- 鶏肉を食べて下痢になったのは何が原因?
- 鶏肉が生焼けだとアレルギーで嘔吐する危険もある?
から揚げや焼き鳥など幅広い料理に使われる鶏肉。
特に子どももから揚げなどは大好きですよね。
しかし、鶏肉を調理する場合には、しっかりと火が通っているかどうかが重要です。
から揚げを作って一口食べたときに生焼けだった!!

という経験をされた方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回は、鶏肉でもアレルギーや下痢、嘔吐を起こす危険がある原因についてまとめていきます。
鶏肉でもアレルギーの下痢・嘔吐の原因に?
生焼けに注意!
張り切って作った子どもが大好きなから揚げ。
一口食べたときに「しまった・・・ちょっと生焼けだ!」
と気づき、慌てて電子レンジで加熱されたことがある方もいらっしゃるでしょう。
私も火の通りが甘かったことがあり、慌てて加熱しなおしたことがあります。
生焼けの鶏肉を食べてしまうと、下痢や嘔吐などを起こす危険性があるんですよね。
なぜ、下痢や嘔吐といった症状が起こってしまう危険性があるのでしょうか。
鶏肉で下痢や嘔吐を引き起こす原因
実際に、生焼けといっても、表面に焼き色がつき、中がほんの少し赤いくらいの鶏肉を一切れ食べたとしても何かが起こることは滅多にないそうです。
それより注意しなければならないのが、生の状態の鶏肉を触った手、そして調理器具なんだそうです。
- 生の鶏肉を触った手をしっかり石鹸せ洗えていなかった
- 生の鶏肉を切った包丁とまな板をしっかり洗わず、サラダの生野菜などを切った
このように生のお肉に触れたものをきちんと洗わないことで、菌が他のものに移ってしまい感染する場合があるのです。
こういった衛生面での感染、生焼けの鶏肉を食べてしまったときの、対処法や予防策について理解しておきたいですよね。
鶏肉の生焼けで「カンピロバクター菌」による食中毒
生焼けの鶏肉が原因となって菌に感染する場合、最も有力なのが「カンピロバクター菌」による食中毒です。
細菌性食中毒の中で最も発生数の多い食有毒と言われています。
『カンピロバクター・ジェジュニ』という病原菌によって発症。カンピロバクター菌は、主に牛・豚・鶏・犬などの腸に存在します。
中でも特に発症が多いのは、鶏肉なのです。
鶏レバー、ささみの刺身、鶏肉のたたきなど半生のものには特に注意をしなければなりません。
- 主に鶏肉の不十分な加熱
- 鶏肉の刺身などの生食によるもの
- 不衛生な調理器具の使用
こういった要因により菌に感染する場合があります。
【カンピロバクターが発生しやすい時期】
- 初夏・秋口の行楽シーズン
【症状】
- 食べてから2~7日間で強い腹痛、下痢、嘔吐、発熱といった症状があらわれる
- その他、倦怠感・めまい・頭痛・筋肉痛
このような症状が1週間程度続きます。
感染すると、主に下痢、腹痛、発熱といった症状が現れます。

初期症状では風邪と間違われることがあるので、注意をしましょう。
他の食中毒と症状もとても似ていますが、潜伏期間が1日~7日とちょっと長いのが特徴とも言えます。
運動障害を起こす病気の発症
カンピロバクターの症状が長引くと、『ギレン・バレー症候群』を引き起こす場合があります。
- 末梢神経にかかわる病気
- 脱力・麻痺・呼吸困難などの運動障害が生じる
症状が現れた場合には、必ず検査を受けましょう。
カンピロバクター菌は、人から人へとうつることは少ないのですが、特に次のような職業に携わっている方は、病院で検査を受けましょう。
- 食品を扱う仕事
- 医療・介護に関わる仕事
- 農業

症状が治まっていても、体内に菌は存在します。
菌が無くなるまでは仕事を休むなりすることを勧めます。
【鶏肉の生焼け】カンピロバクター食中毒になってしまったら?
腹痛・下痢・嘔吐が生じたら
腹痛・下痢・嘔吐などの症状が現れた場合には、内科を受診しましょう。
カンピロバクターの主な治療
- 病院では治療として抗生物質の投与が行われる。
- 症状が重く、脱水症状が見られる場合には点滴を行うことがある。
特に注意が必要なのは高齢者・乳幼児
高齢者や乳幼児は重症化する危険があります。そのため早めに病院へ行くことをおすすめします。
2~3日前に何を食べたかなどの記録を書きだしておきましょう。
診察の時に2~3日前に何を食べたか聞かれることがあります。
書き出しておくと診察もスムーズにすすみます。
自分でできる対処法は?

