- クマバチってどんなハチ?
- クマバチは航空力学では飛べないって本当?
- クマバチに刺された時の対処法は?
小さく見た目は可愛いと感じるクマバチをご存知ですか?
クマバチと聞くと、それだけで名前が怖く感じますが、クマバチの生態や飛ぶことができるのかなど、見た目に可愛い為に、何だか調べてみたくなります。
ここでは、クマバチは飛べるかどうか、また、クマバチの生態などについて解説します。
クマバチってどんなハチ?
クマバチは見た目に小さく可愛らしく見えるのですが、羽の音がかなり大きな音で「ブンブン」と聞こえる為、少し攻撃的なハチなのかとイメージしてしまいます。
クマバチは、いったいどんなハチなのでしょうか?
クマバチの生態とは

クマバチは攻撃的?と思いきや、実はその反対で、性質はとても温厚で、人を襲うことはそうありません。
また、身体と羽のバランスが悪く、昔はクマバチは飛べない・・・などと言われていたようですが、そんなことはありません。
実際に私自身も、自宅周辺でもクマバチを頻繁に見かけ、花の周りを上手にホバリングする姿を見たことがあります。
飛べないというのは噂なだけで、実はクマバチにも羽がある為、きちんと他のハチと同様に空を飛ぶことができます。
クマバチの形態や生息地は?

クマバチは体調3cmくらいの小さめの個体ながら、身体は丸くずんぐりとしています。
身体は黒く、ハチであるため近距離で身体部分の観察を行ったことがないという方も多いですが、身体の胸部の部分にはとても細かい黄色の毛が生えています。
その為、遠目でもクマバチの姿を発見することができます。
また、身体が大きい割には生えている羽がとても小さく、一生懸命その羽を動かして自由に飛び回らなければならない為、余計に羽の音が「ブンブン」と聞こえてしまいます。
クマバチの生息地や活動時期はつぎのようになっています。
- 地域:北海道、本州、四国、九州
- 場所:低山、平地、雑木林
- 時期:5月~10月
このように、日本列島の全土において、全国的に生息するハチです。
クマバチが活発に活動するのは、夏から秋にかけてこの時期に多くの方はこのクマバチを見かけたことがあると思います。
クマバチの特徴
クマバチの特徴についてご紹介します。
- 身体がずんぐりとしている
- 全体的に黒色で、胸部だけが黄色の毛で覆われている
- 羽は身体の大きさよりも小さい
- ハチの中でも大き目の個体で全身が毛で覆われている
- メスだけが毒針を持っていて、オスには毒針がない
- メスは顔が黒く、複眼が切れ長となっており、頭が大きい
- オスは複眼が大きく、顔の真ん中に白い三角形がある
- オスは全体的に顔が小さめ
クマバチの特徴をまとめるとこのようになります。
クマバチはスズメバチと間違われやすい!?
クマバチは、見た目と身体の色からすると、よく、スズメバチに見間違われることがあります。

しかし、その生態は全く異なります。
スズメバチは多くの方がご存知の通り、とても攻撃的で凶暴な性質を持ちます。
刺されると毒性も強く、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性が高く、重篤な症状を引き起こす場合があります。
実際にスズメバチの被害は毎年夏になるとニュースでもよく聞きますよね。
しかし、クマバチとスズメバチをしっかりと見比べてみると、その色や形は全く別物だと分かります。
そして、クマバチは、地方によっては「クマンバチ」と呼ばれることもあり、混同する方も多いようです。
クマバチは毒針はある?
クマバチは、メスのみが毒針を持ち、オスは毒針を持たないハチとして知られています。

クマバチの毒性については、仮に刺されたとしても、死に至るような毒性ではありません。
しかし、刺されることによって、クマバチの持つ針が太いことで、かなり強い痛みが全身を走り、刺された患部はかなり赤く大きく腫れると言われています。
本来はとても温厚な性質の持ち主であることから、人間が危害を加えたりしなければ、クマバチが襲ってくるということはまずありません。
ただし、クマバチのメスは、繁殖期はとても過敏になっている為、巣作りの時にその領域へ入ってきた者に対して外敵だと判断し、刺してくることがあります。
その為、繁殖期は巣には近づかないようにしてください。
オスは針を持たない為、刺すということはありません。
また、クマバチを手に取ることもあまりない行動ですが、オスは手に持った場合、刺そうとする真似をする為、習性だけはクマバチであることが分かります。
クマバチは何を食べるの?

