- ほうれん草は漢字でどう書くの?名前の由来は?
- ほうれん草にはどんな品種がある?
- 美味しいほうれん草はどれ?選び方と調理法!
ほうれん草は、私達日本人にとって毎日食べたい栄養豊富な緑黄色野菜として知られています。
ほうれん草は、小さい頃にテレビや漫画で見た「ポパイ」のように、身体に必要不可欠なエネルギーといったイメージを持つ方も少なくありません。
そんなほうれん草は、私達の食卓には欠かせませんね。
ここでは、多くの方がご存知だと思われがちですが、意外とみんな知らないほうれん草の漢字表記や、その由来、また、意味についてご紹介したいと思います。
ほうれん草は漢字でどう書くの?名前の由来は?

ほうれん草の漢字をご存知な方はいますか。
これって、知っていそうで案外知らない方の方が断然多いのです。実際には、すごく難しい漢字を用いて書かれています。
ほうれん草は「菠薐草」と書きます。
「草」という漢字は、現代においても頻繁に使用されていますが、「菠」「薐」についてはほとんど見たこともないと思います。
「菠薐(ほうれん)」については、ほうれん草の原産地であるペルシャを指しているそうです。
これは、回教徒の聖地巡礼によって、日本へ渡ってきたのがその流れであり、当時の日本においてほうれん草は「唐菜(からな)」と呼ばれていたそうです。
漫画『ポパイ』の影響は大
日本でほうれん草が飛躍的に需要が増えたのは、昭和時代が始まりであると言われています。
これは、「ポパイ」の漫画が大きく影響していたからです。
昭和時代に生まれ育った方であれば、ポパイをよくご存知だと思います。
その当時から、「ほうれん草を食べることで強く元気になれる」といったイメージを持ったまま現在に至っていませんか。
このポパイが影響したことにより、アメリカでのほうれん草の需要は10年間物間に6倍にも膨れたと言われています。
テレビは、この頃から私達の生活の中で大きな影響を与えていたことが分かりますね。
ほうれん草の原産地
ほうれん草は、ヒユ科アサガ亜科ホウレンソウ属に属し、その原産地はアジアペルシャ地方であると言われています。
ほうれん草は、料理の基本としてとても人気であったことから、庶民にも慕われるような野菜として定着しました。
ほうれん草の語源や由来は?
ほうれん草の語源については、ペルシャから伝わった伝説と、ネパールから伝わった伝説があると言われています。
ペルシャ説
ペルシャから唐に伝わった伝説としては、ほうれん草は、ペルシャで栽培が始まりました。
「菠薐(ほうれん)」は中国の唐時代にペルシャのことを「「菠薐国」と呼んでいて、この時にほうれん草は「ポーリン」と呼ばれていました。
ネパール説
一方、ネパールから唐に伝わり、ネパールの地名「頗陵(ポリン)国」に由来するとも言われているのです。
そして、「ポーリン」から「ほうれん」といった発音に変化していったのだそうです。
ネパールから伝わった伝説としては、ほうれん草は「菠薐草」と名付けられ、その唐音の呼び名がそのまま日本に伝わったと言われています。
ほうれん草にはどんな品種がある?

