- ハナムグリってどんな虫?生態が知りたい!
- ハナムグリの幼虫の飼育方法は簡単?
- カブトムシやコガネムシとハナムグリの見分け方は?
ハナムグリと言えば、その変わった模様や色から観賞用やコレクションとして、飼育をする人が多いと言われています。
一方で、ハナムグリはぱっと見コガネムシなどの昆虫にもよく似ている為、一見見分けるのが難しいですよね。
しかし、よく見てみるとそれぞれ特徴があるといわれています。
そこで今回は、ハナムグリの生態から飼育方法、更にはハナムグリの見分け方などをご紹介したいと思います。
ハナムグリってどんな虫?生態が知りたい!
まずは、ハナムグリの生態について簡単にご紹介しましょう。
ハナムグリとは
ハナムグリとはハナムグリ科の昆虫で、体長16㎜程度の昆虫です。
また、個体差がありますが大きいものだと2㎝を超える場合もあります。
よく、5月頃から9月頃に見かけることができます。
見た目の特徴は、美しい緑色の体に小さな白点を散りばめた背面で光沢はありませんが、腹面は光沢のある銅色です。
さらに、ブラックやダークブラウン、メタリックカラーなどバリエーションも豊かな事から、コレクションとして楽しむ人や育てる人も多いのがハナムグリです。
また、よく見ると黄灰色~灰白色の毛が生えています。
さらに、ハナムグリは行動範囲も広く飛翔能力も高いのが特徴です。
名前の由来
また、ハナムグリはミツバチなどと同じく花粉を運ぶ生態系には欠かせない虫の一種です。
そんな、訪花性の生態に由来して、花粉や花の蜜を食べている様子がまるで花に潜っているように見える事から、漢字では『花潜り』(はなむぐり)と書くそうです。

それが由来なんですね。
生息場所
また、ハナムグリは基本的に林の周辺や草むらなどで見かける事が多く、また、薔薇の花やヒメジョオンなど花粉の多い花のまわりを飛び回って花粉を食べています。

生態系には欠かせない虫ですね。
さらに、ハナムグリの幼虫は基本的に土中に生息していて腐植土を食べて成長します。
ハナムグリの幼虫の飼育方法は簡単?
では、早速ハナムグリの飼育方法をご紹介しましょう。
準備するもの
まず、ハナムグリのを飼う際に準備しておくものをご紹介しましょう。
- 昆虫用プラスティックケース
- 腐葉土
- 昆虫ゼリー(エサ)

準備はとても簡単ですね。
ハナムグリは、カブトムシを飼う時のようなプラスティックケースで十分飼育可能です。
ただ飛翔能力がとても高いので、きちんと閉まるケースを選びましょう。
また、ハナムグリは排泄が多くよく飛ばすので、網目の虫かごのようなケースでの飼育はあまりおすすめできません。
その他、腐葉土に加えヒノキチップや枯れ葉などもあると喜びます。
さらに、止まり木や置き木があるとストレスが溜まりにくいので用意しておくと良いでしょう。
幼虫の場合は?
幼虫は腐葉土、堆肥、朽木といった腐植質を食物として育ちます。
だからこそ、そういったものを多く入れておくことが大切です。
またメスの成虫の場合、水分を多く含ませた産卵木を腐葉土に仕込んでおくことで、そこに卵を産み付けやすくなります。
ハナムグリの寿命
また、ハナムグリは春から秋の温かい気候を好み、個体差もありますが長くて2年ほど生きるようです。

意外と長いですね
つまり、冬をいかに越すかで寿命が決まると言えるので、飼育の際は冬場の温度管理などに気を配ってあげましょう。
ハナムグリの入手法や価格はいくら?
次に、ハナムグリの入手方法や価格はどうでしょうか。
まず、ハナムグリの入手方法は自分で捕まえるか、ネットなどで昆虫を専門にしているショップなどからも購入することができます。
一方、販売されているハナムグリは主に成虫で、1匹200円~500円ほどが相場です。
飼育時の注意点
では、飼育時の注意点を簡単にまとめてみましょう。
- 幼虫の増えすぎに注意する
- 多様な餌を与え過ぎない
- 温度調節
幼虫の増えすぎに注意する
腐葉土を敷いて飼育をする場合、幼虫が知らずに増えすぎる事も多いです。
そうなると、幼虫同士が共食いをしてしまうこともありますので、小まめにチェックし気を付けてあげるようにしましょう。
多様な餌を与え過ぎない
ハナムグリは、基本的に自然の腐葉土や果実などを食していますので、人間が食べる果実を与えることもできます。
しかし、そうすることで糞尿の頻度が増え、掃除や手入れが大変になるので、食べてくれると可愛いですが、ここは昆虫ゼリーのみ与える事をおすすめします。
温度調節
先程にもあったように、ハナムグリにとって冬をどう過ごすかは大きな問題です。
特に、寒いのは苦手なので基本的に25℃前後を通年でキープしてあげるように工夫が大切です。
といっても、暖房やクーラーが入っている部屋に置いておく必要は有りません。
基本的には、風通しが良く直射日光が当たらないところに置いておくと良いでしょう。

2年も夢ではありません。
カブトムシやコガネムシとハナムグリの見分け方は?
では、続いてカブトムシはともかく、ハナムグリとコガネムシなどはとてもよく似ているので、見分けにくいと思う人も多いですよね。

