- クサカゲロウとはどんな昆虫?
- クサカゲロウの幼虫はゴミを背負う?
葉っぱの上にとても小さな虫を見かけたことはありませんか?
あまりに小さいので、それが昆虫なのかどうか???となるとすごく疑問に感じるような大きさです。
その小さな昆虫は、クサカゲロウです。
ここでは、クサカゲロウの幼虫の餌について、また、ゴミを背負う習性があるのかについて解説したいと思います。
クサカゲロウとはどんな昆虫?

クサカゲロウとは、クサカゲロウ科に属する昆虫の総称です。
- 名 前:クサカゲロウ 〔臭蜻蛉〕
- 英 名:Green lacewing、Golden eye
- 分 類:クサカゲロウ科 [Chrysopidae]
- 卵の通称:ウドンゲ 〔優曇華〕
クサカゲロウは日本には現在約40種類ほど分布していると言われており、世界を見ると数千種類以上も生息しているのだとか。
クサカゲロウの幼虫は成虫に比べるととても美しいとは言えませんが、成虫はとても透明感があり、美しいレースのような羽を持っています。
しかし、夜行性である為、昼間にあまりその姿を見ることはありません。
クサカゲロウの活動時期は?

クサカゲロウは、4月〜10月にその個体を見ることができます。
アブラムシを餌としている為、アブラムシが生息しているとされる草木によく現れます。
また、同じクサカゲロウでも、その種類によっては、カイガラムシなどを捕食する個体も存在するそうです。
クサカゲロウは益虫でもある
成虫はとても繊細で透明感のある美しさを持ちますが、幼虫は醜い姿形をしています。

そんなクサカゲロウの幼虫ですが、人間にとっては大変役に立つ益虫といわれているのです。
それは、植物などを食害するアブラムシや他の害虫をたくさん食べてくれる為。
その為、クサカゲロウの幼虫を農作物の害虫防除のために利用する国もあるほどなんです。
益虫として扱われている為、駆除対象の昆虫ではないことを知っておいてくださいね。
クサカゲロウを見かけた場合は大切にしてあげてください。
クサカゲロウの生態や特徴は?

クサカゲロウは、体長1cmほどととても小さな昆虫です。
幼虫も成虫も肉食性であり、他の虫を食べて生きています。
クサカゲロウの卵は、別名「うどんげの華」とも呼ばれており、実に3000年に一度咲くと言われている植物だそうで、この華が咲くと、如来が降臨すると言われているのです。
また、クサカゲロウの幼虫には羽がありません。
成虫の身体の色は緑色をしており、顔は小さな4つの黒い点があります。
羽を4枚持ち、前羽は上に、下羽は下にして上手に飛ぶ昆虫です。
クサカゲロウの卵

クサカゲロウの卵は、1度に10〜60個ほど、アブラムシが集まる場所に産み付けられます。
大きさが1mmほどの小さな卵は、糸のようなもので釣り下げられた状態で孵化します。
産卵場所は葉の裏側であることが多く、卵の状態でいるのは約4日間ほどです。
クサカゲロウの卵は、とても神秘的な外観を持っています。
まだそれほど研究が進んでいない頃には、植物ではないか?と言われていたこともあったそうです。
クサカゲロウの個体によっては、塊で産み付けられるものもあるようです。
クサカゲロウの幼虫

クサカゲロウの幼虫は、細長い個体をしていてあまり容姿は美しいとは言えません。
成虫となるとあれだけ美しい姿に変化する為、そのギャップが激しいですね。
クサカゲロウの幼虫は、幼虫でいる期間は約10日ほどです。
その間に、背中にゴミを背負うクサカゲロウも存在します。
これは外敵から身を守るためのものであり、カムフラージュしているつもりかと思われますが、人間の目にはかなり目立つ存在でもあります。
しかし、昆虫や動物達の世界においては、効果があるのかもしれませんね。
クサカゲロウの幼虫がゴミを背負うというお話は、また後ほど詳しくお話していきます。
クサカゲロウの蛹
クサカゲロウは、蛹になる前に、自分のお尻から糸を出し、繭を作って蛹になります。
蛹でいる期間は15日程度です。
蛹から出たら脱皮をし、成虫になります。
クサカゲロウの成虫

