- ヨトウムシを駆除するならコーヒー?
- 無農薬での駆除方法まとめ
最近では、マンションにお住まいの方でも、ガーデニングを趣味としたり、家庭菜園をされているという方が非常に多くなっています。
そのような方々が常に頭を悩ませていることが、害虫対策です。
害虫の中でも特に「ヨトウムシ」による被害は、大切に育ててきた植物を無残に蝕んでしまうとして有名な害虫です。
しかも、駆除することも大変だと言われているのです。
ここでは、そんなガーデニングや家庭菜園を行う方の頭を悩ませている害虫である「ヨウトムシ」の駆除方法についてご紹介したいと思います。
ヨトウムシとはどんな虫?
ヨトウムシとは、「夜盗虫」と漢字表記し、ヨトウガと呼ばれるチョウ目ヤガ科ヨトウ亜科に属する蛾の幼虫です。
このヨウトムシが活発に活動を始めるのは日が暮れてからの夜。夜になると植物の葉や実を無残にも食い荒らし、さらには花までもすべて食べてしまうのです。
ガーデニングや家庭菜園を行う方にとって、せっかくここまで育てあげた植物を無残に食い荒らされては、そのショックも計り知れません。
ヨウトムシの食性は雑食性であることから、どんな植物にも寄生して、葉の裏側へくっつき、葉の表皮だけを残してほとんどを食べ尽くしてしまうのです。
葉や茎、実だけではなく綺麗に咲いた花までも食害の対象とするため、とても厄介な害虫です。
ヨウトムシが一度発生すると、その後、大量発生していくことから、駆除が追いつきません。
それに、活動が夜であることから、昼間にその姿を見かけない分、駆除ができないのです。
では、日中は一体どこにいるのか・・・と言うと、実は土の中に潜りこんでいる為、人間の目には触れないという厄介な害虫なのです。
夜に活動する習性がある為、夜に一匹一匹割りばしを使用して駆除する他ありません。
しかし、その数が莫大である為、かなり非効率的な作業であると言えます。
ヨトウムシの特徴と生態
- ヨトウムシは特に刺毛を持っておらず、身体の表面はツルっとしている
- 身体の色は頭部分は黄褐色となり、ぼんやりとした暗褐色の斑点がある
- 胴体の部分は灰色かつ暗褐色であり、全体的には黒っぽいような緑色
- 大きさは一般的には5cmほどであることが多い

見た目にも何だか気持ち悪い…と感じてしまう幼虫です。
姿形はあまり良いとは言えません。
ヨウトムシは、春先に葉の裏側に卵を産み付け、大量のヨウトムシの幼虫が孵化します。
それと同時に葉を食い荒らし、さらには梅雨時期ともなれば、ヨウトムシの身体は大きくなり、葉っぱに穴を開けてさらに食害を行います。
夏が過ぎると、土の中で蛹となって、秋に羽化、そして冬になるとまだヨウトムシとなって土の中で蛹となり越冬すると言われています。
通常、一年に2回発生することが多く、地域によっては3回も発生する場所があるそうです。
雑食性である為、どんな植物でも食べ、食べる量も多い為、食害は深刻です。
また、日本全国各地どこにでも発生する厄介者であり、植物が元気に育っていると思っていても、意外にも気づかないうちにかなりの被害を被っていることが多いため、注意が必要です。
ヨウトムシの卵はどのようにして見つける?
ヨウトムシの成虫であるヨウトガは、1匹3000個もの卵を産卵すると言われています。
卵は人間の目につかない葉の裏側に産みつけることが多く、実際のところ目立たない為見つけることが困難です。
植物の葉が食い荒らされていると気づいた時にはもう遅いという場合がほとんどです。
ヨウトムシの天敵は?

ヨトウムシの成虫はヨトウガです。
ヨトウガとなると一度に1000〜3000個とも言われる卵を産むため、ヨトウムシにはその天敵も多く、だからこそ産み付ける卵の量も大量なのだとか・・・。
ヨウトムシの数は半端なく多く、例え天敵が存在していても、あまりにも大量発生することから、ヨウトムシの天敵も、すべてを食べ尽くすことができません。
その為、ヨウトムシの数は減ることはなく、あらゆる植物が食害に遭ってしまうという訳です。
ヨウトムシの天敵として挙げられているのが、スズメやメジロ、ムクドリです。他にもカエルやムカデ、蛾蝶、カマキリ、カメムシです。
天敵はたくさんいるように感じるので、どうにか自然界の掟で駆除できそうな気もするのですが、何しろヨウトムシの数が多すぎて、天敵もそこまでヨウトムシを食べきることができないとされているのです。
だからこそ数は減ることはなく、逆にどんどん増える一方であると言われているのです。
ヨウトムシによる被害
ヨウトムシは植物であれば何でも食べるという雑食性であることから、あっという間に葉っぱが食い荒らされてしまいます。
また、新芽も食い尽くしてしまうことから、野菜に実がつかずに枯れてしまうという結果を招いてしまうのだとか。
ヨウトムシは、キャベツやホウレン草、白菜、カリフラワー、そしてトマトなどといった野菜を好む傾向にあるようです。その他、花で言えば、バラやガーベラ、マリーゴールド、キクなどを好んで食い尽くすようです。
一度発生するとそのヨウトムシの量も大量であることや、それだけ大量に集団発生してしまうと、一気に食害に遭ってしまい、野菜の収穫量は一気に激減してしまいます。
ヨウトムシが発生する時期はいつ?
