- カトリックとプロテスタントの違い
- カトリックとプロテスタント分裂の理由は?
- 実は共通点も多い?日本にも身近なもの?
日本はあまり宗教性の強い国ではないので、実感がありませんが世界においては、宗教や思想の違いがたくさんあります。
そんな中、よく聞くのが『カトリック』ではないでしょうか。
一方で、カトリックと対立する『プロテスタント』とはどういう違いがあるのでしょうか。
今回は、そんなカトリックとプロテスタントの違いについて説明していきたいと思います。
カトリックとプロテスタントの違い
では、具体的にカトリックとプロテスタントはどんな違いがあるのでしょうか。
- 信者数
- 影響力
- 呼び方
- シンボル
- マリア様の位置付け
- ミサ(葬儀)
- 学業
信者数の違い
まず、カトリックとプロテスタントはそもそキリスト教です。
しかし、信者数でいえばカトリックの方が圧倒的に多いと言われています。
- カトリック:約11億人
- プロテスタント:約3.5億人
どちらにしても、日本の人口をはるかに超えますね。
ちなみに、キリスト教は宗教ランキングでも1位です。
- 1位 キリスト教 信者数:20億人
- 2位 イスラム教 信者数:16億人
- 3位 ヒンドゥ教 信者数:9億人

ちなみに仏教は第4位です。
影響力の違い
カトリックの場合、影響力の順で言うと以下の通りです。
- 神
- 教会
- 聖書
- 信者
一方で、プロテスタントはこうなります。
- 神
- 聖書
- 教会
- 信者
つまり、神(イエス・キリスト)が一番の影響力である一方で、プロテスタントは言わば『聖書が全て』です。
この思想の違いは、とても大きいですよね。
呼び方の違い
また、呼び方にもそれぞれの違いが感じられます。
まず、聖職者の事をカトリックでは『神父』と呼びますが、プロテスタントでは『牧師』と呼びます。
また、礼拝の歌をカトリックでは『聖歌』と呼びますが、プロテスタントでは『讃美歌』と呼んでいます。

ただの言い方の違いではないんですね。
このように、それぞれの呼び方を変え区別化を図っているのです。
シンボルの違い
キリスト教と言えば、十字架がシンボルでもあります。
実は、この十字架にもカトリックとプロテスタントでわかれています。
一般的に、アクセサリーなどにも用いられるのはシンプルなただの十字架ですが、これはプロテスタントのスタイルなのです。
一方、十字架とイエス・キリストがあるものが、カトリックのスタイルなのです。
マリア様の位置づけ
イエス・キリストの母マリア様は精霊との間にイエス・キリストを設けたとされています。
その為、カトリックではイエス・キリストと同じく人間ではなく神としていますね。
一方で、プロテスタントはマリアを”人間”としています。

現実的なのは、プロテスタントですね。
ミサ(葬儀)のちがい
また、ミサの際の方法や意味もそれぞれ違います。
カトリックの場合、罪に対する許しをもらい永遠の命が与えられる様、故人の為に祈りを捧げます。
一方、プロテスタントの場合は神に故人の生涯を感謝をし故人の遺族を慰めるのが目的とされています。
つまり、カトリックは祈りを個人に、プロテスタントは神ささげる為の祈りとする違いがあるのです。
学業の教え
また、学業においてもそれぞれ教えが違いますね。
まずカトリックは、上下関係やマナーを大事にし規則を重んる事の大切さを教えるような教育が多いです。
だからこそ、そういった事がきちんとでき教科書通りの勉強ができる子供が多いです。
一方で、プロテスタントは自由で伸び伸びと優しさや思いやりに重きを置き、個性を尊重した教育をする風習が多い為自分で考え行動できるような子供に育てていきます。
どちらにも、それぞれ大切な部分がありますね。この他にも、様々な違いがカトリックとプロテスタントにはあります。
カトリックとプロテスタント分裂の理由は?
しかし、そんなカトリックとプロテスタントは元を辿れば同じ宗派ともいえます。

