• カンガルー・赤ちゃんの生まれたての大きさは?
  • カンガルーの赤ちゃんの袋での生まれ方とは?

カンガルーといえば、子供をお母さんがおなかの袋に育ている姿が愛らしいですよね。

カンガルーの赤ちゃんの生まれたての大きさは?カンガルーの赤ちゃんの袋での生まれ方とは?

 

このコラムでは、カンガルーの赤ちゃんの生まれたての大きさや、カンガルーの赤ちゃんが袋でどのように生まれてくるのかについてご紹介してきたいと思います。

 

カンガルーといえば 、お母さんのお腹にあって、その中に子供を入れているってことぐらいはみなさん知っていますよね?

 

ただ、その袋がどのような役割のものなのかは案外知られていないのでしょうか?

 

私自身も、外敵などが現れて危険な時にお母さんが袋に子供入れてまもるため?ぐらいに思っていましたが、それ以上に大切な役割があったのです。

カンガルー・赤ちゃんの生まれたての大きさは?

カンガルーの赤ちゃんって生まれたときはどれぐらいの大きさなのかご存知ですか?

 

人間や犬や猫などと同じだから、赤ちゃんのサイズもそれに応じたサイズ?と思うかもしれませんが、その想像は完全に間違っています。

 

カンガルーの赤ちゃんは生まれた直後はなんと2センチぐらいの大きさしかありません。重さも0.8グラムぐらいです。

 

このカンガルーの赤ちゃんの大きさはよく1円玉にたとえられます。

 

ちなみに一般的なカンガルーの大きさは小さいもので25cmから大きい種では160cmぐらいです。

 

体重に関しては、かなりピンキリではありますが0.5kg程度しかないものから85kg程度あるものまでさまざまいます。

 

大きいもので160cm 体重85kgっていうことは、人間とほとんど同じぐらいなのでイメージしやすいですよね。

 

犬や猫でも生まれてきた子供はこんなに小さくはないのでびっくりですよね。

 

カンガルーの赤ちゃんは
袋の中でどのように生まれる?

妊娠から1ヶ月後に出産

カンガルーの赤ちゃんはお母さんのカンガルーが妊娠してからたったの一か月でお母さんのお腹の中からでてきます

 

人間に比べても他の哺乳類に比べても非常に短いですよね。

 

これはなぜかというと生まれてから袋の中で育っている期間がとても長いからなのです。

 

カンガルーは生まれたといっても、人間や他の動物がお母さんのお腹の中に胎児として大きく育ってから生まれ来るわけではなく、生まれてから袋の中でじっくりと大きく成長するのです。

 

だからこんなにも小さいのですね。

 

カンガルーの袋は子宮・胎盤に相当する

すでにご説明した通り、カンガルーの赤ちゃんはまずお母さんの袋の中に2センチの状態でまず生まれてくるのです。

 

そして、袋の中で成長していき、大きくなるとお母さんの袋から顔を出して外の世界にデビューします。

 

このことからわかるようにカンガルーにとってお母さんの袋は子宮や胎盤に相当するものです。

 

なぜ袋がこのような役割を果たすのかはというとカンガルーには胎盤がないのです。

 

ですから、お母さんのお腹の袋がその役割を果たすのですね。

 

有袋類は総排泄公から生まれてくる

カンガルーのように、胎盤で育てられない有袋の動物は直腸と尿道と産道を兼ねた小さな穴(総排泄孔)を通れるギリギリの大きさで生まれてきます

 

この状態のカンガルーには、まだ目も鼻も耳もありません。

 

お母さんカンガルーのお乳をもらうための口と袋の中をお母さんのお乳を目指して登っていくための手足だけがついているような状態なのです。

 

そうなのです。この説明からもわかるようにカンガルーのお母さんの袋は超未熟児時代の赤ちゃんの生息場所であると同時に中にお乳まであるのです。

 

赤ちゃんカンガルーはどうしてどこを登っていけばお乳にたどり着けるのでしょうか?

