- じゃがいもの植え付け時期は?
- 秋じゃがいもを栽培するコツとは?
じゃがいもは、春と秋に植え付けることが出来る作物です。しかし、秋は暑い時期からだんだんと涼しく寒くなっていく時期です。
当然その気候の変化に対応できる品種を選ばなければいけません。
また、植え付けの時期や、肥料をやる時期など、春の植え付けとはかなり違います。
今回は、じゃがいもの秋の植え付けについてのコツを紹介します。
秋の植え付けの時期と収穫時期
8月下旬から9月上旬に植え付け
11月から12月に収穫
まず、秋の植え付けはおよそ8月下旬から9月上旬となります。そして収穫の時期は11月から12月の寒い時期になりますね。
霜が降りる前に収穫を済ませる必要がありますので、地域によって収穫期はそのあたりを目安にしてください。
そもそも、じゃがいもには休眠期間というものがあります。休眠期間とは、じゃがいもが芽を出すまでの期間です。これは、品種によってさまざまです。
秋の植え付けには、この休眠期間が短い物を選ばないといけません。春の植え付けにくらべ、収穫までの時間が短いからですね。
暑さに強い品種を選ぶ
そして、植え付けの時期はまだまだ暑い時期になります。暑さに強い品種を選ばなければなりません。
そもそもじゃがいもは、南アメリカのアンデス山脈が原産です。同地の気候は乾燥し、涼しいものです。
高温期の植え付けになりますので、暑さによって種いもとなるじゃがいもが腐らないように注意しましょう。
秋の植え付けに適したじゃがいもの品種
秋の植え付けに適している品種は「アンデス赤」、「とうや」、「デジマ」、「レッドムーン」、「ニシユタカ」があります。
- アンデス赤
- とうや
- デジマ
- レッドムーン
- ニシユタカ
「男爵」「メークイン」などは休眠期間が長いため、秋の植え付けには不向きです。これらの品種は一般に甘み、うまみがあり貯蔵性も高い品種となります。

秋植えジャガイモは、甘みや旨みが増し、貯蔵性も高いです。
アンデス赤
「アンデス赤」は皮が赤いのが特徴のじゃがいもです。
いもの中は黄色で食味が良く、カロチン、ビタミンCを多く含む品種です。病気にも強く、収穫性も高く、秋の植え付けに適した品種と言えます。
とうや
「とうや」は、北海道生まれで1995年に品種登録されたじゃがいもです。
肉質にややねばりけがあります。形が丸く比較的大きなじゃがいもができることが多いです。
デジマ
「デジマ」は暑さに強く植え付けに適した代表的なじゃがいもになります。成長が早く多くの収穫が期待できます。
レッドムーン
「レッドムーン」は名前の通り皮が赤く長細い品種のじゃがいもになります。
肉質はややねばりがあり、サツマイモに似た感じの味のあるじゃがいもになります。
ニシユタカ
「ニシユタカ」は九州生まれで暑さに強い品種です。
春の植え付けも秋の植え付けも両方に適しています。
秋じゃがいもの植え付け
植え付けの時期はまだ気温が高い8月下旬から9月上旬です。
このため、種いもを斬ってしまうと、土の中で腐ってしまう可能性もあります。
種芋は切らずに植える
切って植えるということは秋の植え付けの場合には行いません。なるべく、小さな種いもを入手してそのまま、切らずに植え付けしていきます。
病気の感染が怖いなら新しい種芋を植える
春に作ったじゃがいもが秋作にも対応できる品種であれば、そのまま使うこともできますが、ウィルス感染には注意しましょう。
病気感染のリスクを下げるならば、ウィルス検査済の種いもを入手するほうがいいです。
1ヶ月ほど適温で保存しておくと生育がスムーズ
尚、種いもを植える前に、一か月ほど適温をたもった暗室に保存して芽を伸ばしておくと育成はスムーズにいきます。
土壌のpHも調整しておく
じゃがいもに適した土質は、弱酸性となります。Phでいくと5.0~5.5程度です。