だからこそ、共通点もたくさんあります。
そもそも、どうして分裂したのかと言う話において欠かす事ができないのが、”マルチン・ルター”ですね。
マルチン・ルター
彼は若い頃、思想や文化に苦悩し”アウグスチノ会修道院”に入り、修道生活を始めます。
ヒッポ司教アウグスティヌスが原則を定めた修道会則(戒律)に従うカトリック修道会の総称。
しかし、宗教活動をすればするほど人々を救済への問題が見えてしまい、信頼していた神に絶望します。
そんな時、ある言葉が彼を動かします。
この言葉の解釈とは、救いへの道は人間が神の恵みを得るにふさわしい努力するのではなく、神を信頼し自らをゆだねる信仰のなかにのみ存在するという理論です。
また、そんな信仰の導は聖書にあるということを確信したのです。
これが、マルチン・ルターによる宗教改革の始まりです。
だからこそ、プロテスタント誕生はマルチン・ルター無しには語れないということになります。
ちなみに”プロテスタント”とは、カトリックへの”抗議(プロテスト)”から『プロテスタント』となったと言われています。
一方で、元々のカトリックでの解釈は、人間の努力により救いへの道は開かれるとし、聖書だけでなく教会の伝承も大事にする考えです。
免罪符に対する考え方の違いも
また、それまでカトリックでは免罪符さへ納めれば、罪が問われないという事になっていました。

今で言う、罰金みたいなものですね。
しかし、聖書にはそのような教えはなくそれに疑問を持ち異議を唱えたのもマルチン・ルターだったのです。
実は共通点も多い?日本にも身近なもの?
そういった対立の中にも、元々同じ思想から分裂しているので共通点も多いのです。
- 聖書
- イエス・キリスト
- 主の祈り
- 使徒信条
- 三位一体
- 洗礼
- 聖餐
上記においての重要度や位置づけ、意味などはカトリックとプロテスタントといえども、共通の考えを持っていると言われています。
聖書においては、プロテスタントの方が重きを置いていますが共通する点と言えますね。
特に、使徒信条などは考えが違うとはいえキリスト教となのる以上、守るべきものとされています。
現状の対立状態
では、現代における対立状況はどうでしょうか。
宗派というのは、個人で始まる事もありますが、その多くが家族代々その教えや思想を大事にしてきています。
だからこそ、16世紀の宗教改革から続いている対立は現代でも続いており、この先も続くと言えます。
一方で、ドイツにおいてカトリックとプロテスタントの両教会の代表が、『互いに歩み寄る必要がある』と双方がそれぞれ同じ考えである事を口にしたという記事がありました。
このように、少しずつ時代と共に思想や宗教内での価値観が変わってきて、平和な世の中になると良いですね。
日本でもキリスト系のグッズは人気
また、日本でもカトリックかプロテスタントの違いを知らなくとも、キリスト教をイメージしているものは人気ですよね。
十字架のネックレス
十字架のネックレスなどは、キリスト教徒でなくともオシャレの一つとして、男女問わず人気です。
宗教を越えて、支持されていますよね。
トレーナー
ネックレスと同じく、イエス・キリストやマリア様のプリントされたパーカーなども人気ですね。
一つのオシャレのアイコンとも言えます。
マリア像の置物
マリア像やイエス・キリストなどの置物は、現代ではインテリアとしてもオシャレだという感覚があり、部屋のアクセントとしても人気です。
玄関などに置いても素敵ですね。
このように、日本にはあまり宗教と縁がないイメージですが、実は身近なところにたくさんあることがわかりますね。
そういったことをきっかけに、世界に目を向けて見ても面白いものですね。
さいごに
いかがでしたか。今回はカトリックとプロテスタントの違いについてご紹介しました。
日本では、宗教自体があまり馴染みないものですが、このようにしてみると実は同じように見えて大きく違う事がよくわかりましたね。
また、こういった事情を知るのも面白いものです。ぜひ、参考にしてみてください。
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