クマバチは夏から秋にかけて、花の蜜を餌としています。
クマバチは頑丈な顎を持っているので、太い口吻で、花の根元に穴をあけ、蜜を採ることもできるのです。
見た目に可愛いながら頑丈な風貌を持つことから、花の蜜だけではなく、他のハチや昆虫などを食べているような気がしますが、実は他の昆虫を襲うといったことはなく、常に蜜を主食としているのです。
クマバチは、好物のフジの花の周辺でよくホバリングしていることがよくあるので、花壇や緑地などにフジの花がある場所を探してみるとクマバチの姿を見ることができます。
クマバチの天敵は誰?
クマバチは時にスズメバチに襲われることがあるようですが、実際のところ、クマバチは身体が小さいために、天敵となるのはそれよりも大きな種類の昆虫や鳥類です。
身体はずんぐりとしていて体格良く見えますが、羽は小さい為、スピードをあげて飛ぶことができない為に、鳥類に捕食されることもあるのです。
また、スズメバチに襲われてしまうこともあります。
クマバチとクマンバチは実は違う
あまり知られていないですが、未だにクマバチとクマンバチは違うハチだという認識がある方も多いかもしれません。

ですが、実は、クマバチというのは正式名称であり、クマンバチは俗称であると言われています。
また、それだけではなく、住む地域によっては、スズメバチのことを、「スズメバチ」と呼ばず、何と「クマンバチ」と呼ぶ地域があるようです。
クマバチとクマンバチの発音がどうも似ていることから、それぞれの地方によって混同されているようですね。
確かに、クマバチとクマンバチは正式名称と俗称となりますが、その地域での呼び名で、身近なハチの生態も感じることができますね。
クマバチの巣はどんな巣?
クマバチが巣を作るのは夏の初め頃からです。
メスが枯れ枝などに丸く細長い巣穴を掘ります。
巣穴の中に花粉と蜜で作った団子の上に産卵し、ひとつの巣穴にたくさんの幼虫の部屋が並んでいるのです。
また、部屋はかじった木くずで間仕切りされています。
クマバチは航空力学では飛べないって本当?
クマバチは、昔から「航空学的に飛べるはずがない蜂でありながら飛ぶことができている」と言われており、その飛行方法については誰もが不思議に感じていました。
確かに、クマバチを見て思うことと言えば、「身体のわりに小さすぎる羽を持っていて、見るからに飛べるようには見えない」といわれていることが多かったので、「航空力学的に飛べるはずのない形でありながらも飛べている」ことについて、科学者の間では研究が続けられていたほどです。
クマバチが飛ぶことができる理由とは?
科学者の間で研究されていたというクマバチの飛行のなぞ。
その謎については、すでに解明されているのです。
クマバチがなぜ飛ぶことができるのか。。。

クマバチが飛行できる理由として挙げられることは、空気が持つ粘度が大きなカギとなっているようです。
もう少し詳しくお話すると、クマバチが飛行できる理由は、「空気が持つ粘度により、クマバチの羽を動かし、ホバリングすることで飛行することができるからなんだそうです。
昆虫など、クマバチも含め、このような生き物は、人間が感じるよりもそれ以上に空気は粘っこい性質だと考えられており、だからこそクマバチも空中飛行が可能となっていのです。
ホバリングがうまい!

