- 見かけた時期でわかる?スズメバチの女王蜂の見分け方と特徴
- スズメバチの女王蜂は長生き?大きさや寿命は?
- スズメバチの巣を見つけたら?
スズメバチは、攻撃性も高く、刺されると死に至ることもあるのは、よく知られていますよね。
もし、あなたが見かけたスズメバチが女王蜂だったら。。。その周辺で巣作りをしている可能性も高いので注意が必要です。
スズメバチは、ほかの蜂に比べてもからだの大きなものが多く、また、社会性が発達している蜂でもあり、女王蜂を中心に大きな社会を作ります。
スズメバチの女王蜂を見かけたら、その周辺で巣作りしている可能性が高いというのはこのためです。
スズメバチに刺されて亡くなる方も多いといいます。
スズメバチの被害に遭わないためにも、スズメバチの女王蜂の見分け方や特徴などを知っておくと、いざというとき役に立ちますよ。
合わせて、スズメバチに刺されたときの対処法についてもご紹介していくので、ぜひ覚えておきましょう。
見かけた時期でわかる?
スズメバチの女王蜂の見分け方と特徴
スズメバチでなくても蜂を見かけただけで、ビックリしてしまいますよね。
蜂=刺されるというイメージがありますが、早く処置しないと命に関わることにもなるので、驚いてしまうのも無理はありません。
まずはじめに、スズメバチの女王蜂の見分け方や特徴についてお話する前に、簡単にスズメバチについてお話していきます。
スズメバチの生態とは?
スズメバチは、スズメバチ科スズメバチ亜科に属する昆虫です。
スズメバチ科は、4属67種が知られていて、日本にはそのうち3属16種類が生息していると言われています。
- スズメバチ属:7種
- クロスズメバチ属:5種
- ホオナガスズメバチ属:4種
ひと口にスズメバチといっても、何種類かのスズメバチがいるということですね。
世界でも最大種でもある『オオスズメバチ』、都会の生活にも適応している『キイロスズメバチ』がよく知られていますが、この2種類のスズメバチに刺される被害件数がとても多く報告されています。
スズメバチが人間を襲うのはなぜ?
スズメバチは、腹部に毒針を持ち、凶暴で攻撃性も非常に高いです。
人間だけでなく、大型の動物にだって攻撃をすることもあります。
スズメバチに刺されたというニュースを耳にすることもあると思いますが、日本では、年間10~20人もの人がスズメバチに刺されて亡くなるという被害に遭われているのだそう。
これは、クマやヘビなどに襲われる件数よりはるかに多いといいますから、決して侮ってはいけないといえますよね。
ですが、そんな攻撃性の高いスズメバチもむやみやたらに人間を襲うわけではありません。

スズメバチが攻撃してくる理由は、巣を守るため。
人間が巣に近づかなければ被害に遭うこともありません。
ですが、巣があることに気づかなかったり、キイロスズメバチのように都会でも生息しているスズメバチもいるわけですから、私たちの身近な場所で巣を作っていることもあるわけです。
スズメバチの女王蜂を見分けるコツ
都会でもスズメバチに遭遇することもあることから、私たち人間は、スズメバチからどうやって身を守ったらいいのか知る必要がありますよね。
先ほどお話したように、スズメバチの女王蜂を見かけたら、近くで巣作りをしている可能性がとても高いです。
でも、女王蜂とほかの働き蜂の見分け方ってあるのでしょうか?
スズメバチの女王蜂を見分けるコツがあるんです。
- 見かけた時期
- 大きさ
- 攻撃性は強いか
という3つです。
見かけた時期による見分け方
まず、いちばん最初に挙げた『見かけた時期』。

4~5月の春の時期に見かけたスズメバチは、女王蜂なんです。
実は、この春の時期には、スズメバチの成虫は女王蜂しかいないのです。
なぜ、春は女王蜂しかいないの?
蜂の巣作りは、働き蜂たちがせっせと作っているイメージがありますが、4月下旬から5月にかけては、越冬を終えた女王蜂が1匹で巣作りを始めているのです。
最初の働き蜂が羽化するまでの1ヵ月から1ヵ月半の間は、巣作りから産卵、育児、外敵から身を守るなど、すべて女王蜂が1匹でしなければいけないのです。
働き蜂たちが成長して立派に仕事ができるようになるのは初夏。
それまでは女王蜂は1匹で多くの巣を作ったりするわけですが、働き蜂が成長すると、女王蜂は巣にこもって産卵に専念することになります。
つまり、春の時期に見かけたスズメバチは女王蜂、それ以降夏の時期に見かけるスズメバチは働き蜂ということになるわけです。
梅雨の時期や秋口は大きさで見分けよう
春の時期はスズメバチの女王蜂しかいないので、この頃に遭遇したスズメバチは女王蜂と覚えれば簡単です。
ですが、梅雨の時期と秋口になると、見分け方が違っていきます。
梅雨の時期は、働き蜂の生育に成功して活動し始め、秋口になると、女王蜂にとって世代交代の時期になります。
つまり、これらの時期には、働き蜂や新しい女王蜂との区別が必要になるのです。

