由来となった

【キアシナガバチ(黄脚長蜂)】

  • 体長:20~26㎜
    セグロシナガバチと並ぶ大型種
  • 分布地:北海道から九州まで全国に分布
  • からだの模様:黒地に黄色だが、全体的に黄色が目立つ
  • セグロシナガバチと同様、攻撃性も強く、刺された痛みはアシナガバチの中でいちばん激しい
  • 市街地には少なく、雑木林や緑が多い場所でよく見られる

同じアシナガバチでも、性格や生息している場所など、さまざまな違いがあるのですね。

 

また、その違いは、巣を作る場所や働き蜂の数、巣の形状などにも表れます。

 

アシナガバチはおとなしい性格

アシナガバチは、基本的におとなしい性格をしています。

 

アシナガバチの種類で比べると攻撃性が高いという種類もいますが、もともと攻撃性はそれほど高くないため、自分から攻撃するということはほとんどありません。

 

ただ、ハチや巣に近づいたり、巣を刺激してしまったときは話は別。

 

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アシナガバチは、巣に対して異常なこだわりを持っています。

 

そして、アシナガバチがもっとも凶暴になるといわれている時期は8~10月くらいで、この頃になると、人が刺される被害がとても多くなる時期でもあります。

 

むやみやたらに巣に近づいたり、巣やアシナガバチを刺激しないように、特にこの時期は気をつけるようにしましょう。

 

刺された痛みはスズメバチより痛い!

アシナガバチの針には毒がありますが、それほど毒性は高くなく、スズメバチよりも弱いといわれています。

 

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でも、アシナガバチに刺されると、スズメバチより痛いんです!

 

巣を見つけたら近づかないように気をつけることはできるけど、巣があることに気づかずに刺されてしまったら嫌ですね。。。

 

また、ほかのハチに刺されたときと同じように過去にハチに刺された場合、アナフィラキシーショックを起こし、最悪の場合死に至る可能性もあります。

 

アシナガバチが巣を作る時期は?

アシナガバチは、スズメバチと同じように、女王蜂が1匹で巣作りを始めます。

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巣作りを始めるのは、越冬から目覚める4~5月くらいです。

女王蜂は、枯れた木や草の繊維や泥を使って、鋭いあごで噛み続けてドロドロにして、頑丈な巣の材料にしていきます。

 

そして、何度も何度も材料を運んで巣を作り、巣が出来上がると、今度は産卵をし働き蜂を育てていくようになります。

 

このようにせっせと巣作りをしている間は、1匹で活動しているので攻撃性はほとんどありません。

 

アシナガバチの被害が多いのは。。。

アシナガバチの女王蜂が巣作りをしている間は、攻撃性はほとんどないので、刺される被害に遭うことは少ない時期でもあります。

 

働き蜂が羽化をして、活発に活動する8月から9月くらいになると、被害が多くなります。

 

9月から10月くらいになりだんだんと気温が下がってくると、巣に留まってじっとするようになり、攻撃性はほとんどないので危険度もぐっと下がります。

 

アシナガバチはどんな巣を作るの?

アシナガバチの巣は、1枚の巣盤から構成されて、きれいな六角形が外から見てもわかるような巣を作ります。

 

これは、育房という幼虫を育てるための部屋がきれいにならび、それが丸見えになっているからです。

 

スズメバチが作る巣は、外殻に覆われているので見ることはできませんが、アシナガバチの巣は外殻がないので見ることができるのですね。

 

熱帯地方に生息するアシナガバチは直径30㎝以上もの大きな巣を作る種類もいますが、日本に生息しているアシナガバチの巣は直径10㎝程度。

 

おわんを伏せたような形をしていて、巣の材料が植物繊維や泥のため、灰色や茶褐色をしています。

 

また、アシナガバチの種類によって、巣の大きさや育房の数、形状などが異なります。

 

先ほど挙げた被害の多いという3種類のアシナガバチの巣について、またお話していきたいと思います。

 

3種類のアシナガバチの巣

セグロシナガバチの巣の特徴

セグロシナガバチは、柱や板壁、杭などの表面を削り取って巣の材料にし、人家の軒下や木の枝などに巣を作ります。

 

セグロシナガバチの巣の特徴
  • 働き蜂の数:50匹以内
  • 育房数:200房未満(大きな巣の場合それ以上になることもある)
  • 巣の大きさ:最大で直径15㎝前後
  • 巣の形:最盛期にはほぼ円形(円盤状)になることが多い
  • 繭キャップ:白色

