• 「十五夜」と「うさぎ」の関係性
  • 十五夜の歌

今年は「酷暑」と言われるほど、類まれな暑さを記録し続けていますがみなさん夏バテはしていませんか?

この長い夏がいつ終わるのか分かりませんが、

 

あと2カ月もすれば暦の上では秋になります。

 

お子さんがいるご家庭であれば、

秋には運動会や学芸会などの

イベントが盛りだくさんですよね。

 

秋と言えば「芸術の秋」や「スポーツの秋」

という表現もされますから、

美術鑑賞やハイキングに

出掛けるのも良いでしょう。

 

秋にはこれといった

大きな国民的行事はありませんが、

みなさんが絶対

知っているであろうものがあります。

 

それは「十五夜」です。

 

別名「中秋の名月」

なんて言ったりもしますよね。

 

十五夜と聞いて

思い浮かべるのは何でしょう。

 

恐らく

みなさんが絶対にイメージするのは

「月」ではないかと思います。

 

では、

月と聞いてイメージするもの

はありますか?

 

こちらもみなさんが絶対

連想するであろうモノがあります。

 

それは

「うさぎ」ではないですか?

 

ちなみに、

月を見て、月にうさぎの影が

映っていると感じるのは

日本人だけみたいですね。

 

今回は十五夜とうさぎの

関係性などについて

ご紹介していこうと思います。

 

「十五夜」と「うさぎ」の関係性

先にも述べた通り、

「十五夜」「月」という

フレーズから多くの人が連想するのは、

「うさぎ」でしょう。

 

「多くの人が」という表現を

しましたが、恐らく

「みなさんが」という言い方を

しても過言ではないかと思います。

 

そんな十五夜とは

切っても切れないほど

密な関係性であるうさぎ。

 

まずはこのふたつの

関係性について

ご紹介していきましょう。

 

月に映る「うさぎ」

満月の日に、

月をよーく見てみてください。

 

そこには、

餅つきをしているうさぎの姿

がぼんやりと見えると思います。

 

月の表面にはクレーターと言われる

でこぼこがあり、それらが影となって

そのような形に見えているのです。

 

しかし、

冒頭でも述べた通り、

月を見てうさぎの姿が映っている

と感じるのは我々日本人だけ

のようです。

 

月を見ている場所が違えば、

月の表面の影の付き方も

異なってきます。

 

なので、

その国々で月に映っているように

感じるモノは違ってくるのです。

 

たとえば・・・

 

月に映るモノたち

北ヨーロッパ・・・本を読むおばあさん

南ヨーロッパ・・・カニ

東ヨーロッパ・・・女性の横顔

西ヨーロッパ・・・水を担ぐ男女

アラビア・・・ライオン

インド・・・ワニ

 

などがあります。

 

ほかにもたくさん見え方が

ありますので、

興味のある方は

是非調べてみてください。

 

月と、うさぎの伝説

月とうさぎには、

他にも密接な関係性を

表す物事があります。

 

単に「見える」というだけでなく、

月のうさぎ伝説

というものが存在するのです。

 

ご存知でしたか?

 

次に、このうさぎ伝説

についてご紹介します。

 

うさぎ伝説

このうさぎ伝説の元と

なっているのは、

仏教の説話だとされています。

 

これは

仏教伝来の地である

インドのジャータカ神話

というものです。

 

その神話のなかにはたくさんの

お話が集められているのですが、

のなかのひとつ

「ササジャータカ」という

話が元になっています。

 

うさぎ伝説

昔々あるところに、

うさぎときつねとさるがいました。

 

彼らはある日、

疲れ果てて食べ物を乞う老人に

遭遇します。

 

そしてこの老人のために、

3匹は食べ物を集めるべく

走り回りました。

 

さるは山へ行き

木の実を集めました。

 

きつねは川へ行き

魚を釣ってきました。

 

しかしうさぎは

一生懸命頑張るも、

なにも採ってくることが

出来ませんでした。

 

