• ヒトデを食べる習慣が熊本県天草市にある?
  • 食べ方&食べられる種類
  • 実際にヒトデを食べるには?

英語でスターフィッシュと呼ばれているヒトデは、その名の通り星型で可愛らしい姿をしています。

よく海水浴に行くと浅瀬で発見できたりして、ちょっと嬉しかったりもしますよね。

釣りをする人にとっては狙った獲物よりもヒトデばっかりかかる時なんかもあったりして、「邪魔くさいヤツだな…」と思われることも。

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しかしこのヒトデ、食べられるって知ってましたか?

 

ヒトデを食べるってなかなか発想にありませんが、どうやら熊本県天草市ではヒトデを珍味として美味しく食べちゃう習慣があるんだそうですよ。

 

ということで早速、熊本県天草市のヒトデ食文化について調べてまとめてみました!

 

「実際に食べてみたい」という方のためにも、ヒトデの食べ方や食べられる種類について詳しく解説していますので、最後までゆっくりご覧くださいね。

ヒトデを食べる習慣が熊本県天草市にある?

「熊本県天草市にはヒトデを食べる習慣がある」という驚くべき事実は、一時期テレビで紹介されてからだいぶ話題になったので知っている方も多いかと思います。

 

しかしヒトデを食べる習慣があるのは、熊本県天草市といっても更に一部の地域で、あくまでも限定的な文化として残っているものなんだそうです。

 

昔はもっと盛んに食べられていたようですが、現在は熊本県上天草市龍ケ岳町周辺や栖本、宮田、御所浦などの八代海側のごく一部の地域でのみ食べられているだけなんだとか。

 

とはいえ最近は地元の人もあまり食べないそうなんですが、昔は食糧難の時代にとても重宝されたご馳走で、ウニやあさりなどと同じくらい貴重な食材だったみたいですよ。

 

ヒトデとは?

https://youtu.be/9vf6shPv3lU

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そもそもヒトデってどんな動物なんでしょうか?

 

我々からしたらヒトデは見た目が星型で、ちょっと可愛い観賞用の生物…くらいの認識しかないかと思います。

 

しかしヒトデの生態は知れば知るほど奥が深かったりするんです。

 

ヒトデは英語で「Star fish(スターフィッシュ)」と呼ばれ、漢字では「海星」とか、「人手」、「海盤車」なんて書きます。名前だけみると一丁前でやたらカッコイイですね。

 

このヒトデは無脊椎動物の一門である「棘皮動物」の一種で、あのウニやナマコなんかも同じ棘皮動物の仲間です。

 

この独特な星型の姿は、文字通り世界中で星のマークの由来となったもので、それぞれ五本に伸びているのはヒトデの腕です。

 

この5本の腕はヒトデの種類によっては5本以上あり、非常に再生能力が高いため千切れても簡単に再生することができます。

 

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また、ヒトデは肉食で、貝や小さな魚などを食べます。

 

ゆっくりのんびりと移動するので、だいたいは同じようにゆっくり移動する二枚貝や死んだ魚なんかを捕まえて餌にしています。

 

ちなみに、ヒトデの口はヒトデを裏返すとちょうど真ん中あたりにあるんですよ。

 

このヒトデの裏側には「管足」というものがビッシリついていて、移動する時はちょこまか動かしています。浜辺を眺めていると、ごくたまに移動している珍しいヒトデを目撃することができるかもしれません。

 

ヒトデの旬はいつ頃?

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実はヒトデにも美味しい食べ頃があるんです!

 

一般的にヒトデの旬は春頃、3〜6月あたりと言われています。

 

特に5.6月は卵がパンパンに詰まって、とても美味しいんだそうですよ。

 

地元の人は旬をよくわかっているので、5.6月頃になると浜辺に出掛けてヒトデを獲りに行くんだそうです。

 

ちなみにヒトデ漁に適したタイミングは大潮の干潮なんだとか。

 

地元の人にはポピュラーな食材?

