- エナジードリンクは肝臓の負担になる?
- エナジードリンクを飲みすぎると肝臓に悪い?
眠気が取れる、疲れが取れることで人気となっているエナジードリンク。
しかしながら、過剰に摂取すると肝臓に大きな負担がかかり、健康に危険を及ぶことが分かってきています。
エナジードリンクを飲むと副作用で肝臓に負担がかかります。原因はいったいなんでしょうか。
エナジードリンクに含まれているカフェインによって中毒症状を起こして死亡した例があります。肝臓に負担になるのはカフェインなのでしょうか。
実はカフェインそのものは、肝臓に負荷をかけるものではありません。それ以外の成分が、肝臓に負担をかけるのです。
今回はエナジードリンクの飲み過ぎによる肝臓への負担について調べてみました。
エナジードリンクの効果は?
まず、エナジードリンクで疲労が回復したり、眠気が無くなり頭がすっきりしたりの感覚となるのはカフェインの効果です。
その持続時間はおよそ6時間程度であると言われます。これはエナジードリンクの種類、含まれるカフェインの量によって変わってきます。
カフェインはコーヒーやお茶などにも含まれていますし、錠剤も薬局で販売されています。カフェインは脳に働きかけ、集中力を上げることができます。
また、疲れを感じる部分を鈍らせますので、疲れが取れたり、眠気がとれたりします。
そして、エナジードリンクに含まれるクエン酸などの糖分も不労を軽減させる効果があります。
カフェインの肝臓への影響
しかし、カフェイン自体は肝臓に悪影響を与えることはあまりありません。
過剰摂取は確かに肝臓に負荷をかけますが、むしろカフェインが肝臓に溜まった脂肪を分解するなど、脂肪肝に対す改善効果を期待できるのです。
エナジードリンクに含まれている程度のカフェインが、肝臓に対し大きなダメージを与えることはないと言えます。

しかし、カフェインが安全ということではありません。
肝臓に悪いという元凶ではありませんが、エナジードリンクのカフェインは健康面では要注意です。
エナジードリンクのカフェインに要注意
肝臓への直接のダメージよりも、カフェインには「カフェイン中毒」の危険性があります。カフェインには依存性があります。
確かに一時的に眠気をはらい、集中力を増して、頭をすっきりさせますが、それはガソリン切れの脳みそを無理やり動かしているのと同じことなのです。
そもそも、疲れと眠気が発生するのは、正常な事であり、健康である証拠です。脳がそれを要求しているわけですから、そこで休むのは普通のことです。
カフェインはその感覚に働きかけ、無理やり体を動かせるようにするものだと理解すべきでしょう。
ときどき、頑張らなければいけないときにエナジードリンクを飲む程度であれば、問題は少ないですが、常飲するようになると非常に危険な状態となります。
カフェインによって睡眠を阻害することで、脳内のセロトニンの分泌が不活発となることもあります。セロトニンの不足はうつ病の原因になります。
肝臓に悪い成分「糖分」「アルコール」「脂肪」とエナジードリンク
カフェインの大量摂取は危険ではありますが、肝臓障害とはあまり関係ありません。
では、エナジードリンクで肝臓に悪いといわれる成分はんでしょうか。
肝臓に悪い成分の代表ですぐに思いつくのは「糖分」、「アルコール」、「脂肪」です。
エナジードリンクの成分としてアルコールはほとんど無視できます。また脂肪も他の食べ物の方がよほど多いです。
危険なのはやはり糖分でしょう。糖分を多くとり続けることは肝臓に大きな負荷をかけます。
しかし、糖分であればエナジードリンクではなく他の飲料にも大量に入っていますね。
では、エナジードリンクの中で、本当に肝臓にダメージを与える危険な成分とはなんなのでしょうか。
エナジードリンクの中で肝臓に悪い成分
糖分、アルコール、脂肪も肝臓に悪い成分ですが、それはエナジードリンク以上に含まれている成分がゴロゴロあります。
特にエナジードリンクだけの問題ではないですよ。
糖分であれば、もっと甘く糖分を多く含んだ飲料を飲み続けることの方が肝臓に負荷をかけそうです。
アルコールであれば、お酒を飲み続けた方が、どう考えても肝臓に悪いです。だいたい、肝臓を悪くする人はお酒が原因のことが多いです。
また、脂肪は脂肪肝を造り、肝臓に負荷をかけますが、エナジードリンクの問題ではなくそのようになるのは、単に食べすぎでしょう。
そして、問題になっているカフェイン自体は、他の健康問題をもってはいますが、肝臓自体にダイレクトにダメージを与えるものではないです。
確かに大量摂取は肝臓に負荷をかけますが、逆に肝臓につきそうな脂肪を分解するなど、カフェインの摂取が肝臓がんのリスクを避けるというデータもあるのです。
エナジードリンクの飲み過ぎで肝炎に!