その結果、どうしようかと

悩んだうさぎは

「代わりにわたしを食べてください」

と、自ら火の中に

飛び込んでしまいました。

 

この3匹は気付いていなかったのですが、

実はこの老人、

帝釈天(タイシャクテン)という

神様だったのです。

 

帝釈天はこの3匹の行動を試そうと、

このような行動を取っていたのです。

 

帝釈天は自らの命を捧げてしまった

うさぎを憐れみ、月の中に甦らせ、

みんなのお手本としたのでした。

 

月の中に見えるうさぎが、

実はこんな可哀相な結末をたどっていた

だなんてびっくりです。

 

「月の中にうさぎが映っている」

という、みんなの常識は、

この伝説が親から子へと

語り継がれ続けてきたからなのでしょうね。

 

餅をつくうさぎ

月とうさぎの関係性というのは、

上でご紹介した伝説から

お分かりいただけたかと思います。

 

では、

何故多くの人が

「うさぎは餅をついている」

と連想しているのでしょうか。

 

これには諸説あるとされています。

 

うさぎが餅つきをしている理由

うさぎが老人(帝釈天)のために餅をついている

月の世界でうさぎが食べ物に困らないようにするため

 

これらの理由というのは、

いろんな人が後付けしたもの

だと考えられています。

 

元々は中国で言われ始めたことらしく、

その時は「不老不死の薬を作っている」

というふうに言われていたようです。

 

それが後々日本へと伝わった際に、

我々にとってより身近な「餅つき」

という形へと変わっていった

ということのようです。

 

十五夜の歌

十五夜 団子 飾り方

十五夜には、

それに関係する歌を口ずさむ人も

いるのではないでしょうか?

 

次に、そんな十五夜に

歌われる歌について

ご紹介していきましょう。

 

十五夜の歌①

「十五夜」というフレーズから

みなさんが連想する歌には

どのようなものがあるでしょうか。

 

最も多く連想される歌は、

恐らく『うさぎ』という

童謡ではないかと思います。

 

学校や年代によっては、

教科書に載っていたという

こともあるでしょう。

 

『うさぎ』の歌詞

うさぎ うさぎ

なに見て はねる

十五夜 お月さま

見て はねる

 

この歌は江戸時代から

歌い継がれてきました。

 

その後明治25年(1892年)

初めて教科書に掲載

されたようです。

 

十五夜の歌②

他にも十五夜に関する

歌があることをご存知ですか?

 

その歌は『十五夜お月さん』

というタイトルで、

大正時代に発表された、

比較的新しい歌です。

 

作詞家の野口雨情によって

作られた歌で、歌詞の内容は

なかなか衝撃的なものです。

 

まずは歌詞をご覧ください。

 

『十五夜お月さん』の歌詞

十五夜お月さん 御機嫌さん

婆やは お暇(いとま)とりました

 

十五夜お月さん 妹は

田舎へ 貰(も)られてゆきました

 

十五夜お月さん 母(かか)さんに

も一度 わたしは逢いたいな

 

一家離散してしまった女の子が、

十五夜に向かって話しかけている

という、とても悲しく可哀相な

歌詞になっています。

 

これには作詞した野口雨情の

私的な事情が関係しているようです。

 

野口雨情は離婚しており、

自身のこどもと離別してしまった

という経験をこの歌詞に

表したのではないかと言われています。

 

当時は様々な事情から

一家離散してしまう家庭が

少なくなかったようです。

 

ですので、

この歌はその当時の

世相を表していた

とも言えるのでしょう。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。 

今回のこの記事で、月とうさぎの密接な関係性などについてお分かりいただけたと思います。

 

月に映し出されるうさぎや

十五夜に関する歌には、

実は悲しい背景があった

ということはなかなか衝撃的

だったのではないかと思います。

 

これらの背景を知ったうえで

見るお月さまや歌う歌というのは、

また違った感じ方ができる

のではないでしょうか。

 

今までとは違った感覚で、

今年の十五夜・月見を

楽しんでくださいね。

 

最後までお読みくださり、

誠にありがとうございました。

 

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