- ワニはペットとして飼える?小さい種類ならOK?
- 飼育したワニはなつくの?
大きくて凶暴なイメージのワニですが、ペットとして飼うことはできるのでしょうか?
種類や飼育の仕方についてお話していきましょう。
実は、知能も高く人を見分けることができる、爬虫類の王様といわれているワニ。
一般的には大きくて凶暴なイメージが強いですが、爬虫類が好きな人は一度はワニをペットとして飼ってみたいと思う方が多いのだとか。
ワニはペットとして飼えるの?
小さい種類ならOK?
卵から生まれたばかりの赤ちゃんワニは小さくて可愛いですよね。
ですが、おとなになれば、かなりの大きさになります。
そんな大きくなるワニをペットとして飼うなんてできるのでしょうか?
ワニは『指定動物』!飼育するには許可が必要
結論からいいますと、ワニをペットとして飼育することは可能です。
もちろん、個人であっても飼うことはできます。

ワニの種類は3科に分類されますが、ワニの種類すべて、動物愛護管理法によって特定動物に指定されています。
- クロコダイル科
頭が良く獰猛、人を襲うこともある。
アメリカワニやキューバワニ、イリエワニやナイルワニが有名。 - アリゲーター科
比較的温和でおとなしい性格をしている。
アメリカアリゲーター、メガネカイマンが有名。 - ガビアル科
細長い口が特徴で、魚とり名人といわれる。
インドガビアルはワニの中でも歯の本数が最も多い。
人間に危害を加える恐れのある動物は、危険な動物(指定動物)とされ、その動物を飼うにあたっては都道府県知事の許可や飼育環境の構造など基準を守る必要があります。
ワニを飼育することはできるのですが、申請や許可などが必要になり、飼育環境の構造や管理方法の基準が守られていないと、許可が取り消されることもあります。

つまり、ワニを飼うにあたってはさまざまな手続きが必要となるので、簡単に飼える動物ではないということです。
また、ワニが逃げ出してしまった場合、周囲の方に迷惑をかけることになりますので、脱走対策など十分な注意が必要になります。
特定動物とは?

