- アボカドを漢字で書くと?
- 漢字表記の由来とその語源やアボガドの歴史
アボカドはクスノキ科ワニナシ属の常緑高木です。日本でも特に女性に人気ですね。
アボカドは脂肪分が多いことから、「森のバター」という俗称がつけられています

その実の外観は黒く、中は緑でクリーミーなグリーンナッツ風味です。
食べると食欲と精液量を増幅させる効果があり、種子は赤みがかった白色で鳩の卵ほどのサイズでアーモンドに似たオイルが生成されます。このオイルは、発疹と傷に効果がありますので薬にもなりますし、オイルを使った石鹸も作られています。
このようなことからギネスブックでは「世界一栄養価の高い果物」として認定されているそうです。サラダやタコス、サンドイッチ、ハンバーガー、巻き寿司(カルフォニアロール)などに用いられます。
原産国であるメキシコではアボカドはよく使われる食材で、アボカドのペーストにトマト、玉ねぎ、香味野菜、唐辛子、サルサソースなどを加えた「グワッカモレ」(ワカモーレ)は一般的なディップでトルティーヤのチップスですくって食べたり、各種の料理のソースにしたりするようです。
日本の場合は醤油によく合うので刺身のようにわさび醤油で食べたりします。醤油をつけると「トロ」のような味がするというのも有名な話ですね。
また、和風ドレッシングとも相性がよいので和風サラダにも使われます。この記事ではアボカドの名前の由来や漢字表記、歴史についてご紹介したいと思います。
アボカドの漢字表記は?
昭和40年代まではアボカドはそのごつごつした黒い皮がワニの皮に似ていることから鰐梨と呼ばれていました。これは英語の別称であるalligator pearが直訳されたものです。
ではなぜalligator pear なのか?「ワニがたくさんいる場所でアボカドが育つから」という理由のようです。ちなみに中国ではいまだに「鰐梨」と呼ばれていますし、日本でも前述したワニナシ属という部分で名称にも残っていますね。
また、アボカドはその表皮と外観から「トカゲ梨」と呼ばれることがあります。トカゲもワニも爬虫類ですから、確かに言われてみれば!という気がしますよね。
日本語名称「アボカド」はスペイン語から来ている
日本語の元になったのは英語のavocadeなのですが、英語のabocadeはスペイン語でアボカドを意味するaguacate。
そして、弁護士を意味するavocadeの合成から生まれた言葉のようです。
アボカドであってアボガドではない
日本ではアボガドと呼ばれることも多いのですが、これは誤りです。英語はavocadeですから、これを発音したアボカドが正しいです。
アボガドが正しいと思い込んでしまう理由としては、高校化学で出てくる150年以上前の科学者、アボガドロの影響のようです
。気体に関する法則である、アボガドロの法則「どの気体も同積、同温、同圧では同数の分子を含む」というのはみなさん高校で習いましたよね。
ちなみに名前が似ているというだけでアボカドとアボガドロには何の関係もありません。農林水産省の資料でもアボガドと間違った表記をしたものが残っているそうです。
Google検索などの検索数を見てもアボカドよりもアボガドのほうが多いようですので、これは勘違いしてもやむを得ないような状況のようです。
アボカドは人間以外には毒性がある
たまねぎは人間が普通に食べられるけれど犬などには食べさせては毒になってしまうことは有名な話ですが、アボカドも同様で人間以外には毒性を持っているようです。
果実、種、葉などにはペルシンという物質が含まれておりこれにより、人間以外は中毒症状を引き起こすようです。
症状としては痙攣・呼吸困難などを引き起こします。しかしながら、アボカド入りの犬猫フードやおやつも販売されているぐらいで今のところ健康被害の報告はないそうです。
大型動物と人間によってアボカドは存続していた
大昔、それも数万年前の時代、3トンもの巨大な地上性ナマケモノや車ぐらいの大きさのアルマジロがなどが生息していました。
アボカドはこれらの巨大動物の消化器官によって固い皮は分解され、エネルギーの高い果肉は消化吸収されました。
種は苦く、毒性もあったため、かみ砕かれることはなく、排泄されました。そのおかげでアボカドは種を拡散させることができたのです。
アボカドの実が果実としては比較的大きいのも巨大動物の食糧であり、巨大動物と一緒に繁殖してきた影響だと考えられています。

しかし、そこに転機が訪れます。13000年ぐらい前にそれらの巨大動物が絶滅してしまったのです。
これには氷河期の温暖化やアメリカ大陸全土にやってきた人間による捕獲が原因と考えられています。これで絶滅するかと思われましたが、これを救ったのもまた人間でした。
食欲旺盛な人間たちはアボガドを食べるための道具を作ったり、食用に栽培する方法を生み出す知恵を持っていました。
当時の人々はトウモロコシを主食としていました。それは今も変わりませんが、それと一緒にアボカドはトウガラシやトマトなどと一緒にすり潰されて食べられていたようです。
こうして人間が巨大動物にとって代わる存在になり、アボカドは絶滅を免れ、存続していくことになります。
正式な記録があるのは13世紀
巨大動物が生息していた時代からあったとされる、アボカドですが、人類の歴史に正式に記録として出てくるのは13世紀です。
当時のインカ王の墓からアボカドの種が出土しているそうです。そのアボカドを広めることになったのは、スペイン人でした、
スペイン人が16世紀にアステカとインカを征服したときには、北はメキシコから、ベネズエラ、南はペルーまで栽培がおこなわれていたそうです。
アボカドがアメリカに伝わったのは19世紀だった

アメリカに伝わったのは非常に後の話で1833年にフロリダから伝わりました。
アボカドの種子は発芽力を保っている時期が比較的短いことから、伝播するのに時間がかかってしまったようです。
アメリカに伝わったアボカドはその後、更にヨーロッパやオーストラリアにも広がっていきます。
日本に伝わってアボカド人気に火が付いた

日本にアボカドがやってきたのはアメリカよりさらに遅く、今から100年ほどまえのことでした。
そんなアボカドは栄養豊富でおいしいことから、日本でも人気がついていきます。日本の輸入量は1970年代までは微々たるものでしたが、1970年代後半から増えていきます。
東京税関によると、2013年の輸入量は前年比103.3%の6万トンで、金額は122.3%増の158億で、これらはともに過去最高でした。
この20年で輸入量は13倍。金額では20倍にもなっています。
現在のアボカドの生産国はメキシコ
輸入が多いのはアメリカ、次いで日本
アボカドはメキシコが最大の原産国です。日本に輸入されているアボカドはほとんど(98%)がメキシコ産です。
メキシコの中でも特にミチョアカン州での生産が盛んです。最近では、少しずつですが、チリ産やニュージーランド産の輸入も始まっています。
また、アメリカの場合は生産量の9割がカルフォニアです。アボカドが入っているお寿司「カルフォニアロール」の名前もここから由来しているのですね。
ただ、アメリカもメキシコから輸入しており、その輸入量は日本を上回り、1位とのことです。アメリカでの消費量は2014年だけで40億個にもなるそうです。
日本での生産はどうかというと、輸入に頼っていることからわかるように非常に少ないのですが、和歌山県南部、鹿児島県奄美大島、沖縄県、高知県など、比較的温暖な地域で栽培されています。
農林水産省の統計では『その他の果実(熱帯果実)』に一括されており、生産量や出荷量は不明とのことでデータは存在しないようです。
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