- 多くの種類がいるカナブン、寿命はどのくらい?
- カナブンの飼育方法や注意点は?
- カナブンの幼虫を飼育する方法とは?
皆さんの認識の中で、「カナブン」の存在がどんな存在であるかはその人それぞれによって異なります。
しかしながら、実はカナブンはクワガタやカブトムシと同じようにとても人気のある昆虫なのです。
また、色も緑色だけではなく、光によって青色に光って見える個体も存在します。
その為、クワガタやカブトムシと同様に、飼育してみたいと思う方も少なくありません。
ここでは、カナブンを幼虫から飼育する方法についてご紹介します。
多くの種類がいるカナブン
寿命はどのくらい?

カナブンは、コウチュウ目コガネムシ科はナムグリ亜科に属している昆虫です。
カナブンはハナムグリの一種となりますが、外見はコガネムシ科と同様に見えることから、コガネムシとよく間違えられることも多いです。
そんなカナブンですが、現在、全世界で30000種類も存在すると言われています。
そのうち36種類ほどのカナブンが日本の各地に生息しているようです。
カナブンの寿命は?
カナブンの幼虫期間は約10ヵ月と言われています。
実際には6月頃から成虫として生活を始めます。
そうすると、カナブンの成虫での寿命は3ヵ月ほどになります。
実質幼虫でいる期間が7ヵ月と言う計算になりますので、この世に出てきてからあっという間にその命がなくなってしまうと思うと何だか昆虫の世界で生きるには、命の尊さを強く感じますね。
カナブンはとても寒さに弱い個体であることから、カブトムシと同様、冬を越すということができません。
その為、冬を超える前となる8月に卵を産み、その時にカナブンとしての一生を終えます。
カナブンの飼育方法や注意点は?
飼育してみたいと思う方も多いカナブンですが、飼育する際に準備する物や注意点はどのようなものがあるのでしょうか?
カナブンの飼育する為に準備するもの
カナブンは茶褐色の色をしていて、身体全体は光沢感があります。
カナブンの種類によっては、青色や緑色だけではなく、その中間色となる個体もいる為、色んな色彩があることから、そんなカナブンに興味を抱く方も多いようです。
カナブンの飼育は、カブトムシやクワガタを飼育する時と同じようなスタイルで行います。
- クリーンケース
- 完熟マットや黒土マット
- カナブンの餌
- 木片や樹皮で隠れられる場所
- 霧吹き
実際に飼育のために準備するものをもう少し詳しくお話しましょう。
クリーンケース(飼育ケース)
カナブンは成虫になると大量に産卵を行うことから、個体数が増えることが確実です。
最初から少し大きめのケースを準備してください。
完熟マットや黒土マット

カナブンは腐食質が大好きです。
その為、市販されている発酵マットを活用しましょう。
この発酵マットがあれば、そこに上手に産卵し、自然と繁殖していきます。
カナブンの餌

カナブンの餌のオススメは、昆虫ゼリー!
カブトムシやクワガタと同様、昆虫ゼリーを与えましょう。
時に果物などを与えても良いです。
ここでカナブンの食事の様子を少し覗いて見ることにしましょう。
木片や樹皮で隠れる場所を作る
カナブンが隠れることができるよう、樹皮や木片などを入れると良いでしょう。
隠れる場所があった方がカナブンが日々生活する上でも安心できます。
霧吹き
飼育ケース内の湿度もとても大切です。
土の表面が乾いてしまわないよう、土の状態を観察しながら霧吹きをするようにしましょう。
カナブンの成虫におすすめ餌は?
カナブンの成虫の餌は、カブトムシやクワガタと同様に木の樹液を吸う為、飼育する際の餌としては、バナナなどの果物の他、市販されている昆虫ゼリーを与えてください。
何度もお話している通り、カナブンとコガネムシの幼虫は見た目によく似ている為、区別がつかないこともあります。
しかし、カナブンの幼虫は成虫になるまで腐葉土を食べ続けますが、コガネムシの幼虫は成虫になるまでずっと植物の根などを食べ続けて成長します。
その為、食べているものを観察するだけで、その幼虫がカナブンの幼虫なのかコガネムシの幼虫なのかが分かるようになります。
カナブンの餌として与えてはいけないもの

