- ホームレスの冬の過ごし方、生活とは?
- 凍死による死亡も多い?
ホームレスの人は何より空腹と寒い冬を過ごすことが過酷な状況であります。
ネットカフェ内ではなく外で暮らすホームレスは冬そして寒い夜をどのように乗り切るのでしょうか。また、どんな工夫をして冬を過ごしているのでしょうか。
ホームレスの冬の過ごし方・生活は?

食べ物はコンビニやスーパーの廃棄した込み袋から食べられそうなものを探し出します。
それなので冬は寒いですから食べ物をゲットしたらあとは暖かい場所を選んで過ごします。
今は公園のベンチはホームレスが寝転がれないように仕切りが付いているところが殆どです。それでもホームレスはそこが暖かいと思えば暖かいベンチの上で過ごします。
東京の上野公園では座る場所や寝転ぶ場所もあります。観光客も多く上野動物園も賑わっているので、人の目につきやすいのですが、何しろ暖かい場所で身を休めたいホームレスは他人の白い目も気にしません。
以前より減った公共施設でのホームレス
警察やその自治体の取り締まりが厳しくなり、上野公園でもブルーテントを張っているホームレスの数は激減しました。
いまのホームレスは着ている服も極端に汚れている人は少ないので一見ホームレスだとわかりづらい人が多くなりました。
無償で衣服を寄付するNPO法人(ホームレス支援団体)などがホームレスに寄付していることが功を奏しています。それですので、公共施設でいかにもホームレスが休んでいるという風景は減りました。
ホームレスの人数の把握は難しい
前にイケメンすぎるホームレスが中国にいて話題になりましたが、彼の場合は服装もぼろぼろでした。それでも服の着こなしのこなれた感が体格のいい彼をより一層格好よく見せていました。

日本にはそのようなイケメンなぼろぼろホームレスの男性は見かけません。
以前に比べてホームレスのいでたちが身綺麗になったので、歩いていてもホームレスだ!と一目でわかることは少なくなっています。ホームレスを探すなら夜ダンボールで寝ている数を数えるほかないのです。
寒い冬のホームレスの行き場

冬、それでも真冬に入り雪でも降ろうものなら、屋内に入らざるを得ません。
暖かい屋内、例えば昼間は商業施設などでウロウロして過ごします。図書館も新聞など読めるため情報収集にいい場所です。
水は公園であらかじめペットボトルに汲んでおけば図書館内で喉が渇いても過ごせます。運が良ければゆったりした椅子が設置されている図書館もあり、座りながらうたた寝が可能です。
小屋を持つホームレス

ホームレスの人の中では元大工職人だった人もいます。
また日雇い労働で建築関係に就いていた人もいます。そういう人は拾い集めたベニヤ板や角材で小屋を作ってしまいます。
大概大きな川べりに小屋があります。行政から立ち退きを言われてきますが、またどこか場所を移して建て直すのです。
更に器用な人はテレビやラジオも
ベニヤで作った小屋で自家発電装置も見つけてきてテレビやラジオを使用して快適な生活を送っているホームレスもいます。
かなりの高価なものですから留守中の盗難防止に南京錠までつけている小屋があります。おまけに小屋内にビニールを張り防寒、防風を工夫するホームレスの小屋はかなり上級編でしょう。
猫を飼っている人もいます。野良猫です。時々わずかのご飯を与えて餌付けをしてともに暮らしているホームレスもいます。寂しさを紛らわすには猫は一番かも知れません。
ダンボールやブルーシートだけのホームレス

小屋などを持たないホームレスは、集めてきたダンボールで体を囲みます。
毛布を粗大ごみで手に入れた人ならば毛布を1枚、2枚巻き込み、夜を過ごします。ダンボールは外気との気温差が3度位あり、割に暖かいのです。
地下鉄が終電をおえた階段のところなど風をなるべく避けられるところでダンボールを丸めて朝まで過ごします。
傾向としては同じようなメンバーが同じ所に集まります。また地下道にもダンボールのホームレスはずらっと集まり一晩を過ごします。
高架下のホームレス