 

目も鼻も耳もなく、手足があるだけの状態でなぜたどりつけるのか不思議ですよね。

 

お母さんカンガルーが袋の中をなめて濡らしてあげて、この道をたどればその先にお乳があるよって教え上げるのだそうです。

 

そんな人間でいえば未熟児のような状態からカンガルーの命ははじまるのですね。

 

そしてお母さんカンガルーの袋の中で、30週間から40週間ぐらいの間、赤ちゃんカンガルーは育ちます

 

カンガルーの赤ちゃんの排泄物は?

2センチの超未熟児の状態のカンガルーは大きくなるまで長い間、お母さんカンガルーの中で育ちます。

 

袋の中でお母さんのおっぱいを飲み、糞や尿もしているわけです。

 

それでは、お母さんカンガルーの袋の中って排泄物で一杯になってしまうんじゃないかなって不思議になりますよね。

 

お母さんは袋の中を清掃している

そこは大丈夫なのです。ちゃんとお母さんカンガルーが袋の中を掃除しているのです

 

定期的に袋の中に口を突っ込んで、排泄物をなめとってしまうのです。

 

この行為が人間でいう、お母さんが赤ちゃんのおむつを替えてあげている行為に該当するのですね。

 

でも排泄物をなめとるって汚くないのってちょっと思ってしまいますよね。

 

そこも問題ありません。赤ちゃんカンガルーはそもそもお母さんカンガルーのおっぱいしか飲んでいませんので排泄物もそのような成分しかないからです。

 

ちなみに人間の赤ちゃんなど別の哺乳類でも、お母さんの母乳だけを飲んでいる状態では排泄物ってそんなに臭わないんだそうです。

 

お乳以外のものを口にするようになるとだんだん臭いがきつくなってくるんだそうです。

 

カンガルーとコアラは有袋類

ちなみにコアラもカンガルーと同じように、お母さんの袋から赤ちゃんが生まれてきます。

 

カンガルーは人間と同じ哺乳類ではありますが、ここまで赤ちゃんの生まれ方に違いがあるのはびっくりですよね。

 

人間も、カンガルーやコアラも、シカや馬も「哺乳類」というグループに属しています。

 

実はこの「哺乳類」というはかなり大雑把で大きい分類といえます。

 

子供をお母さんのおっぱいで育てていればみんな「哺乳類」なのです

 

子供を卵の状態で産もうが、カンガルーのように超未熟児の状態で羽毛がおっぱいで育てているのですから全て「哺乳類」ということになります。

 

哺乳類なのにカモノハシは卵を産む

ちなみに、哺乳類なのに卵を産む動物がいるのはご存知でしたか?カモノハシがそれにあたります。

 

というより、哺乳類なのに卵を産む動物として知られているのはカモノハシだけなのです。

 

カモノハシの赤ちゃんも2センチぐらいのサイズしかないそうで、この点はカンガルーと似ていますよね。

 

お腹をいためて、我が子を産んだとはよくいいますが、こんなに小さいのであればカンガルーのお母さんはあまりお腹をいためてないのではないかと思ってしまいました。

 

逆に、シカや馬は、お母さんのお腹から出てきたときにはすでにすぐに歩き出せる状態になっています。

 

そこまで、お母さんの中で成長してから生まれてくるのです。

 

コアラの赤ちゃんは?

コアラも同じカンガルーと同じ有袋類とご説明しました。

 

ではコアラの場合、赤ちゃんはどのように生まれてどのように育つのでしょうか?

 

妊娠してから1ヶ月ほどで出産

まず、コアラの場合、妊娠するとそれから一か月程度で出産します

 

これもカンガルーと同じく、人間や他の哺乳類では考えられないぐらいの短期間ですよね。

 

その赤ちゃんもカンガルーと同じくとても小さく2センチ程度の大きさで、体重も1g未満です

 

目は見えず、耳も毛もまだ生えておらず、この状態でお母さんコアラのおっぱいのところまで移動してそこでおっぱいを飲んで育ちます。

 

コアラの場合、赤ちゃんは方向感覚をもっていておっぱいの位置を自分で探し出せるそうです。

 

