- 潮干狩りで砂抜きする方法!
- 一晩で塩抜きするか美味しさを重視するか?
段々と暖かくなってきて、気付けば季節も春本番。
徐々に気温も高くなりピクニックや海水浴、潮干狩りなどのレジャーに適したシーズンに移り変わっていきます。
今回はそんな潮干狩りの基本的な知識から、潮干狩りで手に入れた貝の下処理方法まで、ご紹介していきます。
潮干狩りとは
ゴールデンウィークが近づいてくると、テレビのニュース番組などでは潮干狩りに訪れた家族がインタビューを受けている映像などが頻繁に映し出されているというイメージもあるのではないでしょうか。
潮干狩りのベストシーズンとは?

潮干狩りのベストシーズンはいつなのか、ご存知でしょうか。
先に述べたように、潮干狩りの映像がテレビで映し出されるのはゴールデンウィーク前後です。
そこから、潮干狩りのシーズンは春だというイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
でもそれは違うのです。
極端な話をすると、潮干狩りは夏場でも冬場でもでき、それなりの量の貝を取ることが出来るのです。
しかし、潮干狩りをするうえでは潮の満ち引きが重要となってくるので、そこが最も大切なポイントと言っても過言ではありません。
潮が引いている、いわゆる「干潮」の時間が長ければ長いほど砂浜が露出している時間が長いということになります。
それはすなわち浜辺で貝を見付ける時間が長くなるということであり、貝を多くゲットできるチャンスが増えるということなのです。
ゴールデンウィーク前後が潮干狩りのシーズンのようなイメージがあるのは、春が干潮の時間が長いシーズンだからなのです。
ちなみに、秋も干潮の時間が長いのでそういった意味では秋も潮干狩りのベストシーズンだといえます。
ただ、秋口は気候的に寒い日が多くなってきますので海でのレジャーはあまりおすすめではありませんね。
取った貝を食べるまでにするべきこと

潮干狩りで取って持って帰ってきた貝は、食べる前に下処理をする必要があります。
自分たちで取った貝を美味しく食べるために、どのように下処理をしていけばいいのかご紹介していきましょう。
貝の下処理とは

海で貝を取ってきた場合、下処理として「砂抜き」をする必要があります。
砂抜きとは、貝を海水(塩水)に数時間漬けて砂を吐かせるという下処理方法のことです。
砂抜きの方法
基本的には海水、または塩水に漬けるものなのですが、それは海に生息しているあさりや河口(海水と淡水が入り交ざっている場所)に生息しているしじみなどの場合です。
その場合、一番理想的なのは貝を取ってきた海の海水を使うことなのですが、海から海水を持って帰ってくるのは難しい場合もあるでしょうから塩水でも全く問題ありません。
塩水で砂抜きをする場合に最も重要となるのは「塩加減(水に対する塩の分量)」です。
およそ海水と同程度の塩加減にしなければなりません。
そのときの目安は「水300mlに対して食塩10g(3パーセント)」です。
また、淡水に生息しているイシガイやマシジミなどの貝の場合は水道水のような真水に漬けてください。
貝を水に漬け置く際は、貝が重ならないようにしなければならないので十分な大きさのバットなどを用意しておくのがいいでしょう。
海水(塩水)は、貝の頭が少し出るくらいの量を注いでください。
冷暗所に置いておく必要があるので、理想的なのは冷蔵庫内に入れておくことです。
それが難しい場合は、室温の低い冬であれば冷蔵庫内での保存でなくても光を遮断してくれる新聞紙などを上から被せてあげるだけでも大丈夫です。
砂抜きするのに必要な時間

潮干狩りで取ってきた貝の場合は、一晩じっくり置いておくのがいいでしょう。
しかし、たとえばそれがスーパーなどで買ってきた貝なのであれば2~3時間ほど漬け置くだけでも問題なく砂抜きが出来ます。
しかしこの砂抜きをたった5分でしてしまえる方法があるというのです。
上でご紹介した通り砂抜きは水を使って行うのが基本なのですが、これを「お湯」に変えるとあっという間に砂抜きができてしまうのです。
お湯は45度~50度に温めたものを使ってください。
お湯を使って砂抜きをする場合は、貝が完全に浸るまでお湯を注いでください。
お湯を使うということで、やはりいくつかの貝は開いてしまいますが、結局後々熱を加えて調理するのであれば問題ないかと思います。
お湯に漬けたままの状態で貝同士をこすり合わせればもっと早く砂抜きをすることができます。
5分という短い時間での砂抜きとなると、しじみやあさりのような小さな貝だと完全に砂抜きするのは難しく食べた時に砂が残っているという確率もまあまあ高いみたいです。
ですが、はまぐりのような大きめの貝は比較的ちゃんと砂が抜けていて食べてもじゃりじゃりとすることが少ないようです。
時間が無く急いでいる、一刻も早く取ってきた貝が食べたい、という場合にはこの時短方法を使って砂抜きをすればよいです。
ただし、やはり一晩漬け置いて砂抜きした貝の方が調理後美味しくなりますので、時間に余裕があるのであれば一般的な方法での砂抜きをおすすめします。
砂抜き時に注意しなければならないこととは

