• 時間外業務なのにボランティアを強制されるのは従うべき?
  • 会社の勉強会の強制参加は違法ではないの?
  • サービス残業は訴えるべき?

会社に勤めていると当たり前のようにあるこんな残業。「会議が長引いて2時間も帰りが遅くなった・・・。」「定時に終わらない仕事を頼まれ残業するしかなくなった・・・。」

こういった残業は会社で勤めていると”あるある”なのですが、残業代はしっかりと支払われているなら良いでしょう。しかし、サービス残業をさせられていたり、ボランティアを強制される会社もあるのが事実。

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雇われている側の社員は、ボランティアを強制されても従うしかないという方が多いことでしょう。

しかし、その度に参加したくない行事に参加をさせられたり、サービス残業を行うというのは労働者側の不満も溜まりますよね。

 

ボランティアを強制されていたり、サービス残業は法律で違法なのでしょうか?

サービス残業は法律で違法?

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法律からの視点でサービス残業について確認していきましょう。

サービス残業とは

労働基準法で定められた法定労働時間を超えて働いた場合、休日に働いた場合に、その時間に応じた賃金の支払いがされない場合のこと。

明確な法律違反であり、罰せられる対象になる。

 

また、労働基準法37条には以下のような内容が記されています。

 

労働基準法37条

:「時間外労働(残業)、休日に労働した場合は割増賃金を支払わなくてはならない」

 

これを守らない場合は、雇い主が労働基準法違反で「懲役6ヶ月以内又は30万円以下の罰金」に処される可能性があるのです。

 

なぜ暗黙の了解になってしまっているのか

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法律で違法とされているのに、なぜこのようなサービス残業がボランティアを強制されるようなことがなくならないのでしょうか。

この理由、主に3つがあげられます。

  • 経営者の知識不足
  • 経費削減
  • 他の会社もやっているから

 

残念ながら経営者があまりにも知識不足で、違法ということも知らずに残業代をうやむやにして支払わないケースもあります。

 

また、違法と知りながらも経費削減として支払わないという経営者もいます。「みんなサービス残業で頑張ってくれているから」などと言われ仕方なく労働者は受け入れているという状況も多いですね。

 

「会社のためのサービス残業は当たり前なんだから、他の会社でもやっている・・・」という考えも通ってしまっていることも問題ですよね。

 

こんなボランティアを強制する会社もある

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みなさんの中には以下のようなケースに当てはまる方もいらっしゃるかもしれません。

朝残業

残業というと就業時間以降というイメージがありますよね。

 

始業時間前に働くことも残業の対象です。

 

始業30分前に朝礼があるから実際の始業時間よりも早く出勤をしたり、仕事が終わらないから朝早めに出勤したりする場合にも残業代は支払われる義務があります。

 

支払われていないとサービス残業に当たるのです。

 

「無言」の強制残業

残業の中にも「会社が残業代を支払う義務がない」ケースがあります。

 

それは、会社が指示していないのに労働者が勝手に残業をした場合で、これは労働時間とみなされず、会社は残業代を支払う義務がなくなります。

 

しかし!これをいいことに強制残業をさせられているケースもあるのが事実で、「退勤できる状況ではなく、残業せざるを得ない」という場合です。

 

会社は”指示”はされていないけど、残業せざるを得ないことってありますよね・・・。

 

タイムカードを押させられる

定時にタイムカードを押させて残業を強制されるという悪質なケースもあります。

 

タイムカードは勤務時間の重要な証拠です。会社の指示による残業であれば、タイムカードと実際に働いた時間に違いがあっても残業時間分の請求をすることができます。

 

しかし、この場合は何時まで働いたか分かる証拠が必要になるのです。

 

社内行事やイベントの参加強制は?

