- ホルモン焼き屋のメニューにある「ツラミ」ってどんな部位?
- 牛ホルモンのツラミの特徴は?
焼肉では赤身の肉も美味しいですが、最近はホルモンも男女問わず人気がありますよね。
ホルモンはどの部位もそれぞれの食感や味を楽しめる為、とてもホルモンが大好きという方が多いと思います。
みなさんは、ホルモンの『ツラミ』という部位をご存知ですか?
『ツラミ』という部位を初めて聞いた方もいらっしゃるかもしれませんね。
ここでは、ツラミの部位についてご紹介したいと思います。
牛ホルモンのツラミって何?どこの部位?
ホルモンとは何?
ホルモンとは、広い意味で内臓全般のことを指します。
ホルモンの部位としては、大腸、小腸、直腸などといった腸部分のことです。
そのホルモンには牛や豚、鶏などといったように、様々な動物のホルモンがありますが、ここで言うホルモンは牛のホルモンを指します。
また、ホルモンを食べるのは日本全国ではあるものの、これも東北や北海道などについては、牛のホルモンではなく、豚のホルモンが食されるのが一般的だそうです。
ツラミの部位はどこ?
牛のツラミの部位は、その名の通り、顔のお肉部分を指します。
- ツラミは牛の頬肉の部分になり、ゼラチン質がたっぷりでとても濃厚な味わい。
- 別名、「ホホ」「ホッペ」「こめかみ」とも呼ばれていて、煮込み料理などに利用されることが多い。
この部位はよくホルモン扱いとなっているようですが、テッチャンやマルチョウ、シマチョウなどといった部位と比べると、全く内臓っぽい感じはしません。
どちかと言うと、ハラミのようなあっさりとした感じがします。
だからこそ、ツラミが好きな方にとっては、とても癖になる味でもあり、また、希少部位でもあるのです。
牛と同じく、魚にもカマがあるように、頬あたりの身は身体の部位についている身と同じような味わいがすることから、牛のツラミも頬の肉とあって、あっさりとした味わいがあるのでしょうね♪
ツラミの食感や味は?
ツラミは小腸や大腸、直腸などといった部位のホルモンとは異なる分、ホルモンとされておきながらもとても食べやすい部位として知られています。
では、一体どんな食感で、どんな味がするのか気になりますね。

ツラミの食感や味についてご紹介します。
ツラミの食感は?
ツラミの食感は、若干他の部位とは異なり固めな感じがします。
そして、噛めば噛むほどにどんどん肉の味わいが増していきます。
特に薄切りにして焼くことで、適度な歯ごたえを味わいながら美味しく食べることができます。
しっかりと焼くと、味もしっかりと定着して美味しいと評判の部位です。
ツラミの味は?
ツラミの味は、とても濃厚です。
また、ゼラチン質があることで、脂には独特のコクもあり、他のホルモンの部位よりも断然食べやすく、味も深く美味しいです。
ツラミのおいしい食べ方は?
【ツラミを美味しく食べる方法】
味付けはとてもシンプルに塩ダレや塩コショウ、岩塩だけといったようにさっぱりとした味わいに仕上げて食べるのがおすすめ。
また、醤油にくぐらせても美味しい◎
もし醤油で食べる場合は、わさびをつけるとさらに風味が増して、わさびのピりっとした風味がパンチもあって好む方が多いのだとか♪
さらにさっぱりとツラミの風味を楽しみたい方は、ポン酢や柚子系のポン酢などをつけて食べてもより美味しくいただくことができます。
ツラミのおいしい焼き方は?