 

フタモンアシバナガチの巣の特徴

フタモンアシバナガチは、軒下や瓦屋根の下、木の枝や草むらに巣を作ります。

 

フタモンアシバナガチの巣の特徴
  • 働き蜂の数:50匹くらい
  • 育房数:大きな巣になると300~1000房ほどになる
  • 巣の大きさ:最大で直径10㎝前後
  • 巣の形:営巣場所によって不規則な形になるが、植物の茎や垂直な壁などに横向きに巣を作ることも多い
  • 繭キャップ:白色

 

キアシナガバチの巣の特徴

キアシナガバチもセグロシナガバチと同じように、人家の軒下や木の枝などに巣を作ります。

 

キアシナガバチの巣の特徴
  • 働き蜂の数:50匹以上
  • 育房数:大きな巣では300~400房
  • 巣の大きさ:営巣場所によって異なる
  • 巣の形:釣鐘状の均整のとれた形をしている
  • 繭キャップ:白色

このようにアシナガバチの種類によっても、巣の特徴に違いがあります。

 

アシナガバチが巣を作りやすい場所と駆除する方法

アシナガバチの巣についていろいろお話していますが、ここでは巣を作りやすい場所や駆除についてお話をしていきます。

 

アシナガバチの巣の特徴とは?

アシナガバチの巣には以下のような特徴があります。

 

アシナガバチの巣の特徴
  • 開放空間であれば場所を選ばずに巣を作る
    人家の軒下、木の枝、エアコンの室外機やベランダなど
  • 外から見ると、六角形の巣穴が見ることができる
  • シャワーヘッドのような形の巣が多く、巣穴が上や下を向いている
  • 作った巣を使うのは1年だけで、翌年以降使うことはない
  • 巣を撤去したとしても、生き残りがいると同じ場所に再び巣を作る可能性が高い

アシナガバチの種類にもよりますが、私たち人間が生活している近くに巣を作ることが多いので、注意しなければなりません。

 

また、作った巣を利用するのは1年だけですが、撤去してもまた同じ場所に巣を作る可能性もあるので、さらに注意が必要になりますね。

 

アシナガバチは益虫として大事にされている一面も

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アシナガバチは私たちの身近に巣を作ることもありため注意が必要となりますが、その一方で益虫として重宝されているという一面もあります。

 

益虫(えきちゅう)とは
  • 害虫を食べたり受粉を媒介したりして、人の役に立つ昆虫のこと
  • アシナガバチの場合、イモムシや毛虫など蛾や蝶の幼虫やカメムシなどを食べてくれる

たとえば、野菜や花を育てているときに、アシナガバチが近くにいると、葉っぱを食べてしまうイモムシや毛虫やカメムシなどの害虫を食べて退治してくれるといいます。

 

巣を作っている場所があまり危険の及ばない場所であれば、益虫として大事にしたい、うまく共存していきたいハチともいえるのです。

 

アシナガバチが巣を作る場所

先ほど、アシナガバチの巣の特徴でもお話しましたが、人の住む家や近くでアシナガバチが巣を作ることが多いです。

 

開放的な空間に巣を作るので、壁に覆われている場所などには作りません。

 

アシナガバチが巣を作る場所
  • 人家の軒下
  • 木の枝
  • エアコンの室外機
  • ベランダ

ベランダなどに巣を作られてしまい、洗濯物や布団といっしょにアシナガバチを家の中に入れてしまったり、気づかないうちにアシナガバチに侵入されて刺されてしまったというケースもとても多くあります。

 

アシナガバチの巣を見つけたらどうしたらいいの?

アシナガバチの巣は、作り始めてあれば4~5㎝程度の大きさなので、そのくらいで見つけた場合はご自分で撤去できると思います。

 

ですが、アシナガバチたちが活発に活動し始める初夏の頃になると、10㎝ほどの大きさになり、秋にかけてさらに大きくなっていきます。

 

アシナガバチの巣を見つけたら
  • 春先に見つけた巣など小さな巣の場合
    ハチ専用の殺虫剤と使って駆除が可能
  • 大きな巣の場合
    巣に近づかないようにし、ハチの駆除の専門業者に依頼する

 

業者に頼まずに自分で駆除するときの方法と注意点【小さな巣の場合】

初期段階の小さな巣で、自分で駆除できるといっても、注意が必要です。

 