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働く社員にとって、会社の意思に従わされ、行きたくもないイベントの参加を強制されることも多いですよね。

職場環境や社内での出世、働く上での条件などを考えると「参加したくない」という本音を言うのはなかなか難しいことです。

 

【社内行事例】
  • 新年会、忘年会、歓送迎会
  • 季節ごとのイベント(花見など)
  • 社員の懇親会、親睦を目的としたイベント(社内旅行、ゴルフコンペなど)
  • 社員総会

 

これらのイベントは、会社側からすると”社員に対するサービス”や”福利厚生の一環”としてやってあげていると思っている場合もあります。

 

そのため、社内行事への参加強要という労働問題としては扱い解決するのは少々難しくなります。

 

しかし、社内行事やイベントでも残業代を請求できるケースがあります。

 

強制参加の場合→残業代なしは違法

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「任意参加で残業代なし」という場合は本人が自発的に参加をしているので、違法ではありません。

会社側が強制しているのにも関わらず、残業代を払わないというのは違法になります。

理由は、「参加を強制している」ということで、「業務」と判断できるから。

会社側が強制した時点で、労働時間とみなします。

 

ということは、時間外労働手当も含めて賃金支払いの義務が生じるのです。

 

社内行事への参加を強制することは可能?

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社内行事やイベントごとを会社が参加を強制することはできるのでしょうか?

社員である労働者は、会社(使用者)と雇用契約を締結しています。

 

雇用契約では、会社が労働者に対して一定の命令をする権利が与えられているのです。

 

その中で業務命令権という権利があり、名前の通り業務を命令する権利ですね。

 

社内行事への参加強制もこの業務命令権の一環としてであれば、社員に対して行うことが可能です。

  • 「業務として社内行事」の参加強制:可能
  • 「業務ではない社内行事」参加強制:違法

 

例として、プライベートでの飲み会や上司からの呼び出しなど”業務ではない”のに強制することは違法。

 

パワハラなどと評価され、損害賠償の対象になります。

 

業務時間内と時間外での強制参加は?

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業務時間内の場合と時間外の場合では、社内行事の参加強制に違いはあるのでしょうか。

雇用契約の中の「業務命令権」は、決められた業務時間の間に会社が社員に対して業務を命令する権利です。

 

ということは、業務時間内の社内行事は参加強制されても従わなければなりません。賃金も通常と同じく支払われますからね。

  • 業務時間内→参加強制OK(通常の賃金が支払われる)
  • 業務時間外→残業扱いの”業務として”の参加強制はOK

 

業務時間内に社内行事が行われ、その時間分の賃金が控除されていた・・・という場合は違法なので賃金請求をするべき!

 

業務時間外の社内行事の場合は、社内行事に対する参加強制は「業務として」行われなければなりません。

 

業務時間外での業務になりますから、「残業」という扱いになります。残業として扱われない場合であれば、業務時間外の社内行事の参加強制は違法です。

 

ボランティアを強制する会社は訴えるべきか

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働く側にも雇う側にもそれぞれ義務や権利があります。

違法であることが当然のように行われている会社に対して、働く社員は不満が溜まるのは当たり前です。

 

この場合、訴えるべきなのか・・・というと、これは本人次第ですね。

 

今の会社に長く勤めたいという場合、訴えた後に働きやすい環境を保てるかどうか分かりません。波風立てたくない・・・という方は、大人しく働くしかないという考えになってしまうのでしょう。

 

いつ辞めてもいいというくらい会社へ見切りをつけているのであれば、訴える方法をとることもできます。

 

労動基準監督署に相談する

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会社に対して賃金の支払いを訴えても支払いがない場合は相談をするのも1つの方法です。

労働基準監督署に相談することができます。

 

しかし、会社側は言い逃れができてしまう可能性があります。証拠がない場合は特に・・・。

 

サービス残業やボランティアを強制されていることを立証しなければなりません。明確な法違反がないと積極的に動いてくれない可能性もありますよ!

 

まずは法律事務所に相談を

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労働基準監督署へ相談するよりも、弁護士のいる法律事務所に相談するのがよいのではないでしょうか。

弁護士であれば会社に残業代を請求できるかどうか、アドバイスをもらうことができます。

 

会社に残業代を請求する場合にも、弁護士が法的な主張、反論で交渉や訴訟を進めてくれますからね。