- キイロスズメバチの持つ毒性はどのくらい強いのか?
- 刺されないためにできることってなんだろう?
全国でスズメバチによる被害件数が後を絶ちません。
毎年平均50人くらいの方がスズメバチに刺されて命を落としています。
中でも、最も死亡者数が多かったのは1984年で、73人という記録もあります!
【年齢階層別】
- ~39歳(0.5%) ▪40歳-49歳(5.4%)
- 50歳-59歳(14.1%) ▪60歳-69歳(24.9%)
- 70歳-79歳(27.0%) ▪80歳~(28.1%)
―厚生労働省人口動態調査による―
このように何人もの命を奪っているのが、スズメバチ属の中でも特に危険と言われている『キイロスズメバチ』が関係しているのです。
日本全国に当たり前に生息しているハチなので、見聞きした事がある方も多いかと思います。
しかし、毒性の強さや危険性という所までは、具体的に知らない方がいるのが現状です…。
今回の記事では、スズメバチ属の種類をいくつかピックアップして、キイロスズメバチの毒性を徹底解説していきたいと思います。
さらに!刺されない為に気を付ける事も紹介しますので、最後までお楽しみ下さい。
キイロスズメバチの毒性は
どのくらい強いのか?
スズメバチの中でも特に危険といわれている、キイロスズメバチ。
キイロスズメバチの毒性はもちろん、特徴などについてもお話していきます。
キイロスズメバチの特徴を身に付けておこう

まず、毒性の話を始める前にキイロスズメバチの特徴を知っておきましょう。
天敵となる相手の特徴を掴んでおくのは大事な事です。
体長
キイロスズメバチの体長は、スズメバチ属の中では小型サイズに入ります。
女王蜂は2.5㎝~2.8㎝、働き蜂は1.7㎝~2.4㎝くらいの大きさです。
外見
名前の通り黄色一色です。
性格
凶暴かつ神経質で、警戒心が強い性格です。
警戒心が強いわりに、一度目を付けた敵には執念深く攻撃を仕掛けてきます。
巣を作る場所
主に、屋根裏やカベの中などの閉鎖空間を好んで営巣します。
特に山の中やその周辺の家には巣を作りやすい傾向にあるので、注意が必要です。
キイロスズメバチはスズメバチ属の中で
何番目に毒性が強いのか?

日本に生息するスズメバチ属の種類は約7種類いると言われています。
- キイロスズメバチ
- オオスズメバチ
- コガタスズメバチ
- ヒメスズメバチ
- モンスズメバチ
- チャイロスズメバチ
- ツマグロスズメバチ
と、このような種類のスズメバチが生息しています。

これらの種類と比較して、キイロスズメバチの毒性を探っていきましょう。
最初に一種類づつ、毒性の強さと引き起こされる症状と共に見て行きます。
※毒の強さを星で5段階評価で表しています。
キイロスズメバチ【毒の強さ★★★★★】

刺された直後から激しい痛みが生じ、赤く腫れてきます。
初めて刺された場合は、数時間~一日の間に症状は治まります。
ですが、二回目以降もしくは数匹に刺された場合は、アレルギー反応が起こる事もあり、免疫が下がっている方や高齢者の方は、アナフィラキシーショックを引き起こすこともあります。
蕁麻疹・腹痛・おう吐などの全身症状が現れ、呼吸困難や意識障害の症状が出て死に至る場合もあります。
オオスズメバチ【毒の強さ★★★★★】

大顎で噛む力が強く、刺された時の痛みは蜂類の中で最強と言われています。
針を何度も突き刺してくるので、刺された瞬間から激痛と患部がパンパンに腫れてきます。
キイロスズメバチと同じように、アナフィラキシーショックを起こす可能性もありますが、死に至るケースはほとんど報告されていません。
コガタスズメバチ【毒の強さ★★★☆☆】
コガタスズメバチの毒性は強く無いので、命に関わるような症状は引き起こされません。