小さな巣を自分で駆除するときは
  • 準備する物
    殺虫剤
    防護服、もしくは肌の露出がない服
    懐中電灯(赤いセロファンを被せておく)
  • 駆除を行う時間
    ハチが巣に戻る夕方から夜間の間に行う

ハチは殺虫剤にはとても弱いので、用意する殺虫剤はハチ専用の殺虫剤でなくても大丈夫です。

 

ただ、ハチ専用の殺虫剤をした方が、より確実に駆除することができるでしょう。

 

服装は、ネット通販やホームセンターなどで、防護服を購入することは可能ですが、もしない場合は、肌の露出のないようにすることが大切です。

 

また、駆除を行う時間についてですが、ハチは昼行性なので、夕方から夜になれば活動する時間帯ではなくなります。

 

ほとんどの働き蜂が巣にいて、動きも弱まっているこの時間帯が狙い目です。

 

夜間に行い懐中電灯を使う場合ですが、そのまま懐中電灯使うとその明かりに向かってハチが飛んでくることがあります。

 

そのため、赤いセロファンを被せるなどして対策をするようにしましょう。

 

先ほどの駆除の動画では、虫取り網を使っていましたね。

 

虫取り網があれば、殺虫剤にやられたハチたちをそのまま取ることができるので便利かもしれません。

 

では、いよいよ駆除の方法です。

 

アシナガバチの駆除の方法とは
  1. 風上から1~2mほど離れたところから巣に向かって殺虫剤を吹きかける
    ハチの羽音が弱まるまでずっと殺虫剤を吹きかける
  2. 翌朝まで巣はそのままにしておく
  3. 翌朝になったら、棒などで巣を落とす
  4. 死んだハチといっしょに燃えるゴミとして処分する

巣に向かって殺虫剤を吹きかけるときは、巣の真下からではなく、巣の横や斜め下から吹きかけるようにしてください。

 

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真下から吹きかけてしまうと、巣の中からハチが落ちてくることもあるためとっても危険!

 

また、殺虫剤を吹きかけている間は、ハチが近寄ってきても我慢しなければなりません。

 

羽音が弱まるまで吹きかけ続けましょう。

 

殺虫剤がハチのからだにつくと、攻撃性がなくなり人を刺すこともなくなり、やがて息絶えます。

 

このようにしてアシナガバチの巣を駆除することはできますが、暗くなってからの作業になるので、慣れていない人にはあまり勧められる方法でないことも頭に入れておくといいでしょう。

 

アシナガバチに刺されてしまったときの対処法

自分でアシナガバチの巣はを駆除する場合、大変な危険を伴います。

 

小さな巣であっても、刺されてしまう可能性は十分にありますので、十分に注意しましょう。

 

もしもアシナガバチに刺されてしまった場合の対処法もご紹介しておきます。

 

アシナガバチに刺されたときの対処法とは
  1. 姿勢を低くして、すみやかにその場を離れること
    激しい動作はせずになるべく冷静に、大声も出さない
  2. 患部を流水で洗い流す
    患部を指でつまんで、毒を絞り出す(決して口で吸って出そうとしないこと)
  3. 抗ヒスタミン系の成分を含むステロイド系の軟膏を塗る(持っている場合)
  4. 患部を冷やして安静にする
    濡れタオルや氷、保冷剤を患部に当ててよく冷やすこと
  5. 病院(皮膚科)を受診する
    初めて刺された場合も受診することをおすすめする
    症状が重い場合は、すぐに救急車を呼ぶ、もしくは救急外来へ

人を攻撃したハチはフェロモンで仲間のハチを呼び寄せることができるため、すみやかにその場を離れることがまず大切です。

 

また、ハチは黒色に反応するので、持っていればタオルや帽子で頭などの黒い部分を隠して移動しましょう。

 

大きな巣や自分で駆除できない場合は業者へ頼もう

自分で駆除するのが怖い、大きな巣を見つけてしまったという場合は、ハチの駆除業者に頼みましょう。

 

アシナガバチやハチに対して専門的な知識を持ち、駆除の経験ももちろんあるので、より確実に安心して駆除することができます。

 

また、業者によっては、巣の場所がわからない場合でも調査してくれるところもあります。

 

見積り無料など、良心的な業者もたくさんありますので、まずは問い合わせてみるといいですね。

 

女王蜂やハチについて