特定動物とは、人の命や身体などに害を加えるおそれのある動物のこと。
この特定動物に定められている動物は、ワニだけでなく、トラやタカ、マムシなど約650種の哺乳類や鳥類、爬虫類が対象となっています。
- 飼養または保管のための許可が必要となる
- 動物愛護管理法によって規定される飼養施設の構造や保管方法等について基準を守る必要がある
一定の基準を満たしたおり型施設などで飼養保管するなど、飼養施設の構造や規模に関する事項、定期的な施設の点検の実施や第三者の接触を防止する措置をとるなどの特定動物の飼養または保管の方法に関する事項など基準がある - マイクロチップの埋め込みが必要
特定動物の所有者などを明確にするために、マイクロチップによる個体識別措置が義務付けられている - 不正や定められた基準が守られていない場合は、罰則や許可の取り消しなどがある
人間に対し危険が及ぶ場合もあることから、これらのように厳しく決められています。
マイクロチップは、犬や猫でも使われていますね。
- 小さな電子標識器具(ICチップ)を皮膚の下に埋め込む
- マイクロチップを装着していると、その動物が逃げてしまっても発見されれば身元を確認することができる
チップが埋め込まれている部分に機械を当て、バーコードで読み取ることができます。
逃走させないことがいちばんよいのですが、もしものときにはすぐに身元の確認ができるのでとても便利ですね。
ワニを飼うための手続きなどについては、後ほど詳しくお話していきます。
小さい種類のワニは飼いやすい?
小さい種類のワニというといくつか種類がありますが、日本では、コビトカイマンやメガネカイマンが爬虫類専門店などで購入することができますね。
これらの小型のワニは、比較的性格がおとなしいといわれ、見た目も可愛いので人気の高いワニとなっているようです。
ですが、いくら小型といっても噛まれたらとても危険ですし、おとなしいからといって噛まないというわけではありません。
また、最も小さいといわれているコビトカイマンでも1m以上になりますから、危険な動物としてじっくりと考えてから飼うことをおすすめします。
ワニの販売価格はどのくらい?
ワニは、取り扱いを許可されたペットショップや爬虫類専門店などで販売されています。
メガネカイマンで15万円前後で販売されていることが多いのですが、その種類や個体の大きさによって販売価格はさまざまのようです。
だいたい10万円~30万円前後すると考えておくといいでしょう。
ペットとしてワニを飼うには?
ワニの大きさや特定動物であることなどを考えると、飼いたいからと安易に飼うことはできないですよね。
犬や猫を飼うのだって安易に飼うことはできませんが、ワニとなるとそれをはるかに超えた決意が必要になるかと思います。
では、ワニをペットとして迎えるにあたって、手続きや飼育環境など何をしていけばいいのか、見てみることにしましょう。
必要な手続きとは
ワニを飼育するためには、都道府県知事の許可または政令市の市長の許可が必要となります。
- 保健所に出向き、手続きのための詳しい説明を受ける
- ワニの販売店で、『生体販売証明書』と『ワニの写真』を用意してもらう
ワニの写真は自分で撮影してもよい - 動物保護管理センターで、『飼育許可の申請』の手続きをする
手数料(16,000~17,000円位)と書類が必要となるので、必要書類については事前に確認しておくこと - 職員が飼育場所などの確認のために、家に来る
- その後許可が下りたら『増減届』を提出する
- 『特定動物飼養・保管飼育証』と『特定動物の飼養または保管の許可を受けた事を示す座標』を受け取る
- 『保管許可証』とケージを持参して販売店へ
個体識別のためのマイクロチップを埋め込む
このようなながれで手続きを行い、晴れて許可が下りればワニを飼うことができます。
保健所に行ったり販売店に行ったり動物保護管理センターに行ったりと、
飼育するための準備とは
次は、ワニを飼育するための準備についてです。
小さい種類のワニでも、大きくなると1m以上になりますので、大きくなってもきちんと飼育できるような環境を用意してあげることが大切です。
自治体が定めた飼育環境をしっかりと準備してあげましょう。
ワニの飼育に必要なものについて、人気の高いコビトカイマンの場合を例にして挙げてみましょう。
- 飼育スペース
最低でも120×60×60のスペースが必要
できればもう少し広いスペースの方が快適な飼育環境が作れる - 水辺
ワニの全身が浸かれるくらいの水辺があるとよい
3対1の割合で水辺と陸を用意する - 餌
小さいうちは冷凍マウスや鳥のささみ、大きくなったらニワトリやウズラ、ウサギを与える - 日光浴
もしくは、紫外線灯などを用意する
ワニを飼育するうえで気をつけること
いくら飼い主といっても、相手は動物ですからいつどうなるかわかりません。
噛まれないように気をつけること、これがいちばん大切かもしれませんね。
- ストレスを与えない
- 紫外線を浴びれるようにする
- 飼育環境など基準を守って飼育すること
また、ワニは、雑菌に強く感染症になりにくいといわれているんですが、ストレスにはとても弱いんです。
寿命も長く、10年くらいのものから種類によりますが、70年生きるという場合もあります。
寿命の長いワニですから、ストレスをあまり感じさせないこと、あとは先ほども書きました紫外線をしっかりと浴びれるようにしてあげてください。
また、成長して大きくなると餌もニワトリやうさぎなどが必要となり、食べる量も増えてきます。
あげる餌にも注意が必要で、スーパーで売っている肉だと健康上に問題を起こしてしまうこともあるので、内臓や骨まで食べることができる餌を与えることも大切です。
そのため、餌代もけっこうかかることになるので覚悟しておきましょう。
あげるときにも勢いがあるので注意が必要です。
あげる餌については難しい場合もあると思います。
そんなときは、ペットショップなど専門店に相談するといいですよ。
また、飼育環境などの基準が守られていない場合や手続きに不正があった場合などは、許可の取り消しや懲役または罰金などが課せられる場合もあります。
許可が下りたから大丈夫というわけではないので、飼育環境や管理についても注意が必要となりますね。
ワニの飼育には、適切な飼育場所や飼育環境、また健康を維持するためにも、餌や紫外線が不可欠です。
しっかり覚えておきましょう。
飼育したワニはなつくの?
どんな動物でもペットとして飼ったらなついてほしいと願うことが多いと思います。
どちらかというと、なついていた方がより愛着もわいてきますよね。
ですが、許可さえ下りればペットとして飼育することができるワニですが、なつくことはあるのでしょうか?
動画のワニはある意味特殊かもしれませんが、とても微笑ましいですよね。
ワニが人になつくどうかはわからない
実は、ワニは犬のように人の顔を認識できたり、頭の良い動物だといわれているのです。
人の顔を認識できるからといって、ワニがなつくかどうかは断言できません。
また、危険な動物であることは変わりないので、いつ噛まれたり襲われたりするかわからないと考えておいた方が良いかと思います。
ですが、「これってワニが人になついてるの?」と思えるような話も実際にあるので、場合によってはなつくかもしれない。。。なんとも微妙なところですね。
先ほどの動画を見ていると、ワニはなつかない動物ではないと言えるのでは?と思えます。
お父さんに近づいたり甘えている姿はとっても可愛くて、あのワニについてはなついていると言ってもいいのかもしれませんね。
ワニや環境によって、なついているような様子を見せることがあるのかも?
覚悟と責任を持って迎えて
どんな動物でもそうですが、ペットとなる動物を迎えるときには、飼い主が覚悟と責任を持って迎えることが大切です。
ワニをペットとして迎えるには、これまでお話したように、さまざまな手続きが必要となり飼育するうえでも注意が必要となります。
この覚悟と責任という言葉、実は特定動物をこれから飼う人飼っている人に向けてのパンフレットに『飼い主の覚悟と責任』として書かれていたのを使わせてもらいました。
- 譲渡先または譲渡先を探すための体制の確保
- 自らの責任において殺処分(譲渡先の確保が困難な場合)
これは災害時などに飼養または保管困難になった場合に備えて、どちらを選択するかあらかじめ決めておく必要があるとのことでした。
災害時などなにかあったときの対処法だとしても、ものすごく覚悟のいることだなと感じました。
譲渡先がスムーズに見つかれば問題ないと思いますが、ない場合。。。
殺処分なんて考えたくもないですよね。
災害時でなくても、長い年月きちんと飼育することができるのかなど、迎える前にきっちり考えて責任と覚悟を持って迎えてほしいと思います。
なつくと思っていたのにちっともなついてくれないからもう飼いたくない、なんてことのないように。
想像してたのと違うからなどという身勝手な理由で放棄したりしないようにしましょう。
相手は動物ですから、思い通りにいかないのは仕方ないくらいの気持ちで飼っている方が気が楽かもしれませんね。
ワニ・クロコダイル・アリゲーターについて