ほうれん草には3つの品種があります。
- 東洋種
- 西洋種
- 交雑種
東洋種の特徴
東洋種は、7世紀にネパールより中国に渡り誕生しました。
東洋種はほうれん草の葉が薄く、葉先が尖っていて根は鮮紅色です。
西洋種のほうれん草と比較してもアクが少ない為、日本人好みの食感や味をしています。
西洋種の特徴
西洋種は、2世紀以降に北アフリカからヨーロッパへ、そしてそこで誕生しました。
西洋種は、ほうれん草の葉が厚めで波状に縮んでいる品種が目立ち、根が赤く淡いです。
また、葉全体的にも土臭い臭いがする上にアクが強い為、日本人好みの味ではないと言われています。
しかし、東洋種のほうれん草よりも収穫量が多いのが難点です。
実際にほうれん草が日本に伝わったのは、江戸時代となる16世紀頃であり、最初に中国からの東洋種が渡ってきたそうです。
その後、フランスやアメリカから西洋種が渡ってきました。
しかし、東洋種と西洋種で同じほうれん草でも、日本人の口には西洋種が合わなかったと言われています。
その為、西洋種のほうれん草は日本に渡ってきても普及することはありませんでした。
交雑種の特徴
東洋種と西洋種の良いところをまとめて品種改良し、出来上がった交雑種です。
また、日本で本格的にほうれん草が広まったのは昭和時代です。
この頃、ほうれん草の栽培方法に駆使しながらも、東洋種と西洋種の良いところを品種改良させた交雑種を生み出しました。
交雑種は、アクが少なく歯ごたえも抜群、かつ、葉がしっかりとしたものが多いと言われています。
そして、現在のほうれん草の生産は、東洋種と西洋種の交雑種であるほうれん草が栽培されているのです。
ほうれん草の旬の時期は
ほうれん草は、もともと冷涼となる気候の際に収穫高が多くなる野菜である為、旬は冬であると言えます。
最近ではハウス栽培などが盛んに行われていることから、ほうれん草は通年見られる野菜でもあります。
しかし、冬季に収穫されるほうれん草こそ、葉の色が鮮やかな緑色が濃く、甘味も多く、そして栄養価も夏季収穫時よりも断然高く、とても美味しくいただけると言われているのです。
特に初霜が降りると言われている11月~3月頃が一番の旬の時期であり、最高に美味しい時期だと言えます。
ほうれん草はどこで作られる?
ほうれん草は、冬季においては、群馬県や福岡県、埼玉県、愛知県が中心となり栽培されます。
また、下記は北海道や群馬県、岐阜県の高冷地、そして石川県が中心となり栽培されています。
美味しいほうれん草はどれ?選び方と調理法!
では、美味しいほうれん草の選び方や調理法をみていきましょう。
ほうれん草の選び方は?
ほうれん草は、葉先がしっかりとまっすぐ張っていて、根元が鮮やかな紅色のものがとても新鮮です。
できれば茎も太く、葉が大きいものほどほうれん草本来の旨みが凝縮されていると言えます。
ほうれん草を購入する際は、このような点に気を付けて選んでみてください。
ほうれん草の栄養価は?
ほうれん草には、カロチンやビタミンB2、ビタミンC、葉酸、そしてカリウムや鉄分といった豊富な栄養素が含まれています。
特にカロチンについては、摂取することで体内において皮膚粘膜を作る為のビタミンAに変化することから、肌荒れ改善の効果があると言われています。
また、抗菌作用や身体の免疫力アップに繋がり、風邪予防にも効果的です。
ほうれん草の上手な調理方法
洗い方
ほうれん草は根元にこそ旨みが凝縮されていることから、この部分は切り取ることなくキレイに洗って調理しましょう。
特に根元に土が付着していることが多い為、指先で軽く揉み洗いするように土を綺麗に落としましょう。
購入後、葉がしんなりとしているようであれば、10分ほど冷水にくぐらせておくと水分を吸収し、シャキッと元気になります!
ほうれん草の茹で方
ほうれん草はシュウ酸が含まれている為、下茹でを行い、冷水にくぐらせて冷まして水気をしっかりと取ってから調理しましょう。
この時、ほうれん草に含まれるビタミンCは水に溶けやすい上、熱でも壊れやすいことから、短時間でサッと茹でる程度に留めてください。
できるだけ素早い行程で行うようにしましょう。
美味しいほうれん草レシピ
このように、ほうれん草はお浸しなどシンプルな調理法でも美味しいものです。
ぜひ、試してみてください。
さいごに
いかがでしたか。ほうれん草の漢字表記や、その由来、また、意味についてご紹介しました。
ほうれん草はペルシャやネパールから伝わったと言われているんですね。
漢字表記はさすがに私達にとって馴染みはないものの、古い時代に歴史を重ねたからこそ見たことのない漢字が使用されているのかもしれません。
しかも、ほうれん草に様々な品種があったとは知りませんでした。
ほうれん草は私達の食卓を飾る野菜でもあること、また、栄養価が高いことを思うと、正しい調理方法で栄養価を損ねることなく摂取したいですね!
野菜・果物の漢字表記について