ペースメーカーが電波の影響を受けるとして、電車やバスの優先座席付近での携帯電話の使用については、かなり細かい規制があったことを覚えている方は多いと思います。

しかし、近年では、総務省が、「携帯電話がペースメーカーに影響を及ぼす可能性は低い」と発表したのです。

とは言え、影響を及ぼす可能性が低いものの、ペースメーカーを使用している方本人はもちろん、その近距離にいる人もある程度の距離を知っておかないといけません

 

ここでは、ペースメーカーが電波の影響を受ける距離や、実際にそれによって死亡事故などが起こっているのかについて解説していきたいと思います。

携帯電話がどうペースメーカーに影響を与えるの?

携帯電話が普及し始めた頃は発する電波が2Gであった為、その影響を受ける距離はペースメーカーから22cm以上離して使用することが規定されていました。

 

その電波が3Gとなり、電波の影響を受けにくいものに変化したことで、15cm以上離して使用するべきであると規定されました。

 

しかし、実際には、携帯電話の電波がペースメーカーに影響を及ぼす可能性は極めて低いということが分かりました。

 

とは言え、総務省の発表では、一部のペースメーカーでは、携帯電話がペースメーカーに3cm以内に近づくことで誤作動を生じさせるといった実験結果があることを踏まえ、「15cm」と規定したようです。

 

ペースメーカーを使用している方に3cmも近付くということは故意でなければなかなかあり得ない話でもある為、日常生活を送る中では、ほぼ問題はないのではないかとされています。

 

今までなぜダメだったのか?

総務省が発表する前までは、ペースメーカーを使用している方の近くで携帯電話の使用を控える。また、優先座席付近での携帯電話の使用は禁止する旨掲げられていたのは1990年代頃からです。

 

その頃の携帯電話は初期のものであることから電波は2Gであった為、少なからず影響は考えられていました。

 

しかし、その当時のペースメーカーの性能を考慮すると誤作動の可能性があったようです。

 

これだけ騒がれた携帯電話の電波について、実際には死亡事故が起こったという事実はあるのでしょうか?

 

実際、ペースメーカーを使用している方が、携帯電話が発する電波が原因で死亡したという例は一例もありません

 

それに、現在は3G、4Gといった電波である為、さらにペースメーカーに悪影響を及ぼす可能性は低くなったと言えます。

 

とは言え、優先座席付近で携帯電話を使用するのはNGです。これは、何もペースメーカーのことだけを考慮している訳ではありません。

 

あくまで100%安全であると言い切れないという点や、通勤ラッシュ時の混雑した車内での携帯電話の使用を規制する。

 

そして、電車内でのマナーを向上するという意味で、携帯電話の使用を控えるよう呼びかけています。

 

優先座席付近で携帯電話使用OK?

2014年、関西鉄道協会と西日本旅客鉄道は、「優先席付近では携帯電話の電源をお切りください」というアナウンスを撤廃し、混雑時以外は優先座席であっても携帯電話を使用しても良いという規定に変更されました。

 

その為、車内放送も、「優先席付近では携帯電話の電源をお切りいただき、それ以外の場所ではマナーモードに設定の上、通話はご遠慮ください」に変更されました。

 

お気付きでしたでしょうか?今後、東日本でも同じように優先座席付近での携帯電話の使用を緩和する傾向にあると言えます。

 

ですから、これから電車に乗車する際には特にペースメーカーを使用されている方々に対して、携帯電波に関しての特別な配慮をする必要は特にないといえます。

 

ただし、電波がペースメーカーに対して悪影響がないという事実を知らない方々からは注意されてしまうことがあるかもしれませんから、この点については注意しておきましょう。

 

優先席付近で携帯電話の利用を注意されたら?

さて、ココまでは優先席の付近で携帯電話・スマホの使用を禁止されていた経緯、実際には健康リスクなどはないことについてお伝えしてきました。

 

しかしながら、実際には携帯電話の電波がペースメーカーに対して悪影響がほとんどないということを知らない方のほうが多いのではないでしょうか?

 

ですから、もしあなたが携帯電話やスマートフォンを優先席付近で使っていると、強気な態度で注意してくる人が現れるかもしれません。

 

そんな時の対処法について、お伝えしていきたいと思います。

 

ペースメーカーに悪影響はないことを伝える

注意してきた相手が理知的で話をわかってもらえそうな場合には、携帯電波がペースメーカーに対しては悪影響がないということを伝えてみましょう

 

話の分かる相手であれば、二言三言話すだけで分かってもらえるはずです。

 

ただ、電車内で知らない相手と話し込んでしまうことにも抵抗を感じられる方は多いですよね。。。。

 

そんな方には、次の対応をオススメしています。

 

トラブルを避けるために携帯の利用を控える

注意してきた相手が非常に感情的で、対話をすることが難しいケースもあると思います。

 

そんな場合には、黙って携帯電話・スマートフォンの使用を止めておとなしくしておくか、席を移動してその人から距離を取ると行ったことをオススメします。

 

「携帯電話の電波がペースメーカーに対して悪影響を与える」といった間違った常識は世の中にあふれています

 

そして、事実を知ることもなく世間一般の常識に流されて生きている人間がほとんどではないでしょうか。

 

いちいち、そういった方々を相手にしていては、あなたにストレスが溜まっていってしまいますから、軽く受け流すくらいの心の余裕を持っておきましょう。

 

まとめ

いかがでしたか?ペースメーカーが電波の影響を受ける距離は?死亡事故なんて嘘について解説していきました。

総務省が発表した指針案について、未だ西日本での適用となっているようですが、今後は関東圏内の電車の優先座席付近でも、携帯電話の使用が緩和される可能性が高いと言えます。

それにしても、現在は携帯電話の電波がほぼペースメーカーに影響を与えないということが分かっただけでも、安心して携帯電話を使用することができますね。

 

ですから、電車に乗っていて優先席付近に立つことになったとしても、基本的にペースメーカーへの悪影響などは心配せずにいつも通り携帯電話・スマートフォンを使ってしまって問題ありません。

 

ただし、場合よっては周りの人々に携帯電話・スマートフォンの使用を注意されてしまうことがあるかもしれません。

 

そんな時には、「最近の携帯電話・スマホの電波なら、ペースメーカーに対して悪影響はないんですよ。」とだけ簡単に伝えてみましょう

 

コレで殆どの場合であれば一件落着するかと思いますが、相手が話を聞かずに文句を言い続けてくるようであれば、黙って席を移動してそういった人々から距離を取るようにしましょう。

 

そんな人々と遭遇する機会は人生においてもそう多くはないですから、いちいちカマッているよりも軽く受け流すほうがよっぽどストレスを感じること無く生活をおくることができるはずです。

 

優先席でのマナーについて