- アシダカクモは気持ち悪い?その生態とは?
- アシダカクモの子供の餌はゴキブリ?益虫と呼ばれるその理由とは?
- アシダカクモは飼える?ペットとして懐く?
- 赤ちゃんが大量に発生したら?対策方法は?
家の中の虫は、基本的に嫌われ者になってしまいがちですが、皆さんも一度は見たことのあるアシダカグモは益虫としても知られています。
そんなアシダカグモは、なぜ益虫と呼ばれているのでしょうか。
また、エサがゴキブリと言うのは本当なのっでしょうか。
今回は、そんなアシダカグモの知られざる生態をご紹介します。
アシダカクモは気持ち悪い?その生態とは?
アシダガクモと言えば田舎では珍しくありませんが、都会ではイマイチピンとこないという人も多いのではないでしょうか。
アシダカクモとは
アシダカクモは、ハエトリグモと並んで身近でみるクモの中では最も人が目にするタイプのクモであると言えます。
また、日本に生息するクモのなかで最大級の種でもあります。
- メス: 体長20~30㎜
- オス: 体長10~25㎜
さらに、そこに長い足がついているので、見ためのインパクトから”怖い”と思ってしまう人も多いかもしれません。

たしかに大きいですね。
だからこそ、脚の先まで入れると100㎜~150㎜になるものも多いです。
さらに、メスの方が全体的に丸く足も太くインパクト抜群です。
一方、オスは全体的に細みです。
大きくても素早い
そんな巨体の持ち主であるアシダカクモですが、実は非常に素早い事でも知られています。
ポイントは、長い足で天井・壁・床問などを素早く駆け巡ります。
さらに、感覚器官もとても鋭くできていてエサに反応しキャッチする能力にはとても長けていると言えるのです。
また、アシダカクモは主に足を伝わる振動で周囲を感知していますね。
さらに、アシダカクモは食欲より好奇心が旺盛なので、例え仕留めたエサを食べている最中でも他の気になる個体を察知してしまうとハントしたくなります。
自分より大きい虫には臆病
一方、獰猛に見えるアシダカクモですがその反面、自分より大きな虫に対してはとても臆病だったりします。

可愛いですね。
その為、人間や猫など自分より大きな動物の振動を察知すると、一目散に逃げ出してしまいます。
だからこそ、通常は人目に触れない暗所に隠れて活動する事が多く、人間の生活圏に現れる事は本来少ないのです。
アシダカクモの寿命
そんなアシダカグモの平均寿命はどのくらいでしょうか。
- オス: 3~5年
- メス: 5~7年

比較的長く生きますね。
なぜなら、人間に駆除されない限りあまり天敵がいないからです。
アシダカクモの天敵
では、アシダカクモにとって天敵は何かと言うと、それはハブです。
ハブは、アシダカクモが大好物でありハブが生息する地域では、アシダカクモがいる家にハブも表れやすい事から、せっかくの益虫であるアシダカクモも退治される傾向にあるのです。
“軍曹”と呼ばれる理由
ところで、アシダカクモは別名”.軍曹”と呼ばれる事でも知られていますよね。
アシダカクモは、これから詳しく説明して行きますが、最強のゴキブリハンターとしても有名です。
だからこそ、アシダカグモが2・3匹いる家ではそこに住むゴキブリは半年で全滅する とまで言われているくらいなのです。
そういった、実力に敬意を表して付けられた敬称が『軍曹』という訳なのです。
その他にも、このような点が想像されます。
- 足が速く素早く獲物を捕まえる
- 獲物が現れる場所にさりげなく常駐
- 人には一切無害(見た目だけ)
- 任務完了後は速やかに退散
こうしてみると、アシダカクモがなんだかカッコよく感じますね。
アシダカクモの子供の餌はゴキブリ?益虫と呼ばれるその理由とは?
では、そんなアシダカクモが”益虫”と呼ばれている理由はどこにあるのでしょうか。
そもそも、”益虫”と”害虫”とは何なのかと言うと、益虫は共存する事で結果的に人間にとっても利益がある虫を指します。
一方、害虫はその名の通り人間にとって害を及ぼす虫を指します。
では、アシダカクモはなぜ益虫なのでしょうか。
クモの種類
まず、そもそもクモの種類は通常2種類に分かれます。
- 造網性
- 徘徊性(狩猟性)
文字通り、造網性は網をはり獲物が引っかかるのを待つのに対し、徘徊性(狩猟性)は自ら獲物を捕まえにウロウロします。
アシダカクモは、この徘徊性(狩猟性)に当たると言えます。
クモの種類で分けるとこうなります。
- 造網性:ジョロウグモ・コガネグモ
- 徘徊性:アシダカグモ・ハエトリグモ
ジョロウグモ
夏から秋にかけてクモの巣を張るジョロウグモは、黄色と青、胴体が楕円型という特徴があります。
メスがおおよそ15~30ミリに対し、オスはその半分です。
コガネグモ
コガネグモの大きな特徴は、黄色と黒のカラーリングと足の太さです。
よくジョロウグモと混合されることが多いようですが、カラーリングと足の特徴で判別できます。
ハエトリグモ
“ジャンピングスパイダー”と呼ばれるほど、跳躍力のある徘徊型のクモです。
目がいくつもあり、視力が発達しているのが特徴と言われています。
体長は10ミリ前後のものが多く名前の通り、ハエ類を含む小型の虫を捕食します。
このように、クモによってもその行動や生態は違うのです。
アシダカクモが益虫である理由
このようなことを踏まえ、なぜアシダカクモが益虫なのかというとこんな理由があります。
ゴキブリを餌にする
ゴキブリと言えば、なんとなく気配を感じると壁などに張り付いていて、しかも素早く”本当に苦手”と言う人も多いのではないでしょうか。
しかし、アシダカクモにとってはゴキブリは餌として認識されています。
しかも、人間では見失ってしまうゴキブリの素早さにでも、アシダカクモの方が早いので余裕でキャッチしてしまいます。
一日で、約30匹以上のゴキブリを捕獲するそうですよ!
インドからゴキブリ駆除目的で輸入
また、アシダカクモの原産国はインドだと言われています。
もともと、日本にアシダカクモは生息していなかったのですが、江戸時代にゴキブリの駆除を目的として輸入されたという説があるのです。
つまり、100年以上もの間アシダカグモは私達と共存しながらゴキブリ退治を担ってくれているのですね。
ハエや蛾も餌になる
さらに、人間業ではなかなかキャッチできないハエも、アシダカクモに掛かれば容易にキャッチされてしまいます。
また、夏場などに多く発生する蛾もアシダカクモがいてくれると撃退してくれるのです。
だからこそ、アシダカクモがいるだけで虫よけグッズを買うことなく、人間にとっての害虫を退治できるという訳なのです。
小動物も餌になる?
また、アシダカクモの凄いところは虫なのに小動物も餌にしてしまう事があるところです。
例えば、アシダカクモが成体となれば小さなネズミなども捕食することがあるのです。

