- メロンで喉がイガイガする時の対処とは?
- イガイガが治らないなら今すぐやること
甘くてジューシーなメロン。夏、冷やして食べるとおいしいですよね。
りんごやバナナ、みかんなどのように、しょっちゅう食べる果物ではありませんが、メロンを食べて喉がイガイガしたことありませんか?
「メロンが喉を通っていく感じがイヤ」なんてことを言う人もいますよね。甘いはずのメロンなのに、なぜ喉に違和感を感じてしまうのでしょうか。
それには、ちゃんとした原因があったのです。メロンを食べて喉がイガイガする原因とその対処法を紹介します。
メロンで喉がイガイガするときの対処
メロンで喉がイガイガする原因とは?
メロンで喉がイガイガしたり、舌がピリピリしたりというのは、メロンに含まれるククミシンというタンパク質分解酵素が原因です。

ククミシンは、その名の通りタンパク質を分解する性質があります。
そして、喉や舌は通常粘膜で覆われており保護されています。この粘膜はタンパク質でできているのです。
メロンを食べるとククミシンの作用で喉や舌の粘膜にあるタンパク質が分解されて、刺激を直接受けることになります。
そのために喉や舌に違和感を覚えるのです。
このイガイガ感は、たいてい15分から30分ぐらいでおさまります。それ以上、イガイガ感や違和感が続く場合は、別の原因があると考えられます。
ククミシンはメロンの中でも果汁の中に多く含まれています。果肉には作られないのが特徴です。ただ、食べる時は果肉と果汁を分けることはできませんので、イガイガ感を感じるのは仕方ないことですね。
こう見ると、ククミシンを口に入れたくないと思うかもしませんが、タンパク質を分解するという働きは良い効果もあるんですよ。
血液の凝固を防ぐという効用もあるので、サプリメントにもなっており、健康への効果も期待されているんです。
ちなみに、パイナップルにもタンパク質分解酵素が含まれています。それは「ブロメリン」と呼ばれていますが、メロン同様にパイナップルを食べた時も喉や口の中に違和感を覚えるという人もいます。
成熟したメロンは、刺激が多い?
また、熟しすぎたメロンを食べると、口の中がヒリヒリしたり、喉が焼けるような感じがするということも起こります。
それは、メロンは成熟するにつれて揮発性物質(エタノール、酢酸エチル、炭酸ガスなど約50種類)が生成されます。
これらの物質が舌、喉など口の中を刺激するために、上記のような症状が起こるのです。
こうした症状が出たら、すぐにメロンを口から出して、口の中をゆすぎましょう。
メロンを買う時や頂いた時は注意しましょうね。あまり熟しすぎたメロンを買うのは控えた方が良いですし、頂いた時は、「熟した方がおいしい」と言って、長い時間放置してしまうより熟してきたかなと思ったらすぐに食べた方がいいでしょう。
喉のイガイガを治す方法
それでは、メロンを食べて喉がイガイガ、違和感を感じる時に早く治すにはどうしたらよいのでしょうか。
その場でできる、3つの対処法を紹介します。
口の中をゆすぐ
まず、すぐにしなくてはいけないことは、口の中のメロンを出して、すぐに口をゆすぎましょう。口の中のククミシンを取り除くということです。
口の中をきれいにしてあげて、ククミシンを取り除いたら刺激を受けることもなくなります。
牛乳やヨーグルトを食べる
口をゆすいだら、牛乳やヨーグルトを食べてみるのも一つの方法です。
牛乳やヨーグルトにはたんぱく質が含まれているので、ククミシンがそのタンパク質を分解しようとします。そのために、口の中の刺激が和らぐという効果です。試してみてください。
熱いお茶やお湯を飲む
タンパク質はある一定の高い温度で変性するという性質がありますので、それを利用して不快感を抑えるという方法です。
この方法でタンパク質分解酵素の効き目を抑えることができます。
喉のイガイガがなかなか消えない?アレルギーかも?
