• 日本最大の蛾・ヨナグニサンの幼虫の大きさは?
  • ヨナグニサンは毒がある?飼うより標本がおすすめ?

日本では、与那国島で初めて発見された『ヨナグニサン』。

成虫(蛾)になると、翅(はね)を広げると30㎝以上の大きさになるものもいて、その見た目もなかなかインパクトがあります。

そんな大きな蛾であるヨナグニサンですが、ヨナグニサン・幼虫の大きさや飼育できるのか気になるところです。

 

ただ、大きさや見た目も目を見張るものがあるので、虫が苦手な方は読む前に心の準備をしておくことをおすすめしておきます。

世界最大クラスの蛾・ヨナグニサンの幼虫の大きさは?

ヨナグニサンは、ヤママユガ科に分類される蛾の一種。

 

ヨナグニサンの英名は、『アトラス・モス』といわれていて、ギリシャ神話の巨人アトラスにちなんでつけられたという説もあります。

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ヨナグニサンというのは和名で、日本では最西端に位置する与那国島で初めて発見され、その名がつけられました。

映画『ゴジラ』に出てくるモスラのモデルになったともいわれている、とても大きな、いや・・・巨大といった方がピッタリなそんな蛾なのです。

 

では、まずは、ヨナグニサンの特徴について、ふれておこうと思います。

 

ヨナグニサンの特徴

ヨナグニサンの分布や形態など、特徴についてお話していきましょう。

 

ヨナグニサンの特徴とは

【分布】

  • 日本
    石垣島や西表島、与那国島といった沖縄県八重山諸島
  • 海外
    インドから東南アジア、中国、台湾

【形態】


  • 体長:48-51㎜
    前翅長:100-130㎜

  • 体長:50-53㎜
    前翅長:130-140㎜

【体色】

  • 赤褐色を呈していて、翅の前縁が黒褐色、内横線は白色

【からだの特徴】

  • 成虫の前翅の先端が鎌状に曲がっている(先端部分には蛇の頭のような模様が発達する)
  • 口(口吻)が退化して持っていないため、羽化後は一切食事をとることができない
  • 幼虫の頃に蓄えた養分で生きるため、成虫寿命は長い場合でも1週間ほど
    (雄が4~5日、雌が5~9日くらいといわれている)

このような特徴があります。

 

インドから日本にかけて幅広く分布していますが、いくつかの亜種に分けられています。

 

国外の亜種は日本産のものと比べると、翅の三角模様が少し小さいという特徴を持っています。

 

また、大きさや色彩については、与那国島のヨナグニサンがいちばん秀でていると言われているそう。

 

特徴の中にありました、成虫の前翅の先端部に蛇の頭のような模様が発達するという点についてですが、これを外敵に見せて威嚇するといわれています。

 

ですが、はっきりとしておらず、定かではないようです。

 

日本では与那国島で初めて発見されたので、ヨナグニサンという和名がつけられたのですが、与那国島の方言では『アヤミハビル』と呼ばれています。

 

アヤミとは『模様のある』、ハビルとは『蝶』の意味があり、与那国島では、ヨナグニサンに想いを託した恋の歌もあるほど、とても親しまれているそうです。

 

幼虫の大きさもやっぱり巨大?

さて、いよいよヨナグニサンの幼虫の大きさについてです。

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ヨナグニサンの幼虫は、最終的な大きさは10㎝にもなります。

大きな蛾となるヨナグニサンだけあって、幼虫も大きいですよね。

 

ヨナグニサンが卵から成虫となるまで
  1. ほかの蛾と同じように小さな卵が葉の裏の産みつけられ、1~2週間ほどで孵化する
  2. 餌となる葉っぱを一生懸命食べて大きくなる
  3. サナギになるまで5回脱皮を繰り返す
  4. 1ヵ月ほどして成虫となる

簡単に書いてしまいましたが、このような過程を経て、ヨナグニサンは成虫へとなるわけです。

 

ヨナグニサンの幼虫の姿が面白い!

