- クマバチに刺されたら針はどうなる?そもそも針はないの?
- クマバチの針があるのはメスだけ?
大きなからだと大きな羽音で恐れられがちなクマバチですが、クマバチの針って刺されたらどうなるのでしょうか?
クマバチに刺されたらどうなるか、針はどうなっているのか、調べてみました。
クマバチは、からだも大きく、近くを飛んでくると羽音も大きいので、「怖い!」と思われてしまうことも多いですよね。
蜂=刺すイメージで、蜂というだけで恐れられてしまうわけですが、クマバチはどうなのでしょうか?
クマバチの針や生態などについてもお話していきたいと思います。
クマバチに刺されたら針はどうなる?
そもそも針はない?
ずんぐりむっくりな大きなからだをしているクマバチ。見たことありますか?
からだも大きくて羽音が本当にデカいので、近くに飛んでくるとちょっと怖く感じることもありますが、けっこう愛らしい姿をしているんですよ。
昔、家にあった藤棚にクマバチが来ていたのでよく見ていましたが、確かに羽音が大きくて少し恐怖を感じることもありました。
ですが、その見た目はコロコロしている感じがとってもかわいいんです。
そんな姿のせいか、昔からよく見ていたせいか、それほど怖いというイメージは持っていませんが、あまり馴染みのない方にとっては少し怖く感じるかもしれませんね。
クマバチとクマンバチはいっしょ?
クマバチと言ったりクマンバチと言ったり、そんな風に呼ばれているのを聞いたことある方もいるかもしれませんが、どちらも同じ蜂のことを指しているのでしょうか?
クマンバチとは、クマバチのことを指していますが、方言によってそう呼ぶことがあるそうですよ。
ちなみに、東京出身の私は『クマンバチ』と言ってます。
ただ、スズメバチなどほかの蜂のことをクマンバチと呼ぶ地域もあるようで、ちょっとややこしいですよね。
私はクマンバチ=クマバチと思っていましたから、初めて知って驚きました。
- クマバチ
- スズメバチ
- マルハナバチ
- ウシアブ など
クマバチ以外はスズメバチだけだと思っていたら、いくつかあるんですね。
クマンバチと呼ばれる対象は、必ずしもクマバチだけはないということですが、ここでは、クマバチ=クマンバチとしてお話していきたいと思います。
クマバチはどんな蜂?生態や特徴を知ろう
クマバチの針のお話の前にどんな蜂なのかお話していきます。
- ミツバチ科クマバチ属に属する蜂の一種
- 分布地
北海道から九州にかけて広くに分布する
一般的なクマバチといわれる『キムネクマバチ』は北海道南部から屋久島にかけて分布している - 形態
体長は2㎝を超える
ずんぐりとした体形で、胸の辺りには細かい毛が多く生えている
全体的に黒色をしていて、翅もかすかに黒く、胸の毛は黄色
からだが大きい割に翅は小さい
オス:複眼が丸く大きく、やや狭い額は黄色の毛が密生して、全体的に小顔
メス:複眼は切れ長で、額はひろく、あごも大きく全体的に大きい印象がある - 食べ物
花の蜜や花粉を食す
藤や藤の仲間の花を特に好む - 性格
いたって温厚で、攻撃性は低い - 活動時期
4~10月
オスは大きなまんまるの眼をしていますが、メスは切れ長の眼をしていますから、かわいいと思っていたクマバチもオスとメスでは見た目も違うわけですね。
クマバチの子育てについてですが、交尾を終えたメスは15㎜ほどの大きな卵を8個ほど産卵しますが、4~6月頃は花の蜜や花粉を集めて子育てをします。
7月頃に羽化をして翌年まで巣の中で過ごすのですが、8月頃になるとまた子育てを始めて、2度目の子供たちは10月になる前くらいに羽化をします。
そして、羽化した子供たちといっしょに、巣の中で眠りながら冬を越します。
クマバチの特徴
クマバチは、花の蜜や花粉を好物としていますが、頑丈なあごと太い口吻を生かして、花の根元に穴を開けて三つだけをとるという行動をよく行います。
盗蜜と呼ばれる行動で、クマバチの形態的な特徴のひとつといえます。
また、クマバチは花粉の媒介をしてくれる蜂としても農業者などにうれしい存在とされています。
クマバチの針はからだに残る?
蜂というと、毒や針を持っているイメージが強いですよね。
ですが、種類によっては、針や毒を持たない蜂もいるのですが、クマバチに刺された場合、針はどうなるのでしょうか?

