• セミの抜け殻は食べられる?!
  • 漢方薬としての効能は?
  • 蝉の抜け殻は縁起が良い?

セミの鳴き声が聞こえてきたら、夏がやってきたと感じます。

同時にあらゆるところでセミの抜け殻を発見することができます。

セミの抜け殻は服につけたり、頭につけたりしておどけてみる…くらいしか使い道が無いと思っていませんか?

 

実はセミの抜け殻には全く別の驚きの利用法があるのです!

 

蝉は何年も地中の中で眠っており、やっと地上に出て羽化しても一週間の短い生命です。

 

実際には蝉の種類によって、地中にいる年数はもっと短いものから長いものまでさまざまです。

 

成虫になってからの寿命も種類によって異なり、1カ月弱くらいある種類もあります。

 

しかし動物などと比べれば、やはりとても短い一生ではないでしょうか。

 

力の限り鳴き続けて、短い一生で力尽きてしまう蝉の抜け殻について探りました。

セミの抜け殻は食べられる?!

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蝉の抜け殻が食べられるのって本当?!

蝉の抜け殻が食べられると聞いても、あまり食欲をそそりませんが、中国では、セミの抜け殻をから揚げにして食べる習慣があるらしいです。

 

既にから揚げになっているようなビジュアルをしていますが、美味しいのでしょうか?

 

現在も積極的に食べているかどうかは、わかりません。

 

では日本ではどうだったのでしょう?

 

実は日本でもセミの抜け殻を佃煮にして食べていたことがあります。

 

セミの抜け殻そのものには、あまり味がないそうで、無味無臭。

クセはないので、佃煮にして食べるというのは案外イケるのかもしれません。

 

セミの抜け殻は漢方薬

漢方といえば中国ですが、なんとセミの抜け殻を利用した漢方があるのだそうです。

 

漢方医学においては、セミの抜け殻は伝統ある素材です。

その漢方薬は「蝉退(センタイ)」といいます。※センダイとも読む場合アリ

 

セミの種類

中国では蝉退を作る時、スジアカクマゼミの抜け殻を使用しています。

 

しかし日本ではミンミンゼミやアブラゼミの抜け殻も効果があると言われ使用しています。

 

気になる成分はエビやカニの殻に含まれているキチン質が豊富なんだそう。

 

キチンとは、虫の殻、エビの殻、カニの殻といった、外骨格をもつ生物の外骨格の主成分です。

 

漢方薬としての効能は?

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漢方薬としてセミの抜け殻の効能はどういったものがあるのでしょうか?

風邪症状に効く

セミの抜け殻からできている漢方薬は、主に解熱剤としての効果が期待できます。

 

また、悪寒や発熱症状も抑えます。

喉の痛みを抑えたり、咳を沈めたり、風邪の症状がでている時に飲むと効果がありそうです。

 

アトピーにも効果アリ

皮膚湿疹や蕁麻疹、汗疹、アトピー性皮膚炎にも効果があるといわれています。

 

実際に「消風散」というアトピー性皮膚炎に効果があるといわれている有名な塗り薬には、セミの抜け殻が材料として使用されています。

 

特に肌の痒みを抑える、かゆみ止めとしての効果が期待されているのです。

有名な塗り薬の材料に使われるほど、効果があるということですね。

 

その他の効能

その他にも鎮痛や咽頭炎や結膜炎、白内障やインターフェロン誘起作用、子供の夜泣きにも使われます。

 

またセミの抜け殻にはキチン質が含まれているため、動物性の食物繊維の摂取にサプリメントとしても使われています。

 

ダイエットや血圧の安定、コレステロールを下げる効果もあることが判明。

 

とても幅広い症状に効果がありますね。

まさかセミの抜け殻にこれほどたくさんの効能があるとは…驚きです。

 

キチン質とは食物繊維

耳慣れないキチン質という成分は、食物繊維としての役割を持っています。

 

野菜などに含まれている繊維質と同じで、腸の中をキレイにしてくれて腸内環境を整えます。

 

腸内環境が整うと、体調も自然と良くなります。

セミの抜け殻の効果は、腸内環境を整えて便秘を防ぐ、現代でいう「腸活」ですね。

 

蝉の抜け殻は縁起が良い?

