- しだれ桜のおすすめな育て方!
- 苗木よりも鉢植えでの盆栽がおすすめ?
春といえば桜のシーズンですね!皆さんが思い浮かべる定番の桜は「ソメイヨシノ」かと思います。
しかしそのソメイヨシノが満開になる1週間ほど前の時期に、とても美しく咲く桜があるって知っていましたか?

それは、ずばり「しだれ桜」です。
実はしだれ桜は自宅でも簡単に育てることができるんです。
しだれ桜とは?
しだれ桜は漢字で「枝垂桜」と書きますが、その名の通り枝が柔らかく垂れている様子の桜をいいます。バラ科サクラ属に分類される植物で、開花時期はだいたい3月下旬~4月頃とされています。
垂れ下がった枝に白や桃色などの花びらをつけている様子は、しだれ桜の花言葉である「優美」という言葉にピッタリです。その趣のある姿は、京都の府花に指定されているほどなんです。
しだれ桜の種類
一般的に見られるしだれ桜は江戸彼岸(エドヒガン)から変種したものが多く、様々な種類が存在しています。
八重紅枝垂(ヤエベニシダレ)

名前の通り、八重咲きに濃いピンク色の花をつけるのが特徴の桜です。
開花時期はだいたい4月の中頃と、比較的遅めです。
その昔、明治時代に仙台の遠藤康治市長が、京都にある平安神宮に献上して広まったのがこの八重紅枝垂です。
紅枝垂(ベニシダレ)

エドヒガンから派生した変種で、一重で小ぶりの濃い赤色の花をつけるのが特徴です。
開花時期はだいたい3月の下旬頃とされています。
清澄枝垂(キヨスミシダレ)
冬に咲く桜がしだれ桜として咲いたもので、白く先っぽに切り込みが入った花びらをつけているのが特徴です。
茨城県鴨川市の清澄寺で発見されたことから、清澄枝垂と命名されました。開花時期はだいたい4月の中頃です。
雨情枝垂(ウジョウシダレ)

詩人、野口雨情の邸宅でみられたことから命名されたしだれ桜です。
小ぶりの木ですから、栽培用として適しています。淡い桃色の比較的大きめな花をつけるのが特徴です。開花時期はだいたい4月上旬~中旬です。
吉野枝垂(ヨシノシダレ)
あのソメイヨシノがしだれ品種になったもので、比較的育てやすい種類のしだれ桜です。
一重で淡い赤色の花をつけるのが特徴です。開花時期はだいたい4月上旬頃です。
しだれ桜の育て方における違い
しだれ桜を栽培するには、苗木から買ってくる方法と鉢植えや盆栽から育てる方法があります。
苗木とは、栽培用に作られた赤ちゃんのような小さな木のことで、お庭などに植え替えて大きく伸び伸びと育てるのに適しています。
一方、鉢植えや盆栽はすでに植木鉢の中で育てられている苗木のことで、そのまま観賞用として栽培することができるものです。
苗木より鉢植えや盆栽がおすすめの理由
「桜なのに鉢植え?」と思うかもしれませんが、しだれ桜は上へ伸びていく品種ではなく、下へ垂れ下がっていくものですから比較的鉢植えに向いている植物なんです。
鉢植えや盆栽で育てる魅力は何といっても場所を選ばずにそのまま植木鉢の中で育てることができる点です。そもそも昨今の住宅事情を考えると、しだれ桜を植えるほどのお庭がない場合がほとんどですからね。
鉢植えや盆栽は、スペースがなくても手軽に誰でも栽培を楽しむことができる画期的な方法なんです。また、鉢植えや盆栽だと「お部屋の中で花見ができる」という何とも贅沢な体験をすることもできます!
さらに持ち運びに便利という一面がありますから、誰かに見せたいときにも手軽に持っていけます。この移動できるという点はとても便利で、寒すぎたり暑過ぎたりする日にも、ちょっと気温を調節するために移動させることも可能なんです。
鉢植えと盆栽はどっちが簡単?
鉢植えは植木鉢に植えられた苗木のことです。一方盆栽はより高度な観賞用ですから、比較的薄いお皿のような入れ物に植えられた苗木です。
しだれ桜の栽培には、できるだけ底を深く植える必要がありますからやはりどちらかと言ったら鉢植えの方が簡単かと思います。
また盆栽は、その鉢の中で雄大な自然の木を表現しなくてはなりませんから、見た目を重視してかなり手をかけなくてはなりません。
以上のことからやり甲斐を求めるなら上級者向けの盆栽、とりあえずしだれ桜を栽培してみたい場合には初心者向けの鉢植えを始めてみると良いでしょう。
しだれ桜を育てるポイント
さて、早速しだれ桜の鉢植えを買ってきて栽培してみましょう!と言いたいところですが、おそらく何から始めたら良いのかもわからない状況かと思います。
そこでまず用意するべき道具の紹介と、しだれ桜を栽培する際のポイントについて解説させていただきたいと思います!
最初に必要な道具をご紹介しますが、基本的には以下のような物を最低限用意していれば十分かと思います。
ホームセンターやガーデニングショップ、またはインターネットの通販などで手に入れることができます。
鉢植え