貝を海水(塩水)に漬けて時間を置けば砂抜きが完了するわけですが、漬け置いた貝をすべて食べてもいいわけではありません。
食べてもいい貝か、食べられないかいなのかを見極めなければならないのですが、それは貝の開き方を見ることで判断することが出来ます。
食べられない貝というのは、すなわち死んでしまっている貝ということになります。
死んでしまっている貝というのは絶対に食べられないというわけではありませんが、貝は死んでしまうと菌が繁殖してしまいます。
なので、死んだ貝を調理することで全体的に味が悪くなってしまったり、それを食べてしまうと食中毒になってしまう危険性があったりするのでおすすめはしません。
死んでいる貝を見分ける方法とは

では、どのようにして貝が死んでいるかどうかを判断すればいいのでしょうか。
- 火を通す前の段階で貝の口が開いてしまっているかどうか
- 貝同士をごしごしとこすり合わせ、貝の口が半開きになるかどうか
- 貝同士を当てて、低くて鈍い音がするかどうか
- 火を通した(熱を加えた)段階で貝の口が閉じたままかどうか
以上のどれかひとつでも当てはまるようであればその貝は死んでいるので、食べないようにしてください。
しかし、ごく稀に死んでいても熱を加えたときに貝の口が開く貝もあります。
なので、貝が死んでいるかどうか判断するのは熱を加える前の段階から行わなければなりません。
潮干狩りで取れた貝を美味しく調理しましょう

潮干狩りで自分で取って帰ってきた貝を美味しく食べるにはどんな食べ方があるでしょうか。
潮干狩りで取れる代表的な貝を使った料理をご紹介していきましょう。
あさりを使ったおすすめの料理
あさりといえばまず思い浮かべる料理が酒蒸しではないでしょうか。
他にも和食であればあさりの炊き込みご飯やしぐれ煮、洋食であればボンゴレビアンコなど幅広く調理することができます。
しじみを使ったおすすめの料理
しじみを使ったレシピといえばまずお味噌汁を思い浮かべる方が大半なのではないでしょうか。
そんなしじみもしぐれ煮や炊き込みご飯にしたりとあさりと同じく汎用性がある貝だといえます。
しじみにはアミノ酸の一種である「オルニチン」という物質が含まれており、肝臓の機能を高めてくれるので二日酔いの予防に効きます。
なので、お酒を飲みすぎたときにはシメでしじみ料理を食べるといいでしょう。
ハマグリを使ったおすすめの料理
ハマグリはあさりやしじみと比べると大きな貝なので、醤油を垂らして網焼きするだけでも十分美味しく食べることが出来ます。
網焼きの他には、クラムチャウダーにしたりアクアパッツァにしたりと、洋風なレシピの食材として使っても美味しく食べられます。
潮干狩りでゲットできる主な貝の種類
あさりが一番ポピュラー!

潮干狩りでゲットすることのできる貝の種類って、どんなイメージがあるでしょうか。
アサリやハマグリを思い浮かべる方が多いかと思います。
アサリは潮干狩りをするうえでゲットできる最もポピュラーな貝で、お味噌汁の具や酒蒸しとして食べるのが一般的な貝です。
ハマグリはアサリより一回り大きい
ハマグリはアサリよりひと回りほど大きく、バターをのっけて醤油をかけて焼く、焼きハマグリが美味しいです。
では、他にはどんな貝をゲットすることが出来るのでしょうか。
まずはマテ貝です。
日本の南部にはマテ貝も多い
マテ貝の生息地は一応北海道から九州までの日本各地とされていますが、実際には東北よりも南部の方だといわれており以北の地域ではあまりお目にかかることができないみたいです。
マテ貝は細長い形が特徴的で、焼いたり煮たり、酢の物や佃煮にしたりと様々な方法で食べることのできる万能な貝なのです。
次にゲットできるのはバカ貝です。
バカ貝の名前の由来とは?
ちょっと独特な名前の貝ですが、こちらもマテ貝同様にお刺身や揚げ物としてなど様々な方法で調理をして食べることができます。
貝殻の形はアサリやハマグリと似ていて大きさはハマグリほど、色は赤や茶褐色のものがあります。
潮干狩りで貝を沢山取るためのコツ

潮干狩りには家族連れや数人連れだって友人同士で出かけるのが一般的ではないでしょうか。
海岸にいる潮干狩り客はみんなライバルだと思ってコツを把握したうえでみんなで貝を探さなければ、沢山取るのはなかなか難しかったりします。
貝を大量にゲットするコツ