クマバチは花の周りを小さな羽を一生懸命動かしてホバリングしている姿はとても可愛く感じることもあります。
ホバリングとは、簡単にいうと、飛行中に空中で停止している状態のこと。
よく小さな羽でそれだけの身体を空中に持ち上げていると思うとそれだけでもとても関心します。
私たちは、ハチ=昆虫=飛べるのが当たり前。などと思いがちですが、クマバチのように空気の粘度を利用して飛んでいるのだということを知るだけで、普段何にも気にしていないクマバチの生態がさらに気になってしまいますね。
クマバチの可愛さを追求!

クマバチの飛ぶということに関することとはちょっとズレてしまうのですが、ここでクマバチのさらなる可愛さを追求してみたいと思います!
クマバチと言え、ハチの仲間でもあり、メスには毒針もあることから、ハチを可愛いと表現するには似つかわしいことかもしれません。
しかし、クマバチは人を攻撃するような性質ではない為、とても温厚だと言われているのです。
その性質を踏まえ、クマバチが一生懸命に飛ぶ姿は、頑張って!と思わず一声かけてみたくなる瞬間でもありますね。
花粉を採りに行けば、身体に黄色い花粉がつき、全身黄色に変化したクマバチの姿や、本来人間には興味がない為に、人間に寄ってくるといったことはまずありませんが、本当に近距離を飛行していることもあります。
一見、その時は「ブンブン」とかなり大きな音をたてて飛び回っている為、強くで怖い生物だという認識の方も多いようなので、そのような思いを挽回できるような存在でいてほしいですね!
クマバチに刺された時の対処法は?
クマバチはメスにだけ毒針があり、オスは針を持ちません。
クマバチは黒い身体をしていていかにも強そうに見え、他の昆虫を襲ったり、人間を刺したりするように見えますが、実際のところ、その性質はとても温厚です。
人間に害を及ぼすといったことはほとんどありません。
また、オスは行動的な動きをしていますが、針を持っていないので、人間を刺すなどといったこともありません。

かといって、クマバチがまったく刺さないかというと、そうではありません。
メスは人間が不意に巣に近づいてきたり、脅かしたりすることで毒針を使用して刺すことがあります。
ただ、痛みはあるものの、クマバチの毒針の毒性は重症化することは少ないそうです。
対処法
では、もし、クマバチに刺されてしまったら。。。その対処法についてお話していきましょう。
- 毒針を患部から抜く
- 毒があるので水で流すこと
- 塗り薬を塗る
1.毒針を患部から抜く
毒針が刺さったままだと、毒がどんどん中に入ってしまうため、早急に針を抜くようにしましょう。
その際、手で押すようなことをすると、奥深く押し込んでしまう為、毒針を抜く時はピンセットや毛抜きを使用し、摘まむように抜くと抜きやすいです。
2.毒があるので水で流すこと
クマバチに刺されたら、血を絞って患部を水で流してください。
この時、間違っても、口で毒を吸い上げるようなことはしないよう注意してください。
3.塗り薬を塗る
クマバチに刺された場合は、抗ヒスタミン系の塗り薬を患部に塗るようにしてください。
そして念のためにも、病院へ行き、適切な処置をしてもらうようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
クマバチは名前や見た目の姿に捉われることなく、とても温厚な性質の持ち主であることがわかりました。
今まではクマバチのブンブンという大きな音について、かなりの恐怖を感じていた私としては、オスには毒針がなかったり、不本意なことをしない限り、クマバチの方から襲ってくることはほぼないということを知ってとても安心感を覚えました。
見た目の可愛さや羽を一生懸命に動かそうとする様子がかなり愛らしくも見え、今までのクマバチに対するイメージがガラリと変わったような気がします。
そして、クマバチは空気の粘度を利用して空中を飛ぶことができるんですね!
昔は飛べないとも言われていたようですが、今は空気の粘度を利用してクマバチが飛べるということを立証しています。
これからがクマバチの活動が一番活発になってきます。
その為、少しでもクマバチの生態を知っておくだけで、悲観的な見方をせずにすみます。

クマバチの可愛さをぜひ観察してみてください。