クサカゲロウの成虫は、とても華奢な体で繊細な、誰が見ても美しいと感じる昆虫です。
幼虫の頃は肉食性であることから、食べる量もかなり多かったものが、成虫になると主食として口にするのがお花の花粉や蜜になるようです。
成虫で生きられる期間は約3ヵ月ほどです。
成虫の大きさで体長約1〜3cmで、1年に何度か世代が変わるようです。
金緑色の眼を持っており、身体の羽は淡い青緑色をして、レース模様の羽でひらひら優雅に飛びます。
クサカゲロウの餌は?
クサカゲロウの成虫は、アブラムシがたくさん生息しているところに多くの卵を産み付けます。
これは、孵化した幼虫がすぐに餌となるアブラムシを食べることができるようにそこに卵を産む習性があります。

つまり、クサカゲロウの幼虫の餌はアブラムシであるということですね。
クサカゲロウの幼虫は、とても大食いで、大量のアブラムシを一瞬で食べ尽くしてしまいます。
食べるアブラムシがいなくなると、それと同時にクサカゲロウの幼虫も息絶えることになります。
クサカゲロウの幼虫の餌は?
クサカゲロウの幼虫の餌は、先ほどお話したアブラムシやカイガラムシ、キジラミやハダニです。
これらはすべて人間にとって害のある虫であることから、これらを食べてくれるクサカゲロウの幼虫はなんとも益虫なのでしょう。

幼虫なのに、その食べる量はとにかく大食いです。
終齢幼虫ともなれば、餌がなくなり、成虫の前にすでに死んでしまうクサカゲロウも存在します。
数を聞いてびっくりしてしまいますが、幼虫の間には600匹ものアブラムシを食べるそうです。
アブラムシがいなくなると、その後はカイガラムシやハダニなど、最後はアリまでも捕食すると言われるほど、何でも食べる肉食性の昆虫です。
クサカゲロウの幼虫はゴミを背負う?
クサカゲロウの幼虫は、私たち人間から見れば面白い行動をするようです。
また、クサカゲロウの名前の由来も面白いんですよ。
クサカゲロウの幼虫はゴミを背負ってカモフラージュする?
葉っぱの上をちょこちょこ歩いている本当に小さなゴミのかたまりに見える物体があります。
ほんの数ミリという小ささであることから、パッと見ただけでは単にゴミのようにしか見えません。
しかし、よく見てみると、どうも活発に動いているように見えます。
しかも、さらによく見てみると、何と、その小さなゴミの下から細く小さな脚が見えます。
この虫こそ、クサカゲロウの幼虫です。

クサカゲロウの幼虫は、アブラムシなどを餌として食べる肉食性の昆虫で、背中に背負っているゴミは、どうも、自分が食べた植物やアブラムシの破片だとも言われているのです。
なぜこのようなゴミを背負っているのかを調べてみると、これは、天敵に対して自分の身を守るためのカモフラージュなのだそうです。

そして、捕食したアブラムシに近づきやすい容姿にしているのだそうですよ。
また、こんなにも小さな個体でありながらも肉食性であることから、しっかりとした立派な顎を持っています。
パッとみても本当にゴミのようにしか見えない為、すっかり見過ごしてしまいそうですが、調べてみるとさらに興味深いことが分かりそうな虫ですね。
クサカゲロウの名前の由来は?
クサカゲロウという名前、どんな由来があると思いますか?
クサカゲロウの名前の由来は、身体が緑色をしていること。
それと、実は、危険を察知した際に胸の前部から臭いニオイを放つことができるのです。
そういったことから、「臭いカゲロウ」→「クサカゲロウ」というように、この名前が付いたと言われています。
まとめ
いかがでしたか?
クサカゲロウの幼虫の餌について、また、ゴミを背負う習性があるのかについて解説しました。

クサカゲロウの幼虫は、アブラムシを大好物としているようですね。
その為、卵を産み付ける場所も、アブラムシがたくさん集まっているところに産む為、孵化してすぐにクサカゲロウの幼虫はアブラムシを食べることができるという訳ですね。
また、自身の身を守るためにゴミを背負う習性があるようですが、これも面白いですね。
人間には目立ってしまうけれど、同じ昆虫同士にはしっかりカムフラージュできているということなんですね(笑)
あまり例を見ない虫なので、興味が沸きます。
図鑑を引っ張り出して調べてみたくなりますね!
ウスバカゲロウとクサカゲロウ