高架下にホームレスは冬場でも点在します。
夜は雨、雪がしのげるのでここでダンボールやブルーシート、毛布にくるまり過ごす人がいます。
高架下も公共の場ですから行政がやってきて立ち退くように言ってくることもありますが小屋とちがい移動が簡単です。また他の高架下を探せばいいのです。
一般人には想像できない寒さ
ジャーナリストなどが同じ体験をしようとして冬の夜をダンボールで過ごしてみてもかなり寒いのです、眠れたものではありません。

それなので、毛布を持っているかどうかで暖かさは格段に違ってきます。
毛布はホームレス誰もが羨むので昼間はどこかへ隠しておかないと、他のホームレスに盗られてしまいます。例えばどこかの建物の隙間にしまっておきます。
ありがたいホカロンの提供
またNPO団体(ホームレス支援団体)が接触してくれば、そのホームレスはおにぎりなどの食べ物だけでなくホカロンなども提供されるので大変助かるのです。
ホカロンならば一晩、暖かさが持ちますから最悪の凍死は避けられます。
暖かいデパ地下での試食
ホームレスにとって暖かいデパ地下での試食コーナーは魅力的です。さりげなく味見をするふりをして、あちこちの店をまわり試食を重ねて空腹も満たします。
お腹を空かせているからとつい、がっついて試食するとデパート職員が、気が付いて退去を促してしまいます。
ですから、あちらの店、こちらの店で少しずつ試食をするのがコツですが、そのようなコツは一度、退去された経験を積まないと掴めないのかも知れません。
暖かい炊き出し
外であってもホームレス支援団体の炊き出しの汁物も暖かいのでとても助かります。
公園で長い列を並んでもタダでありつける暖かい汁物や丼ものは願ってもないことです。
凍死による死亡も多い?
日本列島を襲う大寒波、家の中にいても暖房器具をつけていないと寒くて仕方がありません。外で過ごすホームレスはどれだけ寒いでしょうか。
あまりの寒さで凍死してしまうホームレスは年間100人位です。ただし、ホームレスの人数全体が把握できていないため、この人数が多いのか減ったのか判断が難しいところです。
男女比で見れば、外で過ごすホームレスに女性はいないため、男性のホームレスの凍死が圧倒的に多いのです。中には親子ホームレスもいて抱き合うようにして凍死してしまったという悲しい結末もあります。
地域ごとに比べてみれば当然、北海道、東北など雪が降り寒い地域のホームレスのほうが死亡人数は多いのです。
南へ行けば行くほど、凍死での死亡率は下がります。関東圏や大阪などの市街地は雪も温度も厳しくなく温暖な気候です。北九州は南ですが雪が降るためホームレスにとっては厳しい地域と言えます。
南国、沖縄でのホームレスはどうかといえば、今度は逆に市街地は観光客で込んでいるため住む場所を見つけることが非常に難しいです。
そのため、少し離れた所で自給自足して生活を遅れる地域を選んで、最終的な手段として内地から(九州などから)移り住んでいる人達が多くいます。
凍死する心配だけはないのです。ただし、沖縄は地元民との付き合いが密なため、溶け込めないホームレスは「あの人、ホームレスじゃない?」と、すぐばれてしまいますが。
本当にいたヒッチハイク・ホームレス

北部地域のホームレスが秋のうちにヒッチハイクして南下してきた例です。
東北に住むホームレスが、冬が来る前にトラック運転手にかけあい、東京のほうまでヒッチハイクして南下移動してきたのです。ヒッチハイクなら移動費はかかりません。
自分が東北育ちなら故郷への哀愁はあれども生きるためには必死です。余程、しっかりした人格のホームレスだったのでしょう。
運転手も相手がホームレスかどうか察したかわかりませんが、よくヒッチハイクを受け入れてくれたものです。
それなので札幌などにいるホームレスも冬を過ごすのは大変なため南下したい人は多いのですが移動手段の方法が中々見つからないため、このケースは珍しいのです。
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