- カメムシの餌は?
- カメムシの幼虫は餌無しでも寿命は長い?
カメムシって臭く匂いを放ってる害虫ですが、カメムシについて調べてみたことはありますか?
カメムシってどんな餌を食べるの?カメムシの幼虫ってどんなので、エサがなくても寿命は長いの?
このコラムではカメムシがどんな餌を食べるのか、カメムシの幼虫がエサがなくても長生きできるのかなどについてご紹介していきたいと思います。
そもそもカメムシってどんな虫?
名前は存在は知らない人はいないとは思いますが、カメムシってどんな虫なのでしょうか?
まずはそこから調べてみました。
カメムシというのはカメムシ目(半翅目)・カメムシ亜目(異翅亜目)に属する昆虫のうちの、カメムシ科など陸生昆虫の総称なのだそうです。
悪臭を放つことから「クサムシ」や「屁こき虫」などという俗称も存在します。
昔から人に忌み嫌われていることがよく伝わる俗称ですよね。
またカメムシは英語は「stink bug」と言います。
stink=臭い、bug=虫なので、ようは「臭い虫」ってそのまんまの意味で分かりやすいですよね。
ちなみに中国語では「椿象」といいます。
この中国語の由来は、香椿と呼ばれるセンダン科の落葉高木に似ているという意味から来ているそうです。
この香椿は若芽に独特の臭いがあるのです。
要するに臭い植物みたいに悪臭を放つ虫って意味で、この名前がつけられたってことですよね。
このように英語や中国語の由来を調べてみても、カメムシは人類の嫌われ者であることがうかがえますよね。
カメムシはなぜ害虫なのか?
カメムシといえば、害虫として知られていますが、なぜ害虫とされているのかご存知ですか?
悪臭を放つからだと思いましたか?
実はそれだけではないのです。
カメムシの植物などのエキスを吸い取って、その組織をダメにしてしまうのです。
この行為によって農作物に被害を与えているので、害虫とされているのです。
カメムシが被害を与えている農作物にも色々あります。
イネ、ミカンなどの果樹、野菜などです。
イネの例であれば、イネの若い籾からカメムシがエキスを吸ってしまうと、そこからお米ができても茶色になってしまうそうです。
この状態のお米では、確かに売り物にならなくなってしまいますし、農家の方は甚大な被害を被ってしまいますね。
この事実はご存知でしたか?
実は私は恥ずかしながら今回調べてみるまではまったく知りませんでした!
悪臭を放つだけならば、スカンクも危険を感じたら屁をするので有名ですよね。
単に家に住み着いて気持ち悪いだけで、毒を持っているわけではなく、人に何の害も及ぼさない虫のことを「深い害虫」といいます。
不快害虫の例としては、カマドウマ、クモなどがいますね。
カメムシはこれらとは違って、ゴキブリと同じ仲間のれっきとした「害虫」なのです。
カメムシはなぜ臭いのか?
それではカメムシはなぜあのように強烈な悪臭を放つのでしょうか?
カメムシは、胸部第三節である後胸の、腹面にある臭腺から悪臭を伴う分泌液を飛散させているのです。
この液にはアルデヒド・エステル・酢酸・炭化水素が含まれており、その臭いの主成分はヘキサナールやトランス-2-ヘキセナールというものだそうです。
カメムシがその悪臭を放つのは、外敵から身を守るためです。
また、あの悪臭を放つ分泌液はそれを出しているカメムシ自身にとっても有害なものだそうですよ。
悪臭を放った後のカメムシを密閉空間に閉じ込めておくとカメムシ自身がその毒で死んでしまうそうです。
まさに、外敵から自分の身を守るために死に物狂いであの悪臭を放っているという事ですね!
また、集団になっているカメムシでもそのうちの一匹が悪臭を放つと他のカメムシは慌ててその場から逃げ出していくようです。
益虫とされているカメムシもいる
ただ、面白いことにカメムシとの名の付くものが全て害虫かというとそうではないのです。
中には害虫を食べてくれるので、害虫の逆、すなわち益虫とされているカメムシもいますよ。
アブラムシやアザミウマを餌とする肉食のハナカメムシ類は益虫とされて、そういった害虫に対する天敵として利用されているようです。
人気のあるカメムシもいる
害虫ではなく、益虫とされているカメムシがいることは上でご紹介しましたが、もっと面白いことに人間、昆虫収集家に人気のあるカメムシもいますよ。
それは「ジンメンカメムシ」という種類のカメムシです。
その名の通り、背中の模様がまるで人の顔のように見えます。
このジンメンカメムシはその模様の面白さからペンダントなどの形にされてお土産ものとして売られているそうですよ。
海外ではカメムシが食用になっている例もある
益虫とされているカメムシや収集されてお土産にされているカメムシがいるだけでも十分驚きですよね!
ただそこで驚いてはいけないのです。
海外ではなんと、カメムシを食用にしている例もあるのです!
南アフリカ共和国やジンバブエ、ラオス、メキシコなどです。
一体どうやってあのカメムシを食べるのでしょうか?
アフリカの例ですと、まずは、熱湯をかけたり、内臓を取り除いて臭いを消しておくのだそうです。
内臓を取り除くって!あの小さなカメムシでまるで魚をさばくような感覚でやってるんですね!
