- ユスリカと蚊の違いは?
- ユスリカへの蚊取り線香の効果
- ユスリカの蚊柱の原因は?
ユスリカという虫の名前を聞いたことはあるでしょうか?
実はこのユスリカという虫、蚊に見た目が非常に似ているので間違われやすいのです。
蚊に似ている虫ということは、やはり蚊のように刺すのでしょうか。
このコラムではユスリカと蚊の違いやユスリカへの蚊取り線香の効果&蚊柱の原因についてご紹介していきたいと思います。
ユスリカと蚊の違いは?

ユスリカは蚊と見た目が似ているためよく間違われます。
ユスリカは漢字で「揺蚊」と書くぐらいですが、蚊の仲間のようにも見えますが。
ですが、れっきとした別の生き物です。
- ハエ目・糸角亜目・ユスリカ科に属する
昆虫であって、蚊の仲間でもないのです。要するに蚊の仲間ではなく、ハエの仲間なのです。
見た目だけでなく、夜中に外灯など明るいところに集まるなどの習性もあります。
ただ最大の違い、人間に関係する部分なのですが、ユルリカは人を刺したり血を吸ったりはしません!
ユスリカという名前の由来は?
ユスリカという名前はどういう由来でつけられたのでしょうか?
漢字で「揺蚊」と書くことは上ですでにご紹介しました。
揺するという字から想像できると思いますが、幼虫が体を揺するように動かすことがその和名に由来しています。
ユスリカは幼虫にも蚊との共通点がある
成虫が見た目が蚊と似ていることでユスリカは蚊に間違われやすいのですが、幼虫のユスリカも幼虫の蚊との共通点があります。
蚊は水中に産卵し、その幼虫はボウフラロして水の中で育ちます。
そこも、ユスリカも同じで、ユスリカも卵は水中に産み付けられ、ユスリカの幼虫も水中で育つのです。
ユスリカの幼虫は真っ赤な体をしていることからアカムシ、アカボウフラなどという名前がつけられています。

名前までこうだと、余計に紛らわしいですよね。
ただ、幼虫のアカムシ、アカボウフラに関しては、生息場所や名前に共通点はあるもののその見た目は大分異なります。
名前の通り、見た目は赤いというのが一番わかりやすい違いです。
ちなみにボウフラは薄い茶色です。
そしてボウフラはその体の各所に足のようなものが伸びていますが、アカムシ(アカボウフラ)はそれらしきものが見当たりません。
まるでミミズのように円柱形です。
- 見た目が赤い
- ミミズのような円柱形
- 足のようなものはない
このアカムシ(アカボウフラ)は熱帯魚を飼っている人や釣りをする人ならば目にしたことがあるかもしれません。
熱帯魚のエサや、ワカサギ釣り用のエサとしてお店で売られているのです。魚のエサに使われているあたりも、やはりミミズを連想しますよね。
アカミミズって名前になんでしなかったのかと思いましたが、アカミミズというのはすでに存在しているのでその名前はつけられなかったようです。笑
ユスリカの幼虫アカムシ(アカボウフラ)が発生しやすい場所は?
ユスリカの幼虫アカムシ(アカボウフラ)は水中で発生しますが、水と言っても生活排水で汚れたような「どぶ川」で大量発生することがあるようです。
ただ全てのアカムシ(アカボウフラ)がこのような不潔な場所にしか発生しないという事でもありません。
普通の川や池沼、あるいは清流に生息するアカムシ(アカボウフラ)もいます。
また、川や池沼以外にも海に住み着くタイプのユスリカもいます。

その名前もそのまま「ウミユスリカ」といいます。
ウミユスリカの幼虫は潮間帯やサンゴ礁に住んでいます。
ユスリカの成虫の寿命は?
ユスリカは水中に生まれて幼虫からサナギになった後にやっと成虫になります。
そのあとユスリカの成虫はどれぐらい生きるのでしょうか?
実は1日もしくは数日のうちに死んでしまうのです。
成虫になるとすぐにパートーナーを見つけて、交尾、産卵を行うとその後死んでしまいます。
短命な理由の一つとして、ユスリカには口に相当するものが存在せず、食べるも飲むも含めて食事ということができないのです。
また、消化器官も退化してなくなってしまっていますので、体内に栄養を取り入れることもできないというわけです。
ユスリカへの蚊取り線香の効果は?
そんな蚊に見た目が非常に似ているユスリカですが、蚊と外見が似ているなら蚊取り線香も有効なのでしょうか?
結果からいえば蚊取り線香はユスリカにも有効なようです。
蚊取り線香に「ピレストロイド」という成分が含まれています。このピレストロイドという成分が昆虫や爬虫類を殺すことができます。

哺乳類には効きません。
確かに家の中で蚊取り線香をつけていたら、飼い犬や猫が死んでしまったなんて話は聞いたことがないですよね。
ハエやゴキブリも蚊取り線香で殺せる?
理論的にはハエやゴキブリにも効くといえるのですが、身体が大きい虫を殺そうとすると、このピレストロイドの濃度を上げなくてはいけないようです。
ただ、現実的ではありませんし、蚊取り線香でゴキブリやハエを殺せるとは思えない方がよさそうです。
ユスリカの蚊柱の原因は?
夜明けや夕暮れときなどにユスリカの大群が空中に集まっていることがあります。
この現象は蚊柱と呼ばれています。
ちょうと人間の頭ぐらいの高さに集まって飛んでいて、人間が近づくと人間に近づいてきたりします。
この人の頭についてくる習性からユスリカは「頭虫」とも呼ばれています。

