- ホルモンの由来・名前の語源とは?
- ホルモン部位別の名前・由来まとめ
ホルモンというのは、たくさんの部位の総称を指します。
広い意味で言えば正肉以外のことを指しますし、狭い意味では胃袋や小腸、大腸といった内臓のことを指します。
総称としてなぜホルモンと呼ばれるようになったのでしょうか?
ホルモンという由来や名前の語源というのは非常に色々な説が飛び回っているので、どれが本当なのかわからない、という人のためにそれぞれの説の信ぴょう性をまとめてみました。
また、ホルモンはかなりたくさんの種類に分けられているので、それぞれの部位についてもまとめてみたいと思います。
焼肉屋で食べる時の参考にしてくださいね。
ホルモンの由来・名前の語源は大阪?
大阪弁の「放るもん(捨てるもの)」
もともと、ホルモンというのは大阪発祥だと言われています。
そのため、大阪を含めた関西地方にはたくさんのホルモン焼き屋が軒を連ねています。
そこで気になるのはホルモンの由来ですが、よく聞く話題で、もともとは捨てる部位だったホルモンを食べるようになったことを大阪弁の「放るもん(捨てるもの)」をもじって、ホルモンと呼ぶようになった、というものです。
この説は一人歩きしていき、本当のことのように語られてきましたが、実は間違いです。
ホルモンは捨てるものではなく、歴史としては、精力を増強する料理としてホルモン料理が出てきたということは知られた事実だからです。
滋養料理としてホルモン分泌を促進してくれる食べ物なので、この由来は違うと考えられています。
では、本当はどういう意味なのでしょうか。
語源は古代ギリシア語?
ホルモンという言葉は食べ物に限ったものではなく、体内のホルモンという言葉としても有名です。
2つの意味をもつホルモンの語源は古代ギリシア語の『horman』で、意味は刺激するとか興奮させるです。
なぜなら、最初にホルモンの物質を発見した研究者が臓器から分泌されて他の臓器に働きをもたらすということに気付き、他の臓器に刺激をもたらすという所以でつけたからです。
こうした分野で言えば、ホルモンは内分泌に分類されて、体内の臓器に対して多くの影響を与えることがわかっています。
語源としては、このギリシア語説が濃厚だと考えられていますが、あくまではこの話は体から発生するホルモンの話です。
由来はドイツ語?
食べ物のホルモンの由来は、ドイツ語から来ているとも言われています。
ドイツと言えば医療用語として扱われていて、西洋医学に影響を受けていた明治維新の頃に名付けられたと言われています。
ドイツ語で『Hormon』と言い、意味は動物の体の中の組織や活動を調節する生理的物質の総称です。
これは、内臓を食べることによってスタミナが付き、栄養がたくさん摂れて元気が出るという内臓料理にぴったりだということでつけられた、と考えられています。
ホルモンと名付けられるまでは内臓料理と呼ばれていたので、より身近な存在に感じさせるためとも言われています。
ホルモン料理の歴史は1920年代にまで遡りますのかなり歴史の古い料理です。
諸説ありますが、由来としてはこのドイツ語説が信頼できるものだと言えます。
ホルモンの部位別名前・由来のまとめ
ホルモンは細分化されていて、牛と豚でも違います。
こんなものまでホルモン!?と思うことも多々ありますが、それぞれの名前と由来をまとめていきますので、牛と豚別にご紹介します。
牛のホルモン
コプチャン
よくイメージされる小腸のことです。
マルチョウやコテッチャンとも呼ばれていて、由来は韓国語で『牛の小腸』を意味するコプチャンからきています。
タン
言わずと知れた牛の舌のこと。
由来は英語の『tongue』からで、古い印欧語(インド・ヨーロッパ語族のこと)で『舌』を意味します。
カシラ
こめかみと頬にあたる部分で、かなり希少部位です。
牛のこめかみの部分は流通していません。
由来は頭の部分なのでそこからと言われています。
ネクタイ
食道の部分でかなりヘルシーです。
そのままショクドウとも呼ばれたり、ノドスジとも呼ばれています。
由来は開いた時にネクタイと似た形をしていることからです。
ウルテ
喉の気管にある軟骨で、最も硬い部位と言われています。
由来は韓国語で『気管』を意味しているウルテからきています。
レバー
牛の肝臓で、非常に重い部分です。
たくさんの栄養素が詰まっていることでも知られていますが、独特の臭みがあるので好き嫌いが分かれる部位です。
由来はドイツ語で『肝臓』を意味するLeberからきています。
ハツ
心臓の部分で、独特の食感があります。ビタミンB12がかなり豊富に含まれています。