ずっとおっぱいにしがみついた状態で育つので、赤ちゃんコアラが飢えてしまうことはないわけですね。

 

半年ほど母乳のみで育つ

そして、6~7か月もの間、お母さんコアラの袋の中でおっぱいだけを飲んで育つのです。

 

その間に生まれた直後にはなかった毛も生えてきて、未熟状態だった目や耳も発達していきます。

 

そしてその後もまだ袋の中で育つのですが、今度はミルクに加えてほかのものも口にするようになります。

 

お母さんコアラの排泄物が離乳食

それは何かというとお母さんコアラの排泄物です。

 

この赤ちゃんコアラに食べさせる排泄物は「パップ」と呼ばれています。

 

このパップが赤ちゃんコアラにとっての離乳食となるわけです。

 

そしてさらに成長するとようやくお母さんコアラの袋の中から出てきて、ユーカリの葉を食べるようになります。

 

ちなみにカンガルーの場合、袋の口はカンガルーの身体の上側にありますよね。

 

ところがコアラの場合、この袋の口が下、すなわち地面側を向いています。

 

なので、普通に考えたら赤ちゃんコアラは地面に落っこちてしまいますよね。でも現実には赤ちゃんコアラが落っこちてくることはありません。

 

お母さんコアラが落っこちないようい出口付近を筋力でしっかり閉じているからなのです。

 

カンガルーに袋があり、子供をそこに入れていることぐらいはそこまで動物好きではなくても大抵知っていますよね。

 

コアラにも同様に袋があるということは知っている人は少ないのではないでしょうか?

 

カンガルーの誕生日はどうやって決まる?

ちなみに動物園では、赤ちゃんカンガルーがはじめてお母さんの袋から顔を出した日をそのカンガルーと誕生日とするそうです。

 

確かにお母さんカンガルーの中に2センチの赤ちゃんが生まれていないかチェックするのは現実的に不可能ですよね。

 

それをやろうとすると、お母さんカンガルーの袋の中にそんな小さい赤ちゃんがいるのかを確認しなくてはいけませんし、

 

実際そんなことを強引にやろうとしたらお母さんカンガルーは「我が子に何をするつもりだ!」と必死に抵抗してくることは目に見えていますよね 笑

 

カンガルーの他の特徴

子供を袋の中で育てる以外にもカンガルーには面白い特徴があります。

 

メスカンガルーは子宮や膣を持っていて、同時進行で複数の精子で妊娠できるようになっています。

 

また、ついとなるオスのカンガルーも生殖器が二股に分かれています。複数の膣に対して同時に射精をすることができます。

 

これにより、交尾により受精する確立をアップさせることができます。

 

さらには受精を二つ同時進行できるだけではなく、そのペースまでもメスカンガルーは意図的にコントロールすることができます。

 

受精卵の成長に一時的にストップをかけられるのです

 

すでに袋の中に生まれた赤ん坊のカンガルーがいる場合、そちらの成長を優先させて、受精卵の方の成長をストップさせておくのです。

 

そして先に生まれたカンガルーが袋から出れるまで成長した時点で、受精卵の成長を再開させて妊娠を始められるのです

 

これによって、2匹の子供が一緒に袋の中に育てることも防ぐことができるわけですね。

 

有袋類以外の哺乳類では絶対にありえない、真似できない芸当ですよね。

 

人間だったら、最低でも一年ぐらいは間を空けないと次の子供産めませんよね。

 

まとめ

ここまで読んでみていかがでしたでしょうか?どんな生き物でも、新たな命が生まれるときって感動的ですよね!

 

飼育しているカンガルーが妊娠して、赤ちゃんが生まれて、赤ちゃんカンガルーが成長してお母さんの袋から出てくる瞬間に遭遇できる動物園の飼育員ってある意味すごくやりがいがある楽しい仕事だなあと思ってしまいました。

 

私もカンガルーという言葉の語源が現地人の「知らない」という言葉から来ていたという話は有名ですが、これは俗説にすぎないそうです。

 

みんなが知っていて、正しいと思っているものが常に本当に正しいとは限らないんですね。

 

カンガルーやオーストラリアについて