オオスズメバチは外来種のツマアカスズメバチよりも強い?弱い?

スズメバチといえば人を刺して死に至らしめることもあるということで、

人間の身近にいる最も恐ろしい存在と言えるのではないでしょうか?

そのスズメバチの中でも、日本で最大の大きさのスズメバチであるオオスズメバチ。

 

そして外来種として最近日本にやってきたツマアカスズメバチってどっちが強いのでしょうか?

 

このコラムではオオスズメバチは外来種のツマアカスズメバチも強い?弱い?についてなどご紹介していきたいと思います。

オオスズメバチは外来種のツマアカスズメバチよりも強い?弱い?

オオスズメバチと外来種のツマアカスズメバチだったらどちらが強いのでしょうか?

 

持っていると毒の強さは、オオスズメバチ、ツマアカスズメバチともに同じぐらいのようです。

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そこでは両者に差は出ないでしょう。

ただ身体の大きさでみたらどうでしょうか?

 

オオスズメバチの大きさ
  • 女王蜂で40~45mm
  • オスが35~40mm
  • 働き蜂は27~40mm

日本にはオオスズメバチ、ツマアカスズメバチも含めて8種類のスズメバチがいます。

 

オオスズメバチは、その名前の通り、体のサイズがこの8種類の中で最大なのです。

 

ツマアカスズメバチの大きさ

女王蜂25~30mm

オス20~28mm

働き蜂17~25mm

ちなみに日本に生息することが確認されているスズメバチは他に以下がいます。

 

  • キイロスズメバチ
  • コガタスズメバチ
  • モンスズメバチ
  • ヒメスズメバチ
  • チャイロスズメバチ
  • ツマグロスズメバチ

この中で見てもツマアカスズメバチは身体は小さい方なのです。

 

オオスズメバチとは?

ここで、話に出てきたスズメバチの一方、オオスズメバチがどのようなスズメバチなのかご紹介したいと思います。

 

オオスズメバチはもちろん日本だけではなく、インドから東南アジア、東アジアにかけて広く分布しています。

 

日本に生息しているスズメバチの中でも、最も強力な毒を持っています。

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その上に攻撃性も高いのですから超危険なのです。

 

オオスズメバチは非常に攻撃的な性格

他のスズメバチは、毒針を持っているとはいっても、巣に近づいたりハチそのものに刺激をしなければ刺してくるようなことはありません。

 

ですが、オオスズメバチは巣から離れている場所でも人間に襲ってくることがあるのです。

 

木に止まって樹液を吸っているオオスズメバチがいたとして、人間がそれに近づくとこちらに身体を向けてきます。

そして、さらに近づいてしまうとオオスズメバチは自ら人間に近づいて刺そうとしてくるのです。

そんなわけで、世界最大の殺人バチと呼ばれているぐらいです。

 

でもただでさせ身体の大きいオオスズメバチがこちらを睨みつけてきたら、びっくりして普通こちらも気づきますよね。

 

ためしにもっと近づいてみようなんて思うのはまさに飛んで火にいる夏の虫ですよね。

 

ただ、このように襲い掛かってくる前に威嚇してくるとは限りません。

 

威嚇もなしに唐突に襲い掛かることもあるようです。

 

オオスズメバチは顎の力も強い

オオスズメバチが強いのは毒だけではありません。

 

その身体の大きさと比例して、顎も大きくその噛み切る力もとんでもなく強いのです

 

他の昆虫と戦うときは相手の身体を食いちぎります。

 

相手が昆虫程度であれば、この顎の噛み切る力だけで武器としては十分なのです。

オオスズメバチが毒針を使うのは人間や大きい動物などを襲うときのみのようです。

 

また人肉すらも、噛み切ってしまうぐらいです。

 

流石に人間を食い殺すとまではいきませんが、不運にも噛まれてしまうとかなりの痛みを感じるとのことです。

 

オオスズメバチに刺されると?

