- メラニズムとは何?黒くなるにはどんな理由がある?
- メラニズムなライオンは存在する?目撃情報はある?
- メラニズムのカッコいい動物達!人間にもメラニズムは存在する?
アルビノは、誰もが耳にしたことのある言葉だと思いますが、その逆であるメラニズムという言葉を聞いたことはありますか。
そのメラニズムには動物も存在しているのです。
ここでは、メラニズムのライオンが実在するかについて解説していきたいと思います。
メラニズムとは何?黒くなるにはどんな理由がある?
メラニズムとは、先天性遺伝子疾患により、メラニン色素が過剰に生成され、皮膚が黒く髪が真っ黒になる形質を指します。
これは、アルビノとは全く対照的であることから、「逆アルビノ」などと呼ばれることもあります。
これは、ギリシャ語に由来して、「黒い色素」という意味で付けられたと言われています。
一方、アルビノは先天性遺伝子疾患により、身体の中でメラニン色素を生成することができない病気として知られています。
ではメラニズムになる原因や理由には、どのようなことがあるのでしょうか。
メラニズムが起こる理由
では、そんなメラニズムが起こる理由とはなんでしょうか。
- 外敵から身を守る為
- 遺伝子の突然変異
- 病気や疾患の予防
特に、動物においてメラニズムとなる理由は、身体の色が黒くなることで、外敵から自分の身を守ろうと自己防衛することにより、黒くなったという説があります。
また、環境汚染や自然環境が変化し、それによって突然変異を起こした遺伝子が存在するからという説もあります。
さらには、紫外線を多量に浴び、皮膚がんになるなど、病気の疾患を予防する為に必要な為に変化したという説が挙げられています。
メラニズムなライオンは存在する?目撃情報はある?
動物学によると、メラニン色素を生成することができない遺伝子疾患を持つ個体を「アルビノ」と呼びます。
このアルビノは、メラニン色素を全くと言ってよいほど持たない為に、個体は全身真っ白です。
一方で、アルビノと対照的になるものが全身真っ黒な動物である「メラニズム」です。
メラニズムな動物の中に、ライオンが存在すると言われているのですが、これは本当でしょうか。
メラニズムなライオンの画像
ネットで「メラニズム ライオン」と検索すると、画像でメラニズムのライオンがヒットします。
それに、メラニズムのライオンを捕えたような映像である動画さえも確認することができます。
このメラニズムのライオンを見る限り、何とも勇ましいたてがみと、そのクールな装いが何ともかっこよく、そんなライオンの姿に思わず見惚れてしまいます。
このメラニズムのライオンについて、色々と調べてみました。
ライオンの情報は加工?
“メラニズムな動物”で、検索して出てくるのは以下の通りです。
- トラ
- ヒョウ
- ヘビ
- カンガルー
- シカ
- 馬
- ペンギン
このような生き物が存在します。
しかし、どれだけ探してもメラニズムのライオンについての実在情報はありません。

流出していたのはなんでしょう。
結果、これはチェコスロバキア在住のアーティストであるPAulie-SVKさんが手がけ、画像を加工してネット掲載されたようです。
実際に野生のライオンにしても、動物園で飼育されているライオンにしても、メラニズムなライオンの情報は全くなく、そのような個体は存在しないということが分かりました。
トラヤヒョウにはみられるメラニズム
しかし、他にトラやヒョウなどにメラニズムが存在するので、ライオンに存在しないのも何だか腑に落ちない気分ですね。
同じネコ科に属するヒョウはメラニズムである「黒ヒョウ」が存在し、ジャガーには「黒ジャガー」が存在します。
このように考えると、もしかするとまだ発見されていないだけで、実は野生のライオンの中には、このようなメラニズムのライオンが、今後発見される可能性もゼロではないと言えますね。
メラニズムのライオン目撃情報がある!?
ここまで念押しにメラニズムのライオンは実在しない!!と啖呵を切っていますが、画像のようにまでの黒さはないにしても、普通に動物園で見かけるライオンよりも遥かに黒いライオンを目撃したという情報や記録が残っているそうです。
イギリスでの目撃談
これは、19世紀の半ばに、イギリスの考古学者ヘンリー・レヤードが、身体全体が黒く、体毛もかなり黒っぽいこげ茶色のライオンを目撃した情報を記した手記が残っています。
このライオンはインドライオンだったそうですが、現代においては、このインドライオンについては絶滅したバーバリーライオンの血が流れていたという憶測もあります。
バーバリーライオンは、たてがみと胸や脚の付け根に真っ黒い毛が生えたライオンであったことが文献でも知られているのです。
スコットランドでの目撃談
そして、1975年に、スコットランドの動物園で身体の部分が黒い毛を持つライオンが誕生しており、これについては、完全なる遺伝的疾患であるとされています。
このライオンは、メラニズムが直接的原因であるかは解明されていませんが、生殖能力がなかったと伝えられているのです。
しかし、このライオンは1997年に死亡しました。
他にも、イラン、アフガニスタンという地においては、黒に近い色をしたライオンが多数目撃されたという情報もあります。
このような情報を遡ってみても、現在ネットで話題となっているメラニズムのライオンについては、やはり生物学的にも実在しない存在であることが分かります。
メラニズムのカッコいい動物達!人間にもメラニズムは存在する?
メラニンが過剰に生成される遺伝子疾患を持つメラニズムは、アルビノほど世間には知られていません。
しかし、メラニンが過剰に生成され、身体が黒くなる「メラニズム」の動物達は、その黒さが際立ち、魅了されるほどのかっこよさを誇っています。
- ニワトリ
- ヒョウ
- トラ
- ペンギン
- カンガルー
- ヘビ
- 馬
このような動物は、メラニズムである事でシャープに見えたり、時にデンジャラスな印象がクールに見えたりします。
黒は黒でも、とても艶のある質感を持つ動物はとても強そうに見えます。
人間にもメラニズムが存在するの!?
動物にメラニズムが存在するように、そこから想像すると人間にもメラニズムが存在するかのように感じますよね。
しかし、私達が思うメラニズム=黒人という概念は間違ったものなのです。

黒人は、確かに皮膚の色が黒い人種です。
それは、私達日本人のような黄色人種と比較すると肌の色が黒いというだけであり、もとも身体の中でメラニン色素を生成させる遺伝子が日本人よりも濃いというだけなのです。
このようなことから、黒人がメラニズムという考えは間違っていることになります。
アルビノは既に存在
一方で、アルビノはモデルとして活躍される方も存在していることから、メラニズムと違って実在していることが分かります。
メラニズムは「逆アルビノ」などと呼ばれることがある為に、なぜかメラニズムの人間も存在すると勘違いされてしまったのかもしれません。
さいごに
いかがでしたか。メラニズムのライオンが、実在するかについて情報をご紹介しました。
メラニズムは遺伝子疾患により、メラニン色素が身体の中で過剰に生成される為、皮膚の色や髪の色が真っ黒になってしまうといった現象が起こります。
しかし、これには様々なメリットもあると考えられており、個体としてはとても強靭なものが多いとされています。
この強靭についてはメラニン色素が多い分、身体が強いという意味になります。
実際にはメラニズムのライオンは画像を加工したことによる架空の存在ではありますが、トラやヒョウと同じくネコ科の動物であることから、もしかするとこの先、メラニズムのライオンが発見されるかもしれません。
世の中には本当に神秘的な不思議な現象が起こるものですね。
メラニズム・アルビノについて