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世界で蝉の抜け殻に対するイメージとはどのようなものなのでしょうか?

中国

蝉の幼虫時代の長さと、土から這い上がってきて成虫になってから飛び立つその姿から、中国では「再生と復活」の象徴とされています。

 

命の儚さに注目するのではなく、生命力の強さを感じる生き物なのです。

 

また中国古代の絶世美女といわれている斎王の后は、蝉に生まれ変わったという伝説があります。

 

そこからは蝉は永遠の美のシンボルともされているのです。

 

中国で蝉は縁起物として扱われます。

翡翠や金属でつくられた蝉の工芸品や装飾品も数多くあるのです。

 

ヨーロッパ

日本よりも経度が高い欧州地域には、たくさんの種類の蝉はいないそうです。

 

そのため蝉は、ヨーロッパではかなり珍しい虫なのです。

 

フランスのプロバンス地方では、蝉の生命力から「幸運を呼ぶ虫」と扱われています。

 

アクセサリーのデザインになることも多くあります。

 

日本でいうと、ふくろうやカエルのようなイメージでしょうか。

蝉のデザインのものをお守りのように身につけたり、蝉の姿をデザインにしたお土産の品もたくさんあります。

 

アメリカ大陸

アメリカ大陸にはヨーロッパよりたくさん蝉がいます。

 

日本人のように蝉がすごく鳴いている音を懐かしく感じる人も多いのです。

 

また北米大陸東部にだけ見られる「周期蝉」と呼ばれている蝉が有名です。

 

17年に一度、13年に一度、時季はぴったり同じにものすごく大量の蝉が発生するのだそう。

 

大発生した年には、街中が蝉まつりのように大騒ぎになります。

 

その大発生した蝉とお祭りを体験しにいく観光客も出てきます。

 

この周期は、ベビーブームのようなもので発生しているのでしょうか。

お祭りなので、大発生した年にはお菓子やお料理にも蝉を使ったものが多く登場するそうです。

 

日本

日本でも蝉の抜け殻が縁起良いとされることはあるのでしょうか?

 

日本では中国やヨーロッパのように、蝉の飾り物やアクセサリーはあまり見かけることはありませんね。

 

しかし日本でも蝉の抜け殻は縁起が良いというエピソードもあるのです。

 

落ちない

木の枝や家の壁、中にはこんなところで羽化?とびっくりするような場所で羽化している蝉たち。

 

自転車のハンドルや、コンビニのごみ箱などでも羽化しています。

 

その蝉の抜け殻を手でとってみるとよくわかるのですが、とても力強く引っかかっているのです。

 

放っておいても、引っかかったまま何日も何日も落ちません。

その落ちない様子が受験生から縁起が良いととても喜ばれています。

 

抜け殻つながり

見た目はちょっとグロテスクで好き嫌いは別れますが、日本では蛇が縁起物として扱われています。

 

蛇の抜け殻は昔から縁起物とされており、お財布にいれておくとお金が貯まるといわれているそうです。

 

その抜け殻つながりで、蝉の抜け殻も縁起物として扱われることがあります。

 

精一杯、泣いて生き抜く短い一生を、儚く寂しいものとはとらえません。

子孫繁栄の為に、懸命に命をつないでいると考えるのですね。

 

まとめ

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セミの抜け殻の漢方薬としての歴史は長いです。

漢方薬として利用され、長く親しまれていることは、多くの人が効果を実感してきたという証明だといっても良いでしょう。

 

昔から日本人は、セミの儚さからくる美しさを感じていました。

 

そして蝉の抜け殻が縁起の良いものとして扱われている事実もありました。

 

日本人も少し蝉を見る目に変化があったのではないでしょうか。

 

蝉の抜け殻を見つけたら、蝉の力強さや生命力を感じてください。

そして「今日は蝉の抜け殻を見つけたから何か良いことが起こるかも~」と考えても良いのかもしれません。

 

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