上記の対処法をしても、喉のイガイガやかゆみが消えないとしたら、口腔アレルギー症候群であるかもしれません。
口腔アレルギー症候群とは
ある特定の果物、野菜、ナッツ類を食べた時に、口の中や唇にしびれを感じたり、腫れたりという症状を引き起こすアレルギーです。
口の中や喉だけでなく、顔が腫れたり、じん麻疹が出たり、腹痛を起こすこともあります。ひどい場合には、喉が詰まったようになり、呼吸困難にもなります。
どんな食べ物が口腔アレルギー症候群を引き起こす?
果物では、メロンの他にリンゴ、キウイ、モモ、グレープフルーツ、マンゴー、サクランボなどがあります。
野菜では、セロリ、ニンジン、ジャガイモ、トマトなどです。日常的によく食べる野菜がアレルギーを引き起こす可能性があるんです。
ナッツ類では、ピーナッツ、アーモンド、クルミ、ココナッツ、ヘーゼルナッツなどです。
以上の食べ物は口腔アレルギー症候群を引き起こしやすいと言われています。
もし、これらの食べ物を食べた時に、口の中に違和感を感じた場合は、食べるのを少量にするか、控えるかした方がよいでしょう。
食べないことには、何も起こらないので、食べないことが一番の対処法とも言えます。
また、タンパク質は高温だと変性するという性質を利用して、リンゴはコンポートにして一度火を通して食べてみてもいいかもしれませんね。
口腔アレルギー症候群と花粉症の関係は?
一般に、花粉症を持っている人が口腔アレルギー症候群になりやすいと言われています。
花粉症を引き起こすタンパク質の構造が、これらの食べ物のタンパク質の構造と共通しているため、食べ物を口にした時に、口の中でアレルギー反応が生じるのです。
口腔アレルギー症候群になってしまったら?
できるだけアレルギーを引き起こした食べ物を食べないようにすることが基本です。
さらに、症状が頻繁に出る時期には、抗アレルギー薬をしばらく的に服用することが必要となります。また、症状が出た場合、抗ヒスタミン薬などの薬で症状が短時間に進行していくのを防ぐ必要もあります。
軽症であれば、この対処法で1時間以内には症状は治まるはずです。それでも、症状が続いて喘息発作などの激しい症状が出てきてしまったら、すぐに病院に行って、治療を受ける必要があります。
口腔アレルギー症候群を予防するには
今までアレルギーを起こしたり、アレルギーを起こすと言われている食べ物を口にしないということが、一番の予防になります。
さらに、アレルギーを起こすのは色々な要因が重なって起こることが多いので、例えば、風邪を引いていて薬を服用している、寝不足、ストレス、疲れているという状態、女性だと生理の前後は特別に注意が必要です。
このように体力が弱っている時は、自律神経が不安定であったり、免疫系のバランスも乱れているため、必要以上にアレルギーを引き起こす食べ物には注意をしましょう。
疑いがある食べ物は、いきなり口に入れるより、少しだけ舌の上にのせてみて、違和感を感じるかどうか試してから食べてみて下さい。
まとめ
メロンを食べて喉がイガイガする原因がわかりましたでしょうか。
この喉のイガイガが花粉症とも関係してるとなると、リンゴやトマトなど食べるのが恐くなる人も多いのではないでしょうか。
現代は花粉症が蔓延して、日本人の3,4人に1人が花粉症を患っています。さらに、口腔アレルギー症候群は、花粉症を持っている人の10人に1人の割合で発症するとも言われています。
口腔アレルギー症候群は花粉症の治療をすることになります。自分がどんなアレルギーを持っているか認識があるだけでも、普段の生活で予防することができますので、喉のイガイガが治らない場合は、すぐに病院で検査しましょう。
卵、牛乳、小麦などの食べ物アレルギーもありますが、口腔アレルギー症候群は主に口の周りに症状が出ます。一般の食べ物アレルギーは、じん麻疹や下痢、湿疹などの症状が全身に出ます。
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