クマバチに刺されたときは、針が残っている場合もあります。
クマバチだけでなく、ミツバチなんかに刺されたときもそうなんですが、からだに針が刺さっていたり残っている場合もあるので注意が必要です。
針が残っていたときの対処法
では、クマバチに刺された針が残っている場合、どうしたらいいのでしょうか?

クマバチに刺されて針が残っていたら、ピンセット(毛抜き)でつまんで抜くのがベスト!
手を振って落とすという方法もアリです。
ただ、針を取ろうとすると、かえって刺さっていってしまうことがあるので、落ち着いてピンセット(毛抜き)で抜きましょう。
針を抜くのにピンセットがないこともあると思います。
- 指で横から弾くように取り除く
- キャッシュカードなど固いカード状のものを使って横に払うようにする
ちょっと難しいかもしれませんが、覚えておくといざというときに役に立ちますね。
キャンプや山登りなど、外で行動するときはピンセットを持ち歩いておくのもいいかもしれません。
ピンセットはとても小さなものなのでかさばりませんし、邪魔にもならずに持って行けますよ。
転んで擦りむいたりちょっとした擦り傷やケガなどすることもありますから、ばんそうこうや消毒薬などといっしょに用意して持っていくのもおすすめです。
では、つぎに、クマバチに刺されたときの応急処置についてです。
- 針が残っていたら毛抜きで抜く(もしくは手を振って落とす)
- 患部を流水で流す
- 患部をつまんで、血と毒を絞り出す
口で吸い出すことはぜったいにしない - 抗ヒスタミン系成分の配合されたステロイド系軟膏(市販の虫さされの薬)を塗って、保冷材などを使って患部を冷やす
- 病院を受診する
この応急処置はクマバチだけでなく、スズメバチやミツバチなどほかの蜂に刺された場合にも役立つ方法です。
また、この応急処置のあとには、すみやかに、そして必ず病院での受診を受けてください。
クマバチの針があるのはメスだけ?
大きなからだと羽音やスズメバチと間違えられて恐れられてしまうことも多いクマバチですが、クマバチの針はどうなっているのでしょうか?
スズメバチの場合でいいますと、毒蜂を持っているのは女王蜂と働き蜂だけです。
働き蜂はメスしかいないので、つまり、メスしか持っていないということになりますね。
猛毒ではないけどクマバチのメスは針を持っている
スズメバチの場合、毒性も強いですが、クマバチの場合は、針や毒性はどうなのでしょうか?

オスのクマバチは針を持っておらず、刺すのは針を持っているメスだけになります。
クマバチもスズメバチと同じように、メスだけが針を持っているのです。
ですが、クマバチとスズメバチが違うのは、毒性も低く、攻撃性は低いので、無理に捕まえたり巣を作っているときに邪魔をしたり、こちらからなにかしなければ刺すことはないでしょう。
クマバチの針はとっても太い!
クマバチのメスは針を持っているわけですが、それほど毒性も高くないので、刺されてしまっても少し腫れる程度で済むといいます。
また、攻撃性も低いのでそれほど怖がることもないのかなと思います。
ですが。。。

