- ウスバカゲロウの卵はいつ孵化する?
- クサカゲロウの卵には毒がある?
2種類のカゲロウの卵の疑問についてまとめました。
一体どんな卵なんでしょうか?

わたしは昆虫の卵ってほとんど見たことがありません。
そんな方はとても多いのではないでしょうか。
ウスバカゲロウやクサカゲロウは、成虫や幼虫すらもあまり見る機会はないと思います。
そんなカゲロウたちの卵についてご紹介させていただきます。
カゲロウたちはどんな卵から生まれてくるのでしょうか。
ウスバカゲロウの卵の孵化
上の動画はクサカゲロウが孵化したところです。

孵化と羽化はどう違うのですか?
ちょっと混乱しますよね。
では孵化と羽化の違いについてご説明しましょう。
卵からかえること
卵から新しい個体が出てくること
わかりやすそうだけど、ちょっとややこしいのが孵化と羽化です。
卵からかえることを「孵化」というので、いろんな生物に対して広く使われます。
一方「羽化」は概ね羽のある昆虫に多く使われる言葉です。
蝶々やカブトムシなどにも「羽化」が使われます。
そのためウスバカゲロウはこんな一生を送ります。
羽化も孵化もどちらも経験する生物なんですね。

ウスバカゲロウはどんな卵ですか?
ウスバカゲロウの卵
楕円形の形をしていて長さが2ミリくらいです。
ウスバカゲロウの成虫は、蟻地獄が住みやすいように湿った土壌を選び、浅い部分に産卵します。
卵は1個ずつ地中に産みつけられて、その後20日くらいで孵化します。
産卵時期についての正確なことはわかりませんでしたが、湿度が高い方が孵化しやすいようなので、おそらく梅雨の前後くらいかと想像します。
孵化した幼虫はご存知の方も多いと思いますが、あの蟻地獄です。

蟻地獄がウスバカゲロウの幼虫の姿なんですね!
そうです。この蟻地獄はとても生命力が強く、2〜3ヶ月何も食べなくても生きていけると言われています。
あのすり鉢状の巣穴に餌がかかるのを待つだけなので、餌が来なかったら食事にありつけません。
そのため糞をせず栄養をためておくことができるんです。
蟻地獄からウスバカゲロウへ
蟻地獄は餌の量によって成長が違います。
餌が多いほど早く成長し、その期間はだいた1〜3年だそうです。
そしてまた梅雨の時期になると土壌表面に繭をつくります。
この繭は直径1センチ程度の球状で、その中で蛹になります。
この繭、見た目は単なる土の塊にしか見えません。

子供が作る土の団子そのまんま(笑)
蛹はまもまく羽化し成虫(ウスバカゲロウ)となって飛び立って生きます。
こうして羽化したウスバカゲロウの寿命はだいたい2週間から1ヶ月くらいです。
羽化するのは主に6月から10月くらいで、体長は3〜4センチくらい、ユラユラと飛ぶのが特徴です。

ウスバカゲロウの一生って、ほとんど幼虫なんですね。
そして羽化するのも孵化するのも湿気の多い時期です。
こうして成虫となったウスバカゲロウは交尾をして死んでいきます。
これがウスバカゲロウの生態でした。
クサカゲロウの卵には毒があるのか

上の動画はクサカゲロウの産卵シーンです。
会社の窓辺っていうのが何気にすごいですね。
どこかの草むらなんかで産卵するのかと思いきや、こんな人目につきやすいところでも産卵するなんて、少しびっくりしました(笑)
クサカゲロウの卵は、通常は木の葉などに産み付けられます。
だいたい1ミリくらいの楕円形の卵を、10〜50個くらい一箇所に産むのが特徴です。
ひとつひとつが糸のようなものの先についていて、ちょうどぶら下がっているような感じです。
種類によっては一つの塊でぶらさがっているのものあるようです。
卵は4日くらいで孵化します。

優曇華の花って聞いたことがあるのですが?
よくご存知ですね!
クサカゲロウ の卵に例えられる優曇華の花(うどんげのはな)とは、インドの伝説の植物で、3千年に一度しか咲かないと言われる優曇波羅華(うどんはらげ)のことです。
その花が咲いたときは立派な王様が現れる、または不吉なことが起こる前兆、なんていわれています。
糸のようなものの先に卵があり、同じ場所にいくつもあることから卵が空中に浮遊しているように見えます。

