- じゃがいもの歴史と日本!
- 栽培の歴史はヨーロッパ・アイルランドから
日本国民である私達は、今や日常生活の中でごく普通にじゃがいもを手に入れ、食べることができます。
しかも、じゃがいもは何も日本だけの食べ物ではありません。
そこで疑問に思うことは、世界中で食べられている定番野菜のじゃがいもですが、実際にはどこで生まれ、日本にも広まったのでしょうか?
ここでは、じゃがいもの歴史と、栽培の歴史についてご紹介したいと思います。
じゃがいもの歴史と日本
じゃがいもは、南米のアンデス山脈で生まれ、そこがじゃがいもの故郷であると言われています。アンデスには歴史的にもいくつかの文明が存在しており、それがインカ文明へと発展しました。
そのインカ文明を支えたのがそもそも「じゃがいも」であり、「とうもろこし」であると言われているのです。
そして、現在も標高3000m以上もあるアンデス山脈の高地には、野生のじゃがいもが植生していると言われています。
そしてその後、コロンブスが新大陸を発見した1492年、インカ帝国の終わりにスペイン人がヨーロッパへじゃがいもを持ち帰ったことからじゃがいもの歴史が始まりました。
そもそもじゃがいもは花をつけることから、観賞用として栽培されていました。花を見るだけのものだったとはこれもまた不思議な感じがしますね。オランダへ海外進出を機会に、じゃがいもは観賞用から食べ物として扱われ、それから世界中に広まったとされています。
18世紀になると、じゃがいもは主要作物として認められるだけではなく、爆発的にその生産が盛んとなり、年間収穫量もとてつもなく増えたと言われています。
また、アイルランドでもじゃがいもが定着すると、その後はアイルランドの人口は急激に増えました。まだじゃがいもが定着していなかったとされる17世紀のアイルランドの人口は、19世紀半ばにはなんと800万人を超えるほどの人口増加に至りました。
じゃがいもはオランダ船に乗って日本へ

今からおよそ400年以上も前に、日本にじゃがいもが伝わってきました。
ジャカルタで活動していたオランダ人が、長崎の出島に持ち込み、そこから日本に普及したとされています。それ以降、じゃがいもは主に寒冷地に広まりました。
しかし、日本に入ってきたばかりの頃のじゃがいもの味はまだ淡泊な感じで、日本人の口には合わなかったそうで、あまり普及しなかったと言われています。
それからおよそ100年の時を経て、長崎に上陸したじゃがいもは、北海道へと渡り、現在の瀬棚待ちで1706年から栽培が始まったそうです。明治時代になり、北海道の土地開拓が本格化し、じゃがいもの生産はどんどん向上していきました。
そして、じゃがいもの中でも早期に導入されたのが「男爵いも」で函館の川田龍吉男爵という方が、イギリスから持ち帰ったじゃがいもを北海道へもたらし、じゃがいもの中でも「男爵いも」がスタートしたのです。
それから長きに渡り、様々な工夫と試行錯誤の末、多くの品種が導入され、北海道はじゃがいもの生産量日本一にまで昇りつめたのです。
昭和時代のじゃがいも
明治時代からじゃがいもが普及し、野菜の中でも主要な野菜であることを認識されると、同じ炭水化物であることから、米不足の時にとても活躍する野菜として抜擢されていました。
昭和時代は小学校などでも学校給食が始まりましたが、それ以前の子供達の昼食は、現代のような色とりどりなお弁当という訳ではありません。
その当時は、お弁当と題して、じゃがいもを包んでお弁当として持参していた子供がどれほど多かったことか・・・。現代がいかに裕福で贅沢な時代であるかが分かります。
現代のじゃがいもはどんなじゃがいも?

日本には、現在、様々な品種のじゃがいもが栽培されています。
それも、味も日本人好みの味に仕上がるよう、様々に品種改良を重ねていると言われています。その中でもやはり主力であり王道なのは男爵いもとメークインです。
じゃがいもはそもそも水分を含まない野菜であることから、日持ちも長く、腐りにくいのが特徴です。また、どんな料理にでも利用できることから、多くの家庭では必ずじゃがいもをストックさせていることも多いでしょう。
北海道のじゃがいもは生産ナンバー1!
じゃがいもの収穫量は、北海道が日本全国1位となっています。
北海道がじゃがいもの生産地として最適であるのにはいくつか理由があります。
それは、強い風や低い気温など、厳しい環境に非常に強く、冷害で米不足や麦不足が起こっても、じゃがいもだけはとても安定した収穫量を見越すことができるのです。
その為、備蓄作物としても長期保存が可能であることから、じゃがいもはとても重宝される野菜となりました。
このようなことから、北海道のような気温が低く、条件は最適であるとは言い難い土地でも、美味しいじゃがいもが栽培されるようになったのです。
こうしてじゃがいも栽培の為に最適な土地や気候、気温などが良い関係を保つことにより、北海道でのじゃがいもの栽培は、将来的にもどんどん増えると予想されています。
男爵いもとメークインはどう違う?

じゃがいもと言えば、男爵いもとメークインが主流です。
男爵いもは函館の川田男爵さんが北海道に持ち込んだことが始まりであると言われています。
北海道に男爵が伝わった経緯は、造船会社を経営する中で、函館に約9ヘクタールもの農場を購入し、じゃがいもの種子を植え、栽培に着手したことから始まりました。
メークインは、男爵いもよりも後に誕生しました。メークインは、北海道の道南、厚沢部町で、大正時代の終わりに栽培が始まったと言われています。
実際に、厚沢部町役場の裏に、「メークイン発祥の地」として碑が建てられているのです。
北海道のじゃがいもの生産量は?

北海道は、誰もがご存知の通り、日本でのじゃがいも生産量第1位です。
あれほどの広大なる北の大地でじゃがいもを栽培するのは申し分ないほどぴったりの土地であることが分かります。
また、北海道のじゃがいもの生産については、全国の70%以上も占めていることから、ほとんどが北海道産として栽培されていることになります。
品種として代表的なものは、男爵いもとメークインです。男爵いもは北海道でも函館市が発祥の地とされており、メークインは厚沢部町と言われています。
実際の収穫量としては、年間250万トンにも及びます。北海道はその乾燥した空気と、1日の寒暖の差が激しいことが、じゃがいもの栽培に最適な条件になっているのです。
じゃがいもは色んなところで販売されている
北海道旅行をされたことのある方は、レンタカーを借りて北海道の大地をドライブしていると、国道沿いなどで野菜の販売所を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか?
そのような販売所で販売されているじゃがいもこそ、土がついたままの新鮮そのもののじゃがいもが楽しめます。
新鮮なじゃがいもの味は、スーパーで購入するものとはまた一味違っています。日本の本場、北海道のじゃがいもをぜひ堪能してもらいたいものです。
まとめ
いかがでしたか?じゃがいもの歴史と、栽培の歴史についてご紹介しました。
じゃがいもはそもそもアンデス山脈で栽培され、ヨーロッパやアイルランドから伝わったものであることが分かりました。

18世紀頃からは、じゃがいもは主要作物として扱われ、世界各国で楽しまれるようになったようですね。
じゃがいもの歴史がこれほどにまで奥深いものだとは思ってもみませんでした。
今後もじゃがいもを美味しく楽しんで食べたいものですね。
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