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実は…地元の人でも滅多に食べることはないんだそうですよ。

 

今でこそメディアに取り上げられて天草の名物珍味みたいになっていますが、元はと言えば地元の一部の漁師がとって食べていただけのものでした。

 

今でもヒトデをお店で提供しているところはほんの数軒ですので、本当に珍しい幻の珍味なのです。

 

ヒトデのどこを食べるの?

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ヒトデは無脊椎動物の一門である、棘皮動物の一種だという話をしましたよね。

 

棘皮動物の仲間には、あのウニやナマコがいます。

 

ですから、ヒトデを食べるときに食べられる箇所といえば、ウニなどと一緒で卵巣部分を食べることになるんです。ヒトデは皮や身は食べずに、中身の卵を吸い出して食べるのが美味しいとされています。

 

ヒトデはどんな味?

食べられるヒトデは「マヒトデ」や「キヒトデ」と呼ばれているものです。このマヒトデやキヒトデは、天草市では「イツツガゼ」とか「黄ガゼ」、「五本ガゼ」なんて呼ばれています。

 

ちなみに、この辺りの地域では「ウニ」のことを「ガゼ」と呼んでいるそうですよ。

 

ということは、「イツツガゼ」や「五本ガゼ」は「5つの腕があるウニ」という意味を持っていて、「黄ガゼ」は「黄色いウニ」という意味です。

 

ですから、ヒトデの味はなんとあのウニに似ているとされているんです。

 

食べたことがある人に感想を聞くと、「コクのあるウニのような味がする」という人もいれば「濃厚なカニミソのようだ…」という人もいます。

 

また、ほのかに「えぐみ」を感じる人も多く、焼酎のつまみとして最高に合うんだそうですよ。

 

ウニのような味…と言われると、高級食材とされていた理由がよくわかりますよね。

 

食べ方&食べられる種類

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いくらヒトデが美味しいとはいえ、食べられる種類とそうではない種類があります。

 

ということで、続いては実際に天草市で食べられ続けているヒトデの種類と、絶対に間違えて食べてはいけないヒトデの種類についてご紹介したいと思います。

 

また、美味しく食べるための調理の仕方、食べ方の注意点なども解説します。

 

食べられるヒトデ

美味しく食べることのできるヒトデは、ずばり「キヒトデ」という種類のヒトデです。

 

熊本県天草市で昔から代々食べられているヒトデも、もちろんこのキヒトデです。

 

キヒトデは、棘皮動物門ヒトデ網の一種で表面は黄色地に紫がかった色味が特徴の、比較的中型の大きさをしたヒトデです。

 

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日本で一番多く見られるポピュラーなヒトデなので、知っている方もたくさんいらっしゃいますよね。

 

このキヒトデ、実は「マヒトデ」や単に「ヒトデ」とも呼ばれていたりして、名前が色々あってややこしいのです。

 

さらに天草市では「イツツガゼ」や「五本ガゼ」、「黄ガゼ」なんて呼ばれていたりもしてもはや訳わからないですが、全部キヒトデのことを意味しています。

 

このキヒトデ、あまりに大量に発生して尚且つ貴重なアサリやホタテなどの貝を捕食するので、漁業関係者からはけっこう嫌われていたりします。

 

ということで、普段はあまり有用性がなくゴミ扱いされているキヒトデですが、美味しく食べる方法が分かれば、捨てなくて済みますよね。

 

食べられないヒトデ

一方、ヒトデだったら何でも美味しい!というわけではなく、中には食べられない種類もあるので十分に注意が必要です。

 

イトマキヒトデ

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例えば、「イトマキヒトデ」なんかは食べてはいけない代表的なヒトデです。

 

キヒトデに並ぶくらいトップクラスによくいるヒトデなので、ついつい捕獲して食べてしまいそうになっちゃいますよね。

 

イトマキヒトデは、表面が青い色味をしていて赤いマダラ模様がついている、裏側がオレンジ色のやつです。

 

よく海岸の浅瀬などにいるので、遊んだ経験がある方も多いですよね。

 

しかしこのイトマキヒトデ、「サポニン」という成分が多く含まれているので食べられないのです。

 

「サポニン」とは、外敵に捕食されないように体内に備えられている毒素なのですが、食べたら美味しくない上に舌が痺れてしまうこともあるので注意が必要です。

 

