• センマイの部位はどこ?
  • 焼肉でもセンマイの肉はおすすめ?

牛肉って部位が20種類以上もあります。

その中でもセンマイという部位の肉を食べたことがありますか?

実はこれ、あっさりした味で女性にも人気の部位なのです。

センマイの部位はどこ?焼肉でもセンマイの肉はおすすめ?

 

このコラムではセンマイの部位がどこか、焼肉でもセンマイの肉はおすすめなのかなどについてご紹介していきたいと思います。

センマイの部位はどこ?

そもそもセンマイとは牛肉のどこの部位なのかご存知ですか?

 

「センマイ」という名前だけ聞いても全くイメージがわかないし、想像がつかないのではないでしょうか?

 

地方によっては、センマイは雑巾とも呼ばれることもあるそうです。

 

確かに使い古して汚れた雑巾に見えると言われればそんな気もしますが、人間が口にするものなのにひどい言われようですよね。

 

センマイというのは牛の第三胃なのです。

 

は?第三胃って何?と牛のことをよく知らない方は余計に混乱したのではないでしょうか?

 

牛というのは、胃が四つもあるのです。

 

牛は反芻をします。

 

反芻というのは、一度噛んだ後に飲み込んだ食べ物を胃によって部分的に消化した後に、再び口の中に戻してまた噛んでから飲み込んでから食べるという行為です。

 

反芻をする動物は牛以外にも哺乳種類に何種類か言えます。

 

ヤギ・ヒツジ・キリン・バイソン・シカ・ヌー・アンテロープ(以上は反芻亜目)・ラクダ・ラマ(ラクダ亜目)なども反芻を行います。

 

牛はむしゃむしゃと草を噛んで食べた後にそんなことをしてるんですね。

 

第三胃であるセンマイは、第二胃からやってきた食べ物を大きいものは第二胃に送り返し、小さいものは第四胃に送り込むという役割を担っています。

 

また、センマイは反芻胃ではなく、栄養を吸収する役割もしています。無機物イオンや有機酸などを吸収します。

 

センマイという名前の由来は?

センマイという名前はそもそもどういう由来なのでしょうか?実はこれは結構単純です。

 

センマイとは漢字の「千枚」からきているのです。漢字で見るとなあんだ!という感じがしますよね。

 

第三胃は、内壁が幾重にもヒダになっており、重なっていることろからこの名前がついているのです。

 

醗酵物が通る胃になりますので、食べる場合は必ず徹底的な洗浄と下処理が必要になります。

 

他の三つの胃は?

第三胃がセンマイだとご説明しましたが、それでは他の三つの胃は何ていうのでしょうか?

 

実は第三胃のセンマイは胃の全体の10%ぐらいしかありません。

 

それについても簡単にご紹介しましょう

 

  • 第一胃 ミノ
  • 第二胃 ハチノス
  • 第四胃 ギアラ

 

第一胃・ミノ

このうち第一胃のミノは聞いたことがあるという方が非常に多いのではないでしょうか?

 

四つの胃の中で大きさは最大です。

 

牛が飲み込んだ食べ物が一番初めに送り込まれる胃ですから大きさも必要なんですね。

 

厚みがあり、白っぽく、クセも少ない部分です。

 

包丁で切り込みを入れるのですが、その時の形が蓑笠(みのかさ)に似ていることがこの名前の由来になっているそうです。

 

ただ、この説明って現代人にはピンと来ないですけどね。蓑笠(みのかさ)なんて普通見たことないですから。

 

センマイも含めた四つの胃の中でも一番噛み応えがあります。

 

ちなみに神話にミノタウロスっていう牛の怪物が出てきますよね。

このミノタウロスと第一胃のミノって何か関係があるのか思って調べてみましたが、関連性を示す情報は見つけられませんでした。

 

第二胃・ハチノス

第二胃のハチノスは名前の通り、これは名前の通り見た目が蜂の巣に似ています。

 

