徐々に暑さが増してきて、体調を崩されているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
普段はよく食べる人でも、夏バテになると食欲が一気に無くなってしまうという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、そんなこととも無縁の大食い(大食漢)な人というのも世の中には一定数います。
私たち一般人には考えられないくらいの量の食べ物を涼しげな顔で平らげてしまうというような人たちがテレビの向こう側で特集されていたりもしますよね。
今回は、こういった大食いの人たちのことについてご紹介していきましょう。
大食いは病気?
ありえない量のご飯を、苦しむことも無く平らげてしまう大食いの人たちは、ごくごく普通の私たちとは一体なにが違うのでしょうか。
大柄な、太っている人が大食いなのであればなんとなく納得できます。
が、テレビに出ているような大食いの人たちといえばどちらかというと痩せていて細い体型の人が多いような気がします。
あんなにたくさんの食べ物を食べて痩せているだなんて、羨ましく思うのと同時に不思議に思いますよね。
彼らは大食いに適した、特異体質の持ち主なのか。
はたまた、ある種の病気なのか。
大食いの人たちのカラダの秘密に迫っていこうと思います。
エネルギーの消費量の違い
私たちのような一般人がたくさんのごはんを食べると太ってしまうのはごくごく普通のことです。
それは、食事をして摂取したエネルギー量が消費するエネルギー量を上回ってしまうことから起こってしまいます。
そこで余ってしまったエネルギーが、私たちのカラダに脂肪として蓄積され太ってしまうのです。
ということは、大食いをしていても太らない人というのは消費するエネルギーが摂取したエネルギー量を上回っているということになります。
こういったことはイレギュラーなことですが、こういった人たちは「普段の活動量が多い」もしくは「筋肉量が多く基礎代謝量が多い」ということになるでしょう。
これはつまり、基礎代謝が高いということが言えます。
食べても太らないカラダを手に入れたいという人は、まずこの基礎代謝を上げることから始めましょう。
甲状腺の異常
上でご紹介した「たくさん食べても太らない人」の特徴は元々のカラダの作りの違いと言えるので、病気ということではありません。
しかし、なんらかのカラダの異常・病気が原因で太らない体質になっている場合もあります。
まずひとつめが、「甲状腺の異常」です。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう「甲状腺機能亢進症」という病気があります。
甲状腺ホルモンというのはカラダの代謝機能を司っています。
しかしこの甲状腺の働きが崩れてしまうことで、動悸や発汗の異常、体重減少などの症状が表われてしまいます。
なので、この病気に掛かってしまっているのであればたくさんごはんを食べても太らないどころか痩せていってしまうこともありえるのです。
糖尿病
食べても太らないことの原因になっていると考えられる、ふたつめの原因が「糖尿病」です。
生活習慣病のひとつとして広く知られている糖尿病ですが、これが原因で体重が減少してしまう恐れがあるというのはご存知でしたでしょうか。
糖尿病というのは、血糖値が非常に高くなりその際にインスリンの分泌が少なくなったり、インスリンがうまく作用しなくなってしまいます。
そうすると摂取されたブドウ糖を使うことなく、細胞に蓄えられている脂肪をエネルギーとして消費してしまうので、それによって体重減少ということが起こってしまいます。
糖尿病というのはカロリー過多が原因で発症してしまう病気なので、大食いの人たちがかかっていたとしてもおかしくはありませんよね。
ですので、大食いの人たちがたくさん食べても太らない原因として大いに考えられます。
胃下垂
たくさん食べてもまったく太っていない人を見ると「あの人胃下垂なのかな?」なんて言う人もいます。
その通り、胃下垂の人は太りにくい体質の持ち主です。
これは病気でもなんでもなく、元々の体質だと言えます。
通常胃というのは、周囲の筋肉や脂肪によって支えられていておなかの上の方に位置しているのです。
しかし、痩せた体型の人は腹部の筋肉量や脂肪量が少ないのでその支えがありません。
なので、ごはんを食べて胃の中に食べ物が入ってくると、その重さで胃が垂れ下がってしまうのです。
これを「胃下垂」と言います。
胃下垂になってしまうと消化不良を起こしやすくなってしまいます。
そのため栄養をうまく吸収できないので、「太らない」体質であると言うよりは「太れない」体質なのだと言った方が正しいのかもしれません。
過食症の可能性はあるのか?