その後によく茹でてから、日で干してから食べるそうですよ。
また、ラオスの場合だとそのままカメムシを食べたり、火を通して普通に食材として使用するそうです。
カメムシの種類によっては、食べた後に口の中が爽やかになるようなものあるそうですよ。
え!あの臭いカメムシが!と衝撃を受けてしまいました。
まあ考えてみれば、ゴキブリやカタツムリ、ザリガニなども食用のものが存在してるぐらいなのでカメムシを食べている人が広い世界のどこかにもいるんだなあと考えれば納得してしまいますよね。
パクチーとカメムシの関係
最近日本で人気になっているパクチーはご存知ですか?
なんでここで突然パクチーの話をしたかというとこのパクチーという野菜はカメムシとご縁があるのです。
それ何かというと、パクチーには「カメムシ草」という和名がついているのです。
これはパクチーを食べたらまるでカメムシを食べたかのような味がすることからそのような名前がついたそうです。
パクチーは中国語では「香菜」と訳されます。
字を見れば想像はつくと思いますが、香りが強烈な野菜という意味からきています。
そんなパクチーとかあの苦いことで有名な沖縄のゴーヤのゴーヤチャンプルも人気になりましたよね!
・・・となるとそう遠くない将来カメムシを食用とするブームが日本に到来するのかもしれませんね。
というのは考えすぎでしょうか? 笑
カメムシの餌は?
カメムシはどんな餌を食べるのでしょうか?
というか食べるというより、吸っています。
カメムシは草食性のものが多いです。
上でご説明した内容と一部と湯福祉ますが、要は木の葉や茎、果物などに針状の口を差し込みその液を吸収します。
特にセリ科、イネ科の植物が大好物です。
また一部には肉食性のカメムシもいます。
全部が装飾ということではなく、肉食性のカメムシもいます。
肉食性のカメムシは昆虫や餌にしています。
イモムシなどのガ類を餌にするカメムシもいます。
また、一部の肉食のカメムシは昆虫などだけでなく、植物も餌とするタイプもいますよ。
カメムシの幼虫って餌は不要なの?
カメムシの幼虫ってどんなのかご存知ですか?
まず、カメムシは多くの昆虫がそうであるように卵から産まれます。
カメムシの種類によってその卵の色は様々です。
ガや蝶々のように、いったんサナギになってから成虫になるような過程はとらずに成虫へと成長していきます。
それでは、カメムシの場合、その卵からどのような過程を経て成虫になっていくのでしょうか?
卵から産まれた直後は1ミリ前後の大きさです。
5日ぐらいまでは、生まれた卵のそばでじっと動かず、カメムシの幼虫同士で集まってじっとしています。
その状態をカメムシの1歳幼虫といいます。
5日をすぎるとカメムシは2ミリ前後の大きさに成長します。
ここまで餌も全然とってないのに、生まれた時の倍程度の大きさに成長してるってすごいですよね!
その状態になって、ようやくを餌を口にするために周りを動き回るようになります。
ただ、まだまだ歩くことはできるけれど、あまり遠くへは移動しません。
なので、カメムシの幼虫は植物の表面にぎっしりと密集した状態で植物のエキスをとっている状態をよく見ることができますよ。
この状態をカメムシの2歳幼虫といいます。
6日目ぐらいになると、活発になってエサを得るべくもっと活発に動きまるようになります。
の状態をカメムシの3歳幼虫といいます。
この時点ではすでに4~5ミリ前後の大きさにまで成長していますよ。
この先は徐々に成虫のカメムシに近い形になっていきます。
まだ、この時点までは羽根はないのですが、その原型となるものが形になっていきます。
の状態をカメムシの4,5歳幼虫といいます。
このような成長を経てその後にカメムシは成虫になるのですね。
また、成虫になるまでに何度も脱皮を繰りかえしていくのが最後の脱皮でついに成虫になりますよ。
カメムシの幼虫はエサを必要としないのは生まれて初めの5日間のみの話で、その後はほかの昆虫と同じくエサを必要とするのですね。
カメムシの寿命とその一生は?
それでは、カメムシってどのぐらい生きるのでしょうか?
基本的に我々日本人が身近に目にするようなカメムシだと一年から一年半ぐらい生きます。
5~8月頃に産卵が行われ、そこから生まれて幼虫から成虫に成長していきます。
この産卵ではかなり数にばらつきはありますが、一度に10~100個ぐらいの卵を産むようです。
産卵された卵は1週刊~10日間ぐらいで卵から孵化します。
最もカメムシが活発に活動するのも5~8月頃です。
そして秋も終わり、11月頃には寒さに備えてカメムシは冬眠に入るのです。
カメムシは寒さに弱いため、冬は活動できないのです。
石の下や木の隙間などを暖かい場所を見つけてそこでカメムシは冬眠します。
また、我々人間の住んでいる家に入り込み、そこに暖かい隠れ場所を見つけ出して冬眠の場所に選ぶカメムシもたくさんいますよ。
夏にカメムシが大量発生するような家では、この冬眠の時点でカメムシが家の中に侵入しているのかもしれませんね。
そして無事冬を越して4~5月頃になると繁殖期になります。5~8月に産卵を終えるとカメムシは寿命を終えます。
こうして次の世代のカメムシに命のバトンを繋いでいくのですね。
まとめ
ここまで読んでみていかがでしたでしょうか?
カメムシが害虫だという認識はありましたが、それはカメムシが悪臭を放つからではなく、農植物などに被害を与えるからというのは私も全然知りませんでした。
それに一口にカメムシといっても、害虫と呼ばれるものから、益虫といわれるものやペンダントになってるような種類のカメムシまでいるんですね。
身近にいて、知っているつもりの昆虫でも調べてみると全然知らないことが色々でてきて面白いですよね!
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