石灰を投入すると土質が大きくアルカリ性となり「そうか病」が発生する原因にもなります。通常は石灰を使わずそのまの土質でじゃがいもの秋作は可能です。
種いもを植える前には、元肥をいれて、畑を良く耕しておきます。じゃかいもの秋の植え付けで注意すべき点は、春に比べ高温で芽が出にくくなっていることです。
このため、種いもは、春作よりも密度を上げて植えておくのがコツになります。
秋作じゃがいもの収穫を大きくするためのコツ
収穫を大きくするためには、種いも1個に対し、芽を1本だけにすることです。複数の芽にならないように裁断します。
そのタイミングは一番長い芽が15センチほどになった時期です。他の芽は地面から全て切り取ってしまいましょう。これは、養分をひとつの芽に集中させるためです。
出来るじゃがいもの数が多くとも小粒のものばかりでは、全体の収穫は大きくなりません。
このような作業を「芽かき作業」といいますが、これをしないと、小粒ないもばかりで、全体の収穫量が上がらないだけではなく、未成熟で食用に適さないじゃがいもができてしまう可能性もあります。
また「芽かき作業」を行ったら、土寄せをしっかりとやっておくことも忘れてはいけないことです。
秋作じゃがいもの毒の発生を防ぐコツ
「芽かき作業」を行って土寄せ、または土増しをします。このあと、1月くらいでツボミが育って花が咲きます。
このときが二回目の土寄せ、土増しのタイミングとなります。このときに、そのまま放置しておきますと、じゃがいもが大きくなりすぎて、土の上に露出するかもしれません。
じゃがいもは日光を浴びると緑化して、内部に有毒物質を作ってしまいます。そのため、生育してきたじゃがいもが土から露出しないように20センチから30センチは土寄せ、土増しするのが大切なことになります。
秋作じゃがいもの収穫の時期は?
秋に植え付けたじゃがいもの収穫時期を見極めるのはどうすればいいのでしょうか。
秋作のじゃがいもが十分に大きく収穫可能となった時期は、じゃがいもの地上部分の葉や茎が枯れたころになるのです。このタイミングを逃さないでください。
葉や茎が完全に枯れた時期が秋作じゃがいもの収穫期となります。秋作のじゃがいもにとっては霜が大敵です。
1回くらいならば何とか乗り越えることは出来る可能性もあるのですが2回以上の霜はじゃがいもが凍ります。
じゃがいもは凍ってしまうと、とても食べられるような状態ではなくなってしまいます。
霜対策をどうするか?
その年によって霜の降りる時期は違いますし、また地方によっても違います。一般的に寒冷地では秋作のじゃがいもの育成はかなり難しいです。
関東地方であっても、11月に冷え込む時期がありますので、その場合の緊急的な対策も考えておく必要があるかもしれません。
本来であれば、早々に収穫すべきですが、まだそのタイミングでないときに、霜が降りたり、下手をすれば雪が降ったりすることもなくはないです。なにせ収穫時期はもう11月から12月に入っているのですから。
その年の長期予報や、週間予報などに注意してビニールトンネル、寒冷紗などで、霜と雪に対する対策を行うことも重要かもしれません。
じゃがいもは凍ってしまうと、スポンジのような食感となり、普通の感覚であればとても食べられないものとなってしまうのです。
秋作じゃがいもの保存について
そもそも、春に作ればいいじゃがいもをなぜ秋に植え付けて作るのかということですが、秋作のじゃがいもは春作に比べて、でんぷんが多く、ほくほくしていることが特徴です。また春作にはない品種を作ることもできます。
そして、通常2か月くらいのじゃがいもの保存期間ですが、ちょうど寒い時期に入ることもあり、常温で3か月は保存できる状況になります。
秋作のじゃがいもは、春作のじゃがいもに比べて長い期間保存できるというメリットがあります。
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