- コシアブラの栽培・育て方のコツ!
- 苗木を剪定する栽培方法がおすすめ?
春の山菜と言えば「コシアブラ」も美味しいですよね♪
タラの芽を「山菜の王様」と呼ぶことと同じく、コシアブラは「山菜の女王」とも呼ばれるほど知名度のある山菜として多くの方に知られています。

そんなコシアブラ。自宅で栽培することってできるものでしょうか?
ここでは、コシアブラの栽培や育て方のコツ、苗木から育てる栽培方法についてご紹介したいと思います。
コシアブラとは
- 学名:Acanthopanax sciadophylloides
- 科・属:ウコギ科ウコギ属
- 別名:コシアブラ・ゴンゼツノキ
- 原産地:日本

コシアブラとは、ウコギ科ウコギ属に分類されている落葉樹です。
木の背丈は最大15~20mと大きく、枝には葉っぱがまとまっており、とても青々とした木です。8月頃にはクリーム色の花がたくさん咲き、その後、黒い実がなります。
そして秋頃になると、茎が赤くなり、とても秋の雰囲気を楽しむことができます。日本の山野に自生していることから、様々なところで見かけることができます。
コシアブラの芽は独特な苦みがありますが、山菜採りに出掛けても、その美味しさがクセになり、ついたくさん採ってしまう山菜のひとつであると言われています。
コシアブラの栽培は自宅でできる?

コシアブラはとても人気のある山菜です。
毎年山菜採りに出掛けている方にとっては、自宅で栽培することができるとそれを収穫して楽しむことができると考える方も少なくありません。
本当は大きな木になるので、鉢植えとはいきませんが、今年栽培して楽しむという程度であれば、小さな株を鉢植えにして栽培することはできます。
そのうち株が大きく成長し、自宅での管理が難しくなった場合は、分根して株を増やす楽しみもあります。一軒家にお住まいで自宅に庭があるという方は、地植えにしても良いかもしれませんね。
自宅でコシアブラを栽培する為に準備するもの
- コシアブラの苗木
- 樹木専用の栽培土
- 苗がすっぽりと入り、かつ一回り大きい鉢
- 1mくらいの支柱
- 鉢底ネット
コシアブラを鉢植えで栽培する時は、幼い苗木を購入して育てましょう。幼く小さい方が長く鉢植えを楽しむことができます。必要なものをすべて準備したら、コシアブラの苗木を植えます。
11月~3月の間に植えるようにしてください。通常、栽培の時期に合わせてコシアブラの苗木も販売されていることが多い為、購入後はすぐに鉢植えを行うようにしましょう。
苗木の植える手順
- 鉢の穴に鉢底ネットを被せ、そこに3分の1の樹木専用栽培土を入れます。
- 苗木の根に付いた土を少しほぐし、そのまま鉢にうつし、根元が鉢の縁から2~3cmのところに土を足して高さ調整をし、苗木の周りに土を入れましょう。
- 根の間にもしっかりと土が入るよう、土の表面を割り箸などでつついてみてください。
- 苗木がしっかりと植えられたことを確認し、その後たっぷりと水をあげてください。
コシアブラの鉢植えはどのように管理する?

コシアブラの苗木がしっかりと鉢植えされたら、次は鉢の置き場所を考えます。
コシアブラは強すぎる日差しにあたってしまうことで、葉っぱが焼け、枯れてしまう恐れがあることから、鉢の置き場所はかなり重要ポイントであると言えます。
このようなことから、直射日光は避けなければいけません。柔らかい日差しが当たる程度で、風通しの良い場所に置くようにしてください。
間接的な日差しが当たるような(ネット越し、網戸越しなど)場所が最適です。毎日水やりは欠かさず行ってください。
この時、美味しい山菜を収穫するには肥料は欠かさずしっかりと与えてあげましょう。水やりのタイミングは、土の表面が乾いた時が水やりのサインだと思ってください。
コシアブラの鉢を置く場所や使用する土の種類によって乾き具合の差が生じると思いますので、毎日、一日おき、などといった決めごとにせず、土の様子を観察してタイミングをみて水やりを行うようにしましょう。
そして、コシアブラは、日本の山野に普通に自生している強い樹木であることから、私達がわざわざたくさん肥料を与えなくてもかなり強く成長していきます。
その為、コシアブラに肥料を与える時期は、新しい芽が生えてくる2~3月に、固形肥料を与えてください。
コシアブラは、成長していくと剪定する方が新しい枝が生える為、それにより芽が増える為、結果、収穫できるコシアブラを増やすことができます。
通常、樹の高さが1mほどになったら、4~5月に株の幹を水平に切り、翌年、また同じ高さのところで新しく伸びた枝を水平に切ることを繰り返すと、その後は同じ時期に一気に芽を収穫することができるようになります。
コシアブラを植え替えるタイミング
鉢でコシアブラを育てていると、当然どんどん成長し、そのうち鉢の底から根が出たり、土が水分を吸収しないなど、根詰まりが起こります。
根詰まりを放置しておくとコシアブラが枯れてしまう為、苗木を植える時期と同じ頃に、さらに大きな鉢に植え替え作業を行いましょう。

この時、細い根は力一杯引っ張ると当然ちぎれてしまいます。
根が傷つくと枯れてしまう原因となる為、土は無理に落とす必要はなく、そのまま移し替えて植え替えを行いましょう。
また、コシアブラがあまりに大きく成長し、このまま鉢植えでは栽培を続けるのが困難な場合は、庭のある方であれば地植えに切り替えてみましょう。
地植えにする場合は、株の大きさに合わせ、穴を掘り植えます。植え替えができたら、1週間おきに2~3回水やりをする程度で大丈夫です。
一方で、鉢では栽培できないほど大きく成長したコシアブラは、分根して新たに栽培してみましょう。
コシアブラの分根はさすがに難しく、なかなか思うように成長せず成功率は低いですが、一度チャレンジしてみるもの良いかもしれません。
分根は、コシアブラの一番太い根をぶつ切りにして土に植え、それを新しい株として育てていく方法です。
分根を行う手順
- コシアブラの根を傷つけないよう土かが掘ります。
- 太い根を3~10cmずつ切り分けます。
- プランターに赤玉土を入れ、深さ1~3cmを目安に根を埋めます。
- 湿度を保つことができる室内で土が乾燥しないよう置いておきます。
- 2~4ヵ月経過すると、根から細い根が生えていたら、育苗ポットに植え替え、育ててください。
コシアブラはどのように調理する?

山菜として食べるコシアブラはとても美味しいと評判です。
山菜採りに毎年出掛ける方や自宅で栽培している方であればコシアブラを口にすることはありますが、保存することが難しいことから、なかなかスーパーなどで販売されているのを見かけません。
毎年コシアブラの季節が到来し、山菜採りに行く、自宅で収穫できるという方であれば、天ぷらや和え物、お浸しにして食べることができます。
採取したばかりの芽は苦味がとても強いことから、下処理を行ったあとは、必ずアク抜きを行ってから調理するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?コシアブラの栽培や育て方のコツについてご紹介しました。
山菜は草のようなイメージを持つ方の方が多い中、コシアブラはなんと落葉樹であり、鉢植えで栽培するとなるとかなり難しいことが分かりました。
分根も難しいようですが、上手に行うことで毎年春になるとコシアブラを収穫できる楽しみもあるので、栽培してみたい!と思う方は、ぜひ、苗木から鉢植えして栽培してみてくださいね。