潮干狩りに挑むにあたって持ち物の準備だけ万端でも、コツをつかんでいなければ大量にゲットすることは難しいです。
海岸に到着したらまず、貝が多く生息しているであろう場所を探してその場所をキープしなければなりません。
砂浜が少し盛り上がっている場所があれば、そこには多くの貝が潜んでいる可能性が高いです。
海の水が当たる側とは反対側の斜面とその麓部分を探してみてください。
また、海藻が多く打ち上げられている場所にはプランクトンも沢山おり、そういった場所には貝も沢山生息している可能性が高いのです。
最近では人気の潮干狩り会場などは管理されている場合が多く、そういった場所では貝が無くなってしまうのを避けるために撒くなどして人工的に貝を賄っていることもあります。
そういった場所で潮干狩りをする場合は、貝がひとつ見付けられればその付近に沢山隠れている可能性もあるので注意深く探してみてください。
そして最も手っ取り早いのは、潮干狩り会場にいるスタッフの人に尋ねることです。
恐らく貝が沢山取れるポイントやコツをよく知ってらっしゃると思うので聞いてみるのもいいと思います。
潮干狩りに持っていくべきアイテム
潮干狩りに持参する道具には、「最低でもこれだけは絶対に持っていくべき」という必須アイテムがあります。
- 熊手(スコップ)
- アミやザル
- クーラーボックス
熊手(スコップ)
まずは、砂浜で貝を探すのに必要となってくるのが熊手です。
熊手を持たず素手で砂浜を掘り起こして貝を探すということも可能ですが、単純に疲れるのでおすすめしません。
金属製の熊手は丈夫なのでいいですが、もし小さいお子さんを連れて潮干狩りに行くのであれば安全性を考えてプラスチック製の熊手でも全く問題ありません。
プラスチック製の熊手であれば、潮干狩りのシーズンになると100均の棚に並びますし簡単に手に入れることができます。
ただ、シーズンものなのですぐに売り切れてしまうという可能性もありますので早めに準備しておきましょう。
熊手が無い場合はスコップでも砂を掘り起こせるので代用可能ですが、スコップで掘り起こした砂の中に貝が混ざっていないかどうかをいちいち確認しなければならないので熊手に比べると少し面倒です。
アミ・ザル・ネット
ふたつめは、熊手で取った貝を入れるのに必要となるアミ若しくはザルです。
ザルでしたらご自宅に必ずと言っていいほどあるかと思いますが、潮干狩りに持ち出すと砂まみれになるので、それを後々自宅で使用するのに抵抗がある場合には潮干狩り用として用意された方がいいかと思います。
こちらも、100均でキッチン雑貨のコーナーなどに並べられているのですぐに手に入れることができるでしょう。
貝には砂が沢山付着しているので、その砂を払うためにアミやザルで濾すというイメージをしていただければいいかと思います。
アミやザルの目があまり細かすぎると砂が落ちてくれませんし、逆に網目が大きすぎると貝も一緒に下に落ちてしまいますので、アミやザルの上に貝が残り尚且つ砂は落ちるくらいの目の大きさのものを用意してください。
クーラーボックス
三つ目は、取った貝を持って帰る際に必要必要となるクーラーボックスです。
貝が入れられればなんでも問題無いと思われるかもしれませんが、スーパーなどで手に入れることが出来るビニール袋などでは水漏れしてしまう可能性が考えられます。
また、バケツなどでは貝の生臭い臭いが放出されてしまいます。
公共交通機関を使っていれば周りの迷惑になってしまいますし、マイカーの場合には水が漏れることで汚れてしまったり生臭い臭いが染みついてしまう可能性があります。
クーラーボックスであれば水漏れする心配もありませんし、密封性が高いので臭いが漏れる心配もありません。
また、持ち帰る際にはクーラーボックスの中に海水を入れておくようにすれば家に持ち帰るまで状態良く保存することが可能です。
服装で気を付けるべき点
UVカットの帽子・日焼け止めクリーム
ゴールデンウィーク頃にもなると段々と日差しが強くなってきます。
長時間直射日光に当たっていると肌にも目にも良くありません。
ですので、ツバの大きな帽子やサングラス、日焼け止めクリームは必須アイテムかと思います。
UVカットのサングラス
また、いくら天気が良くてもやはり海に長時間浸かっていると寒くなってきてしまいます。
そんなときのために、薄手の長袖パーカーがあれば寒さも凌げるのではないでしょうか。
足元に関しては、基本的には濡れてもいい靴を用意してください。
マリンシューズ・ウォーターシューズ
濡れても問題ない靴と言えば長靴を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、長靴だとかがみにくかったり万が一中に水が入ってしまったら動きにくくなってしまいます。
ですので、潮干狩りをするうえでベストなのはサンダルではないかと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。潮干狩りには道具を揃えてコツを抑えておくなどして万全の態勢で臨めば、多くの貝をゲットできることでしょう。
しかし、その取って帰ってきた貝を美味しく食べるためには砂抜きが上手く出来るかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。
しっかり時間をかけて砂抜きをし、美味しい貝料理を堪能してください!
最後までお読みくださり、誠にありがとうございました。
潮干狩り・貝について