凄いですね!
つまり、小さな虫から小動物までなんでも捕食できることが、アシダカクモの魅力だといえるのです。
捕獲方法
では、アシダカグモはどのようにゴキブリを捕食するのでしょうか。
糸でグルグルにするイメージですよね。
実は、アシダカクモは捕獲したゴキブリなどの餌にそのままかぶりつきます。
まず。8本ある脚のうちの前4本または6本で獲物を抱え込み、そして特殊な消化液を分泌し獲物を溶かしてそれを啜って体内に取り込み、最後に体内のものを吸い上げて食事をします。
この消化液は、人間や乳動物に害はありませんが、昆虫の神経伝達にはよく作用するようになっています。
つまり、アシダカグモの糸の活用方法は餌の確保ではなく、主に移動手段として使われることが多いのです。
産卵期は食欲旺盛
特に、産卵期になるとアシダカクモはとても食欲旺盛になると言われています。
なぜなら、子どもが孵化するまでお母さんグモは絶食するからです。
その為、元気のないクモだとその際に命を落とすこともあります。
海外でも大活躍
また、台湾で腸チフスが流行った際にアシダカグモが注目されたこともあります。
この時、腸チフスの流行でゴキブリが大量発生し台湾に病原菌が広まりましたが、薬剤でも駆除する訳にはいかずそんな中、アシダカクモの生態が注目されます。
- 腸チフスの病原菌を殺菌できる消化液を持っている
- ”化粧”という行為により常に清潔である
- 菌を撒き散らす事のない行動パターン
このようなアシダカクモの生態が、腸チフスの影響で大量発生したゴキブリに見事効果を発揮したのです。
アシダカクモ自体の細菌は?
また、あの見た目や存在感もそうですが、クモ自体毒を持っている種類もあるので、いくら益虫とは言えども家の中にいる事が心配に感じる人もいますよね。

安心してください!
まず、アシダカクモには一切毒はありません。
その上、アシダカクモの消化液には殺菌効果もあり、常に手足を綺麗にする習慣を持っているのです。
だからこそ、共存しても何の問題もないと言えるのです。
アシダカクモは飼える?ペットとして懐く?
アシダカグモが、私たち人間にとって益虫であることが良くわかりましたね。
では、アシダカクモを飼う事は出来るのでしょうか。
アシダカクモはどこにいる?
アシダカグモは暗がりを好むクモで、野外では主に林縁や森の中などに生息しています。
しかし、元々単独行動している生き物なので、なかなか採集するのは難しいと言えます。

素早いですしね。
だからこそ、中々飼育するというのは難しいかもしれません。
ペットとして買っている人も
しかし、なんとか屋内のアシダカクモを捕まえて、虫カゴなどで飼っている人も多く、懐くとまでは言えませんが飼育自体は可能です。
また、ネットなどでは1匹1000~2000円で購入することができます。
しかし、餌を入手するのも至難の業であり徘徊性のクモだからこそ、小さいケージで飼うとストレスが原因で亡くなるケースも有ります。
飼育に必要なもの
では、仮に飼育するならどの様なものが必要でしょう。
- 飼育ケース
- シェルター
- 床材
- 餌
飼育ケース
アシダカクモの飼育は、ほとんど場合プラスティックケースの虫カゴで代用できます。
もちろん、隙間があまりないものや細かいものにしましょう。
シェルター
アシダカグモは、主に夜行性で薄暗いところを好みます。
そのため、昼間の明るい時に隠れられる場所をつくってあげるとストレスが軽減できるでしょう。
床材
使用していない人もいますが、砂利や腐葉土を用いている方もいます。
床材に関しては、レイアウトを含め好みの問題になりますね。
餌