クマバチの持つ針はとても太いので、刺されるとけっこう痛いんですって。
そんなこと聞いちゃうと絶対に刺されたくない!ですよね。
とはいえ、こちらからなにかしなければ攻撃してくることはほとんどありませんから、そっとしておけば刺されることもありません。
無理に何かしようとせず、そっと見守ってあげましょうね。
蜂に刺されて危険なのは過去に刺された経験があるかどうか。。。
蜂に刺されて命を落とすというニュースは何度か耳にしたことがあると思います。
これ、蜂に刺されて蜂の毒のせいで命を落としてしまった、というわけではないんです。
クマバチは針を持っていても毒性は低いとお話していますが、だからといって軽く考えても大丈夫というわけではないので、あえてここでそのお話をしていきたいと思います。

蜂に刺されて命を落としてしまった、これはアナフィラキシーショックによるものです。
過去に蜂に刺されたことがある人に起こる症状で、早いと刺されて30分後くらいにはその兆候が現れるといいます。
- めまい
- 嘔吐
- 下痢
- 呼吸困難
- じんましん(全身)
- 顔面蒼白
これらの症状が早く出るほど危険ということ、また、1回目刺されてから2回目に刺されるまでの期間が短い場合、重症化しやすいといいます。
また、1回刺されただけでアナフィラキシーショックの症状が起こる場合があります。
これは1回目に刺されたときに、集団の蜂に刺されたなど同時に複数回刺されたときです。
このようなことから、どんな蜂に刺された場合も、すみやかに病院へ行くようにしましょう。
クマバチのメスが巣作りの時期は要注意
さてさて、クマバチの話に戻りたいと思います。
攻撃性も低く、穏やかな性格をしているといえるクマバチですが、繁殖期や巣を作っている最中のメスには注意が必要です。
クマバチは、初夏のころ、メスはひとりで子供たちを育てる巣を作ります。
クマバチと間違えられることも多いスズメバチと比べてみますと、スズメバチは女王蜂を中心に働き蜂がいてコロニーを形成して、巣作りや幼虫の世話などを行います。

スズメバチは集団で生活するわけですが、クマバチは単独行動するタイプということですね。
ひとりきりで巣を作らなければいけませんから、そんなときに巣に近づいたりちょっかいを出したりすれば、穏やかなクマバチに攻撃されてしまうかもしれません。
ですので、巣作りをしているクマバチには要注意。
メスは、強いあごを利用して、太い枯れ枝や木造家屋の垂木などに細長い巣穴を作ります。
数個の部屋を作って、部屋の仕切りには削った材粉を使う、とても器用な蜂なのです。
こうして作った巣は、何世代が利用していきます。
初夏になると、クマバチのメスが巣作りのために木をカリカリと削っている様子も確認できることもあります。
この時期には、巣に近づかないように、また、ちょっかいを出さないようにするなどして、刺されないように十分気をつけましょう。
春の時期のオスにも注意が必要?
単独行動をしているクマバチですが、春の時期になると、オスはメスを探す行動をします。
地上2mくらいの高さを飛びながら縄張りを示す行動をするようになるのです。
空中で停止して飛ぶ、いわゆるホバリングしながらメスがくるのを待って、メスがくれば追いかけて交尾をします。
ですが、このとき、近づくものはすべて追いかけ、メスであるかどうか確認するという習性があり、このときに近づいてしまうと人間でさえ追いかけられてしまうことがあります。
飛んできたほかの昆虫や鳥類まで、近づくものはすべて追跡、確認するそうです。
先ほどもお話したように、クマバチのオスは針を持っていないので刺されることはないのですが、あの大きなからだで大きな羽音を立てながら追いかけられると。。。想像しただけでちょっと怖いですよね。
空中で止まって飛んでいるクマバチを見つけたら、そのときは近づかない方がいいでしょう。
クマバチのオス自体の性格はとても穏やかなので、捕まえて触ることもできるようです。
ただ、間違えてメスを触ってしまうと刺されることもありますから、無理に捕まえるのも控えた方がいいかもしれないですね。
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