由来は『ハート』からきています。
コリコリ
牛の心臓の大動脈の部分です。
心臓の付け根にあることからハツモトとも呼ばれています。
由来はコリコリとした食感からきています。
シビレ
牛の膵臓、胸腺の部分です。
この部分は生後1年以内の子牛に限られています。
クリーミーな味が特徴的で海外の方に人気です。
由来は英語で『膵臓、胸腺』を意味するsweet breadからきています。
サガリ・ハラミ
意外に感じるかもしれませんが、実は横隔膜の肋骨側にある部分です。
厳密に言えばハラミとサガリは横隔膜の別の場所にあるので別ですが、一括りにされることが多いです。
由来はサガリの場合は牛の体の中でぶら下がっているような形をしていることからです。
ハラミの場合は腹の部分にあるからということです。
ミノ
胃袋の1つで、タンパク質が豊富です。
牛には4つ胃袋があり、1番目の胃のことで、非常に大きく肉厚です。
由来は切って広げた時の形が蓑に似ていることからきています。
マメ
牛の腎臓です。脂質をエネルギーに変えてくれる栄養素が入っているので、ダイエットをしている人におすすめ。
ただ、日本ではあまり見かけず、ヨーロッパでは一般的に食べられています。
由来は形が豆に似ていることからです。
ハチノス
牛の胃袋の1つです。
コラーゲンがとても豊富に含まれていて、女性に人気の部位です。
由来は六角形が並んでいるような見た目から蜂の巣に似ていることからきています。
センマイ
牛の胃袋の1つです。
ホルモンの中で最も低脂質で低カロリーで部位です。
こちらもコラーゲンが豊富で鉄分や亜鉛も多く含まれています。
由来は布を千枚重ねたような見た目から、センマイと呼ばれるようになりました。
ギアラ
牛の胃袋です。少しだけ赤みがかっていることが特徴的で焼くと膨らみます。
由来は2つの説があり、米軍基地で働いていた人のギャラ代わりとしてギアラを配給され、ギャラが訛ってギアラになった説。
もう1つは偽の腹という意味であるギバラが訛ってギアラになった説があります。
どちらが確定かははっきりしていません。
シマチョウ
牛の大腸です。
小腸よりも脂身が少なく、歯ごたえがあります。煮込みなどに使用されるのはこのぶぶんです。
由来は縞模様が入っているからです。
コブクロ
牛の子宮です。
見た目で抵抗感のある人が多いですが、クセもなく良い食感が特徴です。
由来は小さな袋のような形をしていることからつけられました。
テッポウ
牛の直腸です。ひだが入っていて、とても食べ応えがあります。
由来は開くと鉄砲の形に似ていることからつけられました。
テール
牛の尻尾の部分です。
かなり硬いので、多くの場合がスープで食べますが、時々焼肉でも出てきます。
由来は英語で『尻尾』を表すtailからきています。
豚のホルモン
牛のホルモンと同じである『タン、カシラ、ハラミ、レバー、マメ、コブクロ、小腸、大腸、テッポウ』の説明は割愛します。
豚のホルモンはどの部位でも牛よりさっぱりとしていて、食べやすいです。
タンシタ
下の付け根部分のことです。
脂が適度にあり食べやすく、とても人気です。
由来はタンの下の部分だからという意味です。
ドーナツ
喉仏にある軟骨のことです。
しっかり焼くことによって軟骨独特の食感を楽しむことができます。
由来は真ん中が空洞になっていることが、ドーナツに似ているところからです。
豚トロ
豚の首の肉のことです。
まるでまぐろのトロのように脂身が多く、とろけるような味わいが人気です。
由来はそのままで、トロのように脂があって美味しいというところからきています。
ガツ
豚の胃です。ホルモンの中でもクセがなく食べやすいことが特徴です。
ただ、硬くなかなか焼けないという面ではあります。
由来は英語で『内臓』を意味するgutsからきています。
チチカブ
豚のメスからしか取れない乳房の部分です。
クリーミーで火が通りやすいところが特徴的です。
由来はそのままで乳房からきています。
トンソク
豚の足です。見た目からして足の形をしているので、食べるのを躊躇する人も多いですが、コラーゲンが多く肌に良いです。
由来は豚(トン)足(ソク)です。
かなり広い範囲でホルモンは分けられていることがわかります。
今まで正肉だと思っていたような部位もホルモンだと知って驚いたかもしれません。
正肉よりもさっぱりしていて食べやすい部位ばかりなので、焼肉屋でも人気なのは納得です。
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