そんな最強と言われるオオスズメバチに人間が刺されてしまうと、どうなるのでしょうか?

 

刺す力もおそろしく強く、それは他のスズメバチとは比べ物になりません。

 

そのため刺されたときの痛みもとても激しいものになります。

 

オオスズメバチに刺された場合

刺されてしまうと、刺された部分の周辺の皮膚は壊死してしまいます。

さらにその周りも、真っ赤になってパンパンに腫れあがってしまいます。

人にもよっては、めまいや動悸がすることもあります。

人間にもこれだけのダメージを与えらえるからこそ、オオスズメバチは人間に対しても攻撃的で挑戦的な態度をとっているのかもしれません。

 

人間ごときになめられてたまるか!と思っているのかもしれませんね。

 

ツマアカスズメバチとは?

もう一方の、外来種のツマアカスズメバチとはどのようなハチなのでしょうか?

 

それについてもご紹介したいと思います。

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ツマアカスズメバチは外来種のスズメバチです。

実はツマアカスズメバチは生態系を破壊するほどの力を持ったスズメバチなのです

 

スズメバチといえば、人間が刺されるとアナフィラキシーショックを起こして死んでしまうことあるのはよく知られていますよね。

 

台湾、マレーシア、インドネシアなどではオオツマアカスズメバチに刺されたことによる死亡事故が報告されています。

 

オオツマアカスズメバチは大きさ
  • 普通の働きバチで20mm程度
  • 女王バチは働き蜂の1.5倍の30mm程度

 

 日本に住んでいるスズメバチは他にも6種類いますが、それらと比べるとどうかというと特別大きいというわけというわけでもありません。

 

ツマアカスズメバチはいつ日本にやってきた?

上でご説明した通り、ツマアカスズメバチは外来種ですから、もとから日本にいたわけではありません。

 

そして、ツマアカスズメバチが日本にやってきたのは実はかなり最近なのです。

 

日本で初めてツマアカスズメバチの存在が確認されたのは2012年のことです。

長崎県の対馬で確認されました。

この記事を書いているのは2018年ですから、まだ10年もたっていないということですね。

 

そしてわずかこの数年の間にオオツマアカスズメバチは長崎県の対馬から九州全体に広がりました。

 

この勢いで繁殖していけば、オオツマアカスズメバチが日本全体に広がってしまうのは時間の問題だと言われています。

 

ちなみにお隣の韓国に入ってきたのは日本よりも10年近く早く2003年で場所は釜山だったそうです。

 

ツマアカスズメバチによって生態系が破壊される?

上でツマアカスズメバチによって生態系が破壊されることが心配されていると書きました。

 

それは具体的にどういうことなのかご説明したいと思います。

 

ツマアカスズメバチの出現によってミツバチが激減した

ツマアカスズメバチが上陸してきた長崎県の対馬では、その時期にミツバチが大量に失踪するという現象が起きました。

 

近年、ミツバチが大量に失踪してしまうという現象が世界中で起きているのですが、その原因は多くの場合、農薬によるものなのです。

 

ですが、対馬でミツバチが大量失踪する現象の原因は農薬ではなく、ツマアカスズメバチの仕業だったのです

 

他のスズメバチもそうなのですが、ツマアカスズメバチはミツバチが大好物なのです。

 

そこで、試しにツマアカスズメバチを対象にしたワナを仕掛けたところ、ミツバチの大量失踪を防ぐことができました。

 

ミツバチが減ることによる影響

ミツバチがツマアカスズメバチによって大量に数を減らしてしまうと他の生態系にも影響が出ることになります。

 

ミツバチはその名前の通り、花から蜜を集めます。

この花から蜜をミツバチが集めるときに、ミツバチの身体に花粉がつきます。

花粉が身体についた状態でミツバチが花から花へ蜜を求めて飛びまわる過程で、花は受粉するのです。

風で花粉が飛ばされることでも花の受粉は行われるわけですが、風で飛ばされた花粉が偶然他の花のめしべについて受粉するよりもミツバチを介した方が高い確率で受粉します。

そのミツバチが大量にいなくなってしまうことで、花も受粉できなくなってしまうというわけです。

 