ハチノスは焼肉として焼肉屋で売られていることは少ないようです。

 

一般的にはイタリア料理のような煮込み料理や、中国料理に炒め物に使われることが多いようです。

 

長時間の下茹でが必要になり、食べるためには時間と手間がかかってしまいます。

 

十分に時間をかけてしっかり煮込むとハラミのような柔らかさになり、他の牛肉の部位にはない独特の食感が楽しめます。

 

焼肉屋さんで出てくる肉って普通生で出てきますもんね。

 

こんな風に下処理が必要ってなってしまうと焼肉屋のメニューにはあまり向いてないのかもしれません。

 

第四胃・ギアラ

第四胃のギアラは、報酬を意味するギャラという言葉が由来しているという説。

 

そして、偽の腹という意味の偽腹(ギバラ)がなまってギヤラと呼ばれるようになったという説があります。

 

実はもともとは第四胃である、ギアラだけが胃であり、第一胃ミノ、第二胃ハチノス、第三胃はもともと食道だったものが進化したものだそうです。

 

生物学上の意味から考えれば胃の役割を果たしているのはこの第四胃であるギアラのみなのです。

 

ギアラは見た目もほかの胃に比べて美味しそうに見えます。

 

見た目も他の胃のようにブツブツしておらず、滑らかで薄く、柔らかいです。

 

第三胃であるセンマイまで、大きい食べ物は全て小さくされてやってくるので、その分表面も薄くなっているのですね。

 

実際の味もその期待を裏切りません。脂もたくさん乗っていて、美味しいです。

 

また、関西ではギアラは赤ゼンマイと呼ばれているそうです。

 

名前の由来になっているように戦後に米軍基地で働いている人が報酬としてこのギアラをもらっていたという説もあるぐらいですから、牛肉の中でも特別においしい部位として人気があるんですね。

 

ハチノスとセンマイの間にあるヤン

四つの胃に関しては上でご紹介した通りなのですが、他にも胃の部位で食べられる部分があります。

 

第二胃であるハチノスと第三胃であるセンマイの間にはそれらをつなぐヤンという部位があります。

 

このヤンは一頭の牛からほんのわずかしかとれない希少部位なのです。

 

肉厚もあり、脂が多くのっていてコッテリしています。

 

クセは少ないのですが、脂身には甘みがあり、弾力があるので非常に歯ごたえがあります。

 

ヤンを食べる場合はしっかりとした下処理をすることが非常に重要になってきます。

 

せっかくので希少部位なので、食べるのであれば一番おいしくなるように処理していただきたいですよね!

 

焼肉でもセンマイの肉はおすすめ?

そんなセンマイですが、焼肉を食べる場合でもセンマイっておすすめなのでしょうか?

 

センマイの見た目は?

センマイは見た目は生々しいので初めて見たときはちょっとびっくりしてしまいますね。

 

見た目も地味でこんなの食べられるの?って初めて見たら思ってしまうかもしれません。

 

実はこの見た目だけでセンマイを敬遠してしまい、食べてみたことがないという方もたくさんいらっしゃいます。

 

センマイの味は?

人は見かけによらないとはいいますが、牛肉も見かけによりません。

 

見た目で敬遠して食べていない方、すごくもったいないことをしていますよ!

 

そのセンマイですが、実際食べてみると味は脂も少なめで結構あっさりしているのです。

 

またコリコリっとした食感も食べてみると癖になるようです。臭みもありません。

 

ただ、生の状態だったら強い臭みがありますが、ゆでることでこの臭みが消えるのです。

 

実はヘルシーなセンマイ

また牛肉の中でもカロリーが低いと言われているホルモンの仲間でも一番カロリーが低いのです。

 

ですから、ダイエットを意識している女性にもおすすめなのです。

 

また、センマイは低カロリーなだけでなく、鉄分を多く含んでいるのもポイントです。

 

鉄分には貧血予防効果がありますので、貧血気味の女性には健康にも良いと言える食材です。

 

鉄分の他にも良質のタンパク質も多く含んでいますので、貧血気味でない方にもおすすめです。

 

焼肉屋でセンマイは?

