- ジュゴンはなぜ人魚のモデルとされるのか?
- ジュゴンは漢字だとどう書くのか?
- ジュゴンとマナテイって違う動物なの?何が違うの?
ジュゴンは可愛くて癒されますし、水族館でも特に人気な動物ですよね。
このジュゴンにも実は漢字表記があることはご存知でしたか?

このコラムではジュゴンについて色々調べてみました。
ジュゴンってどんな動物?
ジュゴンは生物学的に言うと、哺乳類カイギュウ目ジュゴン科に分類されます。 インド洋など熱帯の海に住んでいます。
日本でも沖縄にはいるようです。天然記念物に指定されています。その体は紡錘形(ボウスイケイ)で、全長は約三(メートル)にもあります。
体重は450kgもあり、体は灰色で腹面は淡色です。全身は長い柔毛と短い剛毛でまばらに被われています。
前肢や尾びれは横に平たくなっています。餌は何を食べるかというと海草を食べるようです。

そんなに大きいのに草食なんですね!
ジュゴンはなぜ漢字で儒艮と書くのか?
理を調べてみたら「儒艮」というのは単なる当て字でした。特にこの二文字とジュゴンという動物の間に関係はないようです。
何かこの名前がつくエピソードでもあるのかと思って調べてみましたが、特にないようです。
日本でどこに行けばジュゴンを見れるのか?
「沖縄の海まで行かないとジュゴンはみれないのか?」いえいえ、もっと簡単に見れる方法がありますの大丈夫です。日本の水族館でもジュゴンは見れます。
ただ、ジュゴンが飼われていて見ることができるのは、鳥羽水族館で、1頭しかいないそうです。
アマモを1日に何十キロも食べるそうで。これは飼育動物の中で世界一エサ代が高いと言われています。

ジュゴンって大きいだけでなくエサ代もかかるので、あまり水族館でかわれていないのですね!
主食とする藻類は消化が悪いので、腸の長さは40メートル以上とかなり長くなっています。立ち泳ぎしながら授乳する姿から人魚のモデルとされています。
野生のジュゴンの寿命は70年ぐらいだそうです。

ジュゴンって人間並みに長生きなんですね。
ジュゴンという名前の由来は?
フィリピンで用いられるタガログ語が由来で、「海の貴婦人」という意味があるそうです。

でもあのボケーっとした風貌を見てこんなイメージ全くわかないですよね?
日本ではジュゴンに多くの別名がつけられている
日本ではジュゴンには多くの別名がつけらています。
南西諸島で、「ざん」「ざんのいお」「ざんのいよ」「ざんのいゆ」「あかんがいゆ」などの方言名があり、宮古列島では「よなたま」「よないたま」、西表島で「ざの」、新城島で「ざぬ」といった方言名があるそうです。
ジュゴンとマナティはどう違う?
ジュゴンとマナテイってよく似ていますよね。

一般人には見分けがつきませんが水族館の職員などはどうやって見分けているのでしょうか?
外観での違い
ジュゴンとマナティは、まず、一番わかりやすくて、確認しやすいポイントとして、尾ヒレの形が違います。
ジュゴンは尾ひれがきれいな三角形になっていますが、これに対してマナテイは丸みを帯びたうちわ型の尾ひれです。
また、尾ひれに比べると少しわかりづらくなりますが、マナテイには爪がありますが、ジュゴンにはないのです。