ほかの蛾と同じような小さな卵から孵化したヨナグニサンの幼虫は、たくさん葉っぱを食べて、脱皮を何度が繰り返して大きくなり、やがて羽化して成虫となります。

 

成虫となったヨナグニサンもなかなかインパクトのある姿をしていますが、幼虫のときのヨナグニサンの姿も面白いんですよ

 

卵から孵りちょっと大きくなると、全身が白っぽいトゲのようなもので覆われます。

 

そして、脱皮を繰り返していくたびに、そのトゲが長く伸びていきますが、ある程度の大きさになると、そのトゲはだんだんと退化して成虫になる準備を始めていくのだそう。

 

見た目の様子やその変化など、とてもユーモアで特徴がありますよね。

 

そして、生きるための一生懸命な姿もとても興味深く感じられたのではないでしょうか。

 

ヨナグニサンは毒がある?
飼うより標本がおすすめ?

成虫になってからはもちろん、幼虫のときの姿も大きな特徴を持つヨナグニサン。

 

『蛾』というだけで人から嫌われることが多いと思うのですが、ヨナグニサンの場合は少し違うようです。

 

海外ではその見た目などからとても人気があり、ペットとして飼っている方もいるといいます。

 

ヨナグニサンには毒はない!

ペットとして飼っている方もいるといいますが、ヨナグニサンは、幼虫時代や成虫になってからも毒を持っているのでしょうか?

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ヨナグニサンは、毒を持っていません。

蛾の中には、毒を持っている種類のものもいますよね。

 

ヨナグニサンは、幼虫時代や成虫になってからのその見た目のインパクトがありますし、毒を持っているほかの種類の蛾がいることなどから、「毒を持ってそう」と思われてしまったのかもしれません。

 

ヨナグニサンの飼育はダメ!
天然記念物に指定されている

ヨナグニサンに毒がないのなら、飼っても大丈夫?と思われるかもいるかもしれませんね。

 

海外でペットとして飼われている場合は、海外で捕獲されたものがペットとして出回っているようです。

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しかし、日本では、ヨナグニサンが生息している沖縄県で、1985年に天然記念物として指定されています。

そのため、捕獲だけでなく飼育も禁止されているのです。

 

また、大変残念なことに、海外ではその大きさや美しさから人間に乱獲されたためにどんどん数が減ってしまい、今では準絶滅危惧種となっているのです。

 

海外では観光や土産品のために飼育されていることも

準絶滅危惧種とされている、また、沖縄県では天然記念物として指定されているヨナグニサンですが、海外では少し事情が違うようです。

 

タイでは、観光のために飼育されていますし、インドでは、絹糸を採る目的で飼育されているそうです。

 

そのため、ヨナグニサンの糸を原料とした製品を、土産店などで実際に購入することもできるそうです。

 

飼育がダメなら標本は?

飼育することができないのであれば、標本として欲しいという愛好家の方もいることでしょう。

 

日本では捕獲は禁じられていますので、ほとんど流通していないようなので、手に入れるのは少し難しいかもしれません。

 

ただ、調べてみると、ネット販売やネットオークションなどでヨナグニサンの標本が販売されているので、興味がある方は探してみてください。

 

ヨナグニサンの命はとても儚い。。。

ヨナグニサンは、成虫となってからの寿命は大変短いです。

 

成虫になると口が退化するために食べることができず、幼虫の頃の養分がなくなると餓死してしまうためです。

 

ただでさえ、寿命が短いのに、その短い時間の中で次の子孫を残すために相手を見つけなければならないとなると、とても大変なことではないでしょうか。

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また、ヨナグニサンは、一度着地に失敗すると二度と飛ぶことができません。

大きな体ゆえ。。。それにしてもかわいそうですよね。

 

これだけ大きな体をしていれば、人間や天敵に見つかりやすいでしょうし、毒も持っていないのでなにもできないのでしょう。

 

一度落ちたら飛び上がれないなんて、ペットとして飼えば天敵に会うこともないので、短い寿命を全うできるのかもしれません。

 

でも、飼われていれば子孫を残すことは難しいでしょうし、できることなら自然の中で生きる方がいいのではないかと思いました。

 

ヨナグニサンの命はとても儚く切なく感じてしまいますが、人間の手などによってかわいそうなヨナグニサンが増えないようにと願いたいですね