焼肉屋さんに行くとセンマイのことを黒センマイと呼んでいる場合もあります。

 

これはセンマイに鉄分が多く含まれており、色が黒っぽいことからこう言われるそうです。

 

また高級店ではこれに対して白センマイと呼んだりします。

 

高級感を出すために、表面の灰色の部分を湯むきして出しているのでこのように呼ばれるようです。

 

生ものとして食べられるセンマイですが、値段は生肝、ユッケなどと比べて安めになっています。

 

ただ、この生センマイも本当に生をそのまま出しているわけではなく、一度茹でています。

 

本当の生だったら臭みが強すぎてとても食べられないそうです。

 

センマイをおいしく食べるには?

茹でたものを生センマイとして食べることもできますが、もちろん他の肉と同様に火を通してもセンマイはおいしくいただけます。

 

焼く前のセンマイは柔らかくて、ふにゃふにゃした状態です。

 

まずは片面を7割ほど焼いてから、裏面も3割ほど焼くぐらいがちょうど良いようです。

 

この際、センマイに限った話ではないのですが、何度もひっくり返さないようにしましょう。

 

何度もひっくりかえることで肉のうまみ成分がどんどん落ちて行ってしまうのでとてももったいないのです。

 

センマイは焼き色が非常にわかりづらいのですが、元は柔らかくてふにゃふにゃなのが、形が整ってきたら食べごろです。

 

センマイにおすすめなタレは?

上でご紹介したようにうまくセンマイを焼いたとして、それをいただくにはタレも重要ですよね。

 

おすすめのタレは酢味噌です。

 

お店でセンマイの焼肉を出している場合は、これを用意している場合がほとんどでしょう。

 

これは味噌、赤唐辛子、醤油、お酢、砂糖を混ぜたものです。

 

なので、ご家庭でも簡単に同じものを作ることができますよ。

 

醤油と砂糖は隠し味程度なので、あまり多く入れすぎないようにしてください。

 

実際に作りながら、味を見てお好みの味になるように各調味料の量を調整して試行錯誤してみるとよいでしょう。

 

お好みで、ネギを細かくしたものやすりごまを混ぜてみてもおいしくいただけます。

 

たくさん作りすぎて余ってしまった場合はタッパーなどに入れて冷蔵庫で保存しておくのがよいです。

 

家庭でもセンマイを楽しめる?

焼肉屋に行けば食べられるセンマイですが、一般家庭で普通に調理し食べることはできるのでしょうか?

 

もちろん可能です。大きなスーパーや精肉店、ホルモン専門店などにいけばセンマイも取り扱っています。

 

どのように調理すれば食べられるかもお店の人に聞けばちゃんと教えてくれるでしょう。

 

特に鮮度によっては、刺身では食べられませんので、刺身で食べるつもりで買うならば事前に確認しておくことをおすすめします。

 

お店の人は鮮度が悪いときは、「刺身はやめておいたほうがよいので鍋用に」などとちゃんと教えてくれますよ。

 

また、近くに大きいスーパーや精肉店がない、あっても忙しくて良く時間がないという場合でも大丈夫です。

 

このご時世、我々にはインターネットがあるではないですか!

 

インターネットの通販でセンマイも普通に購入することができます。楽天などで探してみるとよいでしょう。

 

通販ならば、色々よりどりみどりな中からお好きなセンマイをお得な価格で買うことができるでしょう。

 

まとめ

ここまで読んでみていかがでしたでしょうか?牛肉の部位って色々ありますね。

 

焼肉屋にいってカルビ、ロース、タンばかり食べている方が多い、というか私もそうなのですが、他にもおいしい部位がたくさんあるので色々食べないともったいないですよね!

 

センマイもぜひ一度食べてみたい部位ですよね。私も今度が機会があれば食べてみたいと思いました。

 

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