ここが問題です。
基本的に、アシダカクモは自分より小さな虫を食べるのですが、ゴキブリを捕まえて餌にする事は出来ませんよね。
飼育する場合は、コオロギやミルワームなどペットショップで販売されている餌を与えることになるでしょう。
赤ちゃんが大量に発生したら?対策方法は?
では、屋内において自然のアシダカクモの子供が大量に発生した場合、どうすればよいでしょう。
アシダカグモの卵
アシダカクモは、気温が上がり始める6月から8月の間に2回卵を産みます。
その際、アシダカグモは卵を軽く数百個産むと言われています。
また、生まれた状態はすでに孵化している事になります。
つまり、卵のうから出てきたアシダカクモの子供達はすでに安定した成長段階にあると言えるのです。
その後、脱皮を10回以上繰り返し立派な成体となるのです。
卵や幼虫の発生場所は?
元々、巣を作らない事でも知られているアシダカクモですが、では卵や幼虫はどこから発生するのでしょうか。
実は、壁から発生するということをご存知でしょうか。
アシダカグモのメスは、卵を持つとその卵を口に含みウロウロと徘徊しながら、壁に卵を張り付けます。
このようにして、子供達が出てくる頃になると卵のうを壁に貼り付けて静かに見守るのです。
赤ちゃんは可愛い
アシダカクモの赤ちゃんは、白と黒の模様で体もとても小さいので厳つさはありません。
また、生まれて10日後には天井から糸を出して空中にぶら下がり、「バルーニング」と呼ばれる方法でタンポポの種子のように風に乗って飛んでいく準備をします。

大人になっていくんですね
大量発生したら?
先程にもあったように、アシダカクモは一度にかなりの数の赤ちゃんを生みます。
キッチンの壁や床のあちこちに、5mm程のアシダカクモが50~60匹現れるとどんなにアシダカクモが益虫と知っていても放置するにも気が引けますよね。
- 殺虫剤を使う
- 掃除機で吸う
- 粘着性の罠をしかけて捕獲する
- 隙間をチェックしておく
殺虫剤を使う
クモ用駆除スプレーというのが、ドラッグストアやネットにもあります。
ちょっと可哀想な気もしますが、それでも増えてしまいすぎると困るので殺虫剤を使うと便利です。
アシダカクモは、人目につきにくいところにいるのでスプレータイプの殺虫剤なら隅々まで届きますね。
また、燻煙タイプの殺虫剤を使うと他の害虫も一気に退治できるので一石二鳥です。
掃除機で吸う
掃除機で吸い取ると、直接手に触れる必要なく捨てる時も蜘蛛を見なくてよいので楽です。
また、多くの場合は掃除機に吸い込まれた衝撃で死んでしまうので、わざわざ手を加える必要もなく便利です。
仮に、生きていたとしてもエサがなければ餓死し、子蜘蛛が繁殖しすぎると共食いが始まります。
いずれにせよ、すぐにゴミ袋へ移せば問題はありませんね。
粘着性の罠をしかけて捕獲する
ゴキブリにも活用できる、虫用の粘着シートを仕掛けておくというのも良いアイディアです。
もちろん即効性はありませんが、クモの姿を見ることなくそのまま処分できますよね。
なんなら、ゴキブリと一緒に駆除できるのは嬉しいポイントです。
隙間をチェックしておく
また、日頃からこまめに巣がないかチェックしておくのもポイントです。
アシダカクモの赤ちゃんは、卵のうと呼ばれる白い繭の塊から生まれるといいましたが、
主に、タンスの裏や網戸などににくっついていることが多いです。
このような場所を、日頃から周期的に掃除していれば産まれる前にアシダカクモの大量発生を防ぐことができるのです。
成体のアシダカクモは退治するべき?
また、たまたま目に付いたアシダカグモ自体を殺虫剤などで殺したとしても、家にゴキブリなどの餌がある限り、アシダカクモは何度でも侵入してきます。
だからこそ、アシダカグモの餌となるゴキブリなどの害虫を駆除した上で外に追い出すという順番で退治するのがおすすめです。
そうすれば、餌となる生物がいなくなりアシダカグモが住みにくい環境となり、屋内に侵入するのを予防できるのです。
さいごに
いかがでしたか。今回はアシダカクモの生態や、ゴキブリとの関係をご紹介してみました。
このように、見た目はなんともインパクトがあるアシダカクモですが、私たち人間にとってはプラスの存在である事がよくわかりまたね。
だからこそ、家の中で見かけても”ありがとう”と言う感覚でいたいものです。
皆さんの中で、少しアシダカクモの印象が変わったのではないでしょうか。