こうして、ミツバチによる受粉を必要とする花も減少していってしまっているという現象が起こっているのです。

 

ただ、ミツバチを食べるというのはツマアカスズメバチに限ったことではありません。

 

オオスズメバチや他のスズメバチもミツバチを食べるのです。

 

食物連鎖が起きているわけですが、ミツバチを食べる側のスズメバチが繁殖しすぎてしまい、ミツバチが世界中から減少する、それがさらに花も減少するという生態系のバランスが崩れるという現象がまさに起こっているのです。

 

ツマアカスズメバチにも天敵はいる?

ミツバチの天敵であるツマアカスズメバチですが、天敵はいるのでしょうか?

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「ハチクマ」という渡り鳥が天敵として存在しています。

このハチクマの身体にはスズメバチの針が効きません

 

なので、ツマアカスズメバチには絶対に勝てない相手なのです。

 

このハチクマは、ツマアカスズメバチの巣に対して攻撃的です。

ツマアカスズメバチの巣をつっついて破壊し、その中にいる幼虫やサナギなどを食べてしまうのです。

このハチクマがたくさん繁殖してくれれば、ツマアカスズメバチをせん滅してくれるのではないかと思いますよね。

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ただ、残念ながら、そううまくはいきません。

ハチクマはそんなに広い範囲に分布していませんし、数もそんなにいませんのでツマアカスズメバチをせん滅するような影響力はないのです。

 

スズメバチの被害を減らすためには?

オオスズメバチやツマアカスズメバチがおそろしいことはこれまでにご紹介してきましたが、もちろん人間にとっては他の種類も含めてスズメバチは恐ろしい存在です。

 

スズメバチのエサになるミツバチの巣を排除する

そんなスズメバチが家の近くに住み着かないようにする有効な方法があるのです。

 

上でもご説明した通りに、スズメバチの大好物はミツバチです。

 

そのために、ご自宅の庭や近所にミツバチの巣があればそれは取り除いしまった方がよいのです。

逆に、ミツバチの巣が庭にあるというのは、わざわざ餌を自宅の庭に用意して、おびき寄せているのと同じことになってしまいますよ!

 

ミツバチ自身は人間に対して攻撃的でもありませんし、はちみつを作ってくれる存在です。

 

また、ミツバチは人を指すことはあっても、スズメバチのように人間を死に至らしめるような毒も持っていません。

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そんなミツバチの巣を駆除するのはちょっと心が痛むかも・・・。

ですが、スズメバチに襲われたら命にかかわりますからそんなことは言ってられないですよね!

 

スズメバチの駆除業者に依頼する

ミツバチの巣を取り除くのは有効なスズメバチを避ける方法ではあります。

 

スズメバチの巣が発生してしまったら、どうしたらよいでしょうか?

 

相手が相手ですので、これはもう素人が自分で何とかしようなどと思わないほうがいいでしょう。

 

スズメバチ用の駆除業者にお願いするしかありません。

 

オオスズメバチでもツマアカスズメバチでも駆除業者は存在しますので。

 

まとめ

ここまで読んでみていかがでしたでしょうか?

近年、日本に上陸してきた外来種のツマアカスズメバチも恐ろしいハチですが、結局トータルで見ればオオスズメバチの方が強いということでしたね。

害虫は数多くいますが、スズメバチはその中でも人の命を奪ってしまうこともあるとてもおそろしい存在です。

いざというときに身を守るためにも、スズメバチに関する正しい知識を身に着けておきたいですね!

 

これを機会に一度、自宅の周りなどにスズメバチの巣があったりしないか、確認しておくこともおすすめします。

 

スズメバチについての記事

 

害虫の天敵について