しかし、割と違いはあるのです。
見た目のちがい
まずは、見た目の特徴から比べてみましょう。
【カブトムシ】
- 甲虫の中で日本一大きく下側は平ら
- 上側は丸く盛り上がった形
- オスは大きなツノを持つ
【コガネムシ】
- 背中の三角のマークが半円
- 翅の上面が丸く盛り上がっていて、顔や全体のフォルムが丸い
【ハナムグリ】
- ハナムグリには翅に白い斑点がある
- 光沢がないのが特徴
- 硬い翅の上面が平らで、体全体もやや扁平
このように、よく見るとコガネムシとハナムグリでもその形の違いは一目瞭然ですね。
餌の違い
では、エサとするものはどうでしょうか。
【カブトムシ】
- 成虫は樹液のみ
- 梨やリンゴなどの果汁を吸うこともある
【コガネムシ】
- 主に葉っぱが主食で、さくらなどの広葉樹の葉を好む
- 幼虫は根を餌にし、鉢植えなどの根を食い荒らし枯らしてしまう
【ハナムグリ】
- 植物の花に飛来し花粉や蜜を食べる
このように、同じ昆虫であっても食べる物は違う事がよくわかります。
飛翔能力
さらに、飛翔能力でも比べてみましょう。
【カブトムシ】
- 体の重いカブトムシは地面から飛び立つと、墜落してしまう為高いところから飛び立つ
- 飛行中は前翅は開いたままで、後翅を上下にはばたいて飛ぶ
【コガネムシ】
- 背中を覆っている硬い翅と、その下に収納している大きな飛翔用の翅の両方を開いて飛ぶ
- 飛び方は鈍重であまり飛翔能力はない
- 手から放つと場合によっては落下してしまう
【ハナムグリ】
- 硬い翅を閉じたまま、その下から飛翔用の翅を出して飛ぶことができる
- 飛翔は高速で旋回能力も高い
- 手に持って放り上げると直ちに飛翔し去る
同じように翅があっても、その飛翔能力には違いがありますね。
人間との位置
最後に、それぞれが私達人間にとってどんな存在かも違うのでみていきましょう。
【カブトムシ】
- その見た目からコレクターなども多く、貴重な存在という認識が強い
- また、存在感からペットとしての認識を持つ人も多い
【コガネムシ】
- とても食欲旺盛なので、家庭菜園やガーデニングなどの葉を食い散らかすため、害虫としての認識が高い
【ハナムグリ】
- エサとするものが花の蜜や花粉であり、訪花性である事から人々に害は少なく、むしろ生態系には欠かせないので益虫としての認識が強い
こうしてみると、私達人間との関係や存在感もそれぞれ違うのは面白いですね。
このように、一見似ているように見えても実は見分けるポイントはいくつもあるのです。
ハナムグリの飼育におすすめのグッズ
昆虫マット
カブトムシやハナムグリなどの幼虫飼育・産卵用えさマットです。
幼虫が好む広葉樹材を使用している上、独自の製法で栄養を封じ込めているので昆虫が馴染みやすいのが特徴です。
使い方も簡単で、すでに水分調整済みなので加水不要ですぐ使えるのが嬉しいですね。
さらに、すべて自然素材使用で合成保存料などは一切使用していないのも安心のポイントです。
昆虫ゼリー プロゼリー(16g 50個入り)
高栄養・高タンパクで、ハナムグリやカブトムシなどの昆虫に最適な昆虫ゼリーです。
また、味は昆虫が好むバナナ味の天然果汁をはじめ、動物性タンパク質、各種糖質、ビタミン、ミネラルなどを効率よく配合した高タンパク昆虫ゼリーなのでよく食べてくれます。
さらに、液ダレもほとんど無くゼリーのフィルムも剥がしやすいので使いやすさも抜群です。
産卵促進、産後の体力回復等に効果絶大です。
プラケース 虫かご
特殊樹脂を使用しているので軽く割れにくくく、透明度もアップしたお手入れカンタンの飼育ケースです。
前面の曲面フォルムで、中身をワイドに観察することができ、ハナムグリなどの生態を観察しやすいでしょう。
また、フタにストッパーが付いているので、しっかりとロックすることができ、飛翔能力の高いハナムグリの脱出を防ぐ事ができます。
落葉100% 完熟 腐葉土
広葉樹の落葉を完熟させた100%落葉たい肥なので、ハナムグリの飼育に使用ぴったりです。
国産なので、葉肉が厚く持続性が高く通気性・排水性は抜群です!
さらに、窒素や加里分が多いのも特長ですが、発酵促進剤等の化学物質は使用していない為安心して使用できます。
昆虫の飼育床、産卵床、幼虫のエサにも適しています。
インセクトシェルター 登り木
天然木を使用した、昆虫ケースの中に使用する登り木です。
この登り木があるだけで、ディスプレイ効果も高く中側は空洞になっているので、ハナムグリなどの昆虫がまるで自然界にいるかのような、心地良い棲みかとなること間違いなしでしょう。
昆虫にとって、ちょっとした隠れ家があるとケースの中でもストレスを感じずに伸び伸びと生きる事ができます。
さいごに
いかがでしたか。今回はハナムグリの生態や飼育の仕方をご紹介してみました。
こうしてみると、誰でも気軽に飼うことができるのもハナムグリの魅力と言えそうです。
また、カブトムシや似ていると言われているコガネムシとの違いも面白いですよね。
ぜひ、参考にしてみて下さい。
昆虫・幼虫を飼育するコツ