本当に綺麗ですね!昆虫の卵には見えません。
さあ、この神秘的な卵に毒はあるのでしょうか?
正確な情報はつかめませんでした(ごめんなさい)
ただ同じ種類の蟻地獄は強い毒を持っていることで知られますが、その毒は蟻地獄が持っている消化管にある細菌が作るものです。
そしてクサカゲロウの幼虫は毒をもっていないそうです。
なので絶対に持ってないとは断言できませんが、おそらくクサカゲロウの卵に毒はないのでは?と思います。

それではクサカゲロウ名前の由来はなんですか?
綺麗な緑色をしているので、草のようなカゲロウだから・・・というのは嘘です(笑)
実は臭いからなんです。
体に触れると胸のあたりから臭いを出します。
となったようですね。
クサカゲロウの英語名
Green lacewingは透き通った美しい緑色、という意味
そしてaphis-lionsはアブラムシのライオンと言う意味で、ウスバカゲロウはant lionでアリのライオンという意味、どっちにしてもライオンなんですね(笑)
このライオンは幼虫に由来しているそうで、ウスバカゲロウの幼虫は蟻地獄、日本名からもわかるようにアリを餌としています。(アリだけではありませんが)
そしてクサカゲロウ の幼虫はアブラムシやハダニなどを餌とします。

どちらも幼虫はちょっとグロテスクで、ライオンとは程遠いのですが・・・(笑)
このように幼虫と成虫で姿形がまるで違うので、呼び方も違うんですね。
確かに同じ種類の虫とは思えません。
クサカゲロウとウスバカゲロウの寿命の違い
寿命はまったく違います。
成虫の寿命はウスバカゲロウが2週間〜1ヶ月くらいに対し、クサカゲロウ は3ヶ月くらいあるそうです。
そして幼虫である期間もウスバカゲロウが1〜3年くらいなのに対し、クサカゲロウは10日間くらいなので、1年のうちに3世代くらい交代します。
成虫はその3ヶ月の間に数千個もの卵を産卵します。

随分と世代交代の期間が違うんですね。
そしてクサカゲロウ は越冬します。
クサカゲロウの越冬
なんとなく春先にフラフラ飛んでるというイメージかもしれませんが、実は冬の暖かい日などにも飛び回っているんです。
種類によって越冬するときは、きれいな緑色から少し茶色っぽい色に体の色が変わります。
同じ種類でもクサカゲロウとウスバカゲロウは、その一生が随分違うんですね。

クサカゲロウの駆除をしたいのですが
本来クサカゲロウはアブラムシなどの害虫を食べてくれる益虫なのですが、夜行性で光に集まるため家の中に侵入してしまうこともあります。
蚊よりも大きく虫が苦手な人には厄介な昆虫かもしれませんね。
なので、まずは家の明かりが外に漏れないような工夫をしたり、防虫スプレーをかけておく、しっかり網戸を占めるといった対策をお勧めします。
クサカゲロウ は人体にはなんの影響もありませんが、駆除するなら害虫スプレーなどを使うと簡単に駆除できます。
体に触ると臭いが出るので、できるだけ家に入ってこない対策をとった方がいいでしょう。
さて、クサカゲロウについて少しご紹介させていただきましたが、クサカゲロウの卵はとても美しいことがわかりました。
このクサカゲロウに属する種類は、日本では約40種類いるそうです。
よく見るのがヤマトクサカゲロウ です。
それより少し小さいのがヨツボシクサカゲロウ 、そして口髭のあたりに斑点があるのがカオマダラクサカゲロウです。
今度緑色の虫を見かけたら、ぜひ観察してみてください。
まとめ
- ウスバカゲロウの孵化はいつ?
梅雨の頃
- クサカゲロウの卵に毒はある?
多分ない
今回は正確な答えが見つからず申し訳ございませんでした。
クサカゲロウもウスバカゲロウも同じアミメカゲロウ目クサカゲロウ科ですが、その生態は大きく違います。

ただ似ているところは幼虫の姿がグロテスクであるという点です(笑)
またクサカゲロウの卵はどこにでも見られます。
ぜひ家の周りや、草むらなどを探してみてください。
ウスバカゲロウとクサカゲロウ