- 人魚にモデルはいるの?
- マナティという動物が人魚のモデルになっている?
- 人魚の伝説の由来はある?
マナティという動物をご存知ですか?
マナティは実に「人魚のモデル」にもなったと言われている動物なのです。
マナティはその姿形がとても愛らしく、コロンとした大きな身体でありながら、その様子を見ているだけで癒されると言う動物です。

人魚のモデルとなったのはマナティなのでしょうか。
また、人魚伝説の由来やその経緯についてご紹介したいと思います。
人魚には伝説があり、そのモデルは“マナティ”?!
マナティとはどんな動物?

マナティは日本全国においても、水族館でも飼育されています。
これは、ジュゴンが人魚のモデルとなったという伝説があるよう、同じ海牛類の仲間となります。
通常、マナティーが生息しているのは、川や河口といったような淡水で生活しています。
一方、ジュゴンは広い海の中で生活をしています。
マナティの中でも最大種と言われているのが、体長390cm、体重1500kgもあるアメリカマナティ。
最少種でも、体長250~300cm、体重350~500kgのアマゾンマナティ。
マナティはとにかく見た目にも迫力があって大きな生物であると言えます。
しかし、その見た目とは裏腹に、性格がとても温厚でありながらも、探究心が強く、好奇心も旺盛な生物であると言われています。
マナティは草食動物
マナティは草食動物で、ウォーターレタスという水草の他、河口付近に生える植物を食べて生きています。
また、マナティの食べるものは草がメインであり、肉は一切口にしません。
これには「え!?」と驚く方も中にはたくさんいらっしゃいます。
水族館などで飼育されているマナティは、レタスや青葉などの葉物野菜がメインの食事となるのです。
しかも、身体があれだけ巨体であることから、1日に食べる量も相当な量である為、食費がすごくかかるのが現実だそうです。
マナティは絶滅危惧種

マナティは現在保護されている動物です。
マナティは、その昔、食用にされたり、マナティの皮が欲しい為に乱獲が行われていたという事実があります。
その乱獲の為に、マナティの個体は急激に減少してしまいました。
実際には、マナティの穏やかな性格と、人間に対しても攻撃的な態度ではない為に、人間が寄って来ても、マナティは逃げることはしない個体が多いそうです。
逃げないからこそ人間もマナティを簡単に捕獲できたため、このような乱獲が起こってしまったのだと考えられています。
現在、海牛目のマナティとジュゴンについては、いずれも絶滅危惧種となっています。
その為、全ての種が国際保護動物として指定されています。
マナティの聖地はどこ?

マナティは、フロリダ・クリスタルリバーに生息しています。
自然の中でマナティに出会える場所が、フロリダ西海岸にあるクリスタルリバーという町になります。
もちろん、そこまで足を運ぶにはかなり勇気も必要です。
しかし、マナティと一緒に泳げる場所は数少なく、希少の地でもあります。
大自然に生きるマナティの姿を見たいという方へ。
いつか訪れてみてください。
日本でマナティに会えるのはどこ?
そんなマナティですが、実際に大自然に生きるマナティの姿は確認できませんが、日本国においては、水族館で飼育下におけるマナティに出会うことができます。
日本では、三重県鳥羽市にある鳥羽水族館です。ここでは、アフリカマナティが飼育されています。
そして、沖縄県の美ら海水族館です。沖縄美ら海水族館は、沖縄本島北西部にあります。ここでは、アメリカマナティが飼育されています。
香川県高松市にある新屋島水族館でも、アメリカマナティが飼育されています。
美ら海水族館のマナティ
ジュゴンとマナティはどう違う?
海の中を泳ぐジュゴン、そして、川の中を優雅に泳ぐマナティ。
両者は見た目にも大きく、愛嬌がある姿はとても似ている動物です。
しかし、この両者の動物について、呼び方も異なる訳ですから、当然、全く別物の動物であることが分かります。
それでもパッと見ただけではあまりはっきりとした区別もつきません。
実際に、ジュゴンとマナティの違いについてご紹介します。
ジュゴン
- ジュゴンは哺乳類に分類される
- 紅海やペルシャ湾、インドシナ半島やボルネオ島、ニューギニア島、ニューカレドニア海域に広く生息
- ジュゴンは海藻類を食べて生活している草食動物
- 体長は300cm、体重450kg
日本においては、沖縄県の海で、自然界に生きるジュゴンが確認されています。
ジュゴンはとても聴覚が優れている為、遠く離れたボードのエンジン音でさえも聞き分ける力を持つ動物として知られています。
マナティ
- マナティは哺乳類の仲間に分類される
- 淡水である川や河口付近に生息している動物
- ドミニカ共和国やキューバ、トリニダード・ドバコでマナティの生息が確認されている
- マナティの体長は大きいもので約400cmにもなり体重は1500kgという超巨体
ジュゴンとマナティの明らかな違いは、よく見ると両者には見分け方があるのです。
ジュゴンとマナティの見分け方

両者の見分け方を説明します。
ジュゴンとマナティの明らかな違いは、その尾びれの形にあります。
ジュゴンの尾びれは三角形の形をしています。一方でマナティの尾びれはとても丸く、形もうちわの形をしています。
そして、ジュゴンの手には爪はなく、マナティの手には爪があります。
ジュゴンとマナティは同じ草食動物の仲間でありながらも、ジュゴンは海底の海藻類を食べて生きています。
一方で、マナティは海面の水草を食べて生きているのです。
人魚伝説に当てはまるのはジュゴンとマナティのどっち?

実際に人魚の伝説はどちらに当てはまるのでしょうか。
西洋人が初めてジュゴンを発見したのは16世紀です。
インド洋の航海を行っていた海賊が、1560年頃にジュゴンをヨーロッパへ持ち込みました。
初めて目にしたジュゴンが認知されたのは中世の頃であり、その頃から人魚伝説が確立していたそうです。
このようなことから、初めに人魚伝説の由来となったのはむしろ、マナティではなくジュゴンの方であることが分かります。
本物の人魚の姿を、初めて見た動物がジュゴンであった為にそのように人魚伝説と結びつけたようですが、実際にはどうなのでしょう??

一見するとマナティの方が可愛らしいから人魚伝説にぴったりな気がします。
とは言え、間近でジュゴンやマナティを見てしまうと、何とも巨体であることから、到底人魚といったあのようなスタイルには届きません。
本来、人魚は若くてとても美しいものであると誰もが美化した姿のイメージを持っている為、その由来がジュゴンやマナティ!?となると、やはり「え!?そうなの?」などと驚いてしまいますね。
まとめ
人魚のモデルがマナティであるのか?また、人魚伝説の由来についてご紹介しました。
人魚はあの細くて美しい容姿を持つ・・・といったように、誰もが抱くイメージがありますよね。
それとはかけ離れた姿のマナティが人魚のモデルだなんてとても想像できませんね。
それでも、中世ヨーロッパにおいて、初めてみたジュゴンの姿が人魚に似ていることから、人魚伝説のモデルがジュゴンであると信じきってしまっているようですね。
そのまま現在に至るという感じです。
人魚・ジュゴン・マナティについて