実はサポニン自体はキヒトデにも含まれています。しかし量が少ないので、キヒトデは食べても多少えぐみを感じる程度で済みますが、イトマキヒトデに関してはサポニンが多すぎるので決して食べないようにしてくださいね。

 

トゲモミジガイ

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また、トゲモミジガイなんかも絶対に食べてはいけないので要注意です。

 

よく釣りをしているとかかることがあるので、見たことがある方も多いですよね。

 

褐色で棘がビッシリついている、ものすごくトゲトゲしているやつです。

 

このヒトデ、恐ろしいことに実は体内にテトロドトキシンというフグと同じ毒を有しているんだとか…!

 

トゲモミジガイは食べたら命の危険があるので、間違っても絶対に食べないようにしてくださいね。

 

食べ方は簡単!

さて、食べられるヒトデの種類についてはよくわかりましたが、ヒトデの正しい食べ方はどのような方法なんでしょうか?

 

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実はヒトデの食べ方はとても簡単なんです!

 

方法は、たっぷりのお湯を沸騰させて塩を少々加えた中にそのまま入れて茹でるだけです。

 

最初は紫色だったヒトデが茹でると鮮やかなオレンジ色に変わったらオッケーですので、お湯から引き上げてください。

 

ヒトデが美味しいのは腕にたっぷりと詰まった卵だけですので他の部分は食べなくても大丈夫です。

 

ウラッ返して割れ目に沿ってパカっと開くとたっぷりと詰まった中身の卵が出てきますので、これをそのまま吸い出して食べてください。

 

ちなみにヒトデはサポニンという毒素が含まれているので、ウニのように生では食べられません。

 

この茹でる調理法が最もサポニンを排出させる方法ですのでオススメですが、他にも焼いたり蒸したりする調理法もあります。また醤油で煮たり、佃煮にしても美味しいんだそうですよ。

 

実際にヒトデを食べてみたい方へ

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それでは早速ヒトデを食べてみよう…って一体どこで手に入るのでしょうか?

 

ヒトデを捕まえる方法

実はヒトデは本場の天草市でさえ、市場にも流通していないもので、滅多に手に入りません。

 

ではどうやって食べるか…

 

それは天草市でヒトデを提供しているお店に行くか、自分でとるかの二択です。

 

自分でとる場合にはゴロゴロした石がたくさんある浜辺に出掛けます。だいたい岩と岩の間や、石をひっくり返した裏側にくっついているので、それを獲ってください。

 

また、キヒトデは日本中どこの海にでもいますが、注意しなければならない点があります。

 

それは、工場地帯の付近で獲れたヒトデはカドミウムや鉛などを含んでいる恐れがあるため、人が多く住む地域の沿岸でとったヒトデは食べない方が良さそう…ということです。

 

ヒトデを提供しているお店は?

熊本県天草市ですら、ヒトデを提供するお店は限られています。

 

以下に紹介する二軒では基本的にはヒトデ料理を提供しているようですが、ヒトデには旬がありますので時期によっては扱っていないときもあるようです。

 

事前に問い合わせ、予約をしてから出掛けるようにしましょう。

旅館ひのしま荘
〒866-0203
熊本県上天草市龍ヶ岳町樋島711
TEL.0969-62-0568
FAX.0969-62-1722
秀寿し
熊本県天草市諏訪町12-34
TEL.0969-23-9500

 

まとめ

あの鮮やかで可愛らしい見た目のヒトデが、食べられるだなんて驚きですよね。

しかし熊本県天草市の人々は、昔からヒトデをとってはご馳走として食べていたということですから、きっと食べたら美味しいんでしょうね。

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しかもヒトデを獲る方法も調理法も、とても簡単です!

天草市の人々はヒトデのことを「イツツガゼ(五本の腕を持つウニ)」と呼んでいるほどですから、ヒトデはウニのような味がするそうですよ。

 

地元の芋焼酎にピッタリ合うみたいですので、是非一度天草市を訪れてヒトデを味わってみたら如何でしょうか?

 

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