- 山菜のぜんまいとわらびの違いとは?
- ぜんまいとわらびの食べ方・処理・あく抜きのコツ
日本の中でも特に代表的な山菜であるとも言われている「ぜんまい」と「わらび」をご存知な方の方が多いですよね。
よく、和食で食べたことがある。という方も多く、日本の食べ物の中でもお馴染みの存在です。

でも、この「ぜんまい」と「わらび」のふたつは、本当によく似ているのです。
曲がっている?まっすぐ?!というくらいの違いしか見分けることができず、そこまで変わりはないのでは??なんて思ってしまいます。
しかし、「ぜんまい」と「わらび」は、その食べ方や下処理の仕方、さらにはアク抜きの方法も全て違うのです。それに、採れる旬の時期も異なるのです。
ここでは、山菜の「ぜんまい」と「わらび」の違いから、食べ方、下処理方法、アク抜きの方法についてご紹介したいと思います。
「ぜんまい」と「わらび」の違いとは?
わらび
わらびは、コバノイシカフマ科のシダ植物に属しており、草原や谷地、原野といった日当たりのよい場所に群生しています。
新芽は食用として私達の食卓を飾り、わらび本体にはぬめりがあって、全くクセのない味をしています。
わらびには、微量の発がん物質といわれている「プタキロサイド」が含まれている為、アク抜きは必ず行わなければなりません。
もしもアク抜きを怠ってしまうと「わらび中毒」になってしまうので特に注意が必要です。
ちなみに、「わらび餅」は、わらびの根から抽出されたでんぷんのわらび粉を原料としていた為、その名前が付いたとも言われているのです。
ぜんまい
ぜんまいは、ゼンマイ科のシダ植物で、山や野原の渓流の近くや水路の脇といった湿った場所を好んで自生します。
新芽が食用にされ、独特な食感がある山菜として知られています。新芽の外観でぜんまいとわらびの違いは、わらびには小さな芽が3つあります。
ぜんまいには、大きなうずまき状の芽が1つあります。機械の動力源として使用される「ぜんまいばね」は、ぜんまいに形状が似ている為、その名前の由来となったそうです。
ぜんまいとわらびの違いをチェック
| ぜんまい | わらび |
品種 | ゼンマイ科のシダ植物 | コバノイシカグマ科のシダ植物 |
採れる場所 | 山野の渓流の近くや水路の脇など 水気が多く湿った場所 | 草原、多日、原野など 日当たりのよいところに群生 |
旬の時期 | 3月中旬頃から6月上旬頃まで | 4月中旬頃から6月上旬頃まで |
価格 | わらびよりは高価 | ぜんまいよりは安価 |
このようにぜんまいとわらびの違いについて色々な観点から調べてみると、同じシダ植物でもそれぞれに違いがあることがわかりました。
同じような形状に見えることから、そんなに大きな違いはないだろうと思っていましたが、結構色んな点において異なるんですね。

それぞれぜんまいとわらびの価格については、わらびの方がぜんまいよりも低価格である傾向にあります。
これは、採れる場所がわらびの方が見つけやすく、群生で茂っていることから誰でも見つけやすく、大量に採取することができるからです。
一方で、ぜんまいは、水気が多く湿った場所でしか採取できないので、正直見つけることが困難を来すからと言われています。
何でもそうですが、大量に採取できればそれだけ私達は安価に手に入れることができ、どうしても少量にしか採取できなければ、ひとつひとつの価格が高騰してしまうのは致し方ありませんね。
ぜんまいとわらびのアク抜きの方法
ぜんまいとわらびは、どちらもアク抜きを行う必要があります。
ぜんまい
ぜんまいは、強いアクを持っている為、アク抜きを行ってもすぐに食べることができません。
アク抜きを行った後に揉んで乾燥させることの繰り返しが必要となります。
わらび
わらびは、アク抜きを行った後はすぐに調理をして食べることができます。
しかし、わらびの中には発がん性物質である「プラキロサイド」が含まれていることから、きちんと正しい方法でアク抜きを行う必要があります。
温泉旅行などに行くと、旅館で夕食を摂った際に出てくる山菜料理はどれも本当に美味しく食べることができます。しかし、あの料理には、かなりの時間や手間が掛かっているのだと思ってください。
そして、自身で山菜採りに出掛けた後、山菜料理を行う際は、美味しさを追求することができるよう、下ごしらえはしっかりと行うことが大切です。
ぜんまいとわらびを見分けるコツ
ぜんまい
ぜんまいは、ぐるぐる葉の先端を巻き、薄い茶色の毛に包まれています。見方によっては深緑の色合いのところもあります。
色を見たり、グルグル巻いている姿を見るとぜんまいであることが想像できます。
わらび
わらびは人の拳がたくさん集まったような形をしています。わらびの色は緑色か紫色です。
ぜんまいとわらびを簡単に見分けるには、まず、山菜そのものの色を見比べてみてください。
明らかに色が違うので、そこからぜんまいかわらびかを見極めてください。
ぜんまいとわらびの食べ方・下処理方法・アク抜きのコツ
春の山菜である「ぜんまい」と「わらび」の食べ方や下処理方法、アク抜きのコツをご紹介したいと思います。
ぜんまいの食べ方
- 天ぷら
- ナムル
- 炊き込みご飯
- お浸し
- 炒めもの
ぜんまいの下処理方法
ぜんまいを採ってきたら、先端部分についているふわふわした茶色い綿毛を取ります。綿毛のはしをつまみ、引っ張ると簡単に取れます。
それでも細かい毛がまだ残っているので、ゴム手袋や軍手を使用すると取り除けます。その後、綿毛を取り除いたぜんまいを水を張ったボールに入れ、汚れを取ってください。
ぜんまいのアク抜き

重曹や小麦粉を使用して簡単にアクを抜くことができます。
おいしく食べるためには一晩寝かすことも大切です。あまり長く茹で過ぎないように注意しましょう。
茹で時間が長くなると本来の食感が損なわれてしまう為、時間には注意してください。
わらびの食べ方
- わらびとふきとタケノコの白和え
- 山菜おこわ
- わらびと揚げのお浸し半熟卵のせ
- わらびとなめこのとろろそば
わらびの下処理

わらびの先にある葉の部分は、採取した時に先に取り除いておきましょう。
そして、わらびを採取したら、できるだけ早く下処理を行いましょう。これは、切断面の色が空気に触れることで少しずつ色が悪くなっていくからです。
わらびのアク抜き
わらびは水で洗います。お湯の中に重曹を入れ、沸騰させた後、お湯が少し冷めてからわらびにお湯をひたひたになるまで入れ、そのまま8時間待ってください。
水の色が緑色っぽくなったら一旦水を捨て、新しい水を入れ直してください。この水の入れ替えを2~3回行うと、水が透明になります。
毎日定期的に水を入れ帰ると長期間わらびが日持ちし、美味しく食べることができます。
まとめ
いかがでしたか?今回はわらびとぜんまいの違いや、食べ方、下処理方法、アク抜きのコツについてご紹介しました。
どちらも「山で採れる山菜」ではありますが、その品種や下処理の方法、また、アク抜きの方法については少し異なる点もあることが分かりました。

同じ春の山菜でも、採れる場所や旬の時期などにも様々な違いがあるのですね。
もうすぐ山菜の季節ですね。山菜採りに出掛けるという方は、ぜんまいとわらびの見分け方も楽しみながら山菜採りをするのも良いと思いますよ!
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