女王蜂と働き蜂、新女王蜂の見分け方は、大きさで判断しましょう。
大きさについては、また後ほどお話していくので、もう少し待ってくださいね。
スズメバチの女王蜂の攻撃性
刺さないというわけではないのですが、実は、女王蜂の攻撃性は低い可能性があります。
働き蜂に比べると、攻撃性は低く、こちらから刺激しなければ執拗に攻撃してくることはない、と言われています。
だからといって、まったく刺さないというわけではありませんし、スズメバチに遭遇すればパニックなって攻撃性が高いか低いかなんて、判断するのは難しいかもしれませんね。
見分け方の一つとして、スズメバチの女王蜂と働き蜂の攻撃性は違いがあることを覚えておきましょう。
スズメバチの女王蜂の特徴
スズメバチの女王蜂の見分け方についてお話しましたが、見分け方とともに、スズメバチの女王蜂の特徴についてもお分かりいただけたと思います。
最初のうちは女王蜂が1匹で巣作りやさまざまな作業をしなければいけないとか、働き蜂に比べると攻撃性が低いとか、そういった点も女王蜂の特徴ともいえますね。
ほかにも面白い特徴だと感じたのが、スズメバチの持つ毒針。
これは、女王蜂にも働き蜂にもありますが、この毒針は、産卵管が変形発達したもので、メスの蜂にはあるけれどオスの蜂にはありません。
また、スズメバチの女王蜂は、この毒針を産卵のために使い、メスとオスの蜂の産み分けすることができるんだそうです。
卵を産むときに有精卵だとメスである働き蜂が生まれ、無精卵だとオスが生まれることになります。
女王蜂と働き蜂になる卵は同じ
驚くことに、女王蜂として最初から決まっているのかと思いきや、女王蜂になるかどうかは、幼虫の頃に食べさせられた餌によって決まるんだそうです。
これもまた、面白い特徴でもありますね。
スズメバチの女王蜂は長生き?大きさや寿命は?
さて、つぎに、スズメバチの女王蜂の大きさや寿命についてです。
スズメバチの女王蜂は圧倒的に大きい
ほかの蜂に比べても、スズメバチのからだはとても大きいと言われていますが、女王蜂は働き蜂よりも一回りくらい大きさが違います。
- オオスズメバチ
働き蜂:27~40㎜
女王蜂:40~45㎜ - キイロスズメバチ
働き蜂:12~25㎜
女王蜂:25~28㎜
世界最大で獰猛といわれているオオスズメバチ、小型といわれているキイロスズメバチの大きさを挙げてみましたが、キイロスズメバチの大きさだけ見ても、かなり大きいですよね。
このからだの大きさで、羽をブーンと鳴らして飛んでこられたら恐怖しかないですよね。
スズメバチの女王蜂の寿命は約1年
まずは、スズメバチの一生はどのようなものか、見ていきましょう。
- 4~5月頃
越冬した女王蜂は、1匹で巣作りを始め、産卵や育児、外敵防御を行う - 梅雨の頃
多くの巣や働き蜂の生育に成功して、働き蜂が活動を始める(巣作りや幼虫の世話、狩りや外敵防御など)
女王蜂は産卵に専念する - 7~8月頃
巣は急成長して、働き蜂の数も数百匹位までになる - 9月頃
新しい女王蜂と配偶者のオスの生殖虫の生産が始まる
働き蜂の数も最大となり、巣に刺激を与えられると容赦なく攻撃をする - 10月頃
新女王蜂とオスは次々に巣を離れて、それぞれに異なる巣で育った配偶者と結ばれるようになる
新女王蜂は、オスから受け取った精子をお腹の中にある受精のうという袋にため込み、朽木や土の中で越冬する
簡単にスズメバチの一生を書いてみましたが、新しい女王蜂は夏から12月頃(種類によって異なる)に羽化をして冬眠します。

