• 七夕の短冊には書き方や決まりがある?
  • 短歌や俳句を書く短冊の歴史や作法は?
  • ご祝儀袋の短冊はどう使えばいい?

短冊というと、七夕で竹に飾り付ける紙のことを思い浮かべる人が多いと思います。町内会で七夕祭りをしたり、幼稚園や学校で七夕の飾りをつけたりするところもあるでしょう。

そんな時、短冊に何を書けばいいのか、どう書けばいいのか、ちょっと迷うことありませんか?

また、短歌や俳句を書く細長い紙も短冊と言います。

 

これから、短歌や俳句を始めてみようとか、書道を習っていると短冊に短歌や俳句を書くこともあるかもしれません。

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さらには、ご祝儀袋にも短冊が入ってますね。

「この短冊、どうやって使うの」と思う人、意外といるのではないでしょうか。

 

そんな時、作法を知っていると便利ですよね。これらの短冊の書き方、願い事の書き方を紹介します。

【短冊の書き方】
ご祝儀袋や願い事を書くときに作法がある?

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短冊を書くときには作法があるのでしょうか。

まずは、短冊とは何か、そして由来について説明します。

 

短冊とは何か

短冊
  • 元々は紙や薄い木の皮などを使用し、今で言うタグのような目印、簡単な通信の働きをするもの

 

後には、礼紙(らいし)と呼ばれる白紙で包まれたり、紙縒りにして見えないようするひねり文となり、神仏に願いを掲げたり、クジや占い、呪術に使用されるようになりました。

 

そのために、短冊を認めるには礼儀や作法が必要とされるようになったと言うのです。

 

そして、短歌や俳句を詠む際に用いられる装飾がほどこされた長い紙のことも短冊と呼ぶようになりますが、その書式にも古くからの慣例とされる作法があるのです。

 

現代では、主に七夕の飾りに使用される折り紙を切った細長い紙を、短冊と呼んでいます。

 

七夕短冊の由来と書き方

七夕短冊の由来

七夕と言うと、天の川をはさんで、織姫と彦星が一年に一度だけ7月7日に会えるという星の伝説がまず、思い浮かびますよね。

七夕の伝説は中国が発祥ですが、中国には機織りの名人だった織姫にあやかって女性たちが裁縫や手芸が上達するようにとお祈りをする風習があったそうです。

それが奈良時代に日本に伝わり、宮中の女性たちは7月7日の織女星が輝く日にお供え物をしていたそうです。

その際に裁縫や手芸で使う糸を供えていたのですが、それが庶民にまで広まると、高価な糸ではなく紙を切って供えるようになりました。

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それが七夕短冊の始まりだと言われています。

江戸時代に入ると、「裁縫や手芸が上手になりたい」という願い事が、自分の習い事の上達を願うという広範囲なものに変化していきました。

 

それが、現代の七夕につながっているのです。

 

七夕短冊の書き方

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七夕の短冊には五色の色があるということを知ってましたか?

これも中国の陰陽五行説から来ています。

 

「世の中の根源は、木、火、土、金、水の五つの要素である」というのが、陰陽五行説です。

 

この五つの要素から五色が来ており、それぞれの色に意味があるのです。

 

  • 木=青⇒人間としての魅力向上、善い行いをする
  • 火=赤⇒両親や先祖への感謝
  • 土=黄⇒人間関係を大切にする
  • 金=白⇒決まりや義務を守る
  • 水=紫⇒学業の向上

短冊を書く時は、自分の願い事にあった色を選びましょう。

 

書き方は、よく「~がうまくなりますように」と、お願いするような感覚で書く人がいますが、これでは願い事が叶う確率は低くなってしまいます。

 

書く時は、ずばり「~できる」「~になる」と断言することが大切です。

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また、マイナスの言葉は使わないということも大切です。

例えば、「小さな家から引っ越す」は「大きな家に住む」と、ポジティブな書き方をしましょう。

 

断言したり、前向きな書き方をすることで、自分の意思も変わってきます。

 

七夕の短冊に「~~がほしい」とクリスマスのように欲しいものを願い事として書いている人もいますが、七夕の由来を知ると、短冊は自分自身の向上を願って書くものだということに気がつきますね

 

短歌や俳句の短冊とその書き方

短歌、俳句短冊の歴史

七夕の短冊も元をたどれば古い歴史があることがありましたが、短歌や俳句を書く短冊は、平安時代から鎌倉時代にかけて今日のような形に作られたと考えられています。

 