自然に生きるカナブンの餌は、木の樹液です。
その為、カナブンの餌はクワガタやカブトムシと同じものを与えると良いでしょう。
カナブンを飼育する際に準備する餌としては、市販されている昆虫ゼリーが適しています。
また、人間が食べる食材であれば、糖分を含んだバナナやリンゴなどがおすすめです。
ただし、スイカや砂糖水など、水分を多く含むものを与えすぎることで、尿量が多くなり、飼育環境がどうしても不衛生な状態となってしまいます。
その為、与えるものは選んで与えてあげてください。
また、昆虫のメスは、産卵期となると動物性たんぱく質の摂取が必要となります。
その為、産卵期となる8月になる頃には、ヨーグルトなどの動物性たんぱく質が含まれるものをカナブンに与えてあげると良いでしょう。
カナブンの飼育方法
カナブンの飼育方法は、冒頭でもお伝えしたように、カブトムシやクワガタの飼育方法とほぼ同じです。
捕まえてきたカナブンがコガネムシではないかをしっかりと確認してください。
コガネムシは、農作物の葉を食べ、幼虫は植物の根を食べて成長します。
その為、間違ってコガネムシの飼育をしていたのでは、当然、餌となる昆虫ゼリーは食べません。

このように生活環境も全く異なる為、飼育前にカナブンなのかコガネムシなのかをしっかりと確認してください。
また、カナブンが快適に過ごせるようにするために、飼育ケースの中の管理はとても大切です。
- 飼育ケースの中の温度は常に20〜25度くらいの適温となるようにする
- 湿度を保ち、乾燥しないよう、霧吹きを上手に使うこと
- 転倒防止剤などを飼育ケースの中に入れておくようにする
カナブンは転倒することで自力で体勢を元に戻すことができない為
餌については、成虫いなると花粉や木の樹液を餌としていますが、幼虫は腐食土を食べて成長している為、飼育する際は昆虫ぜりーや樹液ゼリーを飼育ケースの中にセットしておくようにしましょう。
カナブンはどうやって捕まえる?

カナブンは、クワガタやカブトムシなどと同様に、落葉広葉樹であるクヌギやナラ、ヤナギといった樹木によく集まってきます。
また、飛翔性が高い為、明るい場所に集まってくることもあります。
カナブンの動きはとても素早い為、飛び立つ時も羽を上手に使い、一瞬で飛んで行ってしまうため、カブトムシやクワガタのように簡単に捕まえることは難しいとも言われています。
一番捕まえやすい方法としては、樹液に集まって餌を食べている時です。
この時が一番じっとしているので、さっと虫取り網をかければ簡単に捕獲することができるでしょう。
カナブンは主に6〜7月中旬頃にその姿をよく見かけるようになります。
この期間に捕まえに行くと良いでしょう。
コガネムシと間違えてない?
カナブンであることを確認しよう
先ほどもお伝えしたように、カナブンは見た目にコガネムシと間違われやすく、飼育する場合はまずその個体がカナブンであることを確認しなければなりません。
- コガネムシ
全体的に身体が角ばっている - カナブン
全体的にずんぐりと丸っこい身体をしている
見た目の判断がつきやすいのはここの部分ではないでしょうか。
ほかにも、歩き方などの違いがありますので、また後ほどお話していきたと思います。
カナブンの幼虫を飼育する方法とは?
カナブンを幼虫から飼育する場合の飼育方法をお話しましょう。
はちみつはあげちゃダメ?
カナブンの幼虫は何を食べるの?