ツラミを美味しく食べるためには、「レア」な状態がベストだとも言われています。
レアというだけあって、ツラミの表面に軽く火を通し、焦げ目などがないような焼き方が良いそうです。
しかし、 レアな肉を食べることに抵抗のある方は特に、しっかりと焼く方向にしましょう。
それでも、「ミディアムレア」や「ミディアム」の範囲内にしておいた方が、ツラミの旨味が増すとも言われています。
あまりにもしっかりと焼きすぎることで肉質が固くなってしまう可能性もある為、程良い焼き加減を上手に調整してみてくださいね。
ツラミの部位を他のレシピで食べる
ツラミは、何も焼肉の網の上で焼くだけの食べ方ではありません。
実は色々な料理のレパートリーとして利用することができます。
ここからは、ツラミの部位を使用した料理レシピをご紹介します。
ツラミの昆布巻き
まさか肉と昆布!?などと思う方も多いかもしれませんが、実は昆布巻きと言えば、その中身はニシンですよね。
でも、そこにニシンではなく牛ツラミを入れてみると、何とも柔らかい食感で昆布とも不思議とマッチします。
材料
- ツラミ300g
- 早煮昆布50g
- かんぴょう8g
- 出汁800g
- 砂糖大さじ3
- 酒大さじ3
- みりん大さじ3
- 醤油大さじ3
- 早煮昆布を水に浸けて戻し、かんぴょうは水洗いした後、塩揉みを行い、その後水洗いをして塩を流し水をつけて戻してください。
- 早煮昆布の水気をキッチンペーパーで抑え、20cmの長さい切り、3〜4枚重ね20cm角になるように広げます。
- 広げた部分から手前3cm向こうにツラミの半量を重ね、昆布の手前から巻きます。
- かんぴょうでしっかり巻き、具材を鍋に入れ、出汁を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして20分煮てください。
- 煮汁がなくなったら、食べやすい大きさに切り、お皿に盛りつけましょう。
ツラミとジャガイモのサラダ
ツラミとジャガイモを風味豊かなアンチョビやマスタードで手作りしたドレッシングをかけて食べる一風変わったサラダです。
ツラミにジャガイモが絡み、口の中で面白い食感になります。
野菜も入っているので、ごはんのおかずにもなる上、お酒のお供にもなります。
材料
- ツラミ200g
- ジャガイモ3個
- にんじん1本
- ブロッコリー半株
- 玉ねぎ半玉
- レタス3枚
- ミニトマト適量
ドレッシング材料
- アンチョビ1.5尾分
- マスタード大さじ1
- ワインビネガー小さじ2
- 砂糖小さじ1
- 塩小さじ1/3
- コショウ少量
- 醤油1/2
- オリーブ油大さじ1と1/3
- ジャガイモは洗ってそのまま10分ほど茹で、にんじんも乱切りにした後、お鍋に加えて茹でます。
- 玉ねぎは薄切りに、レタスはお皿に式、ミニトマトはヘタをとっておきましょう。
- ドレッシング材料を順番に加えて混ぜます。
- フライパンを熱し、ツラミを炒め、塩コショウをした後ドレッシングを絡めてください。
- その中に玉ねぎを加えて混ぜます。
- ブロッコリーを鍋に投入して茹でます。
- ブロッコリーは緑色を保つために氷水でしめてください。
- ジャガイモの皮を剥き、一口大に切り分け、にんじんと共にドレッシングを作ったボールに加えて混ぜ合わせてください。
- 出来上がったらお皿に盛り付け、ミニトマトを添えてください。
ツラミとごぼうと里芋和え
ツラミは煮ることで和風の料理にもアレンジすることができます。
食物繊維が豊富に含まれたごぼうや里芋を使用して和えると良いでしょう。
材料
- ツラミ150g
- ごぼう1本
- 里芋6個
- 青ネギ2本
- 刻み海苔適量
- 醤油大さじ1
- みりん大さじ1
- 酒小さじ2
- 塩 少々
- 胡椒小さじ1/4強
- 里芋の皮を剥き、電子レンジで3分温めた後、マッシュポテト状にします。
- ごぼうは斜めに切り、水に浸してあく抜きを行い、青ネギは小口切りに、ツラミは一口大の大きさに切っておきます。
- フライパンにツラミを入れて焼き、その後にごぼうを加え、調味料をすべて加えて炒めます。
- その後、青ネギを加え、和えるように混ぜて器に盛り付けたら完成です。