まずは何といっても鉢植えを用意しなければ始まりませんね。
しだれ桜には非常に様々な品種がありますが、どの桜でもお手入れの仕方にそこまで大差はありません。敢えて言うならば、地植え用ではなく「鉢植え用」と記載のあるものを買うように注意してくださいね。
苗木から鉢植えにする際には、苗木よりもひと回り以上大きな植木鉢を用意するようにしましょう。またある程度根が張ることも考えると、最低でも30センチ以上深さのあるものが好ましいとされています。
あとはどんな花が咲くのか、見た目の好みなどで決めても良いでしょう。店員さんにオススメを尋ねてみても良いですね。
ジョウロ
家にあるものでも構いませんが、鉢植えや盆栽に用いるものは1リットルより小さいものがオススメです。
また、できれば注ぎ口がスマートなものの方が使いやすいでしょう。
霧吹き
こちらも家にあればそれで十分ですし、無ければ百均のものでも構いません。
葉っぱなどが乾かないように吹きかけるときに使います。
剪定バサミ

料理用の切りバサミなどでも代用できます。
しかし切れ味が悪いので、できれば専用の剪定バサミがあると作業がスムーズかと思います。
肥料や殺虫剤

こちらは店員さんにオススメを聞いてみるのが一番確実です。
しだれ桜の肥料は即効性のある強いものは不向きですから、必ず緩効性肥料か有機肥料を使いましょう。
しだれ桜の栽培を始めよう
道具を揃えたら、いよいよ実際に栽培してみましょう!
必要最低限の注意を払っていればそこまで難しくはありませんから、まずは実践あるのみですよ。
最適の時期
しだれ桜を植えるのに最適なシーズンは11月~12月の始め頃、もしくは2月の終わり~3月頃までとされています。
基本的に冬のもっとも寒い時期を外します。
どんな土が合うか
しだれ桜には水もちと排水性という両方の機能が揃った土がよく合いますので、中粒以上である赤玉土や鹿沼土、日向土などが向いています。
もっとこだわる場合は赤玉土や黒土、腐葉土、砂などをバランスよく配合したものがオススメです。
肥料のやり方

基本的には年2回、寒肥とお礼肥をします。
寒肥とは、1月から2月に与える肥料のことでこれから先の開花にむけて元気を蓄えるためのものです。
一方お礼肥とは開花後に「お疲れ様」の意味を込めてあげる肥料のことで、また一年後に備えます。
水やりの方法

基本的には表面が乾いてきたタイミングであげるようにします。
桜の木は根っこの生長が早く水をよく吸いますから、毎日1~2回は必ず水やりをしましょう。
注意すべきポイント
桜の木は放っておくとアブラムシがつきますので、春から秋にかけて殺虫剤を数回まく必要があります。
また適宜、病気にならないよう花がらを取ったり、木の枝が伸びて地面につきそうになったら剪定することを忘れないようにしてくださいね。
まとめ
しだれ桜の栽培に必要な道具とお世話の方法を簡単に説明させていただきましたが、如何でしたか?
おそらく、「思っていたより難しくなさそう…。」という風に感じていただけたかと思います。
しだれ桜を自宅で育てることができたら、一気に趣のある空間を演出することができて素敵ですよね!

苗木を地植えするには広い庭が必要ですが、鉢植えや盆栽なら誰でも手軽に始められます。
栽培していくうちに剪定や植え替えなどのコツも覚える必要がでてきますが、まずは「習うより慣れろ」という事で、やってみることが重要です。
早速今日からでも、必要なものを揃えるところから始めましょう!