- ホームレスってまったく働いてないの?
- ホームレスになる人の特徴って?
厚生労働省の調査では日本のホームレスは年々減少傾向にあるそうですが、今の日本でホームレスがまったくいなくなるということはないでしょう。
ホームレスになりたくてなっている人は少ないと思います。ホームレスになってしまう人の決まった特徴はあるのでしょうか?ホームレスになると働かなくなるのでしょうか?

最初からホームレスの人なんていない。
今回はホームレスになる人はどんな人なのかについてご紹介です。
ホームレスは無職ではない

ホームレスも働きます
ホームレスのイメージは、一昔前は、「ボロ着をまとって段ボールを敷いて路上で生活」というものでした。
もちろん今もそういった感じのホームレスもいると思いますが、一見するとそうとはわからない姿で、でも実は家がないというホームレスの人は多いようです。
ホームレスは決まった住居がないというだけで、全く働いていないわけではありません。
路上に座って通行人からのお恵みだけで生きていけるわけではないのです。ホームレスも何かしらで収入を得ています。
- 雑誌を拾って古本屋に売る
- 資源ごみ(空き缶や段ボールなど)を拾ってお金にする
- ごみの中からお金になりそうなものを見つけて売る
- 日雇いの仕事をする
- 並び屋
雑誌やごみを拾って売っても大した額にはなりませんが、それでも飢えを凌いだり、ネットカフェに泊まるくらいのお金にはなるのかもしれません。
日雇いの仕事は履歴書の提出が必要なく、その日に行ってすぐ仕事がある場合もあるようです。
建設現場などの肉体労働が多いようなので、ある程度のお金にはなるのではないでしょうか。
ホームレスになった理由

生まれながらのホームレスはいない
望んだわけではないのに、図らずもホームレスになってしまったのにはどんな理由があるのでしょうか。
ホームレスになってしまった人の声を拾ってみました。
・建設現場で働いていたが、ケガをして働けなくなり、他の仕事に就くこともできず、お金も底をつき、路上生活に(50代男性)
・派遣で働いていたけれど派遣切りになり、次の仕事も見つからず、はじめはネットカフェで暮らしていたけれど、その後お金も尽きて野宿になりました(40代男性)
・10年以上働いていて飲食店が潰れて、他に雇ってくれる店もなく、そのうちアパートの家賃が払えなくなり、路上生活になりました(30代男性)
・家が貧しくて高校中退で上京。中卒ということ正社員になれず、アルバイトを転々としていたけど、病気になり家賃が払えなくなりホームレスに(30代男性)
・公務員をしていましたが投資に失敗して大きな借金を作り、それを返すために公金に手を出して逮捕。家族にも見捨てられ出所後ホームレスに(50代男性)
・会社を経営していたが経営難になり倒産。借金返済で貯金もなくなった。それでも再起しようと新しく事業を始めたがこれもうまくいかず、家族に合わせる顔がなく家に帰ることができず、いつの間にかホームレスに。家族とも連絡を取らないままです。(60代男性)
・親の介護のために離職し介護していましたが、医療費が足りず借金生活に。でも仕事にも行けず親の死後、家賃が払えず強制退去となりそのままホームレスに(60代男性)
中高年から高齢者だけでなく、30代の若い人でもホームレスになる人はいます。
ホームレスになってしまった理由には仕事がなくなったことに原因があるようですね。
決まった職がないと部屋を借りることもできず、住民票がないと定職にもつけないという悪循環から抜けられず、ずるずるとホームレスになってしまうようですね。
ホームレスになる人の特徴

中高年と若者では違う!?
上記のホームレスになった理由からすると、ホームレスになる人というのは「仕事がなくなり、家族もなくなった人」と言い換えてもいいのかもしれませんね。
では、ホームレスになる人=仕事・家族がなくなる人に共通の特徴はあるのでしょうか?
働いた経験あり(Aタイプ)
ホームレスになってしまう人に見られるタイプのひとつは、ちゃんと働いていて自分で生活していた経験があるが、何らかの理由で失業し、家賃が払えなくなり、そのままホームレスになるタイプです。
どちらかというと中高年以上にこのタイプが多いといえるでしょう。
こちらのタイプは、
- バブル期など景気の良いときはバリバリ仕事をしていた
- 会社経営で何億もの仕事をしていた
- あの橋やあの建物は俺が建てたんだ
など、過去の成功体験がある人たちです。
言いかえれば、貴重な労働力として必要とされていた経験があるということです。
社会の一員として生きてきた誇りと経験を持っている人たちです。
働いた経験なし(Bタイプ)
次にみられるタイプは、障がいを持っていて働きに出られなかった、もしくは虐待・いじめなどに遭い、引きこもりとなり社会に出たことがない、という働いたことのないタイプです。
親が元気なうちは親が面倒みてくれていても、親の死や家族とうまくいかないなどの理由から、家をなくしホームレスになっていく人もいます。
このタイプでホームレスになってしまう人は今後も増える傾向にあるといわれています。
自己肯定感のない若者(Cタイプ)
最後は「自分が必要とされた経験など一度もない」と思い込んでしまっているタイプです。若い人に多いようです。
アルバイトなど働いた経験はあっても、仕事が楽しいと感じたことが一度もなく、Aタイプのような、社会に必要とされていると実感した経験がありません。
Bタイプと同じように、虐待やいじめにあっていた人が多いです。
あるいは親がネグレストで施設で育っており、帰る家がないという人もいます。
家がないので「寮があり」という条件の派遣やアルバイトなどの不安定な仕事しかなく、突然「明日から来なくていい」といわれることもあり、使い捨ての状態が続きます。
そういうことの繰り返しのため、このタイプは自分が社会に必要とされているという感覚を持つことができず、自分に自信がなく自己肯定感も低くままです。
共通点
A・B・Cとそれぞれホームレスになってしまう人の特徴として分けましたが、3タイプに共通することは、どのタイプも必ず事前になんらかの手立てがあったのではないかということです。
どのタイプもある日突然ホームレスになったというわけではありません。徐々に徐々にマイナス方向に向かってしまったのでしょう。
事前に何とかする方法はあったはずなのに、どのタイプもそれができなかった。気づいていながらどうしていいかわからなかった。
1人ではどうにもならないのに助けてくれる人がいなかった。どのタイプもいつしか自分一人、孤独だったということでしょうか。
まとめ
ホームレスの数は年々減少傾向にあるとの報告がありますが、それは路上生活者の数ということで、実際はネットカフェや無料宿泊所を転々としている隠れホームレスはかなりの数いるのでないかと思われます。
これから日本は格差社会がますます広まるといわれています。
今仕事がある人も家族がある人も数年後には何もかもなくしている可能性もあります。
そうならないようにするには、自分は何の役にも立たないなどと思わないこと、きっと力になってくれる人がいると信じることが必要なのではないでしょうか。
ずるずる坂道を落ちる前にどこかにしがみつきましょう。
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