ここまで見ていきますと、エナジードリンクよりも肝臓に悪そうな食べ物や飲み物の方が多いように感じます。
しかし、エナジードリンクは肝臓にダメージを与える成分を含んでいます。1日4から5本のエナジードリンクを飲んでいたイギリス人の男性が、急性肝炎を発症した例があります。

この様な症例は、数多く発表されています。
原因はエナジードリンクに含まれているナイアシンという成分になります。
エナジードリンクにはナイアシンと呼ばれるビタミンB3がかなりの量で含まれていることがあります。このナイアシンは摂取しすぎると肝臓に負荷を与えます。
ナイアシンは通常の範囲で摂取するならば、血管のコンディションを保ち、コレステロール値をも下げるのです。
適量であれば決して問題のある成分ではないのですが、過剰な摂取は危険です。
エナジードリンクの日常的な飲み過ぎはアイナシンの過剰摂取となり、肝臓の損傷を招きます。結果として、肝炎を起こすことが確認されています。
エナジードリンクを飲み過ぎた男性の場合、尿が黒ずんで、黄疸が出て自分の異変に気づき病院に行くことになったのです。
アイナシンの推奨摂取量は1日あたり20ミリグラムですが、エナジードリンクの種類によっては1本で40ミリグラムのアイナシンが含まれているモノがあります。
アイナシンは他の食物にも含まれる
アイナシンの過剰摂取が続くとは毒性が蓄積され高いレベルのトランスアミナーゼ肝臓酵素を発生させます。
アイナシンの過剰摂取が続くと重症肝炎を発症する可能性が上がってくるのです。
エナジードリンクだけのアイナシンの量も1日の推奨摂取量の倍となりますが、アイナシンは他にも多くの食物に含まれます。
アイナシン、つまりビタミンB3は、肉、魚、卵、緑色野菜、豆などの中に多く含まれます。
つまり、生活の中で気が付かない間に多くのアイナシンを摂取してしまっている可能性はあるわけです。
それは、エナジードリンクを飲み過ぎれば、簡単に起きてしまう可能性があるのです。
まとめ
エナジードリングも飲みすぎれば身体に悪いという当たり前の話に帰結します。
エナジードリンクは飲むと集中力が上がり眠気が無くなるなど、勉強や仕事で踏ん張りたいときには役に立ちます。
しかし、日常的に何本も飲むようになると、いろいろな健康被害が起きる可能性があります。
肝臓に障害を起こす成分であるアイナシンがかなり多く含まれているブランドのエナジードリンクもあります。
このようなエナジードリンクを飲み続ければ、肝炎を発症するリスクは上がっていきます。
また、肝臓だけではなく、カフェインの過剰摂取も健康上問題を起こすことがあります。
当たり前の話ではありますが、「適量」を守っての飲むことが、エナジードリンクでも必要だということでしょう。
エナジードリンクやビールについて