ある時から、電車やバスの優先座席付近での携帯電話の使用について、細かな注意書きがなされていました。

また、電車やバスの車内アナウンスでも、「優先座席付近では携帯電話の電源をお切りください」といった言葉を耳にしたことがある方は少なくありません。

これには、ペースメーカーを使用している方に誤作動が起こってはならないということに配慮したことであり、そのことについては、多くの方が周知していたことでもあります。

 

しかし、近年では携帯電話のルールが少し緩和されたことをご存知ですか?以前は優先座席付近で携帯電話で通話することで注意されていたものが、どうしてここまで変化したのでしょうか?

 

ここでは、かつて、優先座席で携帯電話の電源を切らなければならなかった理由について、また最近ではどのように緩和されたのかについて解説していきたいと思います。

優先座席で携帯の電源を切る理由とは?

ペースメーカーを装着した方のため

2000年頃、電車やバスを利用する際、携帯電話の電源を切るというルールができました。

 

これは、携帯電話が発する電波が、ペースメーカーを装着している方の機器に悪影響を及ぼす可能性があるということを考慮し、多くの鉄道会社が2003年にこのルールを採用しました。

 

そして全国各地に普及したことは今でもよく思い出されることです。これは、携帯電話の電波を医療機器に近づけることで誤作動があったという研究結果をもとに定められたルールでした。

 

しかし、実際にはペースメーカーを装着している方の機器に誤作動が生じたというケースは全くないのです。ある意味、大きく打ち出された内容が、随分と誤解を招いていたということが分かります。

 

つまり、これだけ騒がれている携帯電話の電波が、ペースメーカーに影響を及ぼすというような、見事に勝手にできた常識が間違っていることが分かりました。

 

時代は変わり携帯電話も進歩している

携帯電話は、時代が移り変わる毎に、便利すぎるほどの機器として、今の私達の生きる時代になくてはならないものとなっています。

 

そして、それと同時に電波の出力が弱く、日常生活の中で普通の使用方法を行っていれば、特にペースメーカーを装着している方へ影響が及ばないことが分かりました。

 

ペースメーカーも革新を遂げている

ペースメーカーも携帯電話と同じようにどんどん素晴らしい性能を兼ね揃えた機器として革新を遂げています。本来の心臓の機能を果たすことができない時に、心臓の代わりに電気信号を発し、必要な心収縮を行っているのです。

 

そして、時代と共にその技術も向上し、ペースメーカーへの電波の影響を最小限に抑えるシールド性能が向上、そしてペースメーカーの回路が変わり、強い電波でなければ、何も問題を生じないことが確実に分かりました。

 

なんと!ルールが緩和されることに

今まで優先座席付近で通話していたら注意を受けるほどであったにも関わらず、新しいルールが採択されることにより、より良い車内環境を過ごすことができるようになりました。

 

総務省は、携帯電話とペースメーカ-の距離が22cmは必要であると公表していましたが、2013年1月より、15cmに緩和されたのです。

 

総務省では、以下のような文言を追加しました。

携帯電話を優先座席付近で利用したとしても、ペースメーカーへの影響はほぼありません

これにより、日本全国の鉄道会社がルール緩和を行い始めました。

 

また、現在のルールは、ペースメーカーを装着した方だけに配慮するのではなく、第一にマナーを重視し「優先座席付近では、混雑時は携帯電話の電源をお切りください」と注意書きされている広告を見かけるようになりました。

 

知らぬ間に結構緩く緩和されていますよね。今後もさらにゆっくりと緩和が広がっていくものと思われます。

 

優先席付近で携帯電話の利用を注意されたら?

さて、ココまでは優先席の付近で携帯電話・スマホの使用を禁止されていた経緯、実際には健康リスクなどはないことについてお伝えしてきました。

 

しかしながら、実際には携帯電話の電波がペースメーカーに対して悪影響がほとんどないということを知らない方のほうが多いのではないでしょうか?

 

ですから、もしあなたが携帯電話やスマートフォンを優先席付近で使っていると、強気な態度で注意してくる人が現れるかもしれません。

 

そんな時の対処法について、お伝えしていきたいと思います。

 

ペースメーカーに悪影響はないことを伝える

注意してきた相手が理知的で話をわかってもらえそうな場合には、携帯電波がペースメーカーに対しては悪影響がないということを伝えてみましょう

 

話の分かる相手であれば、二言三言話すだけで分かってもらえるはずです。

 

ただ、電車内で知らない相手と話し込んでしまうことにも抵抗を感じられる方は多いですよね。。。。

 

そんな方には、次の対応をオススメしています。

 

トラブルを避けるために携帯の利用を控える

注意してきた相手が非常に感情的で、対話をすることが難しいケースもあると思います。

 

そんな場合には、黙って携帯電話・スマートフォンの使用を止めておとなしくしておくか、席を移動してその人から距離を取ると行ったことをオススメします。

 

「携帯電話の電波がペースメーカーに対して悪影響を与える」といった間違った常識は世の中にあふれています

 

そして、事実を知ることもなく世間一般の常識に流されて生きている人間がほとんどではないでしょうか。

 

いちいち、そういった方々を相手にしていては、あなたにストレスが溜まっていってしまいますから、軽く受け流すくらいの心の余裕を持っておきましょう。

 

まとめ

コチラのブログ記事では、優先席で携帯電話・スマートフォンの使用を注意されてしまう理由。

そして、注意された場合の対処法についてお伝えしていきました。

ほとんどの方がガラケーを使っていた時代には、携帯電波によってペースメーカーが悪影響を受けてしまうリスクがほんの少しですが想定されていたようですね。

 

ただし、現在の主流となっているスマートフォンなどで使われている4G回線などであれば、ペースメーカーに対して悪影響があることは考えづらいということが明らかになってきました。

 

これまでに携帯電波の影響でペースメーカーが誤作動を起こして事故につながってしまったという事例がないことからも、特に心配する必要はないといえるのではないでしょうか。

 

ただし、まだまだ世間一般の常識としては、「携帯電話の電波はペースメーカーに対して悪影響がある」と考えられています。

 

ですから、あなたが優先席で携帯電話・スマートフォンを使っていると、注意してくる人が出てくるかもしれません。そんな時には、簡単に携帯電波がペースメーカーに対しては悪影響がないことを伝えてみましょう

 

それでも話が通じないような相手であれば、対話を諦めて席を移動することが得策です。話の分からない相手を説得しようとしても、時間と労力が無駄になってしまうだけですからね。。。。(汗)

 

無用な争いや問題は避ける、という日本人ならではの考え方には個人的に第三世の人間ですから、ぜひ電車を快適に利用できるように臨機応変に対応していってみてください。

 

それでは、今回の記事も最期までお読み下さり、誠にありがとうございました!

 

優先席でのマナーについて