カナブンの幼虫が食べる餌は、腐葉土などの有機物となります。
一般的に自然界て見かけるカナブンは、植木鉢などで見かけた場合、腐葉土を食べてそこに糞をし、植物の成長に良い土作りの手伝いをしてくれます。
また、たまに同じプランターや植木鉢の中からコガネムシの幼虫も見られます。
しかし、コガネムシの幼虫の餌は腐葉土ではなく植物の根や木です。
その為、せっかく植物を育てても、コガネムシの幼虫にすべて食べられてしまい、結果植物が枯れてしまうことになる為、その場合はコガネムシの幼虫は駆除が必要です。
カナブンの幼虫を飼育する際は、プラスチックケースなどの容器を準備し、そこに腐葉土を敷いて、土に湿気を与えるためにも霧吹きで水をかけてください。
また、カナブンの幼虫は腐葉土を好んで食べることから、様子を見て新しい土を入れてあげてください。
一方、カナブンの幼虫に与える餌をはちみつだと勘違いされている方もいるかもしれません。
幼虫の頃は腐葉土が主な餌となりますので、はちみつなどは与えないようにしてください。
カナブンの幼虫の特徴
カナブンの幼虫の特徴は、腐葉土を分解し、植物にとって良い土作りのお手伝いをしてくれます。
カナブンの幼虫の大きさ
カナブンの幼虫の大きさは体長3〜5mmと小さく、この個体がコガネムシの幼虫の大きさと変わりありません。
カナブンの幼虫には身体にふわふわした茶色の体毛が生えています。
顔が小さめで顔の横には模様があります。
カナブンの幼虫は、体毛と顔の大きさ、顔の横にある模様を見ると見分けがつきます。
カナブンの幼虫はどのようにして歩くか

カナブンの幼虫はお腹を下にして歩くことができない為、背中を下にしたまま背面歩行をします。
自宅の植木鉢の中にカナブンらしき幼虫や、コガネムシらしき幼虫の姿を見かけた際は、その幼虫の歩き方に注目してみてください。
また、コガネムシは通常通りお腹を下にして歩く姿を見ることができます。
そして、移動速度もとても早いですのですが、一方でカナブンの幼虫の歩くスピードはかなり遅いです。
カナブンとコガネムシの幼虫の見分け方のポイントにもなりますね。
カナブンの幼虫が見られるのはいつ?

カナブンは、日本国内の本州から四国、九州、離島を含め、全国各地で見られる昆虫です。
卵から幼虫の間は土の中ですくすくと成長します。
そして、少し気温が上昇しだした6月頃に地上でその姿を見ることができます。
その後、成虫になったカナブンは、落葉広葉樹であるクヌギやナラの木の樹液を吸うようになります。
カナブンは飛行能力がとても高い為、足場がない状態でも高く飛び立つことができる昆虫です。
その為、自分の身に危険が迫った際も、素早い行動をとることができます。
また、成虫は越冬することができず、8月頃になると卵を産んでその一生を終える昆虫です。
コガネムシとクワガタとカナブンの幼虫の見分け方
コガネムシは、色や形、大きさを比べても、カナブンの幼虫とそっくりです。
明らかな違いはカナブンの幼虫はコガネムシの幼虫に比べると頭が小さいことと、身体に毛が生えていることです。
また、土から出すと、コガネムシはすぐ体制を整えお腹を下にすることができます。
そして、6本の脚で身体を支えて移動します。
一方、カナブンの幼虫は背中を下にしたまま移動する姿が見られます。
クワガタの幼虫はオレンジ色をしていて、立派な顎を持っている為、ここで違いがはっきりと分かります。
カナブンには昆虫ゼリーがおすすめ!
コガネムシとの見分けも大切
いかがでしたか?
カナブンの餌でオススメなものや、カナブンの幼虫の飼育を行う際の注意点などについてご紹介しました。
カナブンを飼育する際の餌として最適なのは、幼虫の頃は腐葉土を食べて成長し続けることから、飼育の際は腐葉土をたっぷりと使用してください。
そして、成虫になると糖分を含んだバナナやリンゴなどを与える他、クワガタやカブトムシと同様に昆虫ゼリーなどを与えるようにしてください。
ひとつ注意点としては、果物を与える際は水分の多いスイカなどは避けるようにしましょう。
これは、カナブンの尿量が増え、飼育環境が不衛生になってしまうからです。
できるだけ市販の昆虫ゼリーがオススメという訳ですね。
カナブンはとても種類が多く、コガネムシとも似ていると言われる昆虫です。
しかしながら、その生態や食性の違いもあることから、飼育する場合は、カナブンの幼虫であるかコガネムシの幼虫であるかをしっかりと見極めてから飼育を始めるようにしてくださいね。
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