ユスリカがこのような行動をとるのは交尾のためだと言われています。
実はこの蚊柱はすべてオスのユスリカだけで構成されています。
蚊柱を構成するユスリカの数は数十匹~数百匹もになります。
この中にメスが飛びいることで交尾するため、蚊柱を作るのは生殖のための行為であると考えられているようです。
ユスリカの蚊柱による人への被害は?
ユスリカは前にご説明したように、蚊のように人を刺したり、血を吸ったりはしませんのでそういう被害を受けることはありません。
しかしながら、このような蚊柱を作っているユスリカは人が近づくと、目にぶつかったり、耳や鼻の中に入ってしまったりという被害を受けることがあります。
また、ユスリカは他の多くの虫がそうであるのに、光を好み集まってきます。
なので、民家や飲食店、店舗にユスリカが大量に侵入してきてしまうことがあります。
そのユスリカの大群のせいで、食事の邪魔をされてしまったり、営業を妨害されてしまったりといったことが起こります。

死骸が積もって汚れてしまうという被害も起こりますよね!
また、ユスリカは死骸はゴミになる以外の意味のことも引き起こします。
ユスリカの死骸が家の中などで掃除されずに放置されていると、細かくなって、埃の成分となり、気管支喘息や鼻炎などのアレルギーを引き起こすこともあるのです。
ユスリカは蚊のように人を刺さないとはいえ、数が多く家の中などに侵入してくれば害虫になってしまうというわけですね。
ユスリカの被害を受けない
ようにするには?
ユスリカが家や周囲で大量発生しないようにするにはどのようにしたら良いでしょうか?
家で発生した場合に蚊取り線香が有効なことはすでにご説明したとおりです。

いくつかご紹介したいと思います。
ユスリカの幼虫であるアカムシ(アカボウフラ)が
発生しないようにする
ユスリカは蚊と同じく幼虫は水中に産卵されます。
なので、ユスリカの発生を防ぐには蚊と同じ方法が使えるのです。
例えば、他にもバケツにたまった水などを庭やベランダに放置しておけば、それはわざわざユスリカをおびき寄せているようなものです。

ただ、これを逆に利用するという方法もあります。
ユスリカの幼虫は水がなければ生きられませんから、当然水が捨てられば全部死んでしまいます。
ただ、この方法はためた水をそのまま放置してしまうと逆にユスリカを大量発生させることになってしまいますのでくれぐれも水を仕掛けたら放置しないようにしましょう。
ちなみに、上でもご説明したようにユスリカは熱帯魚のエサになります。
なので、このように水を貼ってユスリカの幼虫が発生したところに熱帯魚を放ってやればエサにもなるし一石二鳥になりますよね。
外灯の照明を変える
もう一つの方法は、外灯をユスリカが好まないものに変えてしまうことで、ユスリカが寄ってこないようにすることです。
ユスリカは明るいというだけで外灯に集まってくるわけではないのです。
ユスリカは照明の出す紫外線を好み、それを目当てに集まってきます。
ですから、照明を紫外線を出さないタイプの防虫用蛍光灯に変えてしまえばユスリカは集まってこないようになります。
電撃殺虫器を利用する
このユスリカの光に集まってくる習性を利用して、光でユスリカを集めて殺してしまうという方法があります。
電撃殺虫器という名前で実際売られています。

蚊取り線香のような知名度はありませんが、
こういうものもあるんですね!
300円程度で買える蚊取り線香のような手ごろなものから5万円以上するような本格的なものまで色々とそろっています。
電気のショックで殺すので電気代はかかってしまいますが、殺虫スプレーや蚊取り線香のように臭いや煙がでないというメリットがあります。
蚊取り線香だとユスリカが逃げているかもしれないので、確実に殺せない可能性があります。
しかし、この電撃殺虫器の場合、近寄ってきたユスリカに静電気を与えるという仕組みなので、蚊取り線香よりも高い確率でユスリカを殺せそうですよね!
自転車などで移動中にユスリカの被害を受けないようにするには?
ユスリカがいるシーズンに、自転車やバイクなどに乗っていると蚊柱に遭遇して、ユスリカが目にぶつかってきたり、鼻や耳や口に入ってしまうことがあります。
歩いているときならば気づくかもしれませんが、自転車やバイクで移動中に大群とはいえ小さいユスリカに気づいて避けることは困難ですよね。
万一ユスリカを飲み込んでしまったとしても特に健康被害はないようです。

とはいえ気持ちの良いものではありません。
ユスリカが発生するシーズンであれば、自転車などに乗るときはマスクや眼鏡を使用すると良いでしょう。
眼鏡は自転車用のものでもいいですし、それがなければ伊達メガネでもいいですよね。
それにしても、人間にぶつかってもユスリカの方にも何にもメリットはないはずです。
ユスリカの方も注意して人間にぶつからないようにしてくれないものですかね? 笑
まとめ
ここまで読んでみていかがでしたでしょうか?
ユスリカは人を刺しませんので、一匹程度であれば蚊のように害はありません。
ですが、ユスリカが何者か知らない人は蚊と一緒に見つけたら叩いて殺してしまっていますよね。
かくいう私も今回調べてみるまでよく知りませんでしたのでその一人です 笑
成虫になってから一日から数日の間に死んでしまうという非常に短命な虫なので、殺してしまうのはちょっと気の毒な気もしてしまいますね。
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