ヨウトムシの成虫であるヨウトガについては、必ず年に2回の卵を葉の裏に産みつけます。
その季節は春から夏、そして秋です。
ヨウトムシは、4月〜11月にかけて大量発生する為、夏野菜の収穫に大きな被害を与えるとしています。
卵から孵化したばかりのヨウトガについては、幼齢幼虫の間は集団で生活をしていますが、大きくなると単独行動を開始し、夜の畑に大量発生し、すごい勢いで野菜を食い荒らすとされているのです。
どうにかならないかと思うほど、厄介な害虫として知られています。
ヨウトムシを駆除するための薬は?
駆除剤としてはオルトランがおすすめ
ヨウトムシを駆除するために効果的かつ有効な薬として知られているのは、オルトランがあります。
オルトランは高い浸透移行性がある為、作物の隅々にまで行き渡り、とても高い殺虫効果を持っています。
また、持続期間が長い為、ヨウトムシの駆除に大きな期待を寄せることができます。
プレバソンという農薬もおすすめ
その他にもプレバソンという薬剤も効果的です。
プレバソンはセル苗やポットで育苗期の間に薄めたプレバソンを散布し、その後、苗を畑に移したあとも効果が持続するという薬剤です。
デナポンという薬剤もおすすめ
また、デナポンという薬剤は、土に混ぜ込んで使用してください。

即効性もあり、幅広い使用が可能です。
ダイアジノンという薬剤は、栽培方法が駆除を行いたい害虫の特性に合わせ使用することができます。
その他、フェニックスと言う薬剤については、害虫の筋肉を収縮させ、ヨウトムシの幼虫に特に効果を発揮する為、散布することにより長期間の効果を期待することができます。
このように、ヨウトムシの被害が拡大してしまった場合は、適切な薬剤を使用することでヨウトムシを駆除を行いましょう。
1年に2回も発生すると、やはりそれだけ農作物にも被害が及ぶ為、適切な薬剤の使用で農作物がすくすくと育つ手助けを行いましょう。
オルトランの効果とは
オルトランは誰もが一度は耳にしたことがあると思われる一般的にある殺虫剤として知られています。
- オルトランは、粒剤や粉末剤、水和剤として使用される
- 粒剤は地面に撒くことで使用できる
粒剤は水やりを行う際にその成分が水に溶け、地中に自然と浸みこむことで、植物が根からそのオルトランの成分を吸い上げ、植物全体へ移行する
オルトランを根から吸い上げた葉っぱを食害したヨウトムシはほとんど死んでしまいます。
このようなことから、オルトランが効果的な薬剤であることが分かります
また、水和剤については、植物に対して直接散布することで使用します。
散布されたオルトランは徐々に浸透し、その後全体に移行します。その葉を食べたヨウトムシは食毒効果で死んでしまいます。
オルトランは、昆虫に直接噴射させてもあまり効果がないと言われています。これは、昆虫の皮膚抵抗性が大きい為であると言われています。
その為、噴射して直接かけるという駆除の仕方ではなく、実際に食べさせて駆除を試みる方がその効果は絶大であると言われているのです。
オルトランの有効成分はアセフェート、クロチアニジンです。
アセフェートは有機リン系の農薬として知られています。
有機リン剤については、害虫に作用する為、作用するとその害虫はコリン作動性の症状が現れ死んでしまうと言われています。
ヨウトムシを無農薬で駆除する方法は?