こまめに水分を補給しましょう。
カンピロバクターの症状が現れているときには、下痢・嘔吐・発熱などで体が脱水状態になってしまいます。
そのためにこまめな水分補給は大切です。
経口補水液・スポーツドリンクがおすすめ。
下痢止めの服用はしないこと
カンピロバクターは、菌を体外に排出させることが重要です。
市販薬の下痢止めによって、体外に排出されなくなり、体内に菌を留めてしまうことになるので、下痢止めを自己判断で服用することは避けてください。
食べ物は消化の良いものを
食欲が出てきたら、おかゆなどの消化の良いものを食べるようにしましょう。
赤ちゃん・子どもは食中毒に要注意!!

小さいお子さんは、
食中毒にかかりやすいといわれています。
しかも、大人より症状が激しく出ることが多いので、下痢・嘔吐・発熱などの症状が見られた場合はすぐに病院へ行きましょう。
調理の合間に赤ちゃんや子どものお世話をする場合には、しっかり手を洗うなど衛生面でも注意をしなければなりません。
生の鶏肉についていたカンピロバクター菌が、自分の手から赤ちゃんの口に入ってしまうことが絶対に無いとは限りませんからね!
十分な手洗いを行い、鶏肉に触った手や調理器具はすぐに洗うようにしましょう。
加熱に十分注意すること
離乳食、幼児食を作る場合には、鶏肉の加熱に十分注意しましょう。
これからの季節、バーベキューなどを行うことも多いですよね。
そういった場合には、大人がきちんと火が通っていることを確認してあげることが大切です。
もちろん、お子さんと一緒に料理をする際にも大人が一緒にきちんと手を洗ってあげることも理想的と言えます。
赤ちゃんや子どもの食中毒の症状は、激しく出ることがあるので入院になることも多いそうです。
症状が出始めたらすぐに病院へ連れて行きましょうね。
妊婦さんも生焼けには注意
大人の場合、普段は何ともなかったとしても、妊婦さんは通常より抵抗力が下がるので病気にかかりやすくなります。

鶏肉の生焼けにも注意をしなければなりません。
もし、気になる症状があった場合は、すぐにかかりつけの病院へ行きましょう。
激しい下痢、嘔吐などの症状が長く続き、脱水状態になると、流産や早産のリスクがないとは限りません。
すぐに受診できない場合は、早めに産婦人科などに相談をして、水分補給、身体を温めるなどを行い、症状の緩和をするようにしましょう。
母体に影響を与える寄生虫が多い
食肉には、母体に影響を与える寄生虫がいる場合が多いのです。
鶏肉にいる可能性が高いのは、「トキソプラズマ」という原虫。
妊婦が感染した場合、胎児にも感染が及ぶことがあります。
- 火が通っているかしっかり確認すること
- 生焼けの場合は再加熱をしてから食べる
- 生の鶏肉を触った手、また使用した調理器具は必ず洗うこと
- 他の物の調理をする前にも必ず手や調理器具をしっかり洗うこと
まとめ
食肉にはカンピロバクター菌という菌が存在します。
特にカンピロバクター菌による食中毒の発症が多いのが、鶏肉。
生焼けの鶏肉を食べてしまったり、生の鶏肉を触った手や調理器具から感染することが原因で腹痛や下痢という症状が起きてしまうのですね。
鶏肉による食中毒で、腹痛・下痢・嘔吐などの症状が現れた場合は、自己判断で下痢止めを服用せず、病院へ受診をすることをおすすめします。
また、乳幼児や高齢者の場合は症状が悪化しやすいので、特に注意をしてあげてくださいね!
これからの季節、食べ物が傷みやすくなります。
調理には十分に注意して料理をしたいものですね。
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