ホルモンには歴史がある
ホルモンが生まれたのは
牛のホルモンを例えると、牛にはホルモンの部位だけではなく、色々な部位から様々な食感や味わいの肉がとられます。
それも、牛1頭に無駄が一切ないほどあらゆる部位の肉が食されています。
そんなホルモンですが、一般的に私たちがホルモンを食べるようになったのは、そこまで昔ではないと言われているのです。
実際には、ホルモンが食されていたという事実は、1941年の農水省告示に「牛及び豚の内臓等の最高販売価格」と文献に記されていることから、その頃、その時代には、すでにホルモンが一般的に普及していたことが分かります。

これには何だか意外性を感じますね。
ホルモンこそ焼肉の中で古い歴史があるような気がしていましたが、実際にはまだ100年にも満たないとは意外です。
ホルモンは煮込み料理から始まる
その後、明治後半頃になると、ホルモンは煮込み料理として提供されていたそうです。
【戦前】
まだ串焼きや煮込み料理として食べることが主流で、現代のような焼肉の際に網焼きするというスタイルは戦時中から始まった。
【戦時中〜戦後】
食糧難の時代こそ、安価で手に入る牛のホルモンは手軽に提供されるためにも、網焼きスタイルに変化し、これが現在の焼肉の基盤となることとなった。
【1950年代】
食肉牛としての牛の生産量が圧倒的に増え、結果的に焼肉屋さんにおいて、ホルモンがメニューに加わり、高度成長時代が重なったことで焼肉はとても人気の食べ物として世の中に拡大していった。
しかし、焼肉は、現在もそうですが、当然、網で肉やホルモンを焼けば、当たり前のように煙が立ちます。
煙を不快に思わないのは男性陣だけであり、女性や子供はあまり好んで受け入れられる食べ物ではなかったようです。
無煙ロースターにより焼肉が一気に拡大
時代は移り変わり、日本で焼肉という食べ物やホルモンという食べ物が発展していくにあたり、「無煙ロースター」が開発され、この焼肉による煙から解放されることになりました。
それからは女性や子供にも焼肉という食べ物が受け入れられるようになったそうです。
そして、1970年代に、焼肉用のタレが発売されたことにより、焼肉は「お店で食べるもの」から「家庭で食べるもの」として定着しました。
そして1991年に牛肉自由化により、牛肉の価格が一気に下がり、誰でもどこでも気軽に焼肉を食べることができるようになりました。
焼肉のスタイルはタレ
現代は、焼肉を食べる際は、タレをつけて食べる方式は日本式の焼肉のスタイルとされています。
また、家庭で食べる焼肉に使用される焼肉のタレには、実に様々な味のラインナップがあります。
近所のスーパーへ行けば、同じ焼肉のタレであっても、辛口、甘口が選べるだけではなく、焼肉に合うとされるポン酢、また、タレ以外にも、塩や岩塩でシンプルにいただくといったスタイルに変化を遂げています。

これはホルモンにも同じことが言えます。
ホルモンを食べる際も、タレにつけて食べるのはもちろんですが、あっさりとした食感と味を楽しむためにも、岩塩がとても人気であったりするのです。
私がホルモンを食べる時は、タレにつけて食べる食べ方と、岩塩をつけて食べる食べ方の両方を楽しみます。
タレの濃さに食べ飽きたら、一旦味を変えて岩塩にすると、また違った肉の味やホルモンの味を楽しむことができますよ♪
まとめ
いかがでしたか?
ツラミの部位について、食感や味、美味しい食べ方などをご紹介するとともに、ホルモンの歴史やツラミを使用したその他のレシピなどをご紹介しました。
ツラミは焼肉として網の上で焼くだけではなく、同じ焼くにしても、美味しく食べるタレにこだわるとより美味しくいただけますね。
また、味わい方をさっぱりとした味わいにしたい場合は、ポン酢やわさび醤油などといったものをチョイスして食べるとより一層ツラミを美味しくいただけることがわかりました。
ツラミは頬の部位の肉であることで、ゼラチン質も多く、味も濃厚である為、多くの方が好むホルモンの部位と言われています。
美味しい食べ方として、他にも様々なレシピをご紹介しているので、ぜひ、ご家庭でそのようなレシピも作ってみてください。
ホルモンや焼肉の部位について