ヨウトムシは上記のような薬剤を使用することにより、適切に駆除することができるということが分かりました。
しかし、やはり薬剤の使用は、その野菜を食べる私たちにとっても、健康面において心配もあります。
できるなら、自然の無農薬なものを使用して駆除することができれば良いですね。
ここからは、ヨウトムシを無農薬で駆除するにはどのような方法があるかについてご紹介したいと思います。
米ぬかを使用する
ヨウトムシは、米ぬかが大好物だと言われています。
- 米ぬかを使用し、ヨウトムシをまずおびき寄せます。
- ヨウトムシが米ぬかを食べているところをまとめて捕獲するという方法
ヨウトムシの被害を受けている植物の近くに、ペットボトルなどを使用して、容器の中に米ぬかを入れ、地面と同じ高さにセットしておく。
ヨウトムシは夜に活発に活動する為、植物の葉っぱよりも先に大好物の米ぬかを発見することになります。
米ぬかにくいついたヨウトムシは、そのまま米ぬかの中にいる為、簡単に捕獲することができるという訳です。
さらに、米ぬかをフライパンで炒っておくと、より香りが発生するためか、さらに効果を発揮すると言われています。
コーヒーを使用する
ヨウトムシは米ぬかが大好物です。しかし、その逆でコーヒーを大の苦手としています。
実際には正式なヨウトムシの駆除方法ではありませんが、本当に嫌いなコーヒーにどのような反応を見せるのかを試してみられるのも良いでしょう。
木酢液を使用する
木酢液は、炭を作る際に出る水蒸気を冷やし、液体としたものです。
木酢液の主成分は、酢酸、木タール、メタノール、アセトン、アセトアルデヒドです。
中には粗悪な製品もあるようなので、しっかりとした販売元から販売されているものを使用するようにしてください。
ヨウトムシは木酢液のニオイが苦手です。
その為、それらを農作物にかけておく、葉っぱにかけておくだけでヨウトムシが寄ってこないと言われているのです
木酢液も殺虫効果というほどのものはありあせんが、これもニオイによる忌避効果を期待することができます。
木酢液はその効果が明らかですが、濃度が高い場合は植物に被害が及ぶこともある為、用法をきちんと調べて使用するようにしましょう。
また、木酢液はヨウトムシの駆除には効果的ですが、その中に含まれる多くの有機物質が土の中に潜む微生物の活動を活発化させ、植物の発育にとても良いとされています。
ヨウトムシを遠ざけることができる上、作物がすくすくと育つともなれば、木酢液はとても効果的なものだと言えますね。
唐辛子を使用する
唐辛子は「カプサイシン」という辛味成分を配合しています。
このカプサイシンがヨウトムシの嫌う香りでもあり、駆除に効果的であるとされているのです。
実際に家庭菜園を行う方がよく使用されているのが「トウガラシスプレー」です。
このトウガラシスプレーは手作りすることが可能です。
- 容器に唐辛子を入れ、それが浸るくらいの焼酎を入れます。
- 冷暗所で1〜2週間置くと出来上がります。
- 出来上がった唐辛子液を水で300倍に薄め、薄めたトウガラシ液を葉っぱの裏にスプレーしておくとヨウトムシが近寄ってきません。
このスプレーは、濃度が濃すぎることが植物に害を与える場合もあることから、必ずその濃度には注意してください。
そして、夏場は特に炎天下の状況の中で使用してしまうと、植物の葉が焼けてしまう為、日が陰った夕方の涼しい時間帯にスプレーするようにしてください。
唐辛子はカプサイシンを含み、辛み成分であることから、目に入ってしまうとしみます。
スプレーの噴射口と風向きに気を付けて散布するようにしてください。
卵の殻を使用する
ヨウトムシに食害される植物の根元に、細かく砕いた卵の殻を撒きます。
ヨウトムシは卵の殻が身体に刺さることを嫌がり、近づくことができません。
卵の殻の代用品として、つまようじを土の中に突き刺しておくと良いとも言われています。
防虫ネットを張る
ヨウトムシの成虫であるヨウトガが葉っぱの裏に卵を産みつけることがないよう、全体的に防虫ネットを張っておくという対策も有効です。
ヨウトムシを駆除するスプレーや農薬などを使用する
ヨウトムシを駆除するにはオルトランが実用的であると言われています。
その他、ヨウトムシを駆除するスプレーとして、ベニカ×ファインスプレーがあります。
これは、害虫に対して即効性のみならず持続性を持っている為、植物に対して病原菌を侵入させることを防ぐ効果が期待できます。
またスプレータイプとして販売されていることから、薄めて使用するといったような手間もありません。
ベニカ×ファインスプレーの有効成分は、クロチアニジン・フェンプロパトリン・メバニビリムです。
クロチアニジンはネオニコチノイド系の殺虫剤となります。
これは、昆虫の神経を興奮させ、死に至らせるというものです。
昆虫に対する神経毒として作用し、ヨウトムシもこれによって駆除することができます。殺菌剤であることから、効果が持続します。
殺虫剤はスプレータイプとして販売されているものが多い為、風向きには気を付けてスプレーするようにしてください。
誤って吸い込んでしまうことのないよう十分注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか?ガーデニングや家庭菜園を行う方の頭を悩ませている害虫である「ヨウトムシ」の駆除方法についてご紹介しました。
ヨウトムシを駆除する方法は様々にあることが分かりました。
また、コーヒーを使用することが最良の方法であることは立証されていないものの、ヨウトムシはコーヒーを嫌がる傾向にあることから、試しに実施されても良いと思います。
無農薬での駆除方法の方が安心できる部分も多いことから、米ぬかを仕掛ける、コーヒーを使用する、木酢液を使用したり、唐辛子スプレーを使用するといったことも結果的にヨウトムシ駆除に効果的であることから、薬剤を使用しない駆除方法もたくさんあります。
それでもどうしてもヨウトムシを完全駆除することに至らず、数が増える一方であるという場合は、オルトランなどの薬剤を使用した駆除方法を実施されることをおすすめします。
厄介な害虫を駆除して、植物や農作物への被害を最小限に抑えたいものですね。
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