平安時代に短冊に歌を書くようになり、鎌倉時代にはそれが一般的になりました。

 

短歌、俳句用の短冊の形を作ったのは誰かというのは、諸説あるようです。

 

鎌倉時代末期の公卿、歌人であった藤原(二条)為世であるという説が有力。

短冊は懐紙を縦に8等分したものと言われており、「色紙短冊」とも呼びます。

 

ちなみに、色紙は懐紙を十文字に4等分したものです。

 

懐紙は平安時代にすでに存在しており、今で言うとメモ用紙、ハンカチ、便箋など多様な働きをしていました。

 

色紙を作ったのは、藤原為世の曽祖父である藤原定家とされ、鎌倉時代初期の歌人です。その後、150年近く経って、定家の曾孫である為世が今度は短冊を作ったのです。

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藤原家がいかに日本文化に大きな影響を残したかが分かり、興味深いですね。

 

短歌、俳句の書き方

短冊に短歌を書く時は、「三つ折り半字がかり」と言われる作法があります。

 

三つ折り半字がかり
  • 短冊を三つ折りにします。
  • この場合の「三つ折り」は「三ヶ所に折り目をつける」ということで、短冊を4等分にすることです。
  • 短冊を実際に折る訳ではなく、目算で短冊を4等分にして下さい。

ここで歌を書き始めますが、歌に題名がある時は、歌を書いてから題名を書きます。

 

短歌の上の句の最初の一文字は、一番上の折り目に文字の半分がかかるように書き出します。

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これが「半字がかり」の意味です。

短歌の書き方の作法
  1. 最初の一文字は一番上の折り目に文字の半分がかかるように書き出す
  2. 残り4分の3に2行で歌を書く(下の句は、上の句より少し下から書き出す)
  3. 1句、3句、5句で墨継ぎをする
  4. 署名(落款)は、5句で墨継ぎをしたら、そのまま一気に書く
  5. 最後に歌の題名を書く(署名の上3分の1の空いているところに書く)

 

署名(落款)は、1行目の末字より少しだけ下がっているのが見やすいです。

 

短歌の署名は本名、俳句の署名は雅号を書くのが慣例です。

 

昔、女性が歌を書いた時、署名は短冊の裏側、右下の方にしたためていたそうです。厳密な決まりという訳ではありませんが、謙遜という女性の美徳の現れなのでしょう。

 

最後に歌の題名ですが、上3分の1が空いてますので、そこに書くようになります。題名がない場合は、そのまま空白にしておきます。

 

短冊に俳句を書く時は、短歌ほど作法があるわけではありません。基本は1行で書きますが、2行になっても問題はありません。

 

書き出しは短歌と同じように、上から3分の1あたりです。1句と3句で墨継ぎをするのが基本です。

 

ご祝儀袋の短冊の作法と書き方

短冊は2枚、1枚使う?

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ご祝儀袋の短冊は、何枚か入っている場合があります。

「寿」「結婚祝」などの文字が入っていたり、無地のものもあります。

 

ご祝儀袋には1枚の短冊を使うのか、2枚の短冊を使うのかという意見があるのですが、特に決まりはありません。

 

ただ、今は2枚を重ねて使うということを知らない人が多いでしょう。

 

関西は2枚使うことが多く、関東は2枚重ねると縁起が悪いと、地域によって慣習が違うので注意してください。

 

2枚重ねる時はノリで軽くくっつけておくと、すべらなくていいですよ。

 

短冊に書く事は?

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すでに文字が書かれている短冊は「寿」を使うと無難です。

「祝御結婚」と4文字書かれているものは避けましょう。「4」は不吉な数ですので、お祝い事には向きません。

 

自分で書く場合

無地に自分で書く場合、短冊の十分上の方から文字を筆ペンで書きましょう。

そして、水引の下の部分に自分の名前を書きます。

連名書きは2名までとされています。

 

それ以上になる時は、代表者の名前を書き「外一同」と書くのが一般です。

 

まとめ

短冊と言っても、色々な種類があることがわかりました。そして、それぞれの短冊で由来や書き方があります。

普段、何も知らずに習わしとして書いている短冊でも、その由来、歴史などを知り、作法がきちんとわかると、今までとは違った気持ちで書く事ができるのではないでしょうか。

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今年の七夕では、願い事が叶うかもしれませんよ。

 

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