スズメバチの女王蜂の寿命は約1年。
とても短く感じてしまいますが、オスの蜂は、子孫を残すためだけの存在で、交尾に成功すると間もなく死んでしまい、また、働き蜂も冬眠はしません。
オスや働き蜂に比べると寿命は長いですが、それでも1年って、短いですよね。
スズメバチの巣を見つけたら?
さいごに、スズメバチの巣を見つけたときやスズメバチに遭遇してしまったときの対処法についてもお話しておこうと思います。
まず、スズメバチが人間に攻撃してくるのは、巣を守るためなので、なにもしなければ刺されることも回避できると思います。
ですが、いつどこから飛んでくるかも巣があるのかもわからない場合もありますし、こちらがなにもしなくても、手で払おうとしたり大声を出したりすると、攻撃されるおそれがあります。
スズメバチの巣を見つけたら、近づかない!
スズメバチは、種類によって異なりますが、基本的には雨風にさらされない温かい閉鎖空間を好み巣をつくります。
古い樹木や切り株の空洞などに作られることが多いですが、寒さに強いキイロスズメバチは、軒下や木の枝に巣を作ることもあります。

巣の近くには、必ずといっていいほど、スズメバチが飛び回っていますので、まずは近づかないのが第一。
また、スズメバチを発見した場合の注意点は、そーっと逃げましょう!
- スズメバチがこちらを意識していない場合
距離を保ちつつ、ゆっくりとその場を立ち去る - スズメバチがこちらを意識している場合
ゆっくりと身をかがめ、蜂とは逆の方へ立ち去る
※ 手で払ったり大声を出さないこと
スズメバチがこちらを意識している場合とは、まとわりつくような飛び方をしていたり、空中で止まって飛んでいる状態などです。
カチカチとアゴを鳴らす音が聞こえた場合、スズメバチが出すそ『警告音』です。
手で払ったり、大声を出したり、急いで逃げてしまいたくなりますが、刺激を与えないように立ち去りましょう。
そして、ご自分の土地でない場合はその土地の所有者に連絡する、ご自分の土地の場合であれば、駆除業者に駆除を依頼しましょう。
また、市町村によっては、役所が駆除をしてくれる場合もあります。
まずは、役所に相談してみるのもいいですね。
濃い色や香水など香りには注意しよう
聞いたことがあるかもしれませんが、スズメバチは黒や色の濃いところに攻撃をしてきます。
また、香りにとても敏感で、人間が好む匂いとスズメバチが好む匂いは似ているといわれています。
- 淡い色や白い色の洋服や帽子を着用する
- 強い香りものを持たない、つけない
香水や甘い香りの食べ物やジュースなど
バーベキューなど、アウトドアを楽しむときなどには、このようなことに気をつけるとよいですね。
巣を駆除しても1週間は要注意
巣を駆除してもらったからといっても、すぐに安心できるというわけではないのです。
駆除されても1週間位は、蜂が巣のあった場所にやってくることがあるからです。
このように、駆除されたときに巣や巣の近くにいなかった蜂が戻ってくる場合もありますので、駆除してから1週間くらいは巣があった場所に近づくときは注意してください。
もしスズメバチに刺されたら?
どんなに落ち着いて行動しても刺されてしまったら。。。まずは、近くに刺した蜂がいないか確認してください。
スズメバチは何度も刺してくるうえに、その毒針からは仲間へのフェロモンも分泌されていますので、仲間の蜂を呼んでしまう場合もあります。
- 刺された部位を指でつまんで毒を押し出す
口で吸い出すことは絶対にしない - 冷たい流水で傷口を洗い流しながら冷やす
もし持っていれば、抗ヒスタミン軟膏、ステロイド剤、タンニン酸水を塗る - 病院へ行くこと
早い処置が必要になりますから、すみやかに病院へいきましょう。
アナフィラキシーショックによる死亡が多い
スズメバチに刺されて亡くなってしまった場合、アナフィラキシーショックによるものがほとんどです。
過去に刺されたときに起こる症状で、早ければ刺されて30分後くらいには兆候が現れます。
- めまい
- 嘔吐
- 下痢
- 呼吸困難
- じんましん(全身)
- 顔面蒼白
これらの症状が早く出るほど危険ですので、そのような場合は救急車をすぐに呼びましょう。
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