しかし、刺されると激痛と長引く腫れが生じます。
酷い方だと一週間は腫れが続くようです。
ヒメスズメバチ【毒の強さ★★☆☆☆】

ヒメスズメバチも毒性が強く無いので、深刻な症状が現れる事はありません。
性格が温厚なので、人間が刺される事も滅多に無いでしょう。
ですが、刺されると勿論痛みますし腫れます。
モンスズメバチ【毒の強さ★★★★☆】

意外と知られていませんが、モンスズメバチの毒は結構危険です。
刺されると数時間~数日間、激痛と腫れに悩まされ、患部には熱を持ちます。
アレルギー症状やアナフィラキシーショックを引き起こす事も稀にあります。
ただ、こちらが何もしなければ積極的に近寄ってきて攻撃してくる事はありません。
チャイロスズメバチ【毒の強さ★★★★☆】

毒性はそこそこ強く、刺されると激痛と腫れが引き起こされ、最悪死に至る事もあるかと思います。
ただ、チャイロスズメバチに限っては、人間を襲う事はほとんど無いんです。
基本的に攻撃的になる時は巣を襲う時で、キイロスズメバチやモンスズメバチを毒で一撃します。
ツマグロスズメバチ【毒の強さ★★☆☆☆】

沖縄のみに生息するツマグロスズメバチは、攻撃性が高く、毎年刺される被害に合う方が多いようです。
刺されると痛みや腫れは生じますが、一日で治まる程度なので毒性はそこまで強くは無いでしょう。

それぞれの毒性と症状を紹介しましたが、比較すると毒性の違いなどがよくわかりました。
やはりトータルで見るとキイロスズメバチが毒の強さと危険性の面では、一番と言えるのではないでしょうか?
ここまでくると、毒の成分についても詳しく知りたいと思います。
次の項目では、毒の成分に注目して見てみましょう。
キイロスズメバチが持つ毒の成分
キイロスズメバチ含めスズメバチ属の毒には、『アミン類』『低分子ペプチド類』『酵素類』『非酵素系神経毒』の約4種類もの成分が含まれています。
成分だけ聞いてもよく分からないと思うので、簡単に説明をまとめました!
- アミン類:激痛または強い痒みを引き起こす
- 低分子ペプチド類:赤血球の破壊や血圧低下
- 酵素類:組織障害
- 非酵素系神経毒:神経系に直接作用する

毒の成分を見て頂いて分かる通り、激痛だけでなく組織の破壊や神経系を刺激する毒も持っているのです。
これらの毒の成分は、アレルギー症状やアナフィラキシーショックを引き起こす危険性もありますので、処置が遅れると命を落とす事も十分にあり得ます。
蜂の種類によっては、痛みと腫れだけで済むものもいますが、キイロスズメバチに刺されるという事は命に関わる事なんだという事を頭に入れておきましょう!
蜂に刺されない為に
出来る事ってなんだろう?

日頃どんなに気を張っていても、相手はいつ何処からやって来るか分かりません。
もし、あなたがスズメバチに遭遇してしまったらどうしますか?
近くにある枝や手で追い払いますか?それとも走って逃げますか?

それらの行為は、余計に蜂を刺激して刺される事になってしまいます。
正しい方法はたった二つなんです!
- その場でしゃがみ姿勢を低くする
- 一切の動きを止め、出来る限り目を伏せている事
蜂は動くものに対して激しく反応し、敵だと勘違いしてしまいます。
なので、しゃがんでジッとしている事で、敵ではないと見なし離れて行ってくれます。
しばらくは、観察する為に周りを飛び回るかもしれませんが、決して動いたり逃げてはいけません。

なぜなら彼らは、時速40㎞の速さで飛ぶ事が出来るので、あっという間に追いつかれて刺されてしまうからです。
巣を見つけても蜂に気付かれていない場合は、ゆっくりその場から離れましょう。
キイロスズメバチについてのまとめ
キイロスズメバチの危険性を詳しくまとめましたが如何でしたでしょうか?

スズメバチ属の中で、最も危険な蜂で毎年死者を出す、恐ろしい蜂です。
この記事から、キイロスズメバチの特徴と遭遇した時の対処法の知識を身に付けて、刺されないように自分の身を守りましょう。
[…] 引用;perfectlife. […]
情報ありがとうございます