「食べ物をたくさん食べる」ということから摂食障害である「過食症」ではないかということを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。
過食症と大食いには関係性があるのか、調べてみました。
過食症のフードファイターもいる
過去にテレビの大食い選手権などで活躍していたという元フードファイターの女性が、自身が過食症であったということを告白しています。
彼女いわく、他のまわりのフードファイターたちのなかにも過食症の人はたくさんいたみたいです。
その女性が自身のブログで、番組内などで「食べても太らない」と言っていたのは嘘です、と告白したのでした。
実際のところは、大食いをした直後に激しく嘔吐していたから太らなかった、痩せていたのだと言っています。
そして、彼女以外のフードファイターの多くも同じような状態だったというのです。
大食いの道から離れた彼女は、この過食症という摂食障害を克服するために専門の施設に入所していたようです。
過食症の種類
ひとくちに「過食症」と言っても、その症状には2種類あります。
まずひとつめが「排出型」です。
これは上でもご紹介したようなことで、大食いによって体重が増加してしまうのを防ぐために嘔吐したりすることを指します。
ひどいケースでは下剤や利尿剤を服用して体重の増加を防ごうとしてしまう人もいるようです。
ふたつめが「非排出型」です。
「排出型」過食症の人たちのように嘔吐や下剤の使用といった代償行為は行いません。
その代わりに絶食や過剰な運動をする等して体重の増加を防ごうとするのです。
字面としては「非排出型」過食症の人たちの方が、食べ物を食べるということをやめたり運動をするということから健康的な調整方法のように感じます。
しかし、それで安心しきってまた過食をしてしまうのがこの過食症の怖いところです。
大食いタレントが抱える病気とは
ここまでで、大食いの人たちが何故太らないのかということについてご紹介してきました。
元々がそういう体質といった場合もありますし、太りにくい原因となっている病気の可能性も考えられます。
しかし、どちらにせよ一般的な人より多く食べるということはなにかしらの病気になってしまうリスクを伴っています。
私たちのような一般人で大食いの人であれば食生活を見直すであるとか、最悪の場合病院に通院することで改善する余地があります。
しかし、大食いということを生業としている「大食いタレント」の皆さんはなかなかそういうわけにはいきません。
なんせ、大食いをすることこそが彼ら・彼女らの職業なのですから。
ですから、生活していくためにも大食いをやめるわけにはいきませんよね。
そうすると、やはり心配なのは健康面です。
では、大食いタレントの方々が抱えている、大食いによって悩まされているであろう病気についてご紹介していきましょう。
「大食い」自体の危険性
まずは「大食い」すること自体の危険性についてご紹介しておきましょう。
今から20年ほど前に、とあるテレビ番組がきっかけで大食いブームというのが到来しました。
そうすることで、当然真似をする人があちらこちらで出てきてしまったのです。
そんななか、中学生が給食時に友達同士でフードバトルをしたことでパンを喉に詰まらせて窒息死するという事故が起きてしまいました。
当時は大食い選手権やフードバトルを扱った番組が全盛期を迎えていたこともあり、この事故はニュースで大々的に扱われ、大食い自体が問題視されるきっかけとなったのでした。
病気とはまた違いますが、大食いをするということは最悪の場合命を落としてしまう可能性も無きにしも非ずだということを念頭に置いておかなければなりません。
糖尿病
大食いの人がなりやすい病気のひとつとして周知されているのが、糖尿病です。
先に大食いをしても太らない人の原因として考えられるのが糖尿病であるとご紹介しました。
しかし、元々糖尿病ではなかった人が大食いを続ければ糖尿病になるリスクが増えてしまいます。
糖尿病になってしまうと、食生活を根本的に見直すであるとか日常生活の中で積極的に運動をしなければならなくなってしまいます。
しかし、糖尿病になってしまうと完治するのはなかなか難しく、かかってしまえば一生付き合い続けなければならなくなってしまう恐ろしい病なのです。
ちなみに、糖尿病というのは「1型糖尿病」と「2型糖尿病」のふたつに分類することができます。
「1型糖尿病」というのは先天性のもので、完治するということはまずないといえます。
なので、日常的にインスリン療法を取り入れたりしなければなりません。
「2型糖尿病」というのは生活習慣の乱れからなってしまいます。
ですので、大食いの人たちがなるとすればこの「2型糖尿病」ということになります。
上でもご説明したように、食生活の見直しや運動を取り入れるなど生活習慣を改善することによって血糖値をコントロールします。
そうすることにより糖尿病の症状を最大限まで抑えることができます。
心筋梗塞・動脈硬化
大食いをすることでカラダにとても負荷を掛けてしまいます。
血中の脂肪量が増え、血管への負荷が高まることで動脈硬化のリスクを上げてしまうのです。
そして動脈硬化は放置し続けることで血管のつまりを起こしてしまいます。
その血管のつまりが心臓付近で起こってしまうと心筋梗塞になってしまうのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
大食いタレントの方々がテレビの向こう側で気持ちいいくらいにたくさんのごはんやスイーツを食べている姿をよく見かけます。
普段そんなにたくさん食べることのない人が見れば、少し憧れるような気持にもなるのではないでしょうか。
しかし、大食いをすることで自身のカラダを壊してしまうリスクもあります。
そして、最悪の場合は命を落としかねない状況になってしまうこともあります。
彼らは特別な経験を積んでいるからこそ、そのリスクを回避できているのかもしれませんし、決して私たちのような一般人は真似してはいけません。
節度を持って、美味しく楽しく食べましょうね。
最後までお読みくださり、まことにありがとうございました!
大食い・太った芸能人について