尾ひれの形と爪の有無で見分けがつくんですね!
エサの違い
ジュゴンとマナテイは食べ物の好みも微妙に違っています。
ジュゴンは海底の海草を食べますが、それに対してマナテイは海面の水草を食べています。
「あれ?ってことはマナテイは海底を潜るのが苦手なの?」と思うかもしれませんが、心拍数を自在にコントロールできる機能をそなえていたりと、ジュゴンと同等の潜水能力をもっています。
なぜジュゴンが人魚のモデルになったのか?
なんで、ジュゴンが人魚のモデルになったのか?それは諸説ありますが、ヨーロパではじめてジュゴンを見たポルトガルの海賊が、「あれが本物の人魚に違いない!」といったという説が一番有力とされています。
ただ、いくらなんでもそれだと無理があって、初めに上半身が人間で下半身が魚や海獣といった人魚のイメージができあがっていて、それにぴったりする動物がジュゴンだったようです。
でも人魚に見えますかね?あの目が点のように細くどことなくぼけーっとして間抜けな表情に見えますし、全く人魚と結びつかなくないですか?
海外の人の考えることはよくわかりませんね!と思ったら昔だけの話ではなくて、ヨーロッパでは今でもジュゴンは人魚の生まれ変わりだと信じられているそうです。
ジュゴンの肉は牛肉に似ていておいしい
前述したようにジュゴンはカイギュウ科です。カイギュウは海牛と書きます。漢字で「儒艮」と書くのは当て字でしたが、こっちはそうでもないようです。
牛も体が大きくて草食て草ばっかり食べてますが、ジュゴンも同じように草食ですね。さらにはジュゴンの肉の味は小牛に似ているといわれているそうです。
そのため、多くのジュゴンが食用として捕獲されていました。
ジュゴンは大昔から狩猟の対象だった理由とは?
ジュゴンは大昔から狩猟の対象とされていましたが、それは食べるためだけはありませんでした。聖書の中に出てくる契約の箱はジュゴンの皮で包まれていたと考えられています、
また、ジュゴンの肉が不老不死や媚薬になると信じられたこともありましたし、刃物や鉄砲に対するお守りになるという理由でジュゴンの骨で装飾品も作られていました。
その涙も相手に付けることで恋愛成就の効能があると信じられていたそうです。

ジュゴンは肉だけでなく、その骨も皮も、涙までも神秘的なありがたい物としてあがめられていたんですね。
日本では琉球王朝時代に新城島では年貢として米ではなくジュゴンの肉を納めていたこともあったそうです。
ジュゴンは絶滅危惧種に指定されている
ジュゴンは食用に人間に捕獲されることによって急激に数を減らしてしまっていきました。
その結果、絶滅危惧種に指定されていて捕獲が禁止されています。
日本でもジュゴンは保護されている
環境省は、レッドリスト(絶滅のおそれのある日本の野生生物の種のリスト)を見直す作業をして、 平成19年8月3日、新たにまとめたレッドリストを発表しました。
新しいリストでは、絶滅のおそれのある種が、動物・植物あわせて2694種から3155種に増えました。 その中にジュゴンの名前が入りました。
しかも、絶滅のおそれが最も高い絶滅危惧(ぜつめつきぐ)IA類という判定でした。
今まで、海の生き物は対象外とされていたのですが、ジュゴンは、主に陸に近い浅い海に生息しているという理由で、今回から対象になりました。
捕獲が禁止されてもジュゴンは危ない状態にある
捕獲が禁止されるようになってから減少が止められたからというと今後は事故が問題になっているそうです。
例えば、ボートのスクリューで傷つけられてしまったり、、漁業の網にかかっておぼれてしまうそうです。
また、海辺の開発や汚染が進んだ影響で、ジュゴンが住める場所が減ったり、アマモなどが生えているエサ場が減ったりしていることもジュゴン絶滅の引き金になってしまっているようです。
日本には沖縄本島の周辺に50頭未満程度が住んでいるとのことですが、現在、その生息地の一部に軍事基地が建設される予定になってしまい、これによって絶滅の危険性があります。
一部のジュゴンは、オーストラリアのシャーク湾という、世界遺産の保護区の海で暮らしているそうです。
人間による海での活動が増ふえた今、シャーク湾のような保護された海ぐらいしかジュゴン安住の場所は残されていないのですね。
人類の進化、発展は素晴らしいですが、その陰で自然や動物が犠牲になっている一面も忘れてはいけませんね。
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