- 腕時計をオーバーホールする時の値段、料金は?
- オーバーホールにおすすめな時期、頻度は?
腕時計はある年齢になると少し背伸びして良い時計が欲しくなるものです。
実際に購入したものの、オーバーホールを受ける必要があったり、実際にはどれほどの費用がかかるか知らないという方も多いのではないでしょうか?
ここでは、腕時計をオーバーホールする時の値段や料金、またどの時期にオーバーホールすれば良いかなどについてご紹介したいと思います。
腕時計のオーバーホール料金の相場は?
腕時計は、有名メーカーのものや、ブランドの腕時計は特にオーバーホールの必要性があると言われています。また、そのオーバーホールの相場も2~5万円が一般的な相場です。
しかし、先ほどもお伝えしたように、ある程度のブランドものだったり、有名メーカーのものであれば、それだけオーバーホールの費用も高額になる為、それ以上の費用が必要となることもあります。
オーバーホールって一体何?

オーバーホールは、腕時計を一旦分解し、機械の中のお掃除を行います。
実際には分解、洗浄、調整、そして注油、組立て、点検といった全ての工程でメンテナンス作業が行われるのです。オーバーホールを行うことで中身の洗浄以外にも、必要な部品を交換しなければならないこともあります。
その場合はオーバーホールの費用以外にも別途修理代を請求されることになる為、その必要がある場合は事前に連絡を入れてもらうなどで対応してもらうようにしましょう。何の断りもなく部品交換をされ、高額なオーバーホール費用の支払いとなっては困りますものね。
また、オーバーホールは故障してから行うものではなく、定期的なメンテナンスを行う必要があるのです。特に高級時計などに関しては、時計を少しでも長持ちさせる為にも必須のことだと言えます。
オーバーホールの受付はどこでするもの?
腕時計のオーバーホールを行う際は、メーカー修理と時計専門店での修理の2つの方法があります。
今はインターネットでオーバーホールを受付ている時計専門店もあることから、あらゆる場所を選択することができます。

しかし、それら全ての違いはオーバーホールの費用にあります。
実際にはメーカー修理となれば正規販売店であることから、オーバーホールの費用も少し高めとなっています。それでも、正規販売店だと安心感と信頼感がある為、こちらを利用する方が多いのは事実です。
一方、時計専門店でのオーバーホールについては、正規メーカー修理と比較すると安心感には劣りますが、圧倒的に価格を抑えることができます。
どちらを選ぶかは腕時計を持つあなたに委ねられていることになります。
オーバーホールは安ければ良いとは言えない

オーバーホールを値段で決めて良いものか・・・?というのも少し疑問ですね。
安くて品質がとても良い業者に当たればラッキーですが、全ての業者がそうとは言い切れません。
安さと品質については、全てが満足いくようなバランスで保たれているのはごく稀なことなのかもしれません。
その為、低価格でのオーバーホールを希望される方は、きちんとした修理を行ってくれる業者を探すことが重要となります。
オーバーホールは一生涯続くもの
時計のメンテナンスであるオーバーホールについては、メンテナンスが必要となる腕時計を購入した場合は、そのオーバーホールは一生涯続くことになります。
その分、その腕時計の価値は素晴らしいものになります。さらに、購入した時と何ら変わりない時計が時を刻むことになる為、自身でも歴史を感じてしまうものです。
時計には精密部品が使用されていることから、長年使用することでその油が切れてしまい、中身の部品が摩耗してしまいます。特に長年使用せずに片付けたままの状態であった場合はその状態になっていることが多いと思われます。
乾電池が必要なおもちゃがあれば、乾電池を抜かずに長期間放置しておくと、いざ使用したいと思った時に乾電池の中から茶色い液体がにじみ出ていたことがある・・・。

このような経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。これと同じ感覚ですね。
このようなことを防ぐためにも、定期的に分解洗浄を行い、油をさす必要があるのです。ですから、オーバーホールについては、3~5年間隔で行うことが推奨されています。
もしも時計の状態があまり良いとは言えない場合は3年おきにオーバーホールを受ける方が良いと思います。
機械式時計のオーバーホールはどれだけ重要?

機械式時計は電池の力を利用せず、ゼンマイを巻くことで針が動き、現在の正確な時間を指すようになります。
とてもクラシックな時計ではありますが、これぞすごい技術であると思います。このような歴史ある技術を好む方は、現代においても機械式時計を好んで身に付けている方が大勢いるのです。
機械式時計は、ゼンマイやテンプ、アンクル、ツメ石、ガンキ車やガンキカナといったようなパーツが組まれて出来上がっています。
時計の種類によっては100以上ものパーツで出来上がっている時計です。このようなパーツは、時計を通常利用している中でも劣化や摩耗が起こり、どうしても故障の原因に繋がってしまうのです。
だからこそ、オーバーホールが必要となるのです。特に、時計の心臓部分にあたるムーブメントについては、針を動かすために必要な大切なパーツが詰まっています。
ここを分解点検することにより、全ての部品を新しいものに交換して新たに時計は動き出すことになります。
機械式時計が故障する原因とは
機械式時計が故障する原因は、いくつか考えられます。
油切れを起こし時計が止まる
機械式時計は、歯車が噛み合うことで動いています。この動作をスムーズに行う為には、特殊な油をさす必要があります。
その油は、時間の経過と共に蒸発、また古く劣化する為、歯車の動きが悪くなり、針が思うように動かなくなってしまい、最終的には時計が止まったまま動かないといった事態に発展します。
例えば、ロレックスやオメガ、タグホイヤー、カルティエといったブランド時計については、一般的には3~5年で油が蒸発し、乾いてしまうことで正常に動かないという場合が多いです。
だからこそ、オーバーホールの必要性があると言えるのです。
パッキンの劣化で時計が壊れてしまう
時計の裏蓋にあるゴム製のパッキンが、年数経過と共に劣化し、ひびが入ったり弾力性がなくなって切れてしまうこともあります。
防水性の時計のパッキンが劣化した場合は、時計内部に水が浸入し、時計の故障に繋がります。そのようにならない為にも、必要な年数に応じてオーバーホールの必要性があると言えます。
時計が錆びてしまう
時計は肌から出る汗や垢などが付着することで、時計が錆びてしまうことがあります。金属ベルトの節が錆びるのはそのためです。
ベルトが錆びたくらいであればその部分を交換すればよく、そこまで大きな問題にはなりません。しかし、時計内部が錆びてしまうと修理不能となってしまう可能性があります。
特にリューズが錆びてしまうと、ムーブメントまで錆びが広がり、時計はもう使用できなくなってしまう為、そのようにならない為にも、推奨年数でオーバーホールを受けるようにしましょう。
ゼンマイが切れてしまう

機械式時計は、ゼンマイが動力源となっています。
その為、ゼンマイは時計全体の歯車を動かしていることになりますが、このゼンマイについてはいつか切れてしまうものであると考えられているのです。
これは、金属の寿命であり、錆びが生じた場合は劣化が激しくなり、切れやすくなるということ、そして、ゼンマイの熱処理が均等に行われていなかったことによる場合であると言えます。
このようなことから、ゼンマイは消耗品であることから、時計が動かなくなる前にゼンマイも含めたオーバーホールが必要です。
オーバーホールの料金は?
オーバーホールの料金については、ブランド時計など、メーカーによって変わります。例えば、オメガやカルティエ、タグホイヤーの手巻き時計の場合は2~3万円が相場です。
また、クロノグラフの場合は4~5万円となります。クロノグラフについては、とても複雑な構造となっていることから、分解してメンテナンスを行うのが非常に大変な作業であることから、その分オーバーホールの料金も高額になってしまいます。
しかし、IWCやロレックスともなれば、更にオーバーホールの費用が1万円くらい高くなります。外国メーカーの時計は、純正部品を輸入するところから始まることから、全ての費用が高額になってしまうのは致し方ありません。
オーバーホールの費用を含めた総額費用を考慮する
初めて高級腕時計を購入したのが仮に25歳だったとしましょう。3年に1度のオーバーホールを行い、メンテナンス費用に4万円支払っていたとします。
20年では4万円×薬7年とし、合計28万円。メンテナンス費用が20年あまりで28万円必要となる計算になります。
高級時計は特にメンテナンスが命ですから、相当なオーバーホール費用が必要となることを考慮すると、やはり安くて品質が良い業者を探し当てることも必要ですね。
本当はどれくらいの頻度で受けるべき?

オーバーホールは、実際には3年から5年に一度の頻度で受けておくと安心です。
とは言え、これだけ説明を加えても、どうしても時計が止まってからでもいいかな・・・?なんて思う方もいらっしゃると思います。
しかし、オーバーホールを受けずに使用し続けることで、他の場所に負荷がかかり、いざ時計をメンテナンスしても正常通りに作動しないといったことも考えられるのです。
結果的にオーバーホールを受けても秒針が遅れたり早まったりといったおかしな動きを見せることになり、そのまま使用し続けていると、最後は全く動かなくなってしまいます。
パーツ交換不要な状態でオーバーホールを受ける

オーバーホールは基本的には分解して洗浄し、注油を行ったりという工程で済むのが一般的です。
しかし、長年オーバーホールを受けていない腕時計の場合は、中身のパーツが劣化していることで、それらの部品を交換する必要が出てきます。
本来、メンテナンスをしっかりと受けていれば、パーツ交換といったことは起こらなかったであろうことが現実に起こってしまう訳ですから、何ともイタイ出費にもつながります。
このようなことから、時計が動かなくなってからオーバーホールを受けるよりも、定期的なメンテナンスを受けている方が断然経済的であることが分かります。
クォーツ式の時計にはオーバーホールは必要か?

カルティエなどのクォーツ式の腕時計も機械式と同様、オーバーホールの必要性があります。
また、クォーツ式の腕時計もパッキンを使用していることから、これらの劣化を考慮し、5年に1回の頻度を守って定期的なオーバーホールを受けられる方が良いと思います。
クォーツ式は電池で動いている分、電気回路のテストも行っています。
オーバーホールはどこで受けるべきか
オーバーホールはやっぱりメーカーに依頼するのがおすすめです。なぜなら安心感があるからです。しかし、どうしても料金が高額になりがちです。
どこのメーカーも毎年新しいデザインの腕時計を開発しては、それを宣伝する為の広告費が必要となります。
それは莫大な広告料金となること、そしてそれを開発するための開発費や、技術者を育成するためなど、オーバーホール料金はこのようなところに回されているのです。
その為、このような広告宣伝費の為にも、オーバーホールの費用が高く設定されていると言えるでしょう。
メーカー以外でオーバーホールを受けるとどうなるのか
メーカー以外でオーバーホールを受けるとなると、確かに価格は低価格で抑えることができると言えます。
しかし、高級腕時計の場合は代用品で行ったメンテナンスについては、改造品とみなされる事もある為、あまりオススメできません。
メーカーがとうしても高額なオーバーホール費用だから・・・。という理由で躊躇している場合は、高級時計の純正部品の取り扱いのある店舗を探し、オーバーホールの依頼を行うようにしましょう。
激安店でオーバーホールを行うと起こるトラブルは

通常はメーカーでオーバーホールを受けることが推奨されています。
しかし、それを値段だけで安いお店でオーバーホールを受けると起こり得るトラブルとして挙げられることがあります。
それは下記のようなトラブルとなります。
- べゼルがゆるくなって返送されてくる
- 超音波洗浄を適切に行っていない為に内部の汚れが残ったままとなっている
- ゼンマイの巻きが重く感じる
- 針やゼンマイが傷ついた状態で返送されてくる
- ネジが緩くなっている
- 後々に時計の不調が度々起こるようになる
どんな時計であれ、それが高級時計であっても、オーバーホールじたいは全て人の手で行われます。
その為、オーバーホールに精通している職人であっても、手先が器用でオーバーホールが上手い人、下手な人が存在します。
当然、若くてオーバーホールの件数が少ない経験しかしていない未熟な技術者もいれば、この世界で何十年とオーバーホールに携わっている熟練した腕を持つ技術者も存在します。
それを見抜くとなるとなかなか難しいことである為、少なくとも、きちんとしたメーカーでのオーバーホールを受けるようにしましょう。
メーカーでのオーバーホール後に何か不調が見られる場合は、それだけで保証してもらえるのである意味安心してメンテナンスを受けることができると言えます。
どうしても激安店で。。。
という希望のある方は、日本国内において行われている時計修理技能士という国家試験に合格した者が所属する店舗にてオーバーホールを受けるようにしましょう。
また、時計修理技能士1級の資格を有している方であれば、オメガやロレックス、タグホイヤーといった高級時計を扱うことができる為、その国家資格を持つ方へ依頼されることをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?腕時計をオーバーホールする時の相場の費用と、オーバーホールを受けるためのおすすめの時期や頻度についてご紹介しました。
腕時計のオーバーホールは一般的には3~5万円が相場であると言われています。しかし、高級腕時計である場合はそれ以上のオーバーホール費用が必要となる場合があります。

また、実際には3~5年間隔でオーバーホールを受けていれば、特に大きな問題はないとされています。
オーバーホールを受ける際も、正規販売店と格安店舗とでは、その費用も異なることからどうしても格安店舗を選びがちになってしまいます。
しかし、そのような格安店舗で代用品を使用してメンテナンスを行った場合は、その高級時計時じたいが改造品扱いとなる為、十分に注意が必要です。
もしもメーカー以外でオーバーホールを行う予定の方は、純正品の取り扱